第5期
2024年
第4期
2023年
2022年
2021年
2020年
2019年
第3期
2019年
2018年
2017年
2016年
2015年
第2期
2014年
2013年
2012年
2011年
第1期
2010年
2009年
2008年
2007年
2019年10月11日
公明党府議団の加治木です。本日は7つのテーマについてお聞きをいたします。
まず一つ目は、日本遺産です。
定例会ごとにこの日本遺産認定に向けた府内の取り組み状況についてお聞きをしております。ことし(2019年)の5月には、地元市が大阪府を通じて申請した案件の中から、泉佐野市と河内長野市が申請した2件が新たに認定をされました。「1400年に渡る悠久の歴史を伝える『最古の国道』~竹内街道・横大路(大道)~」に続く今回の認定実現です。まことにうれしく思っております。
ですが、この日本遺産の認定を受けること自体がゴールではありません。新たな魅力の創出や発信、地域の活性化につなげていくためには、この認定を受けた後の取り組みこそ大事であります。
そこで、まず平成29(2017)年度に府内で初めて認定を受けました竹内街道について、現在国の補助金を受けて日本遺産の魅力を発信すべくさまざまな事業を実施しているとお聞きをしております。補助事業最終の三年目となる今年度、具体的にどのような取り組みをしているのか、文化財保護課長、お願いいたします。
日本遺産に認定されました竹内街道におきましては、平成29(2017)年度の認定以降、パンフレットや映像の作成、街道を案内する表示板の設置、街道沿いの各地域で活動されているボランティアガイドとの連携などを進めてまいりました。
3年目となる令和元(2019)年度は、各地域のボランティアガイドとともに街道全域においてウオーキングイベントを実施するほか、スマートフォンから情報を得ることができるQRコードの設置、街道散策を疑似体験できるバーチャルリアリティー動画の作成を行う予定でございます。
竹内街道そのものや沿道周辺地域の文化的・歴史的魅力を広く発信して周遊につなげられますよう、取り組んでいっていただきますようお願いしておきます。
続きまして、今(2019)年度新たに認定をされました、泉佐野市の「旅引付と2枚の絵図が伝えるまち-中世日根荘の風景-」と河内長野市の「中世に出逢えるまち~1000年にわたり護られてきた中世文化遺産の宝庫~」について、初年度事業としてそれぞれどのような事業をしているのか、文化財保護課長、お願いいたします。
新たに認定を受けた2件とも、日本遺産認定を契機に地域の魅力を効果的に発信し地域活性化につなげられるよう、取り組みを進めていこうとしております。
具体的には、泉佐野市では、ボランティアガイドの育成や日本遺産認定記念シンポジウムの実施、PRのためのホームページやパンフレットの作成を行う予定でございます。また、河内長野市におきましても、日本遺産についてわかりやすく解説する小中学生向けのパンフレットの作成やボランティアガイドの育成、シンポジウムの開催を予定しているところでございます。
今回認定を受けましたこの2件につきましても、日本遺産認定という好機を生かして、地域の活性化に向けてしっかりと取り組んでいただきますようお願いいたします。
文化庁の方針では、令和2(2020)年までに100件程度の日本遺産を認定するということでした。ですので、残された申請機会がもう少ないと考えております。ひょっとしたら最後になるかもしれない次回の申請に向けて、現在大阪府内でどのように取り組みがなされているのか、文化財保護課長、お願いいたします。
今(2019)年度の日本遺産認定につきましては、文化庁によりますと、全国から72件の申請を受け、新たに16件を認定したとのことです。これを受けまして、日本遺産の認定件数は合計で83件となりました。
次回の申請に向けまして、現時点で大阪府が相談を受けておりますところでは、河内長野市が女人高野をテーマに府外の関係市町とともに取り組みを進めております。また、大阪狭山市では、前回に引き続き、狭山池をテーマに申請を予定しております。
次回が最後の申請機会となる可能性があり、その場合、認定を得るための審査がより厳しいものとなることが予想されますので、府として、これまで以上に申請自治体に対し丁寧な指導助言を行うとともに、文化庁とも密に協議を進め、認定に向けて取り組んでまいります。
改めて文化庁のホームページでこの日本遺産の内容をちょっと読み返したんですが、どれだけその地域の人たちが自分たちの財産のことを理解をして、それをまた広くアピールをしていく、その取り組みがきちんとなされるのかどうか、そこが問われるという、別に当たり前と言えば当たり前ですけど、だからこそ非常に難しい大変な取り組みになってくるかと思います。本当に次回が最後かどうかはまだはっきり方針が出ていないとのことですが、ほんまにこれが最後やという覚悟でしっかりと取り組んでいただきますよう、最大限府の応援をお願いをいたします。
2019年10月11日
次のテーマに移ります。読書バリアフリー法についてです。
障がいのある方の中には、視覚障がいを初め、文字を読むことが難しい人、肢体不自由で本を持ちにくい人など、通常の印刷物での読書が難しい方がいらっしゃいます。視覚障がいの方、その他の印刷物を読むことに障がいのある方々も、発行された著作物を利用する機会をふやせるよう、マラケシュ条約というものを昨(2018)年日本も批准をいたしました。それを受けて、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律、通称読書バリアフリー法がことし(2019)6月に制定をされました。
障がいがあっても読みたい本が読みやすい媒体で読めるといった環境整備点というのは極めて重要であると考えます。
そこで、大阪府では、障がいのある皆さんへの読書環境の整備をどのように進めているのか、地域教育振興課長、お願いいたします。
整備についてお答えいたします。
大阪府では、大阪府立図書館の基本方針を定め、障がい者サービスの充実を図るとともに、図書館利用に困難がある方へのサービスの向上を図ることとしています。
具体的には、図書館内で本を音読する対面朗読サービスやCDなどの録音図書、大活字本や点字図書などの利用ができるようにしております。また、図書館に設置している拡大読書器で、資料や書籍を拡大表示して閲覧できるほか、来館が難しい身体障がい者に対しては、郵送で所蔵資料の貸し出しを行っております。
府は、これまでもさまざまな障がい者サービスを提供してきて、障がいのある皆さんでも本を読めるよう、楽しめるよう取り組んでいることはわかりました。
そこで、読書バリアフリー法の成立により、今後何がどう変わっていくのか、どのような取り組みを進めていくのか、改めて地域教育振興課長、お願いいたします。
今後の取り組みについてお答えいたします。
読書バリアフリー法では、地方公共団体は、国との連携を図り、地域の実情を踏まえ、視覚障がい者等の読書環境の整備に関する施策を実施することや、国の基本計画を勘案して、地方公共団体の計画を定めるよう努めることが規定されております。現在、国において、年内に基本計画の骨子を示す予定で作業が進められており、府としては、国の基本計画を踏まえ、視覚障がい者等の意見も伺いながら、速やかに計画の策定に着手いたします。
障がいの有無にかかわらず、全ての府民が読みたい本を読むことができるよう、引き続き読書環境の整備に取り組んでまいります。
先日、盲ろう者--視覚と聴覚と両方に障がいがある方の団体の周年行事に参加をしました。いろんな方が来られていたのですが、そのときに一つ興味を引いたのは、本をスキャナーで読んで、その読んだ内容がパソコンで音声で読み上げができる、そういう装置があるということを私は初めて知ったのですが、今言いましたとおり、視覚障がいがある方に本を読んでもらういろんなやり方があるかと思います。まさにいろんな技術も生まれていると思います。ハード面の整備、またソフト面の整備、今あるいろんな技術を使いながら進めていただきますようお願いをしておきます。
2019年10月11日
次のテーマに行きます。先ほどうらべ委員からも質問がございましたが、大阪市立高校の移管についてです。
先日、大阪市立の高等学校等を令和4(2022)年度に大阪府へ移管するということが公表されました。かねてから府市統合本部会議でも議論されていたことではありますが、改めて、今回府への移管を検討し始めた経緯について確認をしたいと思いますので、教育総務企画課長、お願いします。
大阪市立高等学校等の移管に関する御質問にお答えいたします。
平成26(2014)年1月28日の府市統合本部会議において、新たな大都市制度実施時期に合わせて市立高校を移管する。ただし、枚方市にある大阪市立高校のみ、関係者理解などの条件が整い次第、府へ移管するものと整理されておりました。
しかしながら、本(2019)年4月の松井大阪市長の施政方針演説において、市立の高等学校等を府に移管する旨の発表があったことから、大阪市教育委員会から協議の申し入れがありました。それを受け、府教育庁内で検討した結果、人事や学校配置などの面で広域的な観点から効率的、効果的な学校運営が可能になることや、高校教育の充実が図れるなどのメリットがあることなどから、令和4(2022)年4月の一括移管を目指すこととしたということでございます。
経緯は今お聞きをしましたが、この移管時期、令和4(2022)年4月ということですが、今後どのようなスケジュールで動いていくのでしょうか、お聞かせください。
移管に関しましては、本(2019)年7月に府市プロジェクトチームを設置し、現在検討を進めております。来(2020)年夏ごろに移管計画を公表し、来(2020)年9月議会において、府市両議会への関係条例の改正案を提出させていただきたいと考えております。
なお、来(2020)年2月の府議会において、移管計画の検討状況を中間報告させていただくということにしてございます。
次に、もともと大阪市立でした特別支援学校12校の移管についてお聞きをします。
大阪市立の高等学校等の移管に先駆けまして、平成28(2016)年4月に、大阪市立でした特別支援学校12校が大阪府のほうに移管されました。大阪府、大阪市の支援学校は一元化をされたわけです。この市から府への移管に伴いまして、学校運営者がかわったことによるトラブル、問題等は起きていないのでしょうか。また、移管をしたことにより、もし効果があったとするならどういった効果が上がっているのか、お聞かせください。
大阪市立支援学校の移管前に、府市教育委員会間での調整や保護者説明会を行ってきたことから、移管後のトラブルは生じていないものと認識しております。
また、移管により、府内全域を対象とした通学区域割りが可能となるとともに、幅広い人事異動や制度、施策の統一化により、教育環境等のさらなる充実が図れたものと考えてございます。
大阪市立の各高校を見てみますと、歴史、伝統があり、専門性の高い学校がたくさんございます。先日一般質問で、特に定員割れが続いている工業高校のあり方について、優先すべき重要な論点との答弁がございました。それぞれがバラエティーに富んだカリキュラムがありまして、子どもたちの多岐にわたる才能を支える学校であります。現在定員割れとなっている事実だけをもって再編統合の対象とするようなことがないよう求めておきます。
2019年10月11日
続きまして、障がいのある児童生徒の通学支援についてお聞きをします。
これまで我が会派はたびたび、通学途上に医療的ケアが必要なために通学バスを利用できず、保護者に送迎手段がないために訪問教育を受けている府立支援学校の児童生徒の教育機会の保障や、保護者による送迎の負担軽減について支援を訴えてまいりました。
ようやくその訴えが実を結び、今(2019)年度から、府立支援学校の児童生徒5校5人を対象に、医療的ケア通学支援モデル事業が始まりました。対象児童生徒を初め、その保護者にとっても大変に有効な支援であると考えております。このモデル事業は、今年度5人の対象者に約2500万円の予算を計上して実施をされております。
改めまして、この予算の内訳について、支援教育課長、お聞かせください。
かねてより、通学途上に医療的ケアが必要なため通学バスを利用できない児童生徒の通学支援の必要性について認識しておりまして、看護師が介護タクシー等に同乗し、安全に通学できるよう、今(2019)年度、医療的ケア通学支援モデル事業を実施しているところでございます。
今年度予算約2500万円の内訳でございますが、国の補助を活用いたしまして、介護タクシー等の経費として約650万円、車内における医療的ケアを実施する看護師の配置経費として約1400万円、また学校において医療的ケアを実施する校内看護師の配置経費として約470万円を計上しております。いずれも対象児童生徒が毎日学校へ登校するために必要な経費と考えております。
本事業を使うことで、医療的ケアが必要なために通学バスに乗車できず、訪問籍であった児童生徒が通学できるようになった、非常にすばらしいことだと考えております。また、さきの代表質問では、本事業を拡充していこうという知事の見解もお聞きできました。
一方で、府内の小中学校にも、医療的ケアが必要な児童生徒だけではなくて、さまざまな障がいのある生徒がともに学んでおります。小中学校の場合、支援学校に比べると通学範囲が狭いため、通学距離や時間は短くて済むとは思いますが、通学バスなどの手段がなく、障がいのある子どもたちのほとんどが徒歩通学であり、保護者が送り迎えをされている状況であるとお聞きをしております。小中学校までは近いとはいえ、毎日のこととなるとその負担は非常に大きいものがあるかとお察しをいたします。
私も、中学校の時代に車椅子に乗った友人がおりました。これまた間の悪いことに、私の通った中学校は校区の片方の端っこで、その友人は反対の端っこのほうから通っておりました。毎朝毎夕、お母様がその子を自転車の後ろに乗せて、それこそ晴れている日はいいですけど、雨の日はお母さんとその子が雨がっぱを着て、大変な中、学校に通ってきていたことを今でも覚えております。同窓会で集まると、あの彼どうしてるかなと言ったら、学年みんながすぐわかる、そういうような存在でした。そういう姿を見てきているだけに、何とかしてほしいなという思いが私には非常にあります。
そこで、府立学校における医療的ケアが必要な児童生徒の通学支援の充実を図るとともに、医療的ケアの有無にかかわらず、小中学校の障がいのある子どもたちの通学に対して、学校の設置者ではないですが、府としても何がしか応援してあげられへんか、支援ができるんやないのかと考えております。この点について、支援教育課長、お聞かせください。
大阪府では、これまでから、ともに学び、ともに育つ、この教育を進めておりまして、地域の小中学校においても、支援の必要な子どもたちがたくさん学び、所管する市町村教育委員会が安全安心な学校生活のための教育環境整備に努めておられるところでございます。
委員御指摘のとおり、障がいのある子どもたちの通学は、保護者の付き添いによることが多いことは認識しており、小中学校における通学支援につきましては、今後、市町村教育委員会とも情報共有を図りながら、まずは市町村の取り組み等の実態把握に努めてまいりたいと存じます。
ちょうど今、9月、10月は運動会のシーズンです。私も、淀川区内の小学校、中学校、幾つか運動会に寄らせてもらいました。インクルーシブ教育ということで、障がいのあるお子さん、身体障がいもそうですし、知的障がい、精神障がいのお子さんもそうです。ある程度ハンデをつけたりとか工夫しながら、一緒になって運動会、体育大会をされている姿は本当に胸を打たれるものがありました。そういう子どもたちが、学校に通うのは楽しいなと、また子どもが楽しい姿で学校に通う姿はお父さんお母さんも喜んでもらえる、そのために、府としてもいろいろと一肌、二肌脱いでもらえないかなと考えていますので、お願いをいたします。
2019年10月11日
続きまして、一般質問でもお聞きをしましたが、日本語支援教育についてお聞きをいたします。聞き損ねたことが幾つかございますので、お聞かせください。
日本語指導が必要な児童生徒に対してきめ細かな指導をしていくためには、まず個々の状況に応じた個別の指導計画というものをつくることが非常に効果的やとお聞きをしました。ことしの平成31(2019)年2月のこの教育常任委員会で、個別の指導計画の作成を府として支援をしていくとお約束をいただきましたが、その後、現状どうなっているのかお聞かせください。小中学校課長、お願いします。
委員お示しの個別の指導計画とは、日本語指導が必要な児童生徒の家庭で使用している言語などの情報とともに、その時点での当該児童生徒の日本語能力を記載しておりまして、それを踏まえ、どの時間に誰が何の指導をするかの計画を立て、担任を初め教職員全体でその内容を共有するものでございます。
府としましては、今(2019)年度から、特別の教育課程による日本語指導推進事業を進めているところでございます。これは、個別の指導計画作成のノウハウを持ちました校長先生のOB等が、日本語指導スーパーバイザーとして小中学校を巡回訪問し助言を行うもので、政令市、中核市を除く市町村を対象に実施しております。一学期末までに26市町村90校を訪問いたしました。
これによりまして、対象の市町村における個別の指導計画の作成率は、昨(2018)年度5月には56.4%でございましたが、今(2019)年度8月末には86%になっております。
個別の指導計画の作成率が上がって、非常に御苦労もあったかと思いますけど、その御苦労に敬意を表するものであります。
とはいえ、当然ですが、当該児童生徒の日本語能力の育成のためには、計画をつくっただけではなくて、つくった後どのように指導を充実させられているのか、そういうことで初めて計画が生きてくるわけでございます。
当該児童生徒に向き合っている先生方は、どのように実際指導していけばいいのか悩んでいることもあるとお察しをいたします。計画をつくった後にどのようにその計画を進めていけばよいのかということをどのような形で支援をされているのか、小中学校課長、お願いいたします。
各学校において個別の指導計画を作成した後でございますが、スーパーバイザーが継続して訪問を行いまして、当該児童生徒の日本語能力の状況を把握、検証し、その実態に応じた日本語指導の方法、また教材の提供など、助言をしているところでございます。
また、あわせまして、年間7回の日本語指導担当教員を対象とした研修も実施しております。そこでは、各校の実践を交流し、学校ですぐに使えるような教材や指導方法等の情報を得たり、大学教授等の専門家から日本語指導の進め方について最新の情報を学べるようにしております。
今後も、日本語指導の充実及び定着に向けまして、引き続き学校、市町村を支援してまいりたいと考えております。
ぜひともよろしくお願いをいたします。
続きまして、府立学校についてお聞きをいたします。
先日の一般質問で、平成29(2017)年度中の日本語指導が必要な高校生等の中退、進路の状況を取り上げたところです。全国の調査結果を紹介をさせてもらいました。その結果を見ますと、全高校生等に比べて、日本語指導が必要な高校生等は中退率や進路未決定率が高いといった課題が見えてまいりました。
きょうは、この全国調査の結果との比較を含め、府立学校で日本語指導が必要な生徒の中退率、また進路状況と、全国調査との比較、また府立学校の全体の状況との比較等についてはお聞かせください。また、その結果を府の教育庁としてどのように受けとめているのか、その認識について、高等学校課長、お願いいたします。
委員お尋ねの日本語指導が必要な生徒に関する状況についてでございますが、まず中退率、これは全国平均が9.6%なのに対しまして、府立高校では6.2%となっています。全国と比べて3.4ポイント低い状況でございますが、これは高校入学前から、帰国・渡日生徒のためのオリエンテーション、これを実施いたしますとともに、入学した後も、例えば保護者懇談時に通訳者等を派遣するなど、安心して学校生活を送る環境づくりを進めてきたことによるものと考えております。
一方で、府立高校全体の中退率2.0%、これと比べますと4.2ポイント高く、依然として改善が必要な課題であるというふうに認識しております。
次に、進路状況に関してですが、これは特別支援学校の高等部を含むデータとなりますが、卒業後の進路未決定率については、全国平均18.2%に対し、府立学校では9.7%と約半分にとどまっております。また、大学や専修学校等への進学率に関しましては、全国平均42.2%に対しまして、府立学校では66.7%と約1.5倍になってございます。
これらは希望進路の実現に向けましてしっかりとした力が身につくよう、日本語指導などのノウハウを持った教育サポーターを学校に派遣して継続的な学習支援を行ってきたことなどによる成果と捉えております。
しかしながら、進路未決定率につきましては、府立高校全体の6.5%と比べますと3.2ポイント高く、進路保障に関しても、外部の支援団体と一層協力しながら取り組むべき課題であるというふうに認識しております。
この質問を何でしたかといいましたら、今、課長に御答弁いただいたデータ、先にまず全国データを見て、これは一般質問で取り上げまして、その後で、ところで大阪のデータはどうなっているとお聞きをしましたら、大阪は実は全国平均よりそれぞれいい数値なんですと。正直な話、大阪で教育に関する調査をやったら、大抵全国平均を下回っているとか下から数えたほうが早いとか、あんまり強調したらあかんのかもしれませんけど、そういうのがやっぱり現状で、これはしっかり受けとめておかなければならないと考えますが、一方で、日本語指導の必要な生徒に対する結果が全国平均よりいい数字が出ている、本当にうれしく思っております。ここに至るまでの関係者の皆さんの努力に本当に敬意を表する次第です。
ふと考えたんですけど、皆さん、「恩送り」という言葉を聞かはったことはありますか。「恩返し」は皆さん知ってますよね。自分が誰かからしてもらったら、ありがとうございましたとそれをお返しするのが恩返しですが、どなたかから自分がお世話になった、かわいがってもらった、それを次の世代に送っていくというのが「恩送り」という言葉で、どれぐらい定着しているのか知りませんが、そういう言葉を聞いたことがあります。
大阪のまちは、皆さんも御承知のとおり、いろんな形で教育からちょっと外れていたというか、しんどい思いをして暮らしてきた方が多くいらっしゃいました。その人たちを応援する活動というのも、各学校とか市民グループとかいろんな形で応援をしてきはった歴史があります。私の知っているある方ですけど、まさに自分はそういうしんどい側におったと。しんどい側におって、力をつけたから、今度は次、今しんどい思いをしている彼らの力になりたいと言って非常に頑張ってはります。めっちゃうれしいことです。今、日本語支援が必要な生徒たちということで、この前はロールモデルという形でも頑張ってもうていますけど、そういう子どもたちが、この大阪のまちで僕たち私たちを育ててもらったと言ってまた次の世代に受け継いでもらえるような、そういう子どもたちが育ってくれたら大阪の教育は大成功なんやないかなと感じておりますので、高等学校課も小中学校課もよろしくお願いします。
2019年10月11日
次の質問に行きます。農業高校での特徴的な取り組みについてお聞きをいたします。
先日、府立の農芸高校にお伺いをいたしました。生徒が実習の中で飼育している豚を「のうげいポーク」ということで商標登録をして、府内の百貨店で販売するとともに、企業と連携してのうげいポークが入ったレトルトカレーの開発にも取り組んでいるということで、昨晩、実はのうげいポークのカレーをいただきました。家内と2人で食べて、おいしいな、高校生はこういうものをつくれるんやと2人で非常に感心しておりました。
また、生徒が食品工場等で廃棄されるおからやうどんを活用した牛の飼料、餌を開発し、全国の高校で初めて日本科学飼料協会から資源を有効活用した飼料「エコフィード」として認証されたというお話もお聞きをしました。
この間お伺いしたとき、この府立農芸高校で本当に生徒の皆さんが生き生きとそれぞれの実習課題に取り組んではりました。命や自然のとうとさ、学ぶこと、働くことの大切さをまさにその学校の中で全部身につけることのできるすばらしい取り組みやな、学校やなと感じた次第です。
近年、自然環境や生活環境への意識の高まりの中で、食の安全性、またみどりのある環境づくり、こういったことにかかわる人材育成がますます求められてくると考えます。府内に2校、農芸高校と園芸高校がございますが、どのような取り組みがされているのか、高等学校課長、お願いいたします。
府立園芸高校・農芸高校の2校では、農産物や花の栽培技術、家畜の管理技術など、専門的な知識や技術の習得に加えまして、都市部における農業高校として、生産から加工、販売まで一貫してかかわるいわゆる農業の6次産業化や、機能性を維持した都市緑化を学ぶことなどを通して、安全安心な農産物やみどりのある次世代都市を創出できる、そのような人材の育成に取り組んでおります。
先日、委員に御視察いただきました府立農芸高校では、企業と連携して、生産方法にこだわった畜産物やつくり手の思いが伝わる加工食品をブランド化して、その過程で特許取得について学ぶなど、農業に係る知的財産学習についても積極的に推進をしてまいりました。このような取り組みが評価され、平成30(2018)年度より、国のスーパー・プロフェッショナル・ハイスクール、この指定を受けまして、これらの学習に関する指導のあり方はもとより、その評価手法についても研究を進めているところでございます。
今の農芸高校と園芸高校の取り組みをお聞かせをいただきました。
この農業高校がさらに充実して、大阪府内の地域産業を支える人材を育てていくためには、企業などそういう学校外のプロの力を大いに活用していっていただきたいと考えますが、教育庁としてどのような支援を行っているのでしょうか、お聞かせください。
園芸高校、農芸高校では、府教育庁が実施しております企業等連携による実践的技能力育成事業、これによりまして、食品会社であったり地元の造園技術者などの外部人材による専門的な技能指導が行われております。企業の技術者等からの指導については、実践的な技能の習得や課題研究等における生徒の主体的な研究活動の支援につながっているところです。
また、全国の農業高校におきましては、学校全体で取り組む農業クラブというものが設置されておりまして、さまざまな生徒主体の活動であったり研究に取り組んでおります。この農業クラブをよりどころとしまして、全国的なネットワークがしっかりと構築されており、生徒の研究活動の成果は、府内における研究発表会はもちろん、近畿ブロック、全国ブロックにおいても積極的に共有されております。生徒たちはお互いに切磋琢磨しながら取り組んでおり、府教育庁といたしましても、これらの発表会等へ専門性を持った指導主事を派遣して、生徒に直接指導助言を行うことで研究活動を支援しているところでございます。
先日お伺いしました農芸高校ですが、それこそ学校の敷地の際まで家が建ち並んでおります。多分、学校ができたころはその学校しかなかったんやと思いますが、やっぱり大阪ですので、都市化の波に飲み込まれてしまっている、正直なところ、そういう印象を受けました。そんな大変な条件の中ですけど、農芸高校の生徒たちの取り組みが全国大会で表彰される、そういったこともありますと。それこそ近畿の他府県を見ても、農業に力を入れている府県はごろごろあるわけです。いろんな環境の制約の中でも、大阪だからこそできることということで一生懸命取り組んでくれてはるというのが痛いほど伝わってまいりました。
今回の農芸高校の視察の中でいろんな取り組みを見せてもらったんですけど、一方で、つくってから年数がたっていまして、これではどうなんかなと本当に申しわけなく思うようなところも多々ございました。農業高校は普通科の高校に比べていろいろな形で施設、設備がかかります。特に鳥インフルエンザを初め、家畜の防疫対策、そしてまた食品加工の加工場、こういったところは本当に施設改修をしてあげんとあかんなと。時計の針がとまってるのと違うかというのが正直な印象でした。いろいろと状況はこちらも承知はしておりますが、とはいえ、すぐれた人材をこの高校から輩出していくためにも、まさに今の時代、21世紀の時代に見合った設備をつくっていくということは不可欠やと思います。それでこそ、いつまでも農芸高校、また園芸高校が魅力ある存在として、子どもたちがやってきて、そこから羽ばたいていってくれる、そういう学校になっていってくれると信じております。ぜひとも頑張って採用していただきますよう、これは教育長、教育監、よろしくお願いします。
2019年10月11日
最後に、チャンレジテストについてお聞きをします。
我が会派の代表質問でも取り上げました。先ほどこちらもうらべ委員からも質問がございました。重なる部分もあるかもしれませんが、改めて府内統一ルールということでお聞きをいたします。
3年生のチャレンジテスト実施教科以外のいわゆる実技4教科について、新しいルールの内容は先ほど御答弁をいただいたところです。なぜこのようなルールにしたのか、改めてその考え方をお聞かせいただけますでしょうか。高等学校課長、お願いします。
これまでの3年生の府内統一ルールにつきましては、チャレンジテストを実施する5教科の結果によって、チャレンジテストを実施しない4教科を含めた9教科の評定平均を確認することとしておりました。これは5教科の評定平均と9教科の評定平均との間に強い相関があるという分析を前提に制度設計をしたものでございます。
一方で、例えば5教科の成績が府内の平均を大きく上回る生徒であっても、4教科の成績が同じように高くはならない場合もあるというのも事実でございまして、このような例を捉えて、5教科のテスト結果により9教科の評定平均を縛るのはいかがなものかという疑問の声が寄せられる状況もございました。
このたびの3年生の府内統一ルールの見直しに当たりまして、各中学校における絶対評価の精度は高まっているものの、チャレンジテストを実施しない4教科についても何らかのルールが必要であるとの結論に至ったところです。
この間、中学校長等の意見も聞きながら、この4教科の特性や、先ほど申し上げた個々の生徒の状況があることなども踏まえまして、これまでよりも幅を持ったルールにするよう検討を進めてまいりました。
そこで、府内中学校の4教科の評定をもとに算出いたします府全体の4教科の評定平均の範囲、これを新たな基準として、従来のチャレンジテストを活用して算出した各校の五教科の評定平均の範囲をも参考とすることで、物差しの幅を広げ、極端な評価を是正する仕組みとしたい、このように考えております。
ただいま、いわゆる実技4教科の新たなルールが導入される経緯、またその考え方について確認をさせてもらいました。
今回、この4教科の新たなルールが導入されることを含めまして、府内の統一ルールが変更されます。ここではお聞きしませんが、1年生、2年生の評定平均のつけ方が変わってくるわけですが、最も大切なのは、その当事者である中学生や保護者、学校現場がこの制度変更に振り回されることなく、また、その制度は不公平なんじゃないのかとか、自分たちにとって不利なのではないのか、そういう不公平感、不安感、そういったことがないように、これは本当に強く求めるものであります。
そのためには、きちんと今回のルールの変更をお伝えをして、そしてまた皆さんに理解をしていただけるように本当に丁寧に説明をしていくことが何より不可欠と考えますが、高等学校課長、いかがなものでしょうか。
委員御指摘のとおり、府内統一ルールの変更に当たりましては、中学生や保護者等を初め、関係者に対して丁寧な説明が必要であるというふうに認識をしております。
そのため、今後、市町村教育委員会はもとより、現場で指導に当たっていただく中学校の校長先生や進路指導担当の先生方に対しまして、直接、変更の趣旨を含めた説明をする機会を設け、周知を徹底いたしまして、安定した制度となるように努めてまいります。
チャレンジテストにつきましては、去(2018)年の9月定例会、そしてまた、ことし(2019)の2月定例会でたっぷりこってりばっさりやりましたので皆さん覚えてはるかと思いますが、このチャレンジテストというテストになる前は統一テストという呼ばれ方をしていた平成25(2013)年、今から6年前です。このころからこの議論にはずっと首を突っ込んでまいりました。
改めて、きのうちょっと時間がありましたので、今まで自分がどんなことを言ってきたのか、どんな答弁をもらったのか、ずっと読み返しまして、何でこれが大事なのかというのを、もう皆さんお気づきかもしれません。以前にも指摘をしたことがあります。学校のいわゆる年間計画の中で、高校入試というのは言ったら年中行事の一つかしれませんが、それを受けに来る生徒にしてみたら、15の春は一生に一度です。その選抜のルール、入試の競争率が1倍を超えれば、当然合格する子、合格できない子が出てくるわけです。どこかでやっぱり線を引かんとあきません。このこと自体は否定のしようがないと思います。では、その線の引き方が本当に公正公平なものなのか、納得してもらえるものなのか、理解してもらえるものなのか、そこをやっぱりずっと追求してきたのかなと感じております。
5教科で9教科の評定を決めることの不合理性、先ほど課長は強い相関関係があると言いましたが、100%一致しているわけでありません。一致している子はいいかもしれませんけど、一致していない子は、それによって不当に評価が高くなる、また逆に下げられることが実際起きていたわけです。本人がどこまで気がついているかどうなのかわかりませんが、上がった子はいいかもしれませんけど、下げられた子はたまったものじゃないですよね。人間が人間を評価するので、どんな世界でもそうですが、これは本当に非常に難しい。どこまで行っても100点満点という答えはないかもしれません。
これまで私のところにもいろんな方から御意見をいただいてまいりました。それをこの委員会の場でもお伝えをしてまいりました。今回の制度変更に関しましてもいろいろ意見をいただいております。納得される方、されない方、さまざまです。100人いてはったら100人言うことが違うと思います。だからこそ、このルール変更に関しましては、絶対嫌やという人もいてはると思いますが、それでもどこかで線引きルールはつくらんとあきません。それの府教育庁として考える合理性、これだからこちらとしては公平性、公正性が担保できると考えていらっしゃることをきちんとお伝えをいただきたいと思います。
そしてまた、何度も言いますが、制度自体、子どもにとってはトライ・アンド・エラーはあったらあかん話です。制度を運用する側はトライ・アンド・エラーでいいかもしれませんけど、何度も言いますが、15の春は一生に一回です。そのことは、今さら言うまでもないですけど、しっかりと覚悟していただいて、それだけ大事なことをやっているということで引き続き取り組んでいただきますようお願いを申し上げまして、本日の質問を終わります。知事質問はございません。ありがとうございます。