大阪府議会議員 かじき一彦 公明党

第5期

第4期

第3期

第2期

第1期

本会議一般質問

2017年10月6日

大阪府国際交流財団の機能強化

質問

 公明党大阪府議会議員団の加治木一彦でございます。

 一般質問の機会をいただきましたので、順次質問させていただきます。

 まず、大阪府国際交流財団の機能強化に関連してお聞きします。

 大阪府を訪れる外国人旅行者が、平成28年は約940万人と過去最高を記録したことを初め、2019年のラグビーワールドカップや2020年の東京オリンピック・パラリンピックといった大規模国際イベントの開催、2025年の大阪万博の誘致など、国際化の流れはとどまることを知りません。また、大阪で暮らす外国人留学生や、さまざまな国にルーツを持つ子どもたちの数も年々ふえています。

 学校現場は、日本語指導の充実と外国出身の保護者への対応に迫られ、多様な文化的背景を持つ人たちがともに暮らしていく多文化共生社会に向けた取り組みを進めております。

 こうした中、外国人向けの生活相談や災害時の多言語による支援といった分野に強みを持つ大阪府国際交流財団について、我が会派が存続するよう強く求めてきたこともあり、府は、平成33年度末での廃止の方針を撤回、財団の存続を決めました。財団は、今後、外国人相談、災害時の多言語支援、それらを支える語学ボランティアの確保充実といった取り組みに重点を置き、将来は、地域における多文化共生の拠点機関を目指すことになります。

 国際都市大阪の発展に財団が果たすべき役割は大きいものがあります。現在有するネットワークをさらに強化し、府民の期待に応えていただきたいと考えますが、財団は今後どのように取り組まれるのでしょうか。また、財団は、府政の推進に密接にかかわる指定出資法人であり、府がしっかりとイニシアチブを発揮すべきと考えますが、いかがでしょうか、府民文化部長にお伺いします。

答弁
府民文化部長

 大阪府国際交流財団については、将来、多文化共生機能における拠点機関となることを見据えつつ、外国人相談や災害時の多言語支援といった事業への重点化を図ることとしております。

 財団では、現在、平成30年度から5年間を計画期間とする次期中期経営計画の策定を進めています。その中でネットワークを強化するため、府内市町村や国際化協会、NPO法人などとの情報交換や共同研修などの取り組みを積極的に進めることとしており、将来的には、多文化共生のセンター機能を担えるよう検討しているところです。また、外国人の方々については、日常生活を送る上で言葉の壁を解消することが、まずもって必要であり、簡単でわかりやすい情報伝達手段であるやさしい日本語の普及を目指すこととしております。

質問

 今定例会に、府が、出資法人等の事業の実施、役職員の状況、経営状況等の評価結果を提出しております。この中にある法人の総合的評価結果を見ますと、国際交流財団の点数は46点、役員業績評価はCとなっております。中でも、最重点目標に位置づけた一日相談窓口新規開設相談件数が達成できず、30点満点で零点だったことが低い評価につながっております。

 評価結果の中にも、目標が達成できなかった原因が分析されております。今年度以降の最重点目標の達成に向け、府は、どのように指導していくのでしょうか、府民文化部長にお聞きします。

答弁
府民文化部長

 御指摘の一日相談窓口における相談件数が目標を下回ったことにつきましては、財団にとって大きな課題と受けとめており、より多くの外国人住民の方に御利用いただけるよう一層工夫を図る必要があると考えております。

 このため、今後、複数の市町村との共催や在留制度に詳しい行政書士等の専門家の参加などを伴う地域合同相談会として開催するよう、新たな中期計画案の中で位置づけているところです。

2017年10月6日

多文化共生社会で活躍するグローバル人材の育成

質問

 次に、多文化共生社会で活躍するグローバル人材の育成についてお聞きします。

 大阪府と財団が、共同で実施している大阪の国際化戦略アクションプログラム事業のうちおおさかグローバル塾は、海外留学を目指す大阪の高校生を対象に、9カ月間に及ぶ英語による講座や海外での短期留学体験などを通じて、留学に必要な力と自信を養い、将来世界で活躍できる人材の育成を目的としています。

 私も、ことし(平成29)7月、前年度の生徒の修了式と今年度の生徒の前期成果発表の場にお邪魔しました。途中で話す内容を忘れたのか困った様子を見せた生徒もいましたが、全員が、英語で自分の訴えたいことを語ってくれました。また、この日は、グローバル塾の出身者が二名駆けつけ、後輩たちに英語で力強く語りかける姿に頼もしさを感じました。

 平成24年度から始まったグローバル塾に参加した経験者からの声を含め、改めてこの事業の意義について、府民文化部長にお伺いします。

答弁
府民文化部長

 おおさかグローバル塾事業は、平成24年度から実施しており、これまでの5年間で修了した受講生は、455名に上ります。参加した受講生からは、仲間と切磋琢磨する中で世界を舞台に活躍するといった思いを持つことができ、その後の進路選択に大きな影響を受けたといった声が聞こえてきます。

質問

 グローバル塾を含め、これまで府と財団が共同で実施してきた国際化戦略アクションプログラム関係の事業は、来年度から府が単独で行う予定です。

 グローバル人材の育成は、大阪の成長戦略の中で、国際競争を勝ち抜くハイエンド人材の育成の具体的取り組みの一つに掲げられている重要なものです。また、公明党大阪府本部がまとめた大阪創生ビジョンにも、海外への留学支援を通じたグローバル人材の育成を盛り込んでおります。

 パリやロンドン、ニューヨークと並ぶ国際都市へ発展し、関西、そして日本の成長を牽引していくための大きな柱となるグローバル人材の育成事業は、ぜひとも継続していただきたいと考えますが、府民文化部長の見解を伺います。

答弁
府民文化部長

 これまで府と財団が共同で実施してきた国際化戦略アクションプログラム事業については、その内容を検討の上、来年度から府が単独で実施することにしています。

意見

 2025年の大阪万博誘致を強力に進め、さらにその先の未来社会を切り開いていかなければならない府にとって、トップレベルのグローバル人材の育成は、未来への必要な投資と考えますが、府の単独事業となることで縮小されるのではないかと非常に懸念しております。財源を確保し、事業を継続するよう求めておきます。

 また、国際都市大阪の看板を掲げるからには、外に向けた国際化だけでなく、府内の各地域で暮らす多様なルーツを持つ人たちとの多文化共生が着実に根づくよう、国際交流財団には、事業の中核を担うプロパー職員の採用、育成を初め、人材や情報の拠点としての機能強化をお願いしておきます。

2017年10月6日

文化スポーツ施策の推進

質問

 次に、文化スポーツ施策の推進についてお聞きします。

 府民文化部にこの(平成29年)4月、ラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピック、ワールドマスターズゲームズと続くゴールデンスポーツイヤーズに向け、文化・スポーツ室が設置されました。大会開催に向けた機運の醸成や日本が世界から注目を集める好機を生かして、大阪の都市魅力の発信を強化していくことは重要なことです。

 また、ゴールデンスポーツイヤーズが終わっても、文化・スポーツ施策への取り組みが変わってはなりません。大阪の持つ文化、スポーツのすばらしさをさらに高めていくため、府民が、文化、スポーツに親しむ機会の提供や、民間や府民の多様な活動を促し、府も積極的に応援していくべきです。

 振り返れば、平成21年度に府民文化部が発足した当時、都市魅力創造局に文化課と生涯スポーツ振興課がありました。それが、26年、生涯スポーツ振興課が廃止され、スポーツ担当はグループに格下げされました。27年度、文化・スポーツ課として課の名前にスポーツが復活し、今(平成29)年度、文化課とスポーツ振興課の一室二課体制になった経緯があります。

 改めて、文化・スポーツ室の設置の目的と現在の取り組みについて、府民文化部長にお伺いします。

答弁
府民文化部長

 文化・スポーツ室は、大阪府が、文化・スポーツ施策に対して積極的に取り組む姿勢を庁内外に打ち出し、両施策を総合的に展開することを目的として本(平成29)年4月に設置いたしました。

 文化施策については、昨(平成28)年度策定した第四次大阪府文化振興計画に基づき、民間の力を最大限に生かし、府民やアーティスト等の自主性、創造性が発揮されるよう、若手芸術家の育成や府民の活動を支援する施策を着実に進めております。

 さらに、今年度からは、経済団体や在阪放送局などと連携したオール大阪の取り組みとして、大阪文化芸術フェスをスタートさせました。プログラムには、大阪の伝統芸能である上方歌舞伎の特別公演や、落語や能など異なる分野の芸術の組み合わせを盛り込むなど、大阪の文化力をより高め、その魅力を国内外へ広く発信することを目的としております。

質問

 府が、昨(平成28)年度まとめた文化振興計画、本(平成29)年度まとめる予定のスポーツ推進計画に基づき、それぞれの施策に取り組んでいくとのことですが、文化については、歌舞伎、能、浄瑠璃などの上方伝統芸能、落語、漫才を初めとする上方演芸など、世界に誇るべき多くの文化資源がある一方で、担い手の他都市への流出を初めいろいろな課題があると感じております。

 先ほど、新たにスタートさせたと答弁いただきました大阪文化芸術フェスは、ことしだけの一過性のイベントに終わらせるのではなく、10月の大阪と言えば文化芸術フェスと、誰もが知っていて楽しめるイベントに充実発展させてください。

 スポーツは、する、見る、支えるというさまざまな形でかかわる人をふやしていくことが大切です。大阪には、国際大会などができる施設や、野球、サッカー、バスケットボールなどプロチームがあり、多くのトップアスリートもおります。スポーツや健康づくりに関する企業も多く存在しています。こうした他の都市にはない強みを大阪の発展にうまくつなげていくべきではないでしょうか。

 文化・スポーツ室は、今後どのような方向性を持って文化施策とスポーツ施策を展開していくのか、府民文化部長にお伺いします。

答弁
府民文化部長

 文化とスポーツは、明るく豊かで活力に満ちた社会の形成に欠くことのできないものであると認識しております。

 このため、文化施策については、新たにスタートさせた大阪文化芸術フェスを初め、あらゆる施策を通じて大阪の文化を国内外に発信し、多くの人々を大阪に呼び込んでいくとともに、みんなで大阪の文化を支え育てていく好循環をつくり出していくことを目指してまいります。

 また、スポーツ施策については、今回の計画策定を機に、改めて経済団体やスポーツ団体と意見交換を行っているところです。今後、スポーツを都市魅力に生かすとともに、市町村や民間、地域との連携協力関係をさらに強化しながら、府民誰もが、スポーツの持つ魅力を享受できるように施策の展開を図ります。また、あわせて大阪が誇るスポーツ資源を生かした地域、経済の活性化を目指してまいります。

意見

 先ほどモニターでごらんになったとおりでございます。今度こそ、しっかりと文化・スポーツ施策、柱を持って、立てて取り組んでください。

2017年10月6日

大阪アーツカウンシル

質問

 次に、大阪アーツカウンシルについてお聞きします。

 平成25年7月、大阪の文化施策を推進する新たな仕組みとして、行政と一定の距離を保ちながら、芸術文化の専門家が文化事業の評価、審査を初め企画、調査を行うアーツカウンシルが活動を始めました。私は、大阪にふさわしい文化行政を展開する上でアーツカウンシルが重要な役割を果たすと考え、一般質問や委員会質疑で繰り返し取り上げてきました。

 昨(平成28)年11月にまとめた第四次大阪府文化振興計画には、文化施策のPDCAサイクルの実現を最優先課題として、大阪府市の所管事業の評価や補助事業の採択審査等、評価、審査を中心に取り組み、一定の成果を上げてきたとの評価がなされております。

 設置から4年が過ぎ、改めてアーツカウンシルを設置した狙いとこの4年間の成果について、府民文化部長にお伺いします。

答弁
府民文化部長

 大阪アーツカウンシルは、専門性、透明性、公正性の確保を図りつつ、大阪府市の文化施策を統一的に推進しパワーアップを目指すため、大阪府市文化振興会議の部会として設置しました。

 主な機能については、府市の文化事業についての評価・審査機能、文化関連情報の収集・分析などを行う調査機能、新たな事業提案などを行う企画機能を三本柱として位置づけています。設立当初からこの四年間は、主に評価、審査に係る取り組みを進めることとし、府市の文化事業の全てについて事業評価や改善提案を行うなど、文化施策のPDCAサイクルの構築に大きな役割を果たしてきました。

 調査機能、企画機能については、段階的に拡充し、芸術文化に携わる人々への支援につなげてきました。また、ワッハ上方の今後のあり方に関する提言や、芸術文化魅力育成プロジェクトの企画提案などを行い、本府としても、これを踏まえ、事業の具体化に取り組んでまいりました。

質問

 文化施策は、地道な取り組みを積み重ねて少しずつ効果があらわれてくるものと考えます。アーツカウンシルには、大阪の文化芸術振興に向け、先ほどの部長答弁にございました三本柱のうち、調査機能、企画機能を強化し、例えば大阪が誇るさまざまな文化を掘り起こし、それらの担い手を支援するといった目きき役としての役割に力を入れてほしいと考えます。

 この点について、今後どのように取り組んでいくのか、府民文化部長にお伺いします。

答弁
府民文化部長

 大阪アーツカウンシルの今後の展開については、第四次大阪府文化振興計画において、芸術文化の担い手を支援し、大阪の文化力の向上につなげるため、調査機能や企画機能を高めつつアーティストへのサポートなどに取り組むこととし、また運営体制についても強化していくこととしています。

 そのため、大阪府市文化振興会議では、本(平成29)年4月に、アーツカウンシルのあり方検討に係る部会を設置し、これまでの活動成果や課題の検証、今後の方向性及びその推進体制などについて、年内を目途に取りまとめられる予定となっております。

2017年10月6日

ワッハ上方

質問

 次に、ワッハ上方についてお聞きします。

 「大阪人、二人寄れば漫才師」との出だしで始まる歌があるぐらい、大阪と笑いは切っても切れない関係にあるのは、皆さんも実感されているでしょう。庶民の生活の中から生まれた笑いの文化は、国籍、年齢、性別を問わず、多くの人々を元気づけ、活力を与えてくれるものです。国内外問わず大阪を訪れる人たちに、広く大阪の人やまちのすばらしさを知ってもらえるよう大いに活用すべきではないでしょうか。

 思い起こせば、漫才師砂川捨丸の遺品の鼓が大阪府に寄贈されたことをきっかけに、上方演芸の資料を残す施設整備の計画が持ち上がり、上方演芸の発祥の地と言われるなんばに平成8年11月、大阪府立上方演芸資料館ワッハ上方が開館しました。以来、21年の歳月が流れる間には、存続や運営主体をめぐって激しい議論が展開されたこともありました。

 現在、ワッハ上方は、平成27年度より府直営となっています。今(平成29)年度末には、大阪府を信頼して関係者から寄贈、寄託を受けた貴重な遺品など登録資料の整理が終わるとお聞きしております。

 我が会派は、ワッハ上方が所蔵している資料の活用を初め、施設の重要性について繰り返し訴えてきました。私も、上方演芸の発祥の地だからこそ、演芸を伝え発信する場所としてふさわしいと考えております。大学や研究機関との連携等を含め、さまざまな取り組みの中で膨大な資料を活用し、上方演芸を次世代にきちんと伝えていくべきです。

 登録資料の整理が、終わることを契機に、上方演芸に関する情報の把握や提供、上方演芸の楽しさを知るための仕組みなど、笑いという大阪が誇る魅力をさらに発信させるための新たな展開を考えていくべきではないでしょうか、府民文化部長にお聞きします。

答弁
府民文化部長

 上方演芸は、私たちのアイデンティティーの一つであり、大阪が誇る貴重な財産であります。

 2025年の万博大阪誘致に当たっても、開催意義の中で、笑いが豊かな大阪文化の要素として取り上げられるなど、今笑いに対する関心が高まっています。こうした中、上方演芸を次世代に伝えていくことはもちろん、大阪の魅力として笑いの文化を知ってもらえるように活用していくことは重要だと考えております。

意見

 ニッセイ基礎研究所の「最近の訪日外国人消費」と題したレポートで、訪日外国人消費を維持拡大するため、日本の文化や歴史を通じた日本ならではのコト消費やモノ消費にいかに魅力を感じてもらうかが肝要だとありました。

 そこで、提案があります。かつてのワッハ上方には、落語家の気分が味わえるよう高座がしつらえてありました。ワッハ上方のある難波千日前は、多くの旅行者が行き交います。大阪ならではの高座体験の写真をSNSで発信してもらえば、新たな来館者を呼び込む宣伝にもなるでしょう。

 インスタ映えという言葉があるぐらいです。資料展示だけでなく、気軽に大阪の笑いを体験したくなる施設づくりをお願いしておきます。

2017年10月6日

新大阪駅のターミナル機能強化

質問

 次に、新大阪駅のターミナル機能強化についてお聞きします。

 新幹線を初めJR東海道線、地下鉄御堂筋線が乗り入れる新大阪駅は、国土軸にあって大阪の玄関口として重要な役割を担っております。また、周辺地域も新大阪駅とともに発展してきました。

 昭和44年当時の新大阪センイシティー周辺の写真をごらんください。

 センイシティーと新幹線の高架橋の間にほとんど建物がありません。高層ビルが建ち並ぶ現在の姿とは大違いです。

 新大阪駅は、2019年春、長年待ちわびていたおおさか東線が乗り入れる予定でホームの工事が進められています。また、2030年度開業目標のなにわ筋線の乗り入れや阪急新大阪連絡線の計画など、ますます新大阪駅と周辺の重要性は、高まっていきます。

 一方で、大阪を訪れる国内外の観光客やビジネス客がふえており、新幹線や在来線、地下鉄を合わせた新大阪駅の一日当たりの乗車人員は、2010年から2015年の5年間で約17万人から約20万人に約2割増加しております。当然、新大阪駅に来るのが初めてという人もいるでしょう。

 私は、駅の案内がわからず、道に迷ってしまった人を正しい場所まで案内したことが何度かあります。わかりやすく便利に次の目的地に行くことができる乗り継ぎの利便性の向上は不可欠です。

 現在でも、JRが、方向だけでなく移動距離を明示した案内表示を出すなど力を入れておりますが、鉄道事業者任せではなく、行政も関与し、さらなる乗り継ぎ利便性の向上を図るべきではないでしょうか。

 新大阪駅では、どのように取り組んでいくのか、都市整備部長にお伺いします。

答弁
都市整備部長

 大阪府では、宿泊税を財源として複数の鉄道事業者が、乗り入れる鉄道乗り継ぎ駅において、他の事業者の情報も含めた案内を表示するなど、観光客の利便性向上に取り組む鉄道事業者に対する補助制度を創設いたしました。

 この制度を活用して、今(平成29)年度、新大阪駅において、JR西日本と大阪市交通局が連携して整備を行うこととしております。具体的には、新幹線を含めたお互いの時刻表や運行情報を表示する案内モニターをそれぞれの改札口付近に設置するとともに、床面に経路案内表示を整備する予定です。

質問

 続きまして、リニア中央新幹線、北陸新幹線に関連してお聞きします。

 開業が最大8年前倒しの決まったリニア中央新幹線、ルートが決まった北陸新幹線は、一日も早い着工、全線開業の実現に向けて全力を挙げていくべきだと考えます。

 リニア中央新幹線は、(平成29年)9月11日、大阪市内で、三重、奈良、大阪の三府県とJR東海、経済団体などが、集まり名古屋から大阪までの早期開業を求める決起大会がありました。早期の全線開業に向け、駅、ルートの確定やターミナル駅の整備に協議調整をすることなどを求めた決議を採択したところです。

 一方、北陸新幹線も、敦賀から新大阪までのルートがことし(平成29年)3月、正式に決まりました。新大阪駅は、両路線のターミナルとして予定されており、大阪、関西、西日本の玄関口にふさわしい拠点にしていく必要があると考えます。

 今後の大阪府としての取り組みについて、政策企画部長にお伺いします。

答弁
政策企画部長

 新大阪駅は、リニア中央新幹線、北陸新幹線が早期につながり、既設路線はもとより、なにわ筋線などの計画路線と結節されますことで、東西二極の一極を担う大阪、関西の玄関口にふさわしいターミナルになると考えております。

 北陸新幹線につきましては、本(平成29)年3月にルートが決定し、現在、駅位置を決めるための調査が進められております。また、リニア中央新幹線は、先月開催いたしました決起大会におきまして、JR東海と実務的な協議を進めていくことを確認いたしました。

2017年10月6日

淀川を活用した新大阪・大阪エリアの活性化

質問

 最後に、新大阪駅と大阪駅の間を東西に流れる淀川を活用した新大阪・大阪エリアの活性化についてお聞きします。

 私は、かねて都会に残された貴重な水辺の自然空間や梅田の夜景、花火大会、舟運など淀川を生かした都市の魅力づくりを提案してまいりました。

 昨(平成28)年12月に府が取りまとめたグランドデザイン・大阪都市圏には、淀川舟運の復活によるにぎわい空間の創造などの取り組みの方針が示されており、9月10日から大阪中心部のにぎわいを淀川の舟運に波及させるべく、八軒家から枚方までの定期運航が始まりました。また、過日の新聞記事によれば、かつて三十石船が行き来した京都伏見と枚方を結ぶ遊覧船の試験的な運航が今月行われるほか、近畿地方整備局が、淀川大堰での閘門設置に向け、工事費を抑える工法などを内部で検討しているとのです。淀川の舟運の可能性を広げるため、大いに期待しております。

 大阪商工会議所が、平成27年にまとめた淀川の活性化とにぎわい創出に向けた提言には、下流域に新たなシンボルの創出として、淀川にかかる十三大橋のかけかえにあわせ、橋そのものをにぎわい空間に変えるブリッジパーク構想や、橋そのものを光や音、噴水などでエンターテインメントとして活用すること、クルーズ船の発着する船着き場の設置などが盛り込まれております。

 万博誘致などに向け、新大阪・大阪エリアが、大阪、関西の玄関口としてさらなる魅力向上が求められる今こそ、提言に盛り込まれているような淀川の活用を具体化していく必要があると考えます。また、新大阪・大阪エリアから淀川を活用しベイエリアへの舟運をつなぐことで、水都大阪の魅力向上につながるのではないでしょうか。

 そこで、淀川を活用した新大阪・大阪エリアの活性化にどう取り組むのか、住宅まちづくり部長にお聞きします。

答弁
住宅まちづくり部長

 新大阪・大阪エリアを活性化するためには、みどり豊かな河川敷や防災船着き場など淀川が有するストックを、多様な人々の交流やにぎわいを生み出す貴重な資源として活用する取り組みを進めることが重要と考えています。

 現在、国と大阪商工会議所が協力し、右岸側の河川敷において淀川アーバンキャンプを実施し、物販、飲食店舗の出店やカヌーによる淀川の水面利用など、にぎわい創出のための実証実験が行われているところです。

意見

 ぜひとも、水都大阪の取り組み、こちらの淀川のほうでもお願いをいたします。

 さて、昨日、ことしのノーベル文学等にカズオ・イシグロ氏が選ばれました。日本生まれイギリス育ちのイシグロ氏の受賞を心よりうれしく感じております。

 けさの日本経済新聞朝刊のコラム春秋には、イシグロ氏の受賞についてこのように書いてあります。「受賞は、世界に吹き荒れる排外主義への静かな反論ともとれる」。また、日本出身でない作家が、日本で活躍していることにも触れ、「寛容が生む豊かな交流は、芸術に確かな成果を生み出すことは、歴史に明らかだろう」。違いは、あって当然のことです。互いの違いを認め、生かしていくことこそ大切なことと考えます。

 以上で、私の一般質問を終わります。御清聴、ありがとうございました。