大阪府議会議員 かじき一彦 公明党

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本会議代表質問

2021年7月9日

円滑なワクチン接種に向けた府の対応

質問

 公明党大阪府議会議員団の加治木一彦でございます。

 まず、静岡県熱海市の土砂災害でお亡くなりになった方々へ心よりお悔やみを申し上げますとともに、被災されました方々にお見舞いを申し上げます。また、悪条件の中、現地で復旧作業に当たられている方々に深く感謝を表します。

 さらに、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになった方々に心から哀悼の意を表するとともに、今なお入院、自宅療養中の皆様や、後遺症に苦しんでおられる方々に対しまして、一日も早い回復をお祈りいたしますとともに、昼夜を問わず感染症と闘っていただいている医療、介護従事者をはじめ民間事業者、府民並びに府職員の皆様に深く感謝申し上げます。

 それでは、日々、我が会派に寄せられております、コロナ禍で困窮、疲弊されている方々のたくさんの声を基に、限られた時間ではありますが、質問を進めてまいります。

 最初に、命を守る最大限の感染症対策の強化について、順次伺います。

 まず、今後の円滑なワクチン接種推進に向けた府の対応についてです。

 先頃、大阪市などでワクチン接種の予約受付が一時休止になるとの報道がありました。ワクチン接種についての情報が錯綜しており、既に現場の市町村や府民から混乱、不安の声が上がっております。このような事態に至った原因は、どのようなことによるものなのでしょうか。

 また、国は、VRS--ワクチン接種記録システムのみでワクチンの在庫管理をされようとしておりますが、システム入力にタイムラグが生じていることから、実際の在庫とは異なっており、実態を把握する必要があるのではないかと考えます。

 今後も、府民が安心して接種できるよう、府としてどのように対応していくのか、健康医療部長の見解を伺います。

答弁
健康医療部長

 府内市町村においては、国が掲げる7月末までの高齢者接種の完了などに向け、この間、個別接種機関の拡充や集団接種会場の設置などにより接種体制の拡充を図っており、これに伴い市町村からのワクチン供給希望量が増加しているところです。

 一方で、国から示された7月分のワクチン供給量は、6月分の3分の2程度となったことから、市町村において、医療機関への供給量の抑制や集団接種会場の閉鎖など、接種能力をダウンさせる事態が生じているものでございます。

 次に、ワクチンの在庫については、6月末の週までに府内市町村に供給されたファイザー製のワクチンは、約523万回分となっております。一方、7月6日時点のワクチン接種記録システム、いわゆるVRS上の接種回数は約214万回となっており、見かけ上は在庫が多く残っているように見えます。しかしながら、御指摘のとおりVRS入力や医療機関への配送までのタイムラグがあることから、府としては、この差が全て在庫量になるものではないと認識しております。

 今後、国の動きも踏まえながら、市町村の接種体制や状況などについて実態把握を行った上で、府全体でワクチン接種が円滑に進むよう、市町村をしっかり支援してまいります。

意見

 ワクチン接種に対する府民の関心は非常に高く、接種の実施主体となる市町村、そして府民の皆様の安心につながるよう、適時適切な情報発信をお願いしておきます。

 あわせて、ワクチン配分について、今後、都道府県による調整枠が設けられるなど、府の裁量が働く状況になった際には、府が広域調整機能の役割を果たし、市町村の接種の進捗状況など、現場の実情をしっかりと把握した上で、必要な支援をされることを求めておきます。

2021年7月9日

ワクチン接種推進に向けた広報

質問

 次に、ワクチン接種の推進に向けた広報について伺います。

 現在、7月末までの高齢者向けの接種の完了に向け、各市町村が鋭意取り組んでおります。高齢者への接種をおおむね終えた後は、基礎疾患を有する方や65歳未満の方など、次の接種順位の方々に移っていきます。また、企業や大学等による職域接種も進められています。

 コロナの感染拡大防止に向け、若い世代を含めた府民全体でワクチン接種を進め、集団免疫を獲得していく必要があると考えます。

 また、府民に対しては、ワクチン接種が強制でないことに十分に配慮した上で、その効果や副反応といったメリット、デメリットをしっかりと発信し、接種すべきかどうかをお一人お一人に判断していただくことが重要だと考えます。

 そこで、ワクチン接種の推進に向けた広報について、今後、府としてどのように取り組んでいくのか、健康医療部長に所見を伺います。

答弁
健康医療部長

 ワクチン接種については、府民一人一人が納得の上、接種していただくことが基本となりますが、ワクチンには発症予防効果や重症化予防効果が認められ、接種を進めることで医療提供体制や社会経済活動に与える影響が軽減されることから、できるだけ多くの府民に接種いただきたいと考えています。

 一方、ワクチンについて、必ずしもエビデンスに基づかない様々な情報が一部で発信されていることから、正確な情報を効果的に府民に伝えることが重要と認識しています。

 府としては、府民が接種の判断に当たり十分参考となるよう、接種の効果や副反応についての正しい情報の周知啓発に努めていきます。

 その際、府ホームページをはじめ、若い世代にも届くよう、SNSや公民連携による取組など様々な媒体を活用し、創意工夫を凝らしていきます。

2021年7月9日

飲食店、大規模施設等への支援策

質問

 次に、飲食店、大規模施設等への支援策である営業時間短縮協力金や支援金の今後の実施について伺います。

 6月30日の定例会見で、知事は、今(2021)年1月7日からの緊急事態宣言に係る営業時間短縮要請に対する協力金のうち、1月分から3月分まで、いわゆる第1期から第3期の分の審査が完了したと公表しました。

 これまで、我が会派が13回にわたって実施してきましたコロナ対策に関する知事への緊急要望の中でも、協力金を一日も早く支給してほしいという強い思いで、協力金支給体制の強化など様々な改善策を提案してきました。また、事業者に対する感染対策備品の導入を促進する支援制度も提案しました。

 こうした中、協力金の業務に特化した組織である協力金推進室が設置されました。4月以降の期間を対象とする第4期、5月末までの期間を対象とする第5期も審査が進み、支給が始まっています。さらに、第6期の申請も始まり、こちらも一日も早く支給されることを願っております。

 ぜひ、引き続き、我が会派からの提言も踏まえて、様々な改善の上、迅速な支給に取り組んでください。新たな体制の下、どのように改善され、その結果、支給の状況はどのようになっているのか、商工労働部長に伺います。

答弁
商工労働部長

 営業時間短縮協力金の支給事務につきましては、全ての審査工程を委託したため、書類記載の不備不足などにより判断を要する事案の審査が滞留するなどの課題がありました。また、進行管理を行うために部内に設置したチームの体制が、部内職員の短期応援という形を取ったため、業務の継続性に安定を欠く面もございました。

 このことを踏まえ、6月21日付で協力金推進室を設置し、専任の室長を配するとともに、全庁からの応援職員も受けて、府職員約百四十名で協力金等の業務を担う体制を構築したところでございます。

 協力金推進室は8つのグループで構成され、それぞれが課長級のグループ長の下、時短協力金をはじめ感染症対策備品設置支援金、大規模施設等協力金の審査、支給に当たっています。また、委託業者とは、必要に応じ協議を行い、日々の業務を完遂することも契約に明記いたしました。

 こうした取組を進める中で、感染症対策備品設置支援金は6月18日、大規模施設等協力金は6月30日から支給を開始しております。また、営業時間短縮協力金につきましては、本日時点で、7月7日に受付を終了した第4期は既に2万7000件を支給し、受付中の第5期につきましても並行して支給を開始しています。不備不足のない申請は、原則2、3週間程度で支給できるよう取り組んでまいります。

 営業時間短縮協力金及び各支援金の支給に当たっては、時短等の要請に協力をいただいている方に御不便をおかけすることがないよう、スピーディーな対応に努めてまいります。

2021年7月9日

緊急小口資金等の特例貸付制度の周知

質問

 最後に、暮らしを支えるセーフティーネットと言えます緊急小口資金等の特例貸付制度の周知について伺います。

 新型コロナウイルス感染症の影響で困窮する世帯へ無利子で貸し付ける緊急小口資金等の特例貸付制度について、厚生労働省が6月25日時点で集計した速報値では、同制度が始まった昨(2020)年3月から今(2021)年の6月19日までに貸付けを決定した金額は、約1兆130億円に達したとのことでありました。

 パネルを御覧ください。大阪府内でも、実施主体である大阪府社会福祉協議会が集計した6月25日時点の実績で、貸付額が約1458億円となっております。貸付要件が異なるため単純に比較はできませんが、リーマンショックの影響を受けた平成21(2009)年度から22(2010)年度の貸付額約79億円、上の棒グラフです--と比較しても圧倒的に膨れ上がっており、今回の巨額の貸付額は、新型コロナウイルス感染症の影響による失業や休業等で収入の減少が長引いている危機的な状況の裏返しであると考えます。

 我が党は、新型コロナウイルス感染症関連の生活、雇用に関する支援策の多くが6月末で期限を迎えることを懸念し、5月27日に政府に対し、7月以降の支援策延長など、生活困窮者支援を求める緊急提言を行いました。

 今般、政府から示された緊急小口資金等の特例貸付けの申請期間の8月末までの延長は、我が党の提言により実現したものであり、生活に困窮する方々に寄り添ったものと認識しております。

 コロナ禍で、生活に苦しむ方々が本貸付けを利用できるよう、申請期間の延長という重要な情報を確実に届けることが不可欠です。そのためには、ホームページ等での周知に加え、民生委員をはじめ、地域の中で生活にお困りの方と身近に接する方々への周知が必要ではないでしょうか。大阪府では、本制度についてどのように周知を図っていくのか、福祉部長に伺います。

答弁
福祉部長

 緊急小口資金等の特例貸付けについては、府内での利用件数が36万件を超え、いまだ多くの申込みが続いていることから、本府としても大変深刻な状況にあると認識をいたしております。

 このため、本貸付けを必要とする方々に確実に制度を周知するため、これまでホームページの活用や府民センターなどの施設における紙媒体による広報に加え、市町村や社会福祉協議会等にも広報、周知を働きかけるなど、制度の内容や相談窓口について広く府民に情報発信を行ってきたところでございます。

 今後、改めて、生活困窮者の相談に対応する自立相談支援機関等への周知を徹底するとともに、議員の御指摘を踏まえ、地域で最も身近な相談役である民生委員にも情報提供を行うなど、本貸付けを必要とする方々に広く情報が届くよう努めてまいります。

意見

 「私は、旧制中学卒だが、学歴を聞かれると、心斎橋大学を出ましたと答える。仕事に目覚め、日本の伝統や文化にも触れた。大阪での経験は、かけがえのない財産だ」。この一文は、8日付日本経済新聞朝刊「私の履歴書」からの引用です。筆者は、ブンヤシット・チョクワタナー氏。タイにある300以上の企業から成るサハグループの会長です。記事の大見出しは、「人生の目的見つけた6年 食・言葉・文化 一生の財産を築く」。大阪で過ごした6年間が、氏にとってどれだけ大きな意味を持っていたのか、大阪への深い愛着が伝わってくる記事でした。一大阪人として非常にうれしく感じました。

 この1年以上、人と人との交流や自由な行き来を妨げてきたのが、新型コロナウイルス感染症です。もし、氏が大阪で滞在した時期にこのような感染症がはやっていたなら、様々な制約に阻まれ、一生の財産を築くことができなかったかもしれません。今を生きる子どもたちや若い世代にとっての失われた時間をつくらないのは、私たち大人の責務ではないでしょうか。

 今(7)月11日までだったまん延防止等重点措置が、8月22日まで、42日間延長されました。感染再拡大の兆候が見られる以上、やむを得ないと考えますが、いつまで続くのかと感じている方も多いでしょう。営業時間の短縮に応じていられる飲食店向けの協力金は、我が会派も繰り返し、必要とする事業者に早く振り込まれるよう求めてきました。引き続き、迅速な支給をお願いするとともに、今回の期間延長についても、4月25日から6月20日までの緊急事態宣言期間を2期に分けて支給したように、飲食店に一日でも早く協力金が届くよう、7月と8月の2期に分けるなど、府として工夫をされることを求めておきます。

 コロナ禍における自粛要請は、コンサートやライブイベント業界にも大きな打撃を与えています。我が会派は、オンラインで業界団体の方々と意見交換もしましたが、各種ライブイベントは大阪のまちに活気を与えるものであり、ほかのもので代替できないとの思いを強くしております。府としての配慮を求めておきます。

 感染拡大の第5波が来るかもしれない、先の見通しが立てにくい状況だからこそ、我が会派は、具体的な課題を一つずつ解決に向け取り組んでいかなければならないと痛感しております。

 例えば、新型コロナの後遺症の相談を8日から府新型コロナ受診相談センターで受け付けています。また、困難、課題を抱える女性向けの支援事業も、14日よりドーンセンターで始まります。どちらも、我が会派の議会質問や知事への緊急要望が実現したものです。

 これからも、コロナ禍で大変な思いをされている府民の皆様の御意見、御要望を真摯に受け止め、誰一人として孤立させることのない取組を進めていくことを表明し、代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。