大阪府議会議員 かじき一彦 公明党

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平成21年2月定例会 住宅水道常任委員会 知事質問

2009年3月19日

りんくうタウン事業について



質問

 まず、このりんくうタウン、平成元年3月にですが、「南大阪湾岸整備事業土地利用計画委員会」というところが、ごらんのとおり「交流とハイ・アメニティにあふれる臨空都市の形成『りんくうタウン』」という、こういう報告書をまとめました。これよくできた模型で、模型の向こうの大阪湾に夕日が沈むというものでございます。

 りんくうタウンの予定地、この赤い丸印が南海電鉄の羽倉崎駅です。ちょうど関西空港の対岸にあるわけですが、この海を埋め立てて、このようなまちをつくる、そしてまさにこう見ると、りんくうゲートタワービルは、まさにりんくうゲートタワービルになるはずだったというものでございます。この当時のりんくうタウンの人気ぶりをよくあらわした平成元年3月の新聞記事、これを見ますと、この信託銀行の担当者が、今都心で土地を買おうとしても、たばこ屋一軒が立ち退きに反対したら、こちらは地上げ屋と呼ばれる。海外で不動産を取得すれば、国際摩擦だ。それを考えると、胸を張って金をつぎ込める魅力をどの社も感じているはず。

 ですが、実際はどうだったか、もう言うまでもありません。これは、平成4年11月、まだ造成中のりんくうタウンですが、この平成12年、別の記事を見ますと、関西国際空港の開港前、すべてがバラ色になると浮かれ過ぎたと振り返る某シンクタンク研究員の声が紹介されております。

 バブル経済が崩壊という荒波の中で、一度は競うように土地を買おうとしていた民間企業が、今度は逆にこぞって撤退をし、方向転換を余儀なくされたわけでございます。そして、昨(平成20)年6月に公表されました財政再建プログラム案の検証を見ますと、りんくうタウンは848億円を一般会計から1,745億円を概成事業の利益などから繰り入れることで、府の負担、ロスを発生させたと指摘されております。

 一方で、報告書とは、先ほどの模型とはかけ離れた姿でありますが、新たにまちができたことでにぎわいが生まれたのも事実です。奥の建物、府大の獣医学科です。そしてまた、このように商業施設ができ、航空保安大学校が進出、新たにまちができたことでにぎわいが生まれたのも事実です。りんくうタウンが生まれたことの効果、効用をどのように評価されているのか、まずお考えをお聞きします。

答弁
橋下徹知事

 りんくうタウンに関しましては、いろんなところで大阪府の事業の失敗の代名詞のように言われてるんですけれども、これはいろんな経緯があって、確かに赤字の部分があったかもわかりませんが、担当部がよく頑張ってくれたと思いますね。今契約率が86%で、あれだけ目のかたきにいろいろされてるその地域の中で、僕も何度もここへ行ってるんですけれども、航空保安大学校や、それから府立大学の獣医学科ですか、それから家畜の衛生所とかいうのがまた来ますし、警察学校も今議会の先生方に御審議していただいてますけれども、警察学校もあちらのほうに建てると。本当にどんどん発展してきてまして、僕はこれは当時の決定やいろんなことに問題があったかもわかりませんが、その後、これは担当部、担当者、本当に目いっぱい頑張ってくれて、今もちらほらと誘致の話もありますので、非常に僕は前途明るい地域だと、損はあるかもわかりませんが、非常に明るい地域だと僕は思っています。



質問

 なぜ今ごろりんくうタウンなんだと思われるかもしれません。知事も、答弁の中でおっしゃったとおり、やはりきちんと、どんなことをやってきたのか振り返る必要はあると思います。知事の魅力、人気のもとは、何をいっても前へ前へ、そしてまた攻めて攻めてといった、こういう突破力、そこにあると私は思っております。

 ですが、過ぎたるはなお及ばざるがごとしとも言います。今から、また別の記事ですが、12年前の平成9年、大阪府や兵庫県内の大阪湾岸の埋立地がどれだけ売れ残っているか、そういったまとめ記事がありました。各自治体とも有効な手だてを打ち出せないままで、景気回復や政府の大型プロジェクトの波及効果を期待するしかないと論評。それに対し、当時の大阪府企業局は、関西空港は二期工事が着工されれば再び脚光を浴びるはずというふうに答えておりました。

 実際、この12年間振り返ると、知事も先ほど答弁をいただいたとおりです。それなりに一定評価のできるようなまちに育っております。そしてまた、今ベイエリアという言葉が大阪湾岸に対して、そこかしこで言われております。私、個人的なんですが、どうもこのベイエリアという言葉がなじめないんですね。どうもこのベイエリアという言葉の向こう側にうさん臭ささというか、バブル経済の甘い夢をもう一度というような願いが隠されているやないのんかなという懸念をしております。バブル経済と今と全然状況が違うやないか、そのとおりなんですが、歴史は繰り返すとも言います。

 人間のバブル経済の始まりは、オランダのチューリップバブルやと言われております。そこから始まって、バブルを何回経験したら気が済むんやろうかというぐらい人類、バブルを繰り返しております。膨れ上がってはじける、そんな愚を繰り返すわけには絶対いきません。

 そこで、何が大事か、やっぱり地に足を着けて物事を考えて、そこから将来を見据えるということなんやと思います。

 先日の国の提言、グリーンベイ・大阪湾の形成に向けた国際物流の横断的取り組みという提言を出されて、それを見ますと、陸海空のシームレスな物流の推進など省エネルギー、環境推進産業のさらなる集積による経済活性化ということがうたわれております。

 そこで、大阪府が手がけてきたこの大阪湾岸開発の一大事業、りんくうタウンを大阪湾岸地域の将来を考える上でどのように位置づけ、どのような役割を持たせようとしているのでしょうか。

答弁
橋下知事

 バブルを思い起こさせるという意味の御指摘なんですが、これはいろいろ行政のやり方、政治の手法、いろんなやり方がある中で、ベイエリアに関しては、以前ベイ法というのがあったらしいんですね、三セク方式でいろんな箱物をつくっていくと。ほとんど機能せずに、そのベイ法とは全く違う形にまちが再生されていってる、ベイエリアのまちなみというものは、ベイ法とは違った形になってると。僕は、ああ、こういうことなんだなというふうに思いました。

 といいますのは、何にもない状況で一定の何か、壮大な何か、白紙の状態で何の動きもない中で、いろいろ夢物語を語るんではなくて、そういうのはなかなかうまくいかないにせよ、世の中の流れに乗っかっていくとか、世の中の流れを後押しするのが、僕は行政の役割、政治の役割なんじゃないかなというふうに思っています。

 今はこの関西のベイのところに、これは幸か不幸か、ありがたいことに民間企業の頑張りで環境技術、また新エネルギーの産業というものが集積してきています。これは、世界でもかなり発信できる産業集積だと思うんですが、いわゆるグリーンベイというような一つのコンセプトに、無理やり行政がつくり出そうというんではなくて、今のこの民間の流れに乗っかるような形で、民間の流れを後押しするような形で、僕は行政というものがまちづくりに役割を果たすべきだというふうに思っていますので、このりんくうタウンを含めて、この関西ベイに関しましては、今のこの新エネルギー、環境技術、こういうものの産業集積を含めて、この流れを後押しするような、その軸になるようなそういうようなまちになっていけばというふうに思っています。ちょうど府立大学の獣医学科や、その家畜衛生−−ごめんなさい、正式名称ちょっとわからないんですが、そういうことも全部ひっくるめれば、グリーン、環境というものにもつながっていくんではないかというふうに思っていますので、関空の玄関口ということもありますので、非常に僕はこの関西ベイ、グリーンベイの基盤となるような地域になっているというふうに思っています。


要望

 くどいようですが、工学院大学の畑村教授という人が、失敗学ということを提唱されております。御存じだと思います。どうか歴史をきちんと振り返って、検証して、そして未来の糧にする、それでこそ知事の突破力というのも生かされるのではないかと思っております。