大阪府議会議員 かじき一彦 公明党

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平成20年9月定例会 住宅水道委員会

2008年10月7日

住宅瑕疵担保履行法に関連する府の対応について

質問

 昨(平成19)年の5月に公布をされ、来(平成21)年10月に本格実施をされます住宅瑕疵担保履行法では、宅建業者や建設業者に住宅の瑕疵担保責任の履行を確実にするため、保険料などの新たな負担が生じることになると聞いております。

 まず、この住宅瑕疵担保履行法が成立した経緯とその内容を教えていただけますでしょうか。

答弁
住宅まちづくり部居住企画課長

 住宅瑕疵担保履行法でございますけども、まずこの法律が成立した経緯についてお答えいたします。

 平成12年4月に住宅の品質確保の促進等に関する法律、いわゆる住宅品質確保法でございますけども、この法律が施行されまして、新築住宅につきましては、売り主である宅建業者と請負人である建設業者に対し、柱やはりなど住宅の構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分など、住宅のうち特に重要な部分について、10年間の瑕疵担保責任を負うことが義務づけられたところでございます。

 ところが、平成17年に発覚いたしました構造計算書偽装事件では、マンションの分譲業者に瑕疵担保責任を履行するだけの資力がなく、購入者は既存の住宅ローンに加え、新たな費用負担を強いられる事態が発生いたしました。

 このように、売り主や請負人の財務状況によりましては、住宅品質確保法で義務化された瑕疵担保責任が果たされない場合があり、この法律だけでは一般消費者の保護としては不十分であることが明らかになりました。

 このような背景のもと、瑕疵担保責任の履行を確実なものにし、一般消費者である買い主や発注者の利益の保護を図るため、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律、いわゆる住宅瑕疵担保履行法でございますが、この法律が制定をされ、来(平成21)年10月1日に本格施行されることとなりました。

 次に、この住宅瑕疵担保履行法の内容でございますけれども、施行日であります平成21年10月1日以降に引き渡しとなる新築住宅につきまして、売り主である宅建業者や請負人である建設業者に、保証金の供託または瑕疵担保責任保険への加入、いずれかの資力確保を義務づけられるものでございます。

 この法律によりまして、万が一売り主または請負人が、倒産などにより瑕疵の補修等ができなくなった場合でも、供託した保証金の還付または保険金によりまして、買い主または発注者に必要な費用が支払われることとなります。

質問

 この住宅瑕疵担保履行法により、保証金の供託または保険の加入が義務づけられるとのことでございます。この2つの制度の違いや必要となる費用等について御教示をいただけますでしょうか。

答弁
居住企画課長

 住宅瑕疵担保履行法では、補修や損害賠償の支払いが確実に履行されるための資力確保の手段として、先ほども申し上げましたとおり、供託と保険の2つがございます。

 供託とは、金銭や有価証券などを国の機関である供託所に財産管理をゆだね、その供託所を通じて債務弁済など、それらの金銭などを権利者に取得させる制度でございます。

 住宅瑕疵担保履行法における供託につきましては、住宅品質確保法で定められた10年間の瑕疵担保責任をカバーする必要がございますので、基準日、これは年2回、9月30日と3月31日でございますが、この日から過去10年間に引き渡した新築住宅の戸数に応じて算定した額の保証金を供託するものでございます。

 この供託額は、瑕疵の補修に要する費用の支払いが確実になされる額とするために、引き渡し戸数が多いほど供託額もふえていくこととなります。例えば、新築住宅を10戸引き渡す場合は3,800万円、100戸の場合は1億円となります。

 ただし、この引き渡し戸数が多いほど一戸当たりの額が逓減される仕組みとなっておりまして、1戸の場合は2千万円でございますが、100戸の場合は1戸当たり100万円となります。

 なお、経過措置によりまして、直ちに過去10年分ということではなく、法律の施行日である平成21年10月1日以後、基準日までの引き渡し戸数が対象となります。

 次に、保険でございますが、これは国土交通大臣が指定する住宅瑕疵担保責任保険法人との間で保険契約を締結するものでございまして、保険料につきましては、これは個々の指定保険法人によって保険料の算出方法が異なるわけでございますが、指定保険法人の一つでございます財団法人住宅保証機構の場合では、床面積が100平米から125平米の戸建て住宅1戸で約8万円となっております。

 これは、供託に比較いたしますと安価でございますけれども、供託では10年後に供託金を取り戻すことが可能でございますが、保険料は掛け捨てとなります。また、供託のように供給戸数が多いほど保険料が逓減するという仕組みには、必ずしもなっておりません。

 また、資力確保の時期について比較いたしますと、供託の場合、契約を結ぶごとに供託する必要はなく、新築住宅引き渡し後、最初の基準日までにまとめて供託すればよいこととなっておりますが、保険では、保険会社による現場検査が必要であることなどから、物件ごとに工事着手前に保険加入する必要がございます。

 このように、供託と保険は、その性格や取り扱いが異なりますことから、事業者は、事業規模などを考慮しながら、供託にするか保険にするかを選択することとなります。

質問

 住宅瑕疵担保履行法では、新築住宅の売り主である宅建業者や請負人である建設業者が、資力確保義務の対象であるとのことであります。

 中小や零細企業が多い建設業者は、経営規模の大小にかかわらず資力確保を義務づけられるのでしょうか。

答弁
居住企画課長

 住宅瑕疵担保履行法では、さきに御答弁いたしましたとおり、一般消費者の保護を目的に設けられた法律でありますことから、資力確保が義務づけられるか否かは、新築住宅を引き渡す宅建業者や建設業者の企業規模の大小によって決まるものではございませんで、その引き渡し先が、専門知識を有する業者であるか、一般消費者であるかによって決まるものでございます。

 具体的には、本法に基づき資力確保が義務づけられますのは、一般消費者に対して直接新築住宅を引き渡す宅建業者及び建設業者でございまして、例えば建て売り住宅の場合を申し上げますと、宅建業者は、一般消費者に住宅を販売することからこの法律の適用を受け、資力確保が必要でございますが、建て売り住宅を建設した建設業者は、宅建業者にこの住宅を引き渡すこととなりますことから、本法の適用を受けず、資力確保の必要はございません。

 なお、この場合におきましても、建設業者は、さきに御答弁いたしました平成12年に既に施行されております住宅品質確保法に基づく10年間の瑕疵担保責任そのものまで免れるものではございません。

質問

 この資金に余裕のない中小の建設業者などは、資力確保の手段として保険を選択することが多いと考えられます。保険の場合、着工前に保険に加入する必要があるとのことですが、そうしますと、保険料を含めた資金計画を考え直さなければいけないことになります。

 このように、企業経営に重大な影響を及ぼしかねない住宅瑕疵担保履行法につきまして、十分な周知啓発が図られているのでしょうか。

答弁
居住企画課長

 今、委員御指摘のとおり、住宅瑕疵担保履行法の施行により事業者に保険料などの新たな負担が生じ、経営に与える影響も大きいことから、本格施行に先立ちまして、事業者に本法の内容を十分に情報提供することが重要であると認識しております。

 本法の周知につきましては、国が、本(平成20)年7月、建築工事、大工工事の許可を有するすべての建設業者、これは全国では約25万社、うち大阪では約1万5千社でございますけれども、こういった建設業者及び宅建業者、こちらは全国で約13万社、うち大阪では約1万3千社でございますが、これらの業者に対しまして啓発パンフレットを同封したダイレクトメールを発送いたしますとともに、法律に関する相談窓口として住宅瑕疵担保履行法専用ダイヤルを設置したところでございます。

 あわせまして、国土交通省職員による事業者向け説明会が、現在、大阪において九回にわたって実施されているところでございまして、ダイレクトメールの内容をわかりやすく解説いたしますとともに、事業者からの要望、質疑に対応しているところでございます。

 さらに、これら国の活動に加えまして、本府におきまして住宅瑕疵担保履行法を紹介したホームページを開設し、また府や府内市町村の建設住宅関係窓口でパンフレットを配布するほか、本(平成20)年8月には、関西、大阪の主要な建設、宅建業団体八団体を個別に訪問いたしまして情報提供を行うとともに、事業者への周知状況や法施行に係る今後の課題などについてヒアリングを行うなど、現場の声の情報収集にも努めているところでございます。

 なお、本法で定められました資力確保措置の届け出などの具体的な手続につきましては、いまだ取り扱いの詳細が示されていないものもございますことから、これらについて早期に明らかにされるよう、引き続き国に働きかけてまいりたいと存じます。

 今後とも、国や市町村、関係団体と密接に連携を図りながら、とりわけ中小企業への周知という観点を特に留意しながら、あらゆる機会をとらえ、制度の周知啓発に努めてまいります。

質問

 建設、宅建業者向けの周知にさまざまな努力をされていることにつきましては、評価をしたいと思います。

 一方で、この住宅瑕疵担保履行法の第35条には、国及び地方公共団体の努力義務として、新築住宅の買い主の利益保護を図るため、必要な情報及び資料提供を規定しております。

 住宅は、人生にあって最大級の買い物です。構造計算書の改ざんによるマンションの耐震偽装に始まった今回の一連の流れは、消費者保護の観点から大きな前進でありますが、住宅の買い主となる一般消費者の間では、まだまだ知られていないように見えます。

 今後は、業者向けだけでなく、消費者向けの周知啓発にも関係諸団体と連携して取り組まれますことを要望いたしまして、次の質問に移ります。

2008年10月7日

府営住宅への火災警報器設置について

質問

 平成16年度に消防法が改正をされまして、住宅の居室に火災警報器の設置が義務づけられたところです。この法律につきまして、概要をお聞かせいただきたいと思います。

 また、消防庁によりますと、全国で住宅火災による死者数が建物火災の死者数の九割を占めている上、住宅火災による死者数が増加傾向にあるようです。

 平成15年から18年まで毎年1,000人以上が亡くなっていることや、またこの死者の約6割が65歳以上の高齢者で、今後も増加のおそれがあることなどが今回の法改正の背景にあると思われますが、この府営住宅における年間火災発生件数もどのようなものか、あわせてお答えをいただきます。

答弁
住宅まちづくり部住宅管理課参事

 まず、法規定の概要でございますが、平成16年6月の法改正、平成18年の6月の施行に伴いまして、新たに住宅の寝室等において火災の発生を未然に、また早期に感知して知らせる住宅用火災警報器の設置が義務づけられ、新築住宅では平成18年6月着工分より、既存住宅は平成23年5月31日を限度に、市町村が条例で定める期日までに設置を完了することとされたところでございます。

 なお、共同住宅などで既に自動火災報知設備を設置している場合は、免除されているところでございます。

 大阪府内における既存住宅の設置期限は、泉佐野市が平成23年3月31日、その他の市町村が平成23年5月31日となってるところで語ざいます。

 次に、府営住宅における火災発生件数でございますが、大体年間10戸程度発生している現状にございます。

質問

 府営住宅といいましても、建築された時期ですとか建て方によってさまざまございます。実際、どれくらいの台数を設置する必要があるのでしょうか。

答弁
住宅管理課参事

 管理戸数約13万8千戸のうち、自動火災報知設備が設置されていない約11万2千戸が設置対象となりまして、約31万台の住宅火災警報器を設置していく必要がございます。

 設置する住宅用火災警報器は、電源工事が不要な電池式、これは10年間ぐらい使用に耐えるものでございますが、そういったものを設置していく予定でございます。

質問

 この設置計画というのは、どのようになっているのでしょうか。

 また、全体計画をつくるに当たりましての優先順位の考え方や、また今年度の発注状況についてお聞かせください。

答弁
住宅管理課参事

 住宅用火災警報器設置対象住戸の11万2千戸につきましては、今年度より3カ年で設置を完了する計画といたしておりまして、実施に当たりましては、高齢者や車いす常用者向けといたしまして特別に設計いたした住宅の占める割合が高い管理センター順に実施することといたしております。

 これを受けまして、今年度は、岸和田管理センター及び枚方管理センター管内の約3万6千戸を工事発注いたしており、現在、自治会への説明などの準備作業を進めているところでございます。

 今後、引き続き千里管理センター、中央管理センター、堺管理センターの順に実施してまいります。

質問

 今(平成20)年度は、この8月からの本格予算で計上されたところでございますが、財政再建プログラムの影響というのは出ているのでしょうか。

答弁
住宅管理課参事

 厳しい財政状況ではございますが、法令で義務づけられ、設置期限が決められていますことから、入居者の安全安心を守るため、3カ年ですべての対象住戸に設置を完了するということにいたしております。

要望

 消防庁がまとめたところによりますと、平成18年に発生した住宅火災百件当たりの死者の発生率というのが、住宅用火災警報器が設置されていない場合では7.7人で、この火災警報器が設置されている場合は2.4人となっており、住宅用火災警報器が設置されることにより、およそ3分の1に減少していることがわかります。

 アメリカですと、1970年代後半、火災によって約6千人の死者が発生していたそうですが、住宅用のこの火災警報器の設置が義務化され、その普及率が90%を超えた2002年には、死者が3千人とほぼ半減しております。

 火災警報器を設置する効果は大きいものがあると考えられますが、一方で消防職員や市町村職員に見せかけた悪質な訪問販売が後を絶たないと聞いております。

 府営住宅には、高齢者の方が多く住んでいらっしゃいます。計画どおりに火災警報器を各住宅に設置をしていただくとともに、これまでも悪質な訪問販売にだまされないよう入居者向けの広報紙で周知徹底を図られているとのことですが、今後とも引き続き啓発活動を続けられますことを強く要望しておきます。

2008年10月7日

水道部の危機管理対策について

質問

 水道は、私たち府民の日常生活に欠かすことのできないライフラインであり、万が一長時間にわたり断水となった場合、社会機能を維持することが困難となり、その影響ははかり知れないものがあります。

 ことしに入って中国四川省の大地震のほか、日本でも岩手・宮城内陸地震を初め多数の地震や局地的な豪雨など災害により甚大な被害が発生をし、人々の生活に不安を与えております。このようなさまざまな危機事象に対し、水道事業体ではこれまで以上の備えが必要だと考えます。

 水道部の危機管理対策の一環として、私は昨(平成19)年9月のこの定例議会で、大阪府と大阪市の水道の応援給水訓練を実施するよう提案をし、平成20年2月に実施されたところであります。

 今回は、この危機状況に対する計画づくりなどソフト面での対策状況についてお伺いをしたいと思います。

答弁
水道部調整課長

 まず、ソフト面での対策状況はどうかというお尋ねでございますけれども、水道の危機管理事象といたしまして、地震を初め停電、あるいは水源での薬品の流入などの水質に関する事故、それと風水害などが想定されます。水道部では、かねてからこういう事象ごとに対策マニュアルを策定いたしまして対応を行ってまいりました。

 特に平成7年の阪神淡路大震災や地下鉄のサリン事件などを契機といたしまして、危機管理の重要性が改めて認識され始めまして、それ以後さまざまな取り組みを水道部でも行ってまいりました。

 平成12年度には、危機管理の基本的な考え方をお示しした危機対策要領を策定いたしまして、以後これに基づきまして、それまでの各種対策マニュアルを改定するとともに、その体系化を行ってまいりました。

 現在は、この体系化いたしました要領ですとかマニュアルによりまして危機管理事象に応じた対応を適切に行いますとともに、危機管理能力の向上を図るべく種々の訓練も実施しているところでございます。

 そのほか、職員は、危機発生時の対応を取りまとめた大阪府水道部職員防災必携を常時携帯することにしておりまして、こういう状況で危機の発生に備えておるというところでございます。

 また、危機時における府民への給水活動などの支援体制の強化を図るため、水道事業体のOB職員のそれまで培ってまいりましたノウハウを生かしたボランティア活動でございますけれども、災害時支援協力員制度を平成十六年度に発足させ、導入してきたところでございます。

 さらに、府内市町村ですとか近隣−−近畿の都道府県レベルでございますけれども、そういう用水供給事業体などと相互応援協定を締結しておりまして、特に昨年度は大阪市、御質問の中にもございましたけれども、大阪市水道局と相互援助に関する協定に定める連絡管の利用につきまして、共同で訓練を実施したところでございます。

 そのときには、現場での作業手順ですとか施設の動作確認を中心に訓練を実施したところ、おおむね全体的には良好でございましたけれども、協定で定めております水量の確保などに課題を残しまして、今後ともこの確認を兼ねた訓練を行うこととしております。

質問

 この水道部の危機管理対策でありますが、水道部危機管理対策要領を初めとして、さまざま取り組まれているようであります。

 水道部では、危機が発生したときに、どのような体制をとるのでしょうか。

答弁
調整課長

 どのような体制かでございますけれども、水道部では、危機への適切な対応のため、まずその状況に応じた危機のレベルを設定しております。

 水道部の一般的な危機のレベルの考え方でございますけれども、小規模の漏水のように1カ所の出先事務所で対応が可能なような最も低いレベルを1号といたしまして、大規模な災害、あるいは淀川での大量の油や毒物によりまして水道水の供給が停止せざるを得なくなるような、部全体を挙げて対応するレベルというのを最大のレベル3号とした3区分としております。このレベルに合わせた配備体制をしきまして、対応に当たっているところでございます。

 この危機レベルの判断は、所属長などあらかじめ定められた判断者が、危機の発覚後10分以内にその危機レベルを判断して、初動体制をしくこととしております。また、初動対応の能力強化のため、危機管理活動訓練を実施しておるところでございます。

 昨年は、危機に対する一連の連絡ですとか処置判断を複数の所属で連携して行う訓練を実施いたしました。この訓練は、非常に参加者が多く、一部で情報収集ですとか情報の共有化に時間を要するという課題が明らかになり、対応の改善を行うこととはなりましたけれども、職員の危機管理意識の向上を図るという点では、大きなメリットがあったものというふうに考えております。

質問

 危機レベルに応じて配備体制が確保され、マニュアル類も整備をされているようでありますが、何をいってもこの地震大国の日本です。地震に対する備えを万全にする必要があると思います。

 そこで、特に地震についてお伺いをいたします。

 プレート型の東南海・南海地震は、今後30年以内の発生確率が60%を超えているとのことです。また、直下型の上町断層帯地震では、発生確率は低いものの、地震が発生した場合には府内の60%以上が断水をするとの試算もあり、被害が甚大なものとなります。

 そこで、地震発生が勤務時間中でも、体制を整えるため一定の時間が必要でありますが、ましてや休日や夜間といった場合には、もっと時間がかかることが想定されます。水道部での参集体制、どのようになっているのでしょうか。

答弁
調整課長

 大阪府全体でございますけれども、地震の場合、震度6弱以上で職員全員が参集するということになっております。しかし、水道部におきましては、ライフライン事業者として府民に安全な水を安定して送り続けるため、早期に確実な対応を実施していく必要がございますので、震度五弱以上で全職員が参集することとしております。また、震度四では、水道部があらかじめ指定した職員が参集し、主要施設の状況把握などの対応に当たるということにしております。

 なお、水道部では、毎年、年度初めにこの地震を想定いたしました参集訓練を実施しております。この訓練は、公共交通機関が麻痺したということを想定いたしまして、到着後の初動体制の構築を行うものでございます。

 この訓練の結果を踏まえまして、参集場所によっては初動体制構築に必要な物品が不足しておるというふうなとこもございまして、その配備を行ったところでございます。

質問

 実際の大地震では、交通の遮断だけでなく、職員や家族も被災することで、早期に集まれない、参集できない場合も考えられ、初期体制の構築が困難になることが予想されます。

 そこで、近年、民間企業などでは、防災を主な目的とする計画から、初動体制を含めた危機への対応を確実なものとするため、想定される危機事象に対し、顧客などへの影響を最小限とする事業継続計画、いわゆるBCPという計画の導入が進んでおります。

 このBCPという考え方は、20年以上前から提唱され、アメリカやイギリスなどで取り組みが進んでおりました。コンピューターのいわゆる2000年問題に向けて整備したこのBCPが、2001年9月11日、ニューヨークなどで発生をした同時多発テロのときに役に立ったという報告もございます。

 日本は、諸外国に比べ地震の発生確率も高く、また影響も甚大であることから、大企業を中心にBCPづくりが進められており、国や東京都を初めとする地方自治体でも取り組みが始まっております。

 このBCPとは、事前対応を初め災害発生後に、いつ、だれが、いつまでに、何を、どうするといったように、時系列的に詳細な行動をあらかじめ定めておくものであります。地震の場合なら、参集する職員も限定されると思いますので、限られた人員の中で最低限必要な業務を継続していくことや、事務機器類の転倒防止、窓ガラスの飛散防止などといった執務環境の確保方法なども定めておくことになると思います。

 これらにより、行動目標や役割分担が明確になるとともに、参集人員が少ない中でも速やかで適切な対応ができるものとなります。

 先ほど説明ございました水道部の危機管理対策要領やマニュアルなどに、このBCPの考え方というのは採用されているのでしょうか。

答弁
調整課長

 現在の水道部のマニュアル類では、危機発生後の対応につきまして、配備体制、状況把握、対策方針など、大きな行動の流れが記載されております。しかしながら、危機発生直後からの時間目標ですとか行動目標などについては、きめ細かく定めていないというのが現状でございます。

 例えば、地震の場合であれば、発生一時間以内、例えばでございますけれども、一時間以内で行わなければならない内容といたしましては、職員の安否、勤務中でございますれば、また家族の安否確認ですとか、現実に参集できる人数と時間を把握することが必要となってまいります。また、このため、その手段の確立もしておかなければならないということになります。

 また、参集いたしました人員は、執務環境を整えますため、まずは散乱した書類等の整理ですとか庁舎の点検などが必要となり、被害や応急復旧状況の把握及びその広報を段階的に行っていくこととなります。

 これらの初期対応につきまして、限られた人数でだれがいつまでにどう対応していくかというような目標時間や行動内容を、実際に要する時間を想定して設定していくことが重要となってまいります。

 また、委員御指摘の事務機器類の転倒防止など執務環境の確保に向けた事前対策につきましては、十分とは言えないというのが現状でございます。

 そのほか、水処理薬品ですとか復旧資機材、あるいは復旧のための工事業者さんなどの確保につきましての検討も必要になってくるというふうに考えております。

質問

 府民の命を支える水道、水を供給する水道部が、危機管理対策の充実を図っていくことが大変重要であると考えます。

 今、水道部のマニュアルについて御説明をいただきましたが、現状の水道部の対策では、災害時の限られた条件の中で迅速で的確な初動体制がとれるかというと、まだ十分でないように感じられます。

 そこで、水道部でこのBCPの考え方を導入し、危機管理対策の充実を図ることが必要ではないでしょうか。そのお考えをお伺いいたします。

答弁
調整課長

 水道は、府民の生活を支えるインフラでございまして、いかなる状況にあっても水道水を府民に安定的に供給することは、府営水道の最も大きな使命でございます。このため、地震等の災害時においても、断水といった事態を招かないよう、また万一断水になったといたしましても、速やかに送水を再開できますよう万全の備えを整えることが、ライフライン事業者としての社会的責務と認識しております。

 したがいまして、水道部では、現状の弱点を補い、危機管理対策を一層充実していくため、早期にBCPの考え方を導入すべきものと考えておりまして、今年度は、府民への影響が大きい地震を対象といたしまして、BCPの策定作業に着手しておるところでございます。

 また、この計画は、マネジメント手法の一つとして用いられます計画、実施、監視、改善というサイクル、いわゆるPDCAサイクルと呼ばれておりますけれども、これによりまして継続的に内容を改善していくことといたしまして、この体制の確立も含めまして、年度末までに策定すべく取り組んでまいりたいと思います。

要望

 気象庁によりますと、この10年間で、人的にも物的にも大きな被害が予想されます震度5弱以上で、日本やその近海で発生した地震というのが130回あるそうです。平均しますと、まず年に13回、月に1回以上どこかで発生していることになります。

 地震でさえこのような発生状況にある中で、他の危機事象につきましても、いつ、どこで、どのように発生するのか予測ができない。その中で、常日ごろから万全の体制を整えておくことが、水道事業者として最も大切なことだと思います。

 このようなことから、今、水道部の危機管理に対する認識やBCP導入につきまして御答弁をいただきましたことは、評価をしたいと思います。

 天災や人災ともにこういった危機が起きないことが最善であるのは当然ですが、答弁にございましたとおり、BCPを導入した後につきましては、このPDCAサイクルを確実に実施することで一層の危機管理対策に努められることを要望しまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。