大阪府議会議員 かじき一彦 公明党

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健康福祉委員会質疑

2013年10月16日

府立公衆衛生研究所と市立環境科学研究所の統合

質問

 公明党大阪府議会議員団の加治木一彦です。

 本日は、公衛研と環科研の統合、府立病院機構、発達障がい、日常生活自立支援事業、そしてまいど子でもカードの5点について質問させていただきます。この健康福祉常任委員会に入りますのは今回が初めてですので、私もさまざま勉強させてもらっておりますので、ぜひともいい答弁をよろしくお願いいたします。

 まず、公衆衛生研究所と環境科学研究所の統合についてであります。

 平成26年4月に統合し、独立行政法人になるということで今進んでおりますが、この両研究所の統合と独法化につきましては、既にことし(平成25年)2月の定例会で新たな法人となる大阪府市地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所の定款や府市による評価委員会の共同設置をも可決しております。それから半年が過ぎたわけですが、現在の統合交渉の進捗状況について、まず御説明をお願いいたします。

答弁
健康医療部副理事

 府立の公衆衛生研究所、市立の環境科学研究所の統合、地方独立行政法人化につきましては、昨(平成24)年の11月に府市3名ずつの職員を配置した通称統合準備室を設けまして独立行政法人化の事務作業を進めることとし、12月には、両研究所の所長をトップに、所管部局や大都市局の幹部職員等をメンバーとするタスクフォース会議を設置し、独立行政法人化の重要事項を検討してまいりました。

 本(平成25)年2月定例会におきましては、委員からお示しがございましたように、定款及び評価委員会の共同設置規約を府市の両議会で御可決いただいたところでございます。

 今(平成25)年度に入ってからは、法人が達成すべき業務運営の目標を定める中期目標の案について検討を進めまして、本年8月末の法人評価委員会におきまして、おおむね妥当との御意見をいただいたところでございます。

 法人に移行すべき業務につきましては、府市の関係課、保健所等とも調整を進めてまいりました。法人の人事給与制度につきましては、現在、人事担当部局や大都市局にも御相談をしながら、最終の調整を行っているところでございます。

質問

 現時点では、平成26年3月31日までは公衛研、環科研がそれぞれ府市の直営で存在をし、翌4月1日付で2研究所が統合され、独法として動き出すということになります。

 公衛研、環科研が実施をしている調査研究や試験検査のうち、どちらか片方のみがしている業務をどの機関が引き受けるのか、項目ごとの詳細な整理と円滑な移行に向けた準備はもうできているのでしょうか。

答弁
健康医療部副理事

 新法人におきましては、両研究所で共通いたします感染症、食品衛生、生活環境衛生の各分野の検査・調査研究機能を統合することといたしております。

 市立環境科学研究所で付設して実施しております栄養専門学校につきましては、今(平成25)年度末に廃止の予定でございます。また、市立環境科学研究所が行っております大気汚染等の都市環境分野の業務につきましては、新法人には引き継がない予定でございまして、市が民間機関や大学等で代替する方向と伺っております。

 次に、公衛研が実施しております薬事関係業務についてでございますが、医薬品等の製造販売の一部につきましては、都道府県知事が承認権限を有しております。承認業務は本庁の薬務課が所管しておりますが、承認申請書のうち、規格及び試験方法の設定に関する資料、医薬品の安定性に関する資料の審査及び指導等を公衆衛生研究所が行っております。研究所のこれら業務は、承認という知事の行政権限と一体不可分であるため、法人設立後には薬務課に引き揚げて実施する予定でございます。これらの審査業務の件数は、ここ数年、年間400件から600件ほどでございますが、業務引き揚げに伴う人員配置等、独法化後においても業務に支障がないよう調整してまいりたいと存じます。

 以上、申し上げました業務以外につきましては新法人に移行して実施する予定であり、これまで国とも調整し、法人における業務実施には支障がない旨、確認してまいりました。今後とも、適切に対応できますよう、国や関係機関にも詳細を確認しながら、法人化に向けた準備を進めてまいります。

質問

 先日の毎日新聞でも取り上げられておりましたが、人事給与制度は府市間の調整に手間取っているとお聞きをしております。総務常任委員会でも、府市の各種機関の統合に向けた課題についての質疑があったばかりです。改めて確認の意味でお伺いをいたします。

答弁
健康医療部副理事

 現在の両研究所職員の人事給与面での実情を比較いたしますと、まず研究職員の役職段階でございますが、公衛研では、所長のもとに部長、課長、主任研究員、研究員といった職を設置しております。これに対しまして、環境科学研究所では、課長及び研究主幹、研究副主幹、研究主任、研究員といった職となっております。管理職の範囲につきましては、公衆衛生研究所では課長以上を管理職とし、環境科学研究所では研究副主幹以上を管理職といたしております。

 また、適用される給料表の水準に相違がありますほか、諸手当の面では、地域手当は府が10%に対しまして市が15%と5%の差がありますほか、管理職手当も先ほど申し上げました役職段階の相違から支給対象範囲に違いがございます。

 以上、研究所に適用されます府市間の人事給与制度の大きな相違点を申し上げましたが、新法人につきましては、一法人一制度を目指すということとなるため、こうした相違点の調整について時間を要している状況で、現在、最終調整を行っているところでございます。

要望

 2月定例会の健康福祉常任委員会で我が会派の大山議員が、統合、独法化のメリットと注意すべき点を質疑し、答弁をいただいておりますので、それらについては重複を避けるため省略をいたしました。

 地方衛生研究所では全国初の独法化となります。新研究所設立の目標としている平成26年4月1日まで日にちは少なくなっていきますが、しっかりと課題整理をし、関係機関や団体との協議を着実、丁寧に進めて、不安材料を全て解消することを要望しておきます。

2013年10月16日

府立病院機構の非公務員型地方独立行政法人への移行

質問

 続きまして、府立病院機構についてお伺いいたします。

 府立病院機構は、平成18年に独立行政法人になって以降、患者サービスの向上や経営改善に取り組んでおります。とりわけ、法人設立時に抱えていた65.7億円の不良債務を平成22年度までの第一期中期目標の5年間で解消したことは評価すべきと考えます。

 平成23年度からの第二期中期目標の前文を見ますと、「高度専門医療を行うための施設、医療機器の整備や優秀な医療人材を育成確保するための環境整備など、将来に向けた投資を着実に行い、さらなる医療技術、医療サービスの向上、経営改善を目指すこととする。医療や病院経営をめぐる環境変化に迅速かつ柔軟に対応できるよう、より機動的かつ自律的な病院運営体制の構築に取り組んでいく」とあります。病院機構の目指すべき方向を端的にわかりやすく示してくれていると感じました。

 今議会に、この病院機構を非公務員型の独立行政法人に衣がえするための定款変更が議案として提出されております。公務員型から非公務員型に変わることで、医療サービスに何らか影響が生じるようなことがあるのか、確認をしてまいります。

 まず、公務員型から非公務員型に変わることの目的についてお聞かせください。

答弁
医療対策課参事

 府立病院機構が非公務員型の独立行政法人であります一般地方独立行政法人への移行を図る目的につきましては、医療や病院経営をめぐる環境変化に対応しながら、診療機能のさらなる充実や経営改善によりまして、より一層柔軟かつ迅速に取り組むことができる病院の運営体制を確立するため行うものでございます。

 非公務員型への移行によりまして、このメリットを最大限生かし、これまで以上に自律的、機動性の高い組織とすることによりまして、組織のマネジメント強化を図るものでございます。

質問

 非公務員型の組織とすることで、診療機能のさらなる充実や経営改善により一層柔軟かつ迅速に取り組むことのできる病院運営体制ができるとのことですが、どのような効果が見込めるのでしょうか。

答弁
医療対策課参事

 非公務員化によります効果といたしましては、1つ目としまして、営利企業等の従事制限の緩和などによりまして、医師、看護師等の活動範囲が拡大することにより、地域医療への貢献や民間との共同研究をこれまで以上に積極的に取り組むことが可能となるものと考えております。

 2つ目といたしまして、より柔軟な採用方法の活用、営利企業等の従事制限の緩和等によりまして、よりすぐれた能力、専門性を有する人材の確保が期待できるということでございます。

 3つ目といたしまして、法人の業務実績に応じました給与基準の設定が可能となりまして、より的確にこの実績を給与に反映することにより、職員の勤務意欲の向上が期待できると。

 こういったことを通じまして、地域医療の水準の向上、それから診療機能の充実、組織マネジメントの強化につながるものと考えております。

質問

 今の説明をお聞きいたしますと、営利企業に従事できる条件が緩和されることや地域医療への貢献などが今よりできるようになるとのことですが、より具体的に現時点でどのようなことを想定されているのか、お答えいただけますか。

答弁
医療対策課参事

 お尋ねの具体的な想定事例ということについてでございますけれども、今後は病院機構の運営の中で個別には判断していくということになりますけれども、例えば、医師が不足する地域の医療機関からの要請でありますとか、専門医師のノウハウを得たいと考える医療機関からの要請に対しまして、柔軟に医師の派遣を行うことで、これまで以上に地域医療への貢献が期待できるということ。

 また、病院機構の医療従事者がみずから研究しておりますがんや感染症等の臨床研究の成果を活用しまして、新たな治療方法の開発やその実用化を手がける研究機関や企業などの研究活動に主体的に参画しやすくなることで、さらに共同研究の取り組みが進み、その結果といたしまして、府域の医療水準の向上につながると、こういったことが期待できるというものであります。

 このような現状の地方公務員型の独法の病院機構では難しかった取り組みが、今後、幅広く行えるようになると、こういうふうに考えております。

質問

 効果について今お伺いをしたのですが、府民、とりわけ病院機構にかかっている患者にとって、デメリットが生じるようなことはないのでしょうか。例えば、営利企業等への従事制限が緩和されることで、医療現場が手薄になり、医療サービスが低下してしまうなどのおそれはないのでしょうか。

答弁
医療対策課参事

 営利企業等の従事制限の緩和によります病院機構の職員における兼職、兼業の緩和につきましては、これまでどおり、職務の遂行に支障を及ぼすおそれがない場合、職員の職との間に特別な利害関係がない場合等に限り認めることとしておりまして、非公務員型になりましても、府民にとってデメリットは生じることはないというふうに考えてございます。

質問

 非公務員型のほうがよりすぐれた病院運営ができるとのことだと解釈をいたしましたが、非公務員化するということは、労働三権が付与される一方、これまであった法人の定員管理の概念がなくなるなど、いわば民間医療機関と同じということになります。

 この(平成25年)8月に病院機構評価委員会がまとめた平成24年度の評価結果を見ても、府の医療施策と連携を図り、大阪府民の健康と命を守るという責務に基づき、将来を見据えた法人運営と確実な実践を期待するとの意見があります。非公務員化することで、府との連携、特に政策医療の実施が難しくなるといったことはないのでしょうか。

答弁
医療対策課参事

 病院機構は、非公務員型に移行しましても、実態的には法人の職員が公務員の身分を有するか有しないかの違いということでありまして、府が病院機構に政策医療の実施を指示する関係性に何ら変更はございません。むしろ、診療機能の充実や経営改善の取り組みを通じまして、府民に対するさらなる医療サービスの向上につながっていくものというふうに考えてございます。

 本府といたしましては、これまでどおり、病院機構との連携のもと、病院機構が取り組むべき目標を中期目標という形で指示することによりまして、必要な政策医療の実施を求めてまいります。

要望

 病院機構が非公務員型の独法に移行することについて、一定の整理はさせていただきました。最も大事なことは、府域の医療水準の向上や府民の最後のとりでとしての使命を引き続き担ってもらうことと考えます。

 病院機構も、将来、大阪市立病院との経営統合を控えております。先ほどの公衛研と環科研の統合もまだ課題が残っているようですが、病院同士の統合も、実際に協議を進めていけば、かなりの困難が予想されます。府民、市民ともに安心して公的医療機関のサービスが受けられる体制づくりを求めて、この質問を終わります。

2013年10月16日

発達障がい

質問

 続きまして、発達障がいについてお伺いをいたします。

 我が会派の内海議員がことし(平成25年)2月定例会で発達障がい児者への支援をテーマに一般質問をし、その中で早期発見に向けた取り組みについて福祉部長から答弁をいただきました。その一つが、1歳半、そして3歳の乳幼児健診のときに使える発達障がいの指標となる問診項目等の検討でありました。

 今年度から始まった大阪府発達障がい児者総合支援事業で、さまざまな取り組みが始まったとお聞きをしております。

 そこで、これまでどのようなことをされてきたのでしょうか。

答弁
副理事兼健康づくり課長

 今(平成25)年度5月に、学識経験者、臨床心理士、小児科医師に加え、市町村の医師や保健師等で構成する問診票検討ワーキングチームを立ち上げ、これまでに3回、検討会議を開催し、1歳半・3歳児健診の場で活用する発達障がいの早期発見に資する問診項目を作成しました。

 また、新たに、1歳半健診から3歳児健診までの間の2歳代で活用する問診項目を作成したところです。これは、一歳半健診の後、フォローが必要な小児に対して保健師がさまざまな場において継続して支援しておりますが、その際に保護者に対して質問するもので、より早期に発見し、療育や専門医療機関等に確実につないでいくことを目的としたものです。

 9月に市町村を対象としました説明会において、これらの問診項目を提示し、できるだけ早い時期に問診項目の追加、修正等をしていただくよう市町村に依頼したところでございます。

質問

 次に、市町村がいつ問診票を改訂しようとしているのか、既に回答を寄せた市町村がございましたら、途中経過で結構ですので、お答えをください。

 また、市町村によっては、改訂作業を進める上で発達障がいについての専門的な知識を必要とする場合もあるかもしれません。府として、どのように市町村を支援していくのでしょうか。さらに、市町村が改訂した問診票を今後どのように運用していくのでしょうか。例えば、健診後の子どもたちや保護者への支援方法、保健師の対応などについて基準や説明のようなものが必要と考えますが、府としてどのように対応されるのでしょうか。

答弁
副理事兼健康づくり課長

 市町村の改訂時期につきましては現在調査を実施しておりまして、今(10)月末には全ての市町村の状況が把握できる予定となっております。11日現在の状況では、12市町から回答を受理しており、その内訳といたしましては、今(平成25)年度中に問診票の改訂を行うところは8市町、平成26年度中に改訂するところは3市、平成27年度中に改訂するところが1市となっております。

 市町村への支援としましては、これまでも多くの市町村で地域の医師会等の協力を得て必要に応じ問診票の改訂等を行っておられますが、今回は発達障がいに特化したものであることから、希望する市町村に対して問診票検討ワーキングチームの専門家によるアドバイス等を考えており、市町村にもその旨をお伝えしております。

 また、現在、問診票検討ワーキングチームにおいて、問診項目の選定理由、考え方や健診後の支援方法、健診時の保護者への伝え方等について解説した手引書を作成しており、来(平成26)年2月ごろをめどに市町村に配付し、説明会を開催する予定であります。

 今後は、これらの方法によりしっかりと市町村を支援してまいります。

質問

 この9月には、中長期的な視点に立った大阪府発達障がい児者支援プランの中間まとめが出されました。この中で、乳幼児健診の精度向上のため、内海議員の質問に対する答弁でもありました、機器を使った健診手法としてゲイズファインダーの活用を検討することが挙げられております。このゲイズファインダーというのはどのような装置なのでしょうか。また、ゲイズファインダーを乳幼児健診で活用するに当たり、今(平成25)年度、府としてどのような取り組みをされるのでしょうか。

答弁
地域生活支援課長

 発達障がい児の中でも特に自閉症児におきましては、他者との視線が合いにくい、人の顔よりも幾何学模様などを好むといったことが知られております。発達障がいの診断補助装置として開発されましたゲイズファインダーは、人の視線の位置を容易に測定することができますため、今後、乳幼児健診における発達障がいの早期発見に資する手法の一つとして期待されております。

 大阪府といたしましては、ゲイズファインダーを使った乳幼児健診の手法の検討に向け、今(平成25)年度、大阪府立精神医療センター及び母子保健総合医療センターにおける診療時にこの装置を活用し、その測定結果と診断結果との相関性や測定結果に対する保護者の受けとめなどについて検討を行うこととしております。

 具体的には、9月から府立精神医療センターにおいて病棟の患者から運用を開始し、現在は外来患者を対象に活用を進めているところでございます。今後、母子保健総合医療センターも含めて、順次運用を拡大し、乳幼児健診での活用に向け、必要な情報を収集してまいりたいと考えております。

質問

 このゲイズファインダーというのをインターネットで検索いたしましたら、ある研究者のブログに測定結果の一部がアップされておりました。項目や数字がいっぱい並んでいたんですが、一見しただけでは、素人には何を意味するのか、どう解釈したらいいのかさっぱりわかりません。実際に乳幼児健診の現場でゲイズファインダーを活用するにしても、機械的に測定結果を知らせるだけではなく、保護者がその結果をどう理解したらよいのかや、必要に応じて適切な支援に結びつくような丁寧な対応が重要と考えます。

 この中間まとめには、平成26年度以降、市町村の乳幼児健診の現場でモデル実施をすることとありますが、保護者の理解を求めるべく、府はどのように取り組もうとしているのでしょうか。また、市町村の乳幼児健診を充実させるためには、実際に健診を担当する保健師に正確な知識を身につけてもらう必要があると考えます。こちらにつきましても、府としてどのように取り組まれるのでしょうか。

答弁
地域生活支援課長

 ゲイズファインダーを市町村の乳幼児健診で活用していくに当たりましては、保護者に抵抗なく測定結果を受けとめてもらうことができますよう、丁寧に対応していくことが重要であります。

 本府といたしましては、今年度の精神医療センター及び母子保健総合医療センターでの検討結果を踏まえまして、来(平成26)年度以降、市町村の乳幼児健診においてモデル実施を行い、測定結果に対する保護者の受けとめなどについてさらに検討を深めたいと考えております。

 このモデル実施を行っていくに当たりましては、保護者に対してゲイズファインダーや事業の趣旨などについて丁寧に説明を行い、事業への協力に御了解をいただいた上で測定を行うようにするなど、適切な方法で事例を収集していく必要があると考えておりまして、今後、市町村の御意見を十分にお聞きしながら検討を進めてまいりたいと存じます。

 また、主たる健診従事者である保健師は、発達障がいの早期発見に重要な役割を担っております。このため、大阪府として発達障がいに関する研修を行うこととしておりまして、この中でゲイズファインダーに関する情報を提供するなど、研修内容の充実に努めてまいりたいと考えております。

 本府といたしましては、発達障がいの気づきにつながる乳幼児健診体制が早期に整備されるよう、広域的な観点に立ち、市町村への支援を行ってまいります。

要望

 この間の土曜日、日曜日に私のおります淀川区内で幼稚園の運動会が幾つかございまして、お邪魔しましたら、私の園にはそういう発達障がいの子どもが何人いるとか、どこの園はそういう発達障がいの子どもを受け入れるのを積極的にしてはるとか、そういう話題を園長さんに私もいろいろ教えてもらったんですが、実際、発達障がいという言葉を耳にしても、それがどういうものなのか、それが子どもにどういうふうにかかわっていくのか、まだまだ正確なことは私自身もわかっておりません。インターネットをあければ何ぼでも情報は出てくるんですが、そうすると今度はどれを信用していいのか、どれが信用できないのか、まさに玉石混淆、情報が飛び交っております。こういう公的な機関の健診の中で、そういう保護者の不安を解消できるように、正確な情報を提供できるように、これは府としてしっかり市町村を応援していっていただきたいと思います。

2013年10月16日

日常生活自立支援事業

質問

 それでは、次の項目に移ります。日常生活自立支援事業です。

 我が会派の10月1日の代表質問で、日常生活自立支援事業を取り上げました。この事業は、判断能力が不十分な方に対し、福祉サービスの利用手続の援助などをし、日常生活を支える重要な事業です。一方で、利用者が年々増加し、一部の市町村では待機者が発生する事態も起きております。代表質問では、事業の待機者を解消し、こうした方々の権利を守るためには、市町村社会福祉協議会がサービスの提供主体との現状を踏まえ、安定的な事業運営に向けた手だてをしっかりと講じるべきではないかと投げかけました。

 福祉部長からは、市町村負担分について国庫補助の対象となるよう国に働きかけるとともに、待機者の解消に向けて本事業の補助のあり方について検討を急ぐとの趣旨で答弁がありました。高齢者の増加に合わせ、利用希望者もふえ続けることが予想されます。府がしっかりと取り組まれることを重ねて求めておきます。

 さて、この本事業、こうした中長期的な課題もありますが、今(平成25)年度、国は本事業を含むセーフティーネット支援対策等事業費補助金を突然3割カットという内示をしました。今年度の残りの期間、事業をどのように運営していくのか、まさに降って湧いた課題が目の前にあります。セーフティーネット補助金という性質を考えれば、一方的に国が減額したというのは到底納得できるものではありません。この点、府は3割カットの早期復元を求め国に緊急要望をされたとのことですが、どのような手応えだったのでしょうか。

 また、この事業の利用者を困らせることのないようにするには、大阪だけでなく、切実感を共有する他の府県とも連携し、地方の問題意識を国にぶつけていくことが重要と考えますが、この点はいかがでしょうか。

 以上、2点お答えください。

答弁
地域福祉課長

 セーフティーネット支援対策等事業費補助金は、要援護者の権利擁護のため実施している日常生活自立支援事業のほか、生活保護の適正な運営や福祉人材の確保など、地域社会のセーフティーネットを支えるさまざまな重要事業を対象とする国庫補助金でございます。

 先(9)月11日付の内示におきまして、国庫補助協議額の査定額に対しまして約7割分の内示額にとどまりましたが、日常生活自立支援事業についていいますと、補助金が削減されますれば、待機者のさらなる拡大につながるのはもとより、現に利用している方へのサービス提供を一時休止せざるを得なくなるおそれが高いなど、利用現場に大混乱をもたらすことは必至で、利用者の権利擁護の観点からも影響が極めて大きいと認識しております。

 このため、今(10)月4日、政令市、中核市の福祉担当部局長との連名で厚生労働省社会援護局長宛てに、カットされた約3割分の復元について補正予算等で対応するよう緊急要望を行ったところでございます。これに対する国の回答は、放置できない大きな課題と認識しており、日常生活自立支援事業を初めとする必要な事業の執行に迷惑がかからないよう追加予算の確保に向けて最大限の努力をしていきたいというもので、前向きな検討を進めていただいているものの、結論が出るまでにはもうしばらく時間がかかるというものでございました。

 府といたしましては、お示しのように、全国の主要な都道府県とも連携いたしまして、3割カットの復元に向けて取り組みを進めてまいりますとともに、国の動向に引き続き注視してまいります。

質問

 緊急要望に対する国の感触はわかりました。並行して他府県との連携も進めているとのことですので、早急に調整をし、間髪入れず国に強く求めていってください。

 このセーフティーネット補助金の予算確保につきましては、今(10)月11日、公明党の厚生労働部会に所属する国会議員が佐藤厚生労働副大臣に緊急要望もしております。こちらも後押しをしていきたいと考えております。

 次に、日常生活自立支援事業の実施主体となる大阪府社会福祉協議会との関係をお聞きいたします。

 国による一方的な補助金の3割カットは、確かに府が責めを負うものではありませんが、だからといって、府社協への責任を免れるものでもありません。国庫補助金のカットが府から府社協への補助金カットにつながり、結果として府社協が事業を委託している府内市町村社協への委託料カットを引き起こすなら、最悪の場合、現場の専門員や生活支援員の人件費が賄えず、日常生活自立支援事業を利用する方々がサービスを受けられなくなるのではないかと危惧しております。

 真っ先に考えるべきは、現にサービスを受けている方々のことです。突然、事業が打ち切られて、サービスを受けられなくなるような事態は避けねばなりません。国がどう動くのか、府として予想が立てにくく動きづらい現状は重々理解しておりますが、事業の補助主体としての府はどのように考えているのか、お伺いをいたします。

答弁
地域福祉課長

 日常生活自立支援事業は、認知症高齢者や知的障がい、あるいは精神障がいの方など、判断能力が不十分な方の権利と財産を守るセーフティーネットの一つとして極めて重要な役割を果たしており、御指摘のとおり、利用者が突然サービスを受けられなくなってしまうような事態は決して許されないと認識しております。

 府といたしましては、利用者がしわ寄せを受けることなく、安心してサービスを利用できるよう、他府県や府内市町村、あるいは府社協など関係機関との連携を密に、今後とも、国に対して3割カットの復元について粘り強く働きかけ、利用者への影響の回避に向けて最大限の努力をしてまいりたいと存じます。

要望

 本事業は、社会福祉法上の実施主体である府社協のほか、より住民に身近な組織で実際の活動主体である市町村社協や市町村など多くの関係機関があります。さまざまな機関が、適切な役割分担のもと、相互に連携をしながら事業を進めていかねばなりません。何より忘れてならないのは、個々の利用者の視点です。国の内示の影響が利用者に及ばないよう、府として一層の努力をされますよう求めておきます。

2013年10月16日

まいど子でもカード

質問

 では、最後にまいど子でもカードについてお伺いをいたします。

 大阪府は、子育て世帯を社会全体で応援する関西子育て世帯応援事業まいど子でもカードを平成19年10月より実施しております。これは、企業などの協賛により、子育て世帯の方々がシンボルマークを提示することで、代金の割引を初め、さまざまな特典が受けられるというものです。我が会派も、過去に代表質問や委員会質疑、議会広報、テレビ番組などでたびたび取り上げてまいりました。早いものでことし(平成25年)が6年目となります。

 まず、登録会員数や協賛店舗数のこれまでの推移と現状がどうなっているのか、お伺いいたします。

答弁
子育て支援課長

 まいど子でもカードの登録数の推移についてでございますが、事業開始直後の時点で約3700人でスタートしました登録会員は、毎年順調にふえ続けておりまして、平成25年5月末の時点で10万人の大台を突破したところでございます。一方、約600店舗でスタートしました協賛店舗につきましても、順調に増加しておりまして、平成22年度には1万店舗を突破したところでございます。

 直近で把握しております最新のデータでございますけども、平成25年9月30日時点で、登録会員10万2392人で当初の27倍以上に、協賛店舗のほうですけども、1万3069店舗で当初の20倍以上となっております。

質問

 会員数、店舗数ともに順調に増加しているようですが、これまで登録拡大にどのように取り組んでこられたのでしょうか、お伺いいたします。

答弁
子育て支援課長

 登録数の拡大には継続的かつ効果的な広報活動が重要であると考え、市町村と共同して取り組んでおります。具体的には、府政だよりや市町村広報への掲載、ホームページによるわかりやすい情報発信、子育て窓口や保育所等へのチラシ配布などを行っているところでございます。

 また、広報活動以外には、子育て世帯向きのイベントに出向きまして、登録会員の拡大を図っております。特に、平成21年度から平成23年度には、国の緊急雇用創出基金を活用しまして、常時10人以上の登録促進員を配置することにより、登録数の飛躍的な拡大を図ったところでございます。それ以降におきましても、効率的に登録数をふやすため、御堂筋kappo等、大勢の府民が集まるイベントに参加しましたほか、今年度は新たに子育てママが集まりますイベント、ママ祭りに参加したところでございます。

 また、協賛店舗は、当初は飲食店が中心でしたが、さらに登録会員をふやすには協賛店舗の業種を拡大することが有効であると考えまして、プロスポーツ系のチームの登録によるスポーツ観戦やミュージカルの観劇といった文化施設への優待入場など、魅力あるサービスの拡大にも努めてまいりました。これらの取り組みによりまして、登録数が順調に増加したものと考えております。

質問

 さまざまな取り組みで会員や店舗をふやす量的な拡大はもちろん大切ですが、もう一方で、会員や協賛企業の満足度を高める質的な充実も必要と考えます。この点はどのように取り組んでいくのでしょうか。

答弁
子育て支援課長

 委員お示しのように、登録会員や協賛店舗の登録拡大とともに、双方の満足度の向上を図ることが重要であると考えております。このため、まずは利用者のほうに耳を傾けることが必要であるという認識のもと、登録会員へのアンケートや協賛店舗への聞き取り調査によりニーズを把握してまいりました。その結果、会員からは「サービスを受けられるお店がわかりづらい」、また店舗からは「協賛しても利用がない」などといった声が寄せられました。そこで、会員の皆さんへは店舗情報をわかりやすくホームページに掲載するとともに、協賛店舗には利用者のニーズを取り組みガイドとして取りまとめ、愛される店舗づくりへのサポートを行っているところです。

 また、ことし(平成25年)の秋には新たな取り組みとしまして、商店街とタイアップしたイベントを開催することを予定しております。これにより子育て世帯が商店街を利用し、商店街が潤う、それがまたさらなる子育て世帯の応援につながるといった相乗効果を図っていきたいと考えております。

 今後とも、利用者や協賛店舗のニーズを的確に捉え、新鮮で良質な情報をメールマガジンで提供するなど、利用者や協賛店舗を常に引きつけるような仕組みづくりに取り組んでまいります。こうした取り組みにより、まいど子でもカードの利用度を高め、本事業の目的であります社会全体で子育て世帯を応援する機運の醸成をさらに進めてまいりたいと考えております。

意見

 本日は五つのテーマについてお伺いをしてまいりましたが、健康医療部、福祉部の所管されている事業は、まさに暮らしの安全安心に深くかかわってくる事業でございます。これからも引き続きしっかりとその事業遂行に努めていただきますように要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございます。