大阪府議会議員 かじき一彦 公明党

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教育常任委員会決算審査

2019年11月13日

つばさ基金

質問

 公明党府議団の加治木です。

 本日は、5つのテーマについてお聞きをいたします。

 まず1つ目が、つばさ基金についてです。

 府民文化部の平成30(2018)年度決算概要等報告書の123ページに、大阪府立大学・工業高等専門学校支援事業の施策目標の中に、大学の自主財源の獲得策として、ふるさと納税制度を活用しつばさ基金への寄附を募るとありました。改めてですが、このつばさ基金はどのような目的で設置されたものなのでしょうか。また、この基金への寄附はどのようなことに使われているのでしょうか、お聞かせください。

答弁
府民文化総務課参事

 つばさ基金についてお答えをさせていただきます。

 つばさ基金は、少子高齢化が進み、公立大学法人の運営が厳しい中、大阪府立大学及び大阪府立大学工業高等専門学校における教育研究活動や学生活動等に対しまして御支援をいただくことを目的といたしまして、平成21(2009)年3月に創設されたものでございます。

 毎年多くの方々から御寄附をいただいておりまして、大阪府を通じたふるさと納税を活用した寄附につきましては、平成30(2018)年度は、実績額が5012万円と前年度実績よりも約1千万円ふえ、過去3年間で最も高くなってございます。

 いただきました寄附につきましては、府大、高専における学生生活や研究活動への支援、また地域貢献活動や国際交流等への支援に活用することとしてございます。

 具体的に申し上げますと、学生のクラブ活動への支援や先端技術研究のための施設の充実、また高専でのロボットコンテスト参加に当たっての支援などに活用してございます。さらに、国際交流や留学生への支援、グローバル人材育成のための奨学金制度への活用など、学生生活や教育研究活動の充実に向けた幅広い事業に活用しているところでございます。

質問

 先ほど(平成)30(2018)年度の実績額について答弁がございましたが、前年度と比べて1千万円寄附がふえたということです。驚く限りでございます。寄附を集めるのがどんだけ大変かというのは、寄附集めをされた方は皆さんお感じやと思いますが、なぜふえたのか。当然さまざまな形で寄附のお願いをされたのやと思いますが、そのおいはどのようなことをされてきたのか、お聞かせください。

答弁
府民文化総務課参事

 寄附の獲得に向けた取り組みについてお答えをさせていただきます。

 つばさ基金の寄附募集に当たりましては、府大に基金事務局を置きまして、さまざまな機会を通じ基金のPR活動を行っているところでございます。

 例えば、卒業生や保護者等に対しまして、同窓会やクラブのOB・OG会、保護者会等におきまして基金に関するパンフレットを配付するなど、継続的な寄附募集の働きかけを行っているところでございます。さらに、平成30(2018)年度からは、卒業生に向けたメールマガジンで基金のPRを行うなど、対応を始めたところでございます。また、地域交流イベントといたしまして毎春実施しております府大花(さくら)まつりなど、大学の各種行事、イベントの際にはPRを行いますとともに、関西経済論などの府大が主催いたします府民向けの公開講座等におきましてもパンフレットを配付するなど、積極的な募集に努めているところでございます。

 さらに、寄附をいただきました方々には、お礼状とともに、府大や高専の活動、トピックスなどをまとめた資料をお送りいたしております。

 引き続き、府大及び高専のPRを通じましてさらなる支援に結びつくように取り組んでまいりたいと思っております。

意見

 (2019年)今(11)月24日、東京国技館で開かれます高専ロボコンの全国大会に、府大高専Aチームが出場されるとのことです。お喜び申し上げますとともに、学生さんたちの御健闘を心より願っております。

 寄附金による基金事業のよいところとしまして、学生のクラブ活動、高専ロボコンなど幅広い活動を支援できるところが挙げられます。また、寄附募集の取り組みを通しまして、多くの方々に府大や府大高専のことを知ってもらう機会にもなるんやないかと考えております。その意味で、先ほどございましたが、寄附をいただいた方々には、何らかの形で、府大や府大高専の活動を積極的に発信をしていってください。

 府は、大学、高専の設置者として運営費交付金や施設整備費補助金をしっかりと措置をする責任があります。基金事業は、学生生活や教育研究活動のさらなる充実といったいわゆるプラスアルファの活動を支えるものとして運用されることを求めておきます。

2019年11月13日

課題早期発見フォローアップ事業

質問

 次のテーマに行きます。

 先ほどうらべ委員も質問されておりましたが、課題早期発見フォローアップ事業についてお聞きをいたします。

 教育庁の決算報告書の29ページ、30ページにこのことが出てまいります。先ほど課長の御答弁もございましたので、途中、詳細は省きますが、実際私もこの居場所をやっている学校にお伺いをしたことがございます。中退率が下がった、これは非常に喜ばしいことなんですが、当然この数字というのは、いろんな1件1件のケースが積み重なっての結果と考えます。この数字の向こう側にあるもの、この数字だけでは読み取れないもの、その成果についてどのようにお考えなのか、こちらは高等学校課長、お願いいたします。

答弁
高等学校課長

 本事業の成果等につきまして、実施校の校長、准校長から聞き取りましたことを何点か紹介させていただきます。

 まず、不登校生徒の支援につきまして、例えばあるときから急に学校に来られなくなった生徒がいたような場合、以前であれば、どうしてもその生徒自身に起因することに原因を求める傾向がありましたが、スクールソーシャルワーカーの助言によりまして、これまでより一歩二歩踏み込む形で、保護者や家庭など本人を取り巻く周辺の状況にアプローチができるようになりました。その結果、不登校の原因が本人の責任ではなく、例えば家庭の経済状況の急激な変化等によるということに気づけるといったケースが増加しております。さらには、スクールソーシャルワーカーの力を得まして、市役所等の担当者と連携し、生活保護受給に向けた支援が進んだことにより、当該生徒が再び学校に登校できるようになったといった事例もございます。

 また、その他の成果といたしましては、スクールソーシャルワーカーや居場所スタッフの力を得ても、残念ながら中途退学に至ることもございますが、これまでとは違い、在学中にできた外部機関とのつながりによって、中退後も自分自身でハローワークや自立生活支援センターへアプローチするなど、社会とのかかわりを保つことができるといったケースがふえたとの報告もございます。

 加えまして、それぞれの教員が、スクールソーシャルワーカーや居場所スタッフ等からのさまざまな助言等による経験を積み重ねることで、みずからの指導の幅を広げ、福祉的な視点を持って生徒に接することができるようになり、スクールソーシャルワーカーや居場所にかかわる生徒だけでなく、これまで以上に多くの生徒から、学校の指導や支援についての信頼が得られるようになったという声も聞いております。

 このように、学校からは、数字にはあらわせないさまざまな成果が報告されているところです。今年度、スクールソーシャルワーカーの配置校を拡充することができましたが、引き続きその成果や課題についてしっかりと検証し、好事例については全体で共有するなど、より効果的な運用に努めてまいりたいと考えております。

意見

 先ほどうらべ委員からもございましたが、我が会派も、この事業には積極的に取り組んでいただきたいと切に願っております。

 言うまでもなくですが、一番の目的は何かといったら、高校の中退率を下げるだけではございません。その子どもたちがちゃんと社会に出て活躍できるように、そういう能力を高校でつけてもらう、それが一番大事なことでございます。目先の成果、これはこれで大事なんですけど、それだけじゃないその先にあるもの、そこまで学校に求めるのはちょっと酷かもしれませんけど、実施する側として、やはりこの子が将来どうなるのかというのを思い描いた上で、またスクールソーシャルワーカーの方々や居場所の支援のスタッフの皆さんとええものをつくっていただきますようにお願いをしまして、次の質問に移ります。

2019年11月13日

チャレンジテスト

質問

 次の質問は、チャレンジテストです。

 報告書の50ページに、中学生学びチャレンジ事業費ということで、決算額が3億1147万890円とございます。このチャレンジテスト、私もこの前の委員会でもさんざん議論してまいりましたが、学力の向上と大阪府の公立高校の入学者選抜の調査書に記載する評定の公平性を担保するという2つの目的がございます。評定の公平性のほうはきょうは置いておきます。もう1つの目的であります学力向上、本当にこれだけのお金をかけて、大阪の中学生の学力向上に成果があったのか、この点につきましてお聞かせください。

答弁
小中学校課長

 チャレンジテストの学力向上の目的につきましては、全国学力・学習状況調査の結果を成果指標としております。

 まず、教科の平均正答率を比べますと、チャレンジテストを実施する前--およそ7年間ですが--の府内中学校の結果は、全ての教科で全国平均を下回っておりまして、教科によっては最大で7ポイント、最もよい結果の教科でも2ポイント低い状態でございました。チャレンジテストを実施した平成26(2014)年以降は、年々全ての教科が全国平均に近づいていっておりまして、現時点では、最も開いている教科では最大で2.8ポイント下回っている状態で、教科によっては0.1ポイント上回る結果が出ております。

 また、子どもたちが答えを書けないいわゆる無解答率の推移を見ますと、チャレンジテスト実施前は全国平均との差は最大で5.5ポイント、これは高いということなんですが、年々改善しまして、現時点では全国平均と差が見られなくなっております。

質問

 ことし(2019年)の全国学力テストで、課長から答弁がありましたように、英語が全国平均を上回ったということで、私も非常にたまげましたし、喜びましたし、やはりやったらできるということのあらわれなんかなと感じた次第です。

 このチャレンジテストをやっていることで、本当にそれが生かされているのか。各学校現場とか市町村教育委員会、当然府教育庁それぞれの段階で、この結果をどう使っているのか、どう学力向上につなげていくのかということが大事やと思うんですが、そのそれぞれについてお聞かせください。

答弁
小中学校課長

 チャレンジテストの結果の活用につきましてですが、府、市町村、学校、そして生徒自身が、チャレンジテストの結果についてそれぞれの立場から分析検証しまして、その後の学力向上への取り組みの改善を進めているところでございます。

 具体には、府教育庁は、まず府の中学生全体の結果について、問題や領域ごとの解答状況の分析を行いまして、まとめて示しております。あわせて教員に対しましては、どのような指導が必要か、そのポイント、また生徒が自分の苦手な問題を学習できるように、学習教材を作成しましてウエブに掲載するなどしております。

 市町村教育委員会は、府の分析も踏まえて、域内の学校の結果から、学力向上に効果のあった取り組みを他の学校に普及したり、各学校の課題に応じた効果的な指導方法等につきまして教員に指導しております。

 各学校では、府や市町村からの情報を踏まえて、教員が日々の授業の工夫改善につなげております。また、生徒全体の結果から、その学校で課題のあった問題を授業で復習したり、一人一人の生徒の課題に応じた個別の指導や家庭学習の課題を出すなどしているところでございます。

意見

 このチャレンジテストに関して、先日もテストに反対する人たちの集まりがあったということで新聞に報道があったところなんですが、仕組みそのものはどういうのがいいのか、百点満点なのか、なかなか難しいと思いますが、なぜこの仕組みがあるのかは引き続き丁寧に理解を求めるとともに、また学力向上に関しましては、しっかりとこのチャレンジテストを使って、子どもたちが、何で僕はこれができひんかったの、私はできひんかったのというのがわかるような工夫もしていただけますと、それがやはり次につながると思いますので、いろいろと工夫をしていただきますよう、お願いをしておきます。

2019年11月13日

小中学校生徒指導体制推進事業費

質問

 次に、小中学校生徒指導体制推進事業費についてお聞きをいたします。

 こちらは報告書の49ページ、50ページに記載がございます。

 決算額として3億1907万2136円ということですが、この事業の成果についてはこれまでもお聞きをしてまいりましたが、中学校での暴力行為の減少ということでこの事業は成果を上げているのではないかと見られます。先日、文科省の問題行動調査結果も公表されたところでありますが、平成30(2018)年度における本事業の特に中学校での成果についてお聞かせください。

答弁
小中学校課長

 本事業は、府内125の中学校に非常勤講師を配置することで、生徒指導主事の授業負担を軽減しまして、生徒指導業務に専念できるようにするものでございます。

 この事業の実施によりまして、同じ生徒が繰り返し暴力行為を起こすなど課題の大きい学校においても、生徒指導主事が中心となりまして、福祉や警察などの関係機関と連携しながら、組織的で迅速な対応をできる体制が整っております。

 大阪府の中学校における暴力行為発生件数は、依然として全国平均を上回っておりまして、厳しい状況にはあるものの、平成30(2018)年度の事業実施中学校におきましては、平成29(2017)年度と比較しますと、1523件から1181件と約23%減少しておりまして、成果を上げることができております。

 しかしながら、府内の学校においては、暴力行為のみならず、いじめ重大事態の発生や重篤な虐待事案など喫緊の課題も生起しておりまして、課題と捉えているところでございます。

意見

 我が会派としましては、かねて、生徒指導主事を府単独で加配すべきやないかとずっと訴えてきたところであります。こうやって非常勤講師を配置することで、その分、負担を軽減してというこの事業の成果が、こちらとしてはその考え方が合うているんやないかなと感じております。

 先ほどの高校のフォローアップ事業、こちらもより多くの人の目が入ることで生徒の中退率が下がったように、やはり暴力行為の減少というのも、こうやって人が入っているからこそ、いろんな取り組みができるということになったんやないかと感じるわけでございます。

 ただ、暴力行為に限らず、答弁にもありましたけど、いじめや虐待やさまざまな課題を学校現場はいっぱい抱えているのは現実です。この125校に限らず、また小学校も含めて大変な学校に対しまして、引き続き大阪府として支援をしていただきますようにお願いをしておきます。

2019年11月13日

子どもの体力づくりサポート事業

質問

 では、次の質問、最後のテーマです。

 子どもの体力づくりサポート事業です。こちらも先ほどうらべ委員からも質問がございましたが、重ならないように質問させてもらいます。

 この子どもの体力づくりサポート事業、専門的な技術指導力を備えたプロのスポーツ団体を初めとする外部指導者が、教員とともに直接実技指導をしたということであります。平成30(2018)年度についてはどのような学年の児童を対象としたのか、またなぜその学年にスポットライトを当てたのか、その狙いについてお聞かせください。

答弁
保健体育課長

 子どもの体力づくりサポート事業では、2つの取り組みを行いました。1つは、体育専門大学の教授や学生、プロのスポーツ団体の外部指導者を学校等に派遣し、体育の授業におきまして直接子どもたちに実技指導をいただきました。もう1つは、府教育庁が作成いたしました、運動する機会の少ない、また苦手な子どもが音楽に合わせて元気に楽しく体を動かすためのツール、めっちゃスマイル体操とめっちゃWAKUWAKUダンスを、ダンス専門の外部指導者が同じように子どもたちに指導を行いました。いずれの取り組みも、小学校1、2年生と近隣の保育所、幼稚園の幼児を対象として実施しました。対象の学校園は、17の小学校と9つの園でございました。

 平成29(2017)年10月にスポーツ庁が発表した結果がございます。体力・運動能力調査、これによりますと、幼児期に外遊びをよくしていた小学生は、その頻度が高いほど日常的に運動を行う割合が高く、体力テストの合計点も高いというものでございました。こうしたことから、この取り組みでは1、2年生と幼児を対象として実施をしたものであります。

 体力向上には、運動やスポーツを好きになることが大変重要であり、幼児期や小学校の早い段階で子どもに多様な動きを経験させることで、運動習慣の定着化を図ることとしたものでございます。

質問

 その狙いについてはよくわかりました。

 私は体育が苦手で不得意で、いまだに体育というものは大嫌いです。この間、うちの子どもが通っている幼稚園の運動会で久しぶりに張り切ったら、思い切りこけまして、恥をかいて、やっぱり大人になったって体育はできひんなと痛感したところなんですが、とはいえ、体を動かすこと自体が苦手で不得意でも、やっぱり体を動かすことは楽しいと思ってもらえる。例えば友達と一緒に走り回るとか、野球で三振してもええからやっぱりバッターボックスに立つとおもしろいとか、そんなことを思ってもらうことは非常に大事なことじゃないかと、運動ができひんからこそ、非常に感じております。

 幼児期や小学校低学年の早い時期に体を動かすことの楽しさ、興味関心を持ってもらうという狙いは非常によかったと思うんですが、その成果はどのようなものだったのでしょうか、お聞かせください。

答弁
保健体育課長

 この事業の対象となりました幼児児童は合計約1470名でございました。事業の実施の前後にアンケートを行いましたところ、運動やスポーツをすることが好きまたは少し好きと答えた子どもの割合が88.2%から92.4%となり、4.2ポイント増加いたしました。

 事業後に小学校で行いました新体力テストの結果では、指導いただいた内容に関連する種目全てで、男女とも記録が向上しておりました。特に反復横跳びや立ち幅跳びで伸びが顕著でございました。

 府教育庁といたしましては、子どもが運動やスポーツを好きになり、運動習慣の定着が図れるよう、引き続き市町村教育委員会とも連携を図りながら、子どもたちの体力向上に取り組んでまいります。

意見

 つい先日幕を閉じましたラグビーワールドカップの日本代表ウイングで活躍した福岡堅樹選手、皆さん御存じやと思います。この福岡選手が、あるテレビ番組でピアノ演奏を披露されていました。幼いころにはピアノを習っていたそうで、僕の原点はピアノです、ステップのリズム感とかの部分はピアノをやっていたおかげでうまくいっているのかなと思いますと、非常に興味深いことを話をされていました。子どものときにどんな体験をしたのかというのが、この福岡選手の場合、非常にうまく生かされているのじゃないかなという、いい事例やと思います。

 ぜひともこの大阪の子どもたちが私のようにならずに、体を動かすことは楽しい、できなくても楽しいと思ってもらえるような取り組みを、また苦手意識を少しでも克服できるように早い時期から始めていただきまして、それがひいては子どもの体力、また体力は当然健康づくりにもかかわってきますので、そういった方向につながりますようにしっかりと取り組んでいただきますことをお願いしまして、質問を終わります。知事質問はございません。