大阪府議会議員 かじき一彦 公明党

第4期

第3期

第2期

第1期

総務常任委員会質疑

2022年3月11日

国際金融都市

質問

 公明党府議会議員団の加治木一彦です。

 今日3月11日は、東日本大震災から11年目の節目でもあります。まず、お亡くなりになった方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、地域の復興に当たっていらっしゃる皆様に敬意を表するものであります。

 また、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになった方にお悔やみを申し上げますとともに、今現在、闘病されていらっしゃる方々には、一日も早い御回復をお祈りいたします。また、社会のあらゆる場面で支えてくださっている皆様に深く敬意を表するものであります。

 それでは、私、今日の質問では大きく8つのテーマを取り上げます。事前にお聞きしていますと、今回の委員会で答弁をするのが初めてですという課長さんがお2人いらっしゃいました。どうか緊張なさらずにお願いいたします。

 それでは、まず一個目のテーマであります国際金融都市についてお伺いをいたします。

 我が会派の代表質問で取り上げました国際金融都市OSAKA欧州向けオンラインセミナーが2月24日に開かれました。私も参加しておりましたが、1時間全て英語でのやり取りでしたので、改めて英語を勉強しなければならないと痛感しておりました。

 セミナーは、冒頭、吉村知事の英語での挨拶があり、大阪に進出した企業や大阪外国企業誘致センター--O-BIC、国際金融ワンストップサポートセンター大阪の方が登壇し、それぞれの立場から大阪の魅力や可能性などを紹介されました。

 初回である本セミナーに関し、参加者数やその反応など、どのように総括をされているのでしょうか、お聞かせください。

答弁
企画室副理事

 お答えいたします。

 お示しの欧州向けオンラインセミナーは、「急成長するアジアの金融ハブ・大阪」と題しまして、大阪への進出を検討している欧州の金融系企業等を対象に、万博、うめきたなどのプロジェクトを含め、大阪の魅力について理解を深めていただくことを目的としまして、現地のビジネスアワーに合わせて全編英語で開催いたしました。

 セミナーの開催に当たりましては、ビジネス特化型のSNSでありますLinkedlnやメールマガジン、在関西領事館等を通じた周知を行い、イギリス、フランス、スイス、デンマークなど11の国及び地域から約60名の御参加をいただいたところでございます。

 今回のセミナーは、視聴者参加型とするため、開催中にQ&Aの時間を設けまして、大阪に立地する海外スタートアップにどういったタイプのファンドや投資家が紹介できるのか、あるいはスイスのスタートアップエコシステムと何らかのパートナーシップを結んでいるのかなどの具体的な質問に登壇者から回答を行いました。また、実施後のアンケートでは、セミナーを通じて大阪への興味関心が高まったとの回答が多数得られたところでございます。

 このように、参加者からの反応もあるなど一定の効果を実感しており、国際金融都市OSAKAのプロモーションとして、セミナーを継続して実施していくことは有効な手段であると認識したところでございます。

質問

 欧州向けのセミナーでは、レインメイキング社という既に大阪に拠点を構えるスタートアップ支援企業が登壇をしました。企業の集積や進出に当たっての公的な支援、東京と比較し低コストでビジネスができるなど、なぜ今、なぜ大阪との問いかけに対する答えを提示されました。自らの言葉で話すことのできる進出企業が、これから進出するかどうかを検討する企業にいい影響を与えてくれたなら何よりです。

 欧州向けのセミナーに続き、今(3)月25日にはアジア向けセミナーも予定しているとのことです。欧州向けセミナーであった参加者からの質問やアンケート結果も踏まえ、アジア向けのセミナーはどのような内容とされるのでしょうか、お聞かせください。

答弁
企画室副理事

 アジア向けセミナーでございますけれども、参加者の関心が欧州企業と少し異なることから、アジア企業の関心が高いとされる支援策やサポート体制を優先的に伝えるなど、視聴者にとってインパクトのある内容となるよう、欧州セミナーからプログラム順の組替えを行うこととしております。

 具体的には、まず国際金融ワンストップサポートセンター大阪のサービスを紹介いたします。続けて、成長支援プログラムであるアクセラレーションプログラムや、スタートアップと投資家等の出会いの場であるピッチイベントなど、スタートアップ・エコシステムグローバル拠点都市に向けた取組を行っておられる大阪産業局から、スタートアップ支援事業などの御紹介をいただく予定でございます。

 また、委員御指摘のとおり、セミナーの内容につきましては、行政の支援策を紹介するだけではなく、実際に大阪に進出された企業のビジネス面や生活面での実感などを届けるため、これらの企業に御登壇いただくことが重要であると認識しております。そこで、現在アジアで御活躍され、今後、大阪で金融関連事業を展開しようとされている企業の代表者に御登壇をいただきまして、進出先として大阪を選んだ理由等についてお話をいただく予定でございます。

 今後も、こうしたセミナー等のプロモーション活動を通じまして、金融系外国企業やフィンテック企業の大阪への進出を促進してまいりたいと考えております。

意見

 外資系の金融機関、フィンテック企業など、セミナーを通じて接点を多く持つことが大阪への誘致に向けた第一歩と考えます。コロナ禍で国境を越えた移動が難しいことを逆手に取り、オンラインセミナーを活用するのも一手でしょう。質の高いプロモーション事業を期待しております。

 来(2022)年度は、個々の企業の誘致活動にも力を入れていくとのことです。大阪進出に当たり何が一番の鍵になるのか、相手企業の事情をよく酌み取った上で見事一本釣りといきますよう、関係機関と連携をして進めていってください。

2022年3月11日

グリーンボンド

質問

 次に、グリーンボンドについてお聞きをいたします。

 今定例会の代表質問で、グリーンボンドの発行は、国際金融都市の実現やSDGsの実現に向けた機運醸成にも資する取組であり、コスト面の課題は、10年を超える超長期債での発行などにより一定の解決方法が見いだせるため、発行するに至ったと財務部長より答弁をいただいております。

 グリーンボンドの発行実績を確認しますと、他の地方自治体は10年債や5年債で発行する場合がほとんどのようです。大阪府が超長期債として発行することで、なぜこのコスト面の課題が解決できるのでしょうか。財政課長に改めて確認をさせてください。

答弁
財政課長

 大阪府では、コストの観点から、なるべく低利で調達するため、投資家のニーズが高い5年債、10年債を競争性の働く入札形式で調達しておりまして、発行条件は他の地方公共団体と比べ、おおむね低利でございます。一方、10年を超える超長期債につきましては、投資家のニーズが限られることから、対話形式で調達をしておりまして、発行条件は他の地方公共団体と同等の金利水準となってございます。

 グリーンボンドにつきましては、充当予定事業を公表し、投資家と対話形式で発行条件を決定しつつ、投資表明の機会を付与する必要があることから、対話形式で発行する必要がありまして、超長期債でグリーンボンドを発行することとなれば、通常の大阪府債と比べ、コストが見合う可能性がございました。

 しかしながら、これまで超長期債によるグリーンボンドは東京都のみが発行しておりまして、大阪府が確実に発行できるか見通せない状況でございましたが、市場関係者にヒアリングをしたところ、サステーナブルファイナンスを推進する世界的な潮流の高まりや、投資家ニーズに変化が生じ、通常の大阪府債と同等の金利水準で発行できる見込みであるとのことでございました。このため、国際金融都市の推進に当たり、グリーンボンドの発行が求められていることを踏まえ、その発行に向けて準備することとなったものでございます。

質問

 グリーンボンドを超長期債で発行することにより、コスト面の課題が解決する理由につきましては今御答弁をいただきました。ありがとうございます。

 SDGsの取組は続けていくことが何より重要です。グリーンボンドにしても、イベント的に単発で終わらせることなく続けて発行することが、投資家や府民に対しても効果的なアピールにつながるのではないでしょうか。グリーンボンドを継続して発行することは可能なのでしょうか。財政課長にお伺いします。

答弁
財政課長

 グリーンボンドは、SDGsの実現に向けた機運醸成の観点から、委員御指摘のとおり、継続的に発行していくことが重要であると認識してございます。グリーンボンドを継続して発行していくためには、投資家の期待に応えることができるような魅力的な事業を選定できるか、投資家のニーズに合った発行年限を選択できるかなどが重要と考えております。

 今後は、こうしたことにも留意し、グリーンボンドを継続して発行できるよう、関係部局と連携し取り組んでまいります。

意見

 平成13(2001)年度に始まりました住民参加型市場公募債、いわゆるミニ公募債は、発行主体の自治体が施設整備や防災対策など資金の使い道を特定した上で、地域住民から資金を調達する仕組みとして注目を集めたことがありました。一般財団法人地方債協会のホームページによれば、全国での発行額は、平成18(2006)年度の3513億円をピークに減少し、令和3(2021)年度は144億円にすぎません。市場金利の低下で投資家にとって魅力ある商品でなくなったことや、ふるさと納税に資金調達の手段が変化したことなどが減少の理由のようです。

 大阪府が発行しようとしているグリーンボンドは、ミニ公募債とは大きく性格が異なりますが、何がしかのメッセージを込めて発行するという点では共通すると考えます。グリーンボンドを発行する自治体が増えてきたときでも、大阪府のグリーンボンドが人気を集められるよう、先を見据えた取り組み、投資家向け広報をお願いしておきます。

2022年3月11日

スーパーシティー

質問

 次に、スーパーシティーについてお伺いします。先ほども質問がございましたが、御容赦ください。

 昨日開かれた第53回国家戦略特別区域諮問会議で、大阪市をスーパーシティ型国家戦略特区に指定することが決まりました。今後、定例の閣議決定により正式な区域指定を受ける見込みです。まずは喜びを分かち合いたいと思いますが、当然ながら提案した規制改革をなし遂げていくことが何より大切です。

 大阪府市が提案した主な規制改革項目はどのようなものだったのでしょうか。改めて特区推進課長にお伺いします。

答弁
特区推進課長

 大阪府市のスーパーシティ構想におきましては、夢洲とうめきた2期、この2つのグリーンフィールドでモビリティーとヘルスケア、これを柱としまして、複数の規制改革項目を伴う先端的なサービス、これを提案しております。

 具体的な規制改革項目といたしましては、モビリティーの分野では、万博アクセスと観光周遊の手段として、全国に先駆けた空飛ぶクルマの社会実装を目指し、耐空性基準をはじめとする現在未整備の基準等の整備を提案しております。また、先端テクノロジーを活用しました万博会場整備を行う夢洲コンストラクション、これにおきまして、現行法では過疎地域にのみ認められております貨物と旅客の輸送・運行を一緒に行う貨客混載を都市部でも可能とする条件緩和を提案するとともに、レベルツー自動運転によります作業員用シャトルバス運転に際しまして、運転免許の条件緩和などを提案しているところでございます。

 また、ヘルスケアの分野では、万博の開催時、大阪パビリオンでの取得データに基づくリコメンド情報を基にしまして、来館者それぞれに合った健康につながるような食事、飲み物、機能性食品などを提供できるように機能性表示食品に関する規制緩和、これを提案しております。

 さらに、万博レガシーといたしまして、夢洲において、国籍等にとらわれず、誰もが大阪の先端的な国際医療サービスを享受できる環境の整備を目指し、英語による医師・看護師国家試験の実施や、現行法で一定の条件下で医師個人による輸入のみが認められております海外承認・国内未承認の薬品につきまして、医療機関が輸入手続を行えるようにすることなどを提案しているところでございます。

質問

 モビリティーとヘルスケアの分野で様々な規制改革を提案されたとのことです。中でも英語による医師・看護師国家試験の実施は、平成29(2017)年に国家戦略特区の提案をした際、厚生労働省から対応は困難との回答があったと聞いております。所管省庁が一度判断したことを覆すには相当高いハードルがあるように感じます。スーパーシティーに選ばれることでこれらの項目をどのように実現していくのでしょうか。特区推進課長にお伺いします。

答弁
特区推進課長

 規制改革の実現プロセスについてでございます。従来型の国家戦略特区では、事業計画立案の段階で事業を所管する各省による調整、これが入りまして、場合によってはですけども、事業を断念するようなケースがございます。それに対しまして、スーパーシティ型の国家戦略特区におきましては、事業計画の立案段階から内閣府が加わりまして、複数の規制改革を含む事業内容全体を一体的に検討し、その内容を各省との調整前に公表するというふうなことで、各省の検討が同時・一体・包括的に進むよう後押しするというふうな特徴がございます。

 区域指定を受けました場合、実施する先端的サービスの内容や新たな規制の特例措置の内容等を盛り込んだ区域計画を策定することとなります。規制改革を実現いたしますためには、これまで提案したものの、実現していない規制改革項目も含め、複数の大胆な規制改革項目をパッケージで盛り込んだ実効性ある区域計画を策定し、その計画に基づいて、内閣府と連携して所管省庁と調整を図るということが必要と考えております。

 このように、区域計画は、提案に基づき規制改革の実現を求めるにふさわしい具体的な内容が求められることとなりますが、大阪府市といたしましては、地元経済団体、日本国際博覧会協会などによる協議会を立ち上げ、関係者で計画の内容をしっかりと検討していく予定としており、官民連携し、内閣府とも協議調整をしながら、規制改革の実現に取り組んでまいります。

2022年3月11日

大阪スマートシティパートナーズフォーラム

質問

 次に、大阪スマートシティパートナーズフォーラムについてお聞きします。

 大阪府のスマートシティ戦略部が事務局を務めている大阪スマートシティパートナーズフォーラム--OSPFは、令和2(2020)年8月に設立されました。府内全市町村、企業、大学、シビックテックと幅広いステークホルダーが参画し、課題を抱える自治体と課題解決に向けたソリューションを持つ企業などが公民協働でスマートシティーを目指そうというものです。現在、約400の企業や団体が参画し、全国に類を見ない規模の公民協働プラットフォームとして運営をされています。設立からこれまでOSPFでどのような取り組みをしてきたのでしょうか。こちらは戦略企画課長にお伺いします。

答弁
戦略企画課長

 お答え申し上げます。

 大阪スマートシティパートナーズフォーラムにつきましては、地域課題の解決に向けて、府内の各市町村が抱えている課題を見える化した上で、課題解決のソリューションを持つ参画企業に呼びかけ、複数企業対複数市町村の公民協働の取り組みを推進していくプラットフォームとして設立をいたしました。

 これまでスマートヘルスシティや高齢者にやさしいまちづくりなど、市町村のニーズの高い七分野のテーマを設定し、延べ十六市町で十八のプロジェクトなどを、プロジェクトコーディネーターとして手を挙げていただいた参画企業などを中心に推進をしてまいりました。

 具体的な取り組みといたしまして、例えば豊能町におきまして、民間企業約40社が参画し、子どもの見守り、買物支援、災害時避難支援などのサービスに、住民が簡単かつスピーディーにアクセスし利用できるアプリである「とよのんコンシェルジュ」がこの2月に実装され、住民に提供されております。

 また、泉佐野市でのシェアサイクルで得られた位置情報データを活用した観光サービス、藤井寺市での音声ガイドとデジタルクーポンによる観光体験などのプロジェクトにつきましても、現在実証を進めているところでございます。

質問

 これまでの取り組み状況については分かりました。ありがとうございました。

 先日、スマートシティ戦略部の方に講師を引き受けていただき、我が党所属の市町村議会議員向けの勉強会を開きました。そのときは大変にお世話になりました。参加した議員の中から、このような官民連携のよい枠組みがあることを知らなかった、地域の課題解決のために企業の力も上手に活用すべきとの意識を自分のいる市町村にももっと持ってもらいたいという声も上がっておりました。市町村にはぜひ積極的に課題の発信をしてもらいたいと考えております。

 これまでOSPFとしてどのように市町村に働きかけをしてきたのでしょうか。戦略企画課長、お願いいたします。

答弁
戦略企画課長

 お答え申し上げます。

 府内の各市町村が抱えている課題の抽出と見える化の取組につきましては、OSPF設立当初の令和2(2020)年9月に、全ての市町村の参加の下で、地域課題の見える化ワークショップを開催、課題抽出・見える化シートを全ての市町村に作成をいただき、会員企業と課題の共有を行いました。課題解決シートは適宜更新しながら、日頃から課題解決プロジェクトなどにつなげていくことができるよう、市町村と企業のコーディネートを行っております。

 また、プロジェクト発表会やワーキンググループなどの機会を通じて、市町村が会員企業に対し、直接地域課題を発信できる機会を創出し、市町村長自らの御登壇も含め、これまで延べ11市町から発表いただく機会を設けてまいりました。

 直近の事例といたしましては、昨年の十月に、東京でミートアップイベントを開催し、貝塚市、枚方市、東大阪市が、それぞれ抱えている地域課題や取り組みの方向性について、直接参加企業に御説明いただくとともに、有意義な意見交換を行ったところでございます。

質問

 このOSPFは設立から1年半がたちました。最初の問いにいただいた答弁にもありますように、実を結びつつある事例も出てきております。OSPFの枠組みを通してなされる取り組みの中には、想定どおりの成果を生まないものもあるかもしれませんが、試行錯誤を繰り返す中から課題解決の道筋が見え、地域住民がQOLの向上を実感できるスマートシティー化も進んでいくと考えます。

 市町村へのさらなる働きかけも含め、来(2022)年度はどのような取組をされるのでしょうか。戦略企画課長、お願いいたします。

答弁
戦略企画課長

 お答え申し上げます。

 スマートシティーを府域全体に広げていくためには、全ての市町村の抱えている課題を適切に把握し、課題解決に向けたソリューションを有する企業などにつなげていくことが重要と認識をしております。プロジェクトなどに参画いただけていない市町村もまだまだございますので、それらの市町村の御意見を改めてお聞きするなど、効果的なサポートの取組につきまして検討してまいります。

 その一つといたしまして、プロジェクトの前段階として市町村の共通課題を深掘りすべく、市町村や企業の参画の下、ワーキング形式での検討を進めており、今(2021)年度から開始いたしました地域通貨や子育てしやすいまちづくりにつきましては、プロジェクト化に向けて議論を深めてまいります。

 また、データの本格的な利活用に向け、まずはスーパーシティー関連で本府が整備する大阪広域データ連携基盤--ORDENを、スマートシティーのインフラとして将来的に府域全体へ広げていくためにも、新たにデータ利活用を検討課題の一つとして取り上げ、ワーキングなどを通じて取組を進めてまいります。

 今後とも、OSPFを通じまして、しっかりと市町村の課題を把握しながら、公民協働で府域全体のスマートシティー化を加速させてまいります。

2022年3月11日

スマートシニアライフ事業

質問

 続きまして、スマートシニアライフ事業についてお伺いをいたします。

 2月から実証事業が始まり、説明会を通し、タブレットの貸出しを進めているとお聞きをしております。実証事業で有効なデータを得るため、男女比や年齢構成など、ある程度分散していることが必要だと考えます。また、1947年から1949年に生まれたいわゆる団塊の世代は、この事業でも重要なターゲット層であり、しっかりと確保していかなければならないと考えます。

 先日、ちょっと違う点で調べ物をしておりましたら、20年ほど前の新聞記事なんですが、その当時の団塊の世代、50代前半ぐらいですが、インターネットや、またデジタル機器の利用率というのが、その上の世代に比べてやはりかなり高いという結果が出ておりました。ですので、今回このスマートシニアライフ事業を進めていく上でも非常に大事な存在になるのではないかと考えております。

 現在の説明会の参加申込状況はどのようなものでしょうか。こちらは地域戦略推進課長、お願いいたします。

答弁
地域戦略推進課長

 お答え申し上げます。

 実証事業の説明会につきましては、2月21日から3月末まで合計45回の開催を予定しております。各回の申込みはそれぞれの定員を上回るペースで進んでおりまして、順次タブレットをお渡しているところでございます。

 タブレット操作の習熟度には個人差がありますので、一人一人に寄り添って説明するとともに、操作に関しての御心配などの声をしっかり伺って対応できるように説明会1回当たりの人数を絞り、また参加者3名程度ごとのグループをつくりまして、小規模で丁寧に説明を行っているところでございます。

 これまでの説明会出席者の男女比につきましては、ほぼ半数でやや女性が多いかなという感じになっております。年齢層は、70代の方が最も多く、全体の4割を占めております。その次に60代が3割、50代が2割、80代以上の方も1割お越しいただいているところでございます。なお、最も多い70代のうち、団塊の世代の方々は約半数、全体の2割を占めておりまして、相対的に多く参加していただいていると認識しております。

質問

 実証事業の申込状況が順調ということで、何よりです。よりよいサービスにするには、この実証期間に利用者一人一人の声を丁寧に聞き、得られた意見やデータを解析し、事業者と共にサービス向上につなげることが重要なのは言うまでもありません。どのように利用者の声を聞き、事業者にフィードバックし、サービス改善を図っていくのでしょうか。地域戦略推進課長、お願いいたします。

答弁
地域戦略推進課長

 実証事業におきましては、利用者からの声を集めて解析いたしまして、サービス等の改善につなげることが非常に重要であると認識しております。これまでにも説明会の場での生の声でありますとか、アンケート調査、コールセンターへの電話相談を踏まえまして、早速、説明会の配付資料や進行順をきめ細かに改善するなど、様々な機会を捉えまして利用者の声を事業の進め方に反映しているところでございます。

 また、タブレット配付時に行う説明会のみならず、タブレットのより楽しい使い方や新しく加わったサービスの御説明などを聞いていただける、実際に参加できるイベントを設定する予定でございます。その中では、サービスメニューにもございますカラオケですとかスポーツジム体験などといった心身ともにリフレッシュできるような機会も含めまして、利用者の方を飽きさせない工夫も考えております。そこで得られました声を参画事業者と共有いたしまして、実証途中においても順次改善を進めてまいります。

 利用者の意見の中には、ハード面でありますとかシステム構造上の改善が必要なものなど、内容によっては時間や投資判断を要するものも出てくる可能性がございます。引き続き、できるだけ多くの機会を捉えて利用者一人一人の声を聞き取りまして、サービスの改善点を拾い上げ、実証事業中、さらには今後予定されております本格事業への反映を目指すなど、府民の生活基盤として有益な事業に育ててまいりたいと考えております。

意見

 スマートシティ戦略部に関するテーマを三つ取り上げさせていただきました。もとより庁内のデジタル化にとっても大事な存在でありますが、府域全体のスマートシティー化に向けても、今現在様々な取り組みを進めてらっしゃることは重々承知をしております。当然、府内の各市町村、様々な特徴がございます。違いがあります。スマートシティー化の取組でその個性や特徴が出てくるのは当然あってよいかと思いますが、それが自治体間の体力による格差につながらないように、スマートシティ戦略部の皆様には、その観点から府内全体でスマートシティー化できるような取組をよろしくお願いをいたします。

2022年3月11日

万博に向けた府内市町村との機運醸成

質問

 続きまして、万博に向けた府内市町村との機運醸成についてお聞きをいたします。

 大阪・関西万博の開催まで残すところ3年余りです。今(2022)年は3年前、また1000日前といった節目を迎えます。ますます機運醸成に力を入れていく必要があり、大阪府は、開催地の自治体として地元の機運を盛り上げていくことが大事な役割と考えます。府内各地域で開催機運を高めていくため、大阪府と府内市町村が連携をして取り組んでいくべきではないでしょうか。

 これまでの取り組みと、来(2022)年度どのようなことをしようとされているのか、参加促進課長にお伺いします。

答弁
参加促進課長

 お答えいたします。

 委員お示しのとおり、大阪・関西万博開催に向け、開催地の自治体といたしまして、府内市町村との連携を図りながら、大阪全体で万博の機運を効果的に盛り上げていくことは重要であると考えております。

 これまで府といたしましては、府内の市町村に万博のロゴマークをデザインしたピンバッジを着用いただく、またポスターやチラシ、のぼり等を庁舎等で掲出していただく、このほか地域の広報誌へのロゴマーク掲載など、市町村の様々な協力を得ながら機運醸成に取り組んでまいりました。また、府内7地域7市町で実施されます市町村のイベント等におきまして、府が万博のPRブースの出展やグッズの提供を行うなど、市町村と連携いたしまして、万博開催について広く知っていただく機会を設けてきたところでございます。

 さらに来(2022)年度は、市町村の公用車へのロゴステッカーの掲示や万博のPR動画の提供など、市町村との連携を深めながら取り組んでいく予定でございます。

質問

 これまでも市町村と連携して取り組みをされてきたとのことです。とはいえ、コロナ禍で大規模なイベントが思うように開かれず、苦労されたこともあったのではないかとお察しをいたします。

 大阪府が昨(2021)年9月に実施した万博の認知度等に関するアンケート調査によれば、万博の開催の認知度は府内で9割あったものの、万博の興味関心については6割を切り、万博のテーマに至っては4割を切っている状況とのことです。

 これまでのように、ただ単に2025年に万博を開きますということだけではなく、幅広い年代に万博の開催意義やテーマを理解していただき、興味関心を高めてもらうことが必要ではないでしょうか。万博の開催意義やテーマの理解促進に向けてどのように取り組んでいくのでしょうか、お聞かせください。

答弁
参加促進課長

 御指摘の開催意義やテーマの理解促進に向けましては、幅広い年代を対象とした様々な取組を進めていくことが重要であると考えております。

 このため、来年度、開催意義やテーマについて、大人から子どもまで分かりやすく伝えていくプロモーション動画を作成し、府市の庁舎や市町村のイベントなどで放映することとしております。加えて、児童生徒向けのポスターや高校生向けの冊子の作成、シンポジウムの開催など、幅広い年代で万博への理解を深め、興味関心を高めていくための取り組みを行っていきたいと考えております。

 今後、公式キャラクターの決定や開催1000日前など節目のタイミングにおきましても、市町村と連携しながらこうした取組を通じて万博の情報を発信していくなど、さらなる理解促進を図ってまいります。

意見

 万博推進局の皆様にも我が党の市町村議会議員向けの勉強会で講師を務めていただきました。お世話になり、ありがとうございました。

 1970年の万博、私1歳でしたので、連れていかれたという証拠写真しか残っておりません。今度2025年の万博は、子どもを連れていくことを非常に楽しみにしております。大阪を盛り上げるという意味では、この万博は非常にいい機会となります。これからも大阪府だけではなく、府内市町村、また関係企業・団体等との様々な連携を通しまして、機運醸成に取り組んでいただきますようお願いをいたします。

2022年3月11日

副首都ビジョンのバージョンアップ

質問

 続きまして、副首都ビジョンのバージョンアップについてお聞きをいたします。

 昨(2021)年12月に新たに有識者の意見交換会を設け、これまで3回の議論があったとお聞きしております。2月の政調会のときに、第1回、第2回の議論の概要を聞かせていただきました。確認の意味を込めまして、改めてこの場でお聞かせください。

答弁
副首都企画担当課長

 お答えいたします。

 1回目の意見交換会では、社会情勢の変化などの議論、2回目の意見交換会では、コロナや脱炭素など新たな潮流や大阪の経済、国内外の都市の動きなどを勘案した上で、現行ビジョンの到達点などを議論いたしました。

 主な意見といたしましては、東京一極集中のリスクやGDPの伸び悩みに関すること、イノベーション力の向上が重要といった成長に関するダイレクトな意見に加え、それに関連して、市民が自らのデータを管理して参加するオプトイン型のデータ連携基盤の重要性、住みやすさ、暮らしやすさに関すること、人中心の都市空間が重要であるといった意見などがございました。

質問

 今御答弁いただきましたように、成長だけでなく、そこに住む人を意識し、成長と暮らしの好循環をつくっていくことが大切なことです。ビジョンのバージョンアップの議論を深める上で不可欠な視点だと考えます。様々な人が能力を生かして活躍できる多様性に富んだ社会、女性や若者が活躍できる仕組みづくりは、大阪の成長と暮らしの好循環をつくる上で避けて通れないのではないでしょうか。

 第3回の意見交換会は、世界の主要国と比較した日本の状況やその要因などの議論がなされたとお聞きしております。女性の活躍に関してはどのような議論があったのでしょうか、お願いします。

答弁
副首都企画担当課長

 お答えいたします。

 女性の活躍に関する議論といたしましては、日本の就業率は、男性が84%、女性が71%程度であり、世界の主要国に比較して女性の就業率に遜色はございませんが、賃金や管理職比率で大きな差があること、その要因として、正規雇用されていても結婚、育児で離職した場合、日本は社会保障などの資源が企業と結びついていることから、一旦離職すると非正規雇用になりやすいということ、OECDによるデータでは、労働参加率の男女差が解消するほどGDPの成長率予測が高まる傾向にあること、こういった点からも、女性参加が低く、多様性がないことがイノベーションを阻害しているのではないかなどの議論がなされたところです。

質問

 同じく、将来を担う若者の活躍が非常に重要な観点だと考えます。この点につきましてはどのような議論があったのでしょうか、お聞かせください。

答弁
副首都企画担当課長

 お答えいたします。

 若者に関する意見でございますが、世界と比較して、日本では、失業への不安から企業を離れるマインドが働きにくい傾向にあるものの、若者の意識は変わりつつあるということ、若い人が大企業を辞めることが増えていて、昇進が遅いとかチャレンジしにくいために、自分の能力を生かせるよう転職していく傾向があるといったこと、企業からジャンプしてスキルアップ、スキルチェンジを図れる仕組みや、それが可能となる学生時代を含めた教育が重要といった議論がなされたところです。

質問

 答弁をいただきましたように、若者が活躍できるということは、副首都を目指す大阪の未来を切り開く上で極めて重要なことではないでしょうか。大いなる可能性を秘めた若い世代の意見をしっかりと聞くべきだと考えますが、いかがでしょうか。

答弁
副首都企画担当課長

 お答えいたします。

 意見交換会でも有識者から、若者からの意見を聞く場を設けてはどうかといった御意見をいただいたところです。このため、今(3)月の17日に開催予定の第4回意見交換会では、第3回における世界と日本の比較や要因分析を踏まえ、大阪に落とし込んだ議論を深めていくこととしておりますが、これに加えて、若者の意見を聞こうということで、副首都大阪の理解促進のために実施しております「副首都・大阪」連携プロジェクトのリサーチプレゼンテーション事業に参画している大学生を交えて意見交換を行っていく予定でございます。

意見

 若い人たちの意見を聞くべきだとの観点で今お聞きをしましたが、言うまでもありません、聞くべきは若い人たちに限りません。居住地や年代など属性の異なる多くの方々の意見に耳を傾けてください。副首都ビジョンのバージョンアップに関しましては、あらゆる観点から取り組まれることでよりよいものになることにしていただきますようお願いをしておきます。

2022年3月11日

組織再編

質問

 最後に、組織再編についてお伺いをいたします。まず、成長戦略局です。

 令和4(2022)年度当初の組織改正で、政策企画部内に新たに成長戦略局を設置するとお聞きしております。政策企画部は、府政の総合企画及び調整に関する事務を担い、企画室が成長戦略を所管するなど、大阪の成長に向けた施策推進に中心的な役割を果たしてきたと認識しております。新たに成長戦略局を設置する狙いはどのようなものなのか、こちらは政策企画総務課長にお伺いします。

答弁
政策企画総務課長

 大阪・関西万博の開催まで3年余りとなりました今、万博をインパクトに、新型コロナウイルスの影響により大きなダメージを受けました大阪経済を回復させ、さらに成長軌道に乗せる取り組みを強化することが必要であると考えております。そのため、来(2022)年度当初に新組織を設置し、成長というところに焦点を当て、様々な施策を全庁横断的に推進することを目指しております。

 具体的には、これまで取り組んでまいりました国際金融や空港施策に加えまして、スポーツ、アートなど大阪の強み、ポテンシャルを生かした新たな成長シーズの発掘、あるいは万博のテーマと親和性があり、成長が期待されるライフサイエンスやカーボンニュートラルに関する取り組みの推進などに関係部局と連携し取り組むこととしております。

質問

 大阪府の組織は、通常、部や局、あるいは室の下に課が設置され、その責任者として課長が配置されております。しかし、今回のこの成長戦略局は、組織として局があるのみで、課を置かないと聞いております。その理由、意図につきまして、政策企画総務課長、お願いいたします。

答弁
政策企画総務課長

 成長戦略局につきましては、関係部局と連携し、成長に向けた施策の立案や総合調整を担うこととしておりまして、様々な課題ごとに社会状況の変化なども踏まえまして、それぞれに即した機動的な対応が求められるものと考えております。そのため、組織としての課は設置せず、局長マネジメントの下、担当課長制を採用する予定でございます。

 なお、これまでも、政策企画部におきましては、万博誘致あるいはG20サミット開催に係る調整など、状況に合わせて特に機動的な対応が求められる組織につきまして担当課長制を採用してきたところでございます。

質問

 今回のこの委員会質問の調整をやっている中で、私やまた我が会派の同僚議員が、他部局でこういう事業があるよなんて話をしたら、そんなことを大阪府はやってたんですかみたいなやり取りがあったと幾つかお聞きしております。よその事業部局が何をやってるかまで追っかけているのも大変だと思いますので、知らなくても仕方がないのかもしれませんが、今回の成長戦略局に関しましては、答弁いただきましたとおり、関係部局と連携し総合調整を担うということですので、広く今の事業部局がどんなことをやっているか、その中から次の展開というものもあるのではないかと感じております。特に若い世代に対する働きかけというのは事業部局でいろんなことをやってます。その中から学ぶこともあるかと思いますので、ぜひともよろしくお願いいたします。

 続きまして、市町村局についてお伺いをいたします。

 こちらも令和4(2022)年度当初の組織改正では、持続可能な行財政運営を目指す市町村に対し、広域連携の取り組みなどを積極的に支援し、基礎自治機能の充実を図るために、市町村局を設置するとのことです。

 住民に最も身近な行政サービスを担う市町村が、今後の急激な少子高齢化の中でどのような未来像を目指すのか、広域自治体である大阪府は、各団体と丁寧に議論を重ね、その意向を酌みながら、自主的、自発的な取組を積極的に支援していくべきだと考えます。市町村局長には、ぜひ積極的に市町村を回り、今後の在り方など大きな方向性について、そこの市町村長と積極的に意見交換を重ねてください。

 一方で、府の周辺部に位置する比較的規模の小さい市町村などからは、平成の合併期を思い起こし、府が合併を推進するのではないかとの懸念も漏れ聞こえてきます。新体制の下、どのように市町村を支援していく考えなのか、市町村課長、お願いいたします。

答弁
市町村課長

 今後の急激な人口変動により、高齢者支援ニーズや空き家の増加などの行政課題がより顕在化し、身近な住民サービスを担う市町村の役割は一層大きくなる一方で、人口減少による税収減や専門職の人材確保が難しくなるなど、市町村の行財政運営はさらに厳しくなると見込まれます。

 府としては、市町村が将来にわたって持続的かつ安定的に住民サービスを提供していけるよう、各市町村が目指す未来像の検討をこれまで以上にスピード感を持って積極的にサポートしていく必要があると考えております。

 今後は、市町村局長が市町村へ出向き、市町村長と積極的に意見交換を行うとともに、地域ごとの担当職員を置くなど、これまで以上に丁寧に市町村の声を聞いていきます。その上で、さらなる行財政改革や新たな広域連携を提案し、連携の実現に向けた調整の場に参画するなど、市町村に寄り添いながらしっかりとサポートしてまいります。

 また、合併につきましては、市町村が住民の理解を得た上で自ら判断していくものであるため、まずはオープンな議論に向けた機運を醸成していくなど、府内の基礎自治機能が充実強化されるよう取組を進めてまいります。

意見

 私の好きな言葉の一つに、過去と他人は変えられないが、未来と自分は変えられるというのがあります。大阪のこの市町村合併に関しても過去はもう変えれませんが、過去に学ぶことはできます。それをしっかりと学んだ上で、各地域、また各市町村がどういう未来を切り開いていくのがよいのか、まさに市町村に寄り添っていただいて、大阪府も未来を切り開けるように取り組んでいっていただければと願っておりますので、よろしくお願いをいたします。

 以上で私の質問を終わります。知事質問はございません。