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2007年
2019年3月7日
公明党府議団の加治木です。
今任期最後の委員会質問になります。きょうは、大きく6つのテーマについてお聞きをしますので、よろしくお願いをいたします。
まずは日本遺産についてです。
昨(2018)年の9月議会にも、この日本遺産認定に向けた大阪府内の取り組み状況についてお聞きをしました。初めて日本遺産申請を目指している市があったり、前年度に引き続いての申請を目指している市があるなど、複数の市で取り組みが進められているとお聞きをしております。その後、実際にこの平成31(2019)年度の認定に向けて幾つ申請をしたのでしょうか。また、今後どのようなスケジュールになっているのか、文化財保護課長、お願いをいたします。
お答えをいたします。
今回で第5回目となります平成31(2019)年度の日本遺産認定を目指して、本(2019)年1月、大阪府より、合わせて5件の申請書を文化庁のほうに提出をいたしました。
そのうち、泉佐野市と大阪狭山市の2件につきましては、今回が初めての申請でございます。泉佐野市は、中世の日記や絵図に描かれた姿が今なお息づく農村景観を、大阪狭山市は、1400年にわたり人々の生活を支えてきた日本最古のため池でございます狭山池をストーリーのテーマとしております。両市とも、本年度中に歴史文化基本構想を策定したことによりまして、単独での日本遺産申請が可能となり、初めての申請に至りました。
また、大阪市と堺市、池田市、河内長野市の3件は、前回に引き続いての申請でございます。大阪市と堺市は町人の自治精神が育んだ独特のまちなみを、池田市は植木づくりが生み出した暮らしと商いが一体となった景観を、そして河内長野市は1000年にわたり守られてきた中世文化遺産の宝庫をそれぞれストーリーのテーマとしております。いずれも文化庁との協議における指導事項を踏まえるとともに、既に認定を受けた他地域の申請内容を参考といたしまして、地域の歴史的な特徴とその魅力をよりわかりやすく伝えられるよう、ストーリーを再構成し、日本遺産を生かした地域づくりについてもより具体的な事業計画を提示した申請内容となっているものと考えております。
これら5件につきましては、今後、文化庁において外部有識者による審査が行われることとなっておりまして、例年どおりであれば、本(2019)年4月から5月ごろに認定の結果が公表されるものというふうに見込まれております。
既に大阪府内で日本遺産に認定されております1400年にわたる悠久の歴史を伝える最古の国道--竹内街道・横大路(大道)につきまして、平成29(2017)年度の認定後、国の補助も受けてさまざまな事業を進めているとお聞きをしております。認定から2年目となりますこの平成30(2018)年度、どのような事業を行ったのか、お聞かせください。
竹内街道につきましては、昨(2018)年12月に、奈良県の橿原市で竹内街道・横大路(大道)まつりを開催いたしました。街道の歴史や由来、街道を通じて伝わった文化について紹介する講演会のほか、地元商店街から自慢のメニューを提供いただくグルメストリート、街道沿線の人気のパン屋が勢ぞろいするベーカリーフェスティバルなどの実施によりまして、地元の皆様に竹内街道への理解を深めていただくとともに、愛着を感じていただく機会となったというふうに考えております。
また、本(2019)年2月には、「古の時代から続く街道浪漫 悠久の歴史を歩く」ということをテーマとしたシンポジウムを東京で開催をしております。地元以外でのシンポジウム開催は初めての試みでございましたけれども、定員の2倍近い応募をいただき、当日も大変盛況であったと。竹内街道の魅力を広く知っていただくよい機会になったというふうに思っております。
さらに、英語、中国語、韓国語によるホームページの作成、外国人旅行者が利用するインターネットサイトへの記事掲載など、海外への情報発信も進めているところでございます。
このように、竹内街道におきましては、地元における取り組みに加えまして、全国へ、さらに海外へも積極的な情報発信を進め、日本遺産認定による認知度の高まりを生かした地域のブランド化、活性化に取り組んでいるところでございます。
この日本遺産認定のチャンスは、今(2018)年度と来(2019)年度のあと2回ということです。一つでも多く認定を受けてほしいと願っておりますし、また各市町村が自分たちの魅力発掘のいい機会にこの日本遺産申請を使ってやっていただければと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
2019年3月7日
続きまして、教員の働き方改革についてお聞きをいたします。
府教育庁では、これまでも、教員の働き方改革に取り組んできておりますが、教員の業務負担を軽くすることは、何よりも子どもたちと向き合う時間を一層確保することであります。しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
さて、昨(2018)年2月の定例会でもお聞きをしましたが、この平成30(2018)年3月に府立学校における働き方改革の取り組みについてというものを取りまとめたとのことですが、これが実際にどのように効果が上がっているのか、お聞かせください。教職員企画課長、お願いします。
お答えいたします。
府教育庁では、教員の働き方改革は喫緊の課題であると認識しておりまして、府立学校における教員の在校時間の適切な把握など、さまざまな取り組みを進めてまいりました。
平成24(2012)年10月に導入いたしました出退勤管理システムにより、府立学校の時間外在校時間数は、平成28(2016)年度以降、前年度を下回っている傾向にあります。平成29(2017)年度における府立学校全体の一人当たりの月平均時間外在校時間は27.3時間であり、ピーク時の平成27(2015)年度に比べ約7%減少しておりまして、全校一斉退庁日やノークラブデーの実施など、これまでの取り組みの成果が一定あらわれてきているものと考えております。
今(2018)年度も、4月から12月までの直近の実績で、前年度の同時期に比べて減少傾向にあり、引き続き、平成30(2018)年3月に策定しました府立学校における働き方改革の取り組みについて掲げる取り組みを着実に進めてまいります。
引き続き、時間外勤務の短縮、よろしくお願いいたします。
次に、部活動指導員についてお聞きをいたします。
この時間外勤務の要因の一つとなっている部活動の負担を軽くしようということで、30(2018)年度、部活動指導員を配置をしております。府立学校、また市町村立中学校のそれぞれの配置状況、またその効果について、こちらは保健体育課長、お願いいたします。
部活動指導員につきましては、府立学校に対し、退職した教員や学校での部活動指導の経験のある方を、今(2018)年度10校に10名配置いたしました。
また、市町村立学校につきましては、中学校に部活動指導員を配置する市町村に対し補助を行うこととしており、今年度は4つの市町がこの補助事業を活用し、計19名の配置を行いました。
配置の効果といたしましては、府立学校では、教員の部活動指導にかかる時間的な負担が、配置を始めました昨(2018)年の6月から12月で見ますと、平日では50.1%、休日では52.1%軽減されており、負担軽減された教員からは、夏季休業中に休暇を取得しやすくなった、技術指導ができないことによる心理的負担が軽減されたなどの報告がございました。
また、市町村立学校につきましても、顧問教員の指導時間数は昨(2017)年度と比べ減少しており、平日、休日の時間的及び心理的負担が軽減したとの報告を受けております。
もちろん休みをとりやすくなったということも非常に大事だと思いますが、後にお答えいただいた技術指導ができないことの心理的負担が軽くなった、これは子どもたちにとっても、やっぱりきちんと教えてくれる指導者がいるほうがいいわけですから、非常にいいことやと、置いた効果があったんじゃないかと思います。引き続き取り組みをお願いをいたします。
続きまして、課題のある学校への支援ということでお聞きをいたします。
大阪府は、悲しいかな、残念ながら貧困や虐待等の状況、いろいろと問題がございます。そうした家庭の課題が複雑化する中で、小中学校では、暴力行為やいじめ、不登校など生徒指導上の課題、また学力の課題等さまざまな課題がまさに山積をしております。
学校現場では、先生方が日々子どもと向き合い、熱心に対応を続けておられます。これはこちらもさまざまお聞きをしておりますが、どれだけ負担が大きいか、本当に大変なことだと心中お察しをいたします。また、時間外労働の実態からもそれは出てくるかと思います。
これらの課題解決のためには、教員を支えて学校全体の教育環境を整えていくこと、これが大事であると考えておりますし、これまでもさまざまな形で学校へ人の支援をするべきではないか、我が会派もずっと訴えてきております。
府内小中学校の課題に対しての今後の人的支援につきまして、こちらは小中学校課長、お聞かせください。
貧困等、大阪の厳しい状況の中では、福祉と教育が連携した子ども支援の充実が重要だと考えております。府教育庁といたしましては、その支援ネットワークの中心となるスクールソーシャルワーカーを、今後2年間で、政令市、中核市を除く府内の180中学校区全てに配置することを目指しておりまして、来(2019)年度は131中学校区に配置を予定しております。
あわせて、これまで行ってまいりました小中学校生徒指導体制推進事業におきまして、引き続き府内125の中学校に非常勤講師を配置いたしまして、生徒指導主事が生徒指導業務に専念できますような体制を継続してまいります。また、小学校に対しましては、課題の広がりが見えておりますので、教員OB等の人的支援を80校から98校に増加させまして、幅広く支援してまいりたいと考えております。
次に、スクールロイヤーについてお聞きをいたします。
せんだって一般質問でもありましたので、御容赦をいただきたいのですが、来(2019)年度、より幅広く学校への人的支援を行うということで今御答弁をいただいたのですが、千葉県野田市の虐待事件を受けて、国のほうでもスクールロイヤーというのが大事ではないかということで、その有効性に言及をしております。
大阪府では、平成25(2013)年度からこのスクールロイヤー事業を行って、学校を支援してきたとお聞きをしております。改めてになりますが、この大阪府のスクールロイヤー事業の概要とその今後の方向性についてお聞かせください。
府教育庁におきましては、学校教育に深い見識を持つ弁護士9名をスクールロイヤーとして委嘱させていただきまして、法的な視点からの学校の個別の相談や教員への研修、児童生徒へのいじめ防止教育等を行っていただいております。
相談を受けた学校へのアンケートでは、スクールロイヤー活用のメリットを感じている学校は100%でございまして、生徒間トラブルでの学校の対応を正式な書面で求められて大変困っていたんですけども、そのようなケースや、校内事故での学校の適切な対応について毅然とした対応ができた、また、今後の見通しを持って事案に対応することができたなどの感想もいただいております。
今後も、事案の重篤化を防ぎ、早期解決につながりますよう、指導主事の連絡会や校長、生徒指導主事等に対しまして研修会を通して、スクールロイヤーの活動について周知いたしますとともに、これまでの相談例を具体的に示して、このような場合には相談していいんですよということがわかるように具体的に示して、学校や市町村ができるだけ早い段階で相談につなぐ仕組みを工夫してまいりたいと考えております。
我が党としまして、ずっとチーム学校ということを訴えております。学校の先生以外にもいろんなスペシャリストに入ってきてもらって、また地域のボランティアにも入ってきていただいて、学校を支えていく。その中でこのスクールロイヤーというのは非常に大事なことやと思います。
これは私の印象ですが、やっぱり学校の先生って基本真面目な人たちだと思ってますので、どうしても問題を自分で解決しようと頑張ってしまって、まず先生が抱え込み、その先生が校長先生に相談に行っても、校長先生も学校で何とかしようと思って学校でまた抱え込んでしまって、校長先生が市町村の教育委員会、高校の場合は府の教育庁ですけど、問題を上げてきたときには、もうどないもこないもならんようになってた、これでは本当にお互い不幸やと思います。誰も幸せになりません。それだけに、こういうスクールロイヤーを初めプロの方のお力をおかりして問題を解決することが、まさに全員にとって非常にいいことやと思いますので、今後とも気軽に使える、逆に言いましたら、こういう方にお世話にならないことが一番いいんですが、いざというときには頼れる存在としてしっかりと使っていただけるように要望しておきます。
2019年3月7日
続きまして、幼児教育、非認知能力の育成というテーマでお聞きをいたします。
私自身、この4月で5歳になる男の子がおります。家へ帰って子どもの相手をしていると、いろいろ子どもに教わることもあるわけです。楽しいときもありますし、子どもが遊んでて何かうまくいかなかったら、さすがに最近はなくなりましたが、もうちょっと小さいころはかんしゃくを起こしておもちゃを投げるとか、子育てされた方はどなたも経験があるかと思いますが、そういうのを私も実際経験をしております。そうやってうまくいかないときに、どうやって子どもが乗り越えていくのか、何か工夫をするのか。また、親が思いつかないようなことをぽんと思いついてこちらを驚かせるなど、子育てをしている中でいろんなことを私も学ばせてもらっていますが、その子どもの非認知能力--頑張る、自尊心を持つなど、こういったことがその人の生涯に大きな影響を与えるというのは皆さんも御承知やと思います。
来(2019)年度、乳幼児がいる家庭に焦点を当てて、非認知能力の育成に向けた家庭教育力向上事業というものを実施をして、保護者の意識の向上を目指すとお聞きをしておりますが、この事業を実施する背景と具体的な内容につきまして、改めて地域教育振興課長、お願いいたします。
大阪の子どもの非認知能力につきましては、全国学力・学習状況調査の結果などから課題が見られ、その力を育むことが必要と感じております。
そのため、本事業では、頑張る力や協調性といった子どもの非認知能力の育成に向け、その基礎が形成される乳幼児がいる保護者の意識向上を目指します。
具体的には、子どもの非認知能力を育むための啓発資料として、非認知能力の内容やその重要性、保護者が子どもとかかわる際のポイントなどを示したリーフレットや、親学習で使用する親学習教材を作成いたします。
また、保護者と直接接し、支援する機会のある人に対して研修を実施し、保護者にアドバイスできる人材を養成するなど、非認知能力に係る取り組みを展開するためのプログラムを開発してまいります。
保護者と直接接して支援する機会のある人ということですが、その研修の対象者はどんな人を想定しているのか。また、その研修の内容についてどういうことを考えているのか、お聞かせください。
まず、研修の対象者につきましては、子育ての心構えや子どもの接し方などについて学ぶ親学習を府内各地で企画・運営し、指導助言されてこられた方、それから幼稚園や認定こども園、保育所で中心的な役割を果たす教職員の方、保健師、民生児童委員といった子育ての相談に携わる方など、保護者に接する方々を予定しております。
次に、研修の内容につきましては、まず非認知能力とはどのような力か、人の生涯にどのような影響を与えるのかといった重要性について、またその力を育むための方法などを理解していただきます。その上で、研修参加者がそれぞれの地域においてどのようにして伝えていくかといった指導助言方法など、実践的な内容を身につけていただくことを予定しております。
この事業を充実させるためには、教育庁に限らず、乳幼児の育ちにかかわっているさまざまな方に御意見をいただいたり、また協力、助っ人をしていただくべきではないかと考えますが、そのあたりはいかがでしょうか。
本事業の実施に当たりましては、福祉部や健康医療部といった関係部局と連携する予定をしております。また、幼稚園、認定こども園や保育所でふだん子どもと接している方々や、幼児教育を研究している学識経験者から意見を伺うなど、乳幼児の育ちにかかわる方々に御協力いただきたいと考えております。
これらの連携によりまして、本事業が充実し、保護者の意識向上につながるよう取り組んでまいります。
先ほど申し上げましたとおり、私自身、子育ての真っ最中です。どのような教育をするのか、テレビの子育て番組だったり、新聞記事だったり、さまざまに情報を求めております。逆に、情報過多になってしまって、まさに振り回されてしまってどうしたらいいのか、自分自身わからなくなっているんやないのかな、そういう気もするわけです。
そう考えますと、幼いときに子どもが身につけるべき力、また家庭教育について参考となる資料を取りまとめてもらって保護者に伝えることができる、そういう人物がいるというのは非常にありがたいことやと親として感じます。
非認知能力が人生に大きく影響を与える大切な力であることについては、ノーベル経済学賞を受賞したアメリカのジェームズ・ヘックマン教授の研究が有名です。府内各地でこの必要性が理解され、取り組みを充実させるためにも、まずは来(2019)年度のプログラム作成、大いに期待をしております。
しかし、府としてプログラムをつくって、その人材を養成するだけで、その情報を最も必要としている保護者、親に伝わるのか、そこはやっぱり気がかりでもあります。この指導者、人材の皆さんが活躍して、府内各地の取り組みが充実していくようにするためにも、次の段階としましては、具体的な実施モデルを府として示してもらえるよう、要望しておきます。
2019年3月7日
次のテーマに行きます。次は英語教育です。
英語教育、これもずっと委員会、本会議等で取り上げておりますが、英語教育の推進には、やはりまず先生の指導力が高まることが何より欠かせないと考えております。子どもたちが英語で話す楽しさや、また英語が伝わる、通じる喜びを感じる授業をしてほしいと切に願っております。そのためには、教員が英語で授業を行って、教員と生徒、また生徒同士が英語によるコミュニケーションをとる場面をふやしていってほしいと考えております。
昨(2017)年度の本委員会で、府教育庁で、中学校の英語教員の指導力を高める研修の充実を図っているとお聞きをいたしましたが、その状況、また成果についてお聞かせください。
委員お示しの中学校英語授業改善推進リーダー研修は、生徒が英語を話す意欲を高める指導方法等を学ぶものでございまして、平成28(2016)年からの3年間で、各市町村の英語教育の指導的役割を担うリーダー教員を240名育成いたしました。リーダー教員は、研修内容を各市町村において普及することとしておりまして、府全体で延べ500回を超える研修が行われております。
その結果、文部科学省が実施しております英語教育実施状況調査におきましては、授業中に話す言葉の半分以上が英語、つまり英語で指導をしている教員の割合が、研修開始前の35.3%から、本(2018)年度、これは大阪府の速報値なんですけれども、95.4%まで上がりまして、3年間で約60ポイント上昇しております。
また、生徒の英語力につきましても、英検3級程度以上の英語力を有する生徒の割合が31.1%から、本(2018)年度は45.3%となりまして、3年間で約14ポイント上昇しております。
授業中に話す言葉の半分以上が英語である教員というのも、こっちは毎回お聞きしております。統計調査があれこれ言われる昨今でございますが、何年か前のときに、きちんとこれは検証しているということもお聞きをしておりますので、それから考えますと、三年間でこんなに上がるもんなんやと私も正直驚いておりますし、教員の皆様の頑張りに敬意を表するものであります。
続きまして、小学校の先生の英語の指導力向上ということで、恐らくですが、小学校の先生は、そもそも英語を教えなければならないということを想定せずに学校の先生になってはると思います。ですので、ここはこちらも気がかりですし、頑張っていただきたいと願っておるんですが、この状況についてお聞かせください。
小学校におきましても、英語の指導リーダーとなる教員を、本(2018)年度より3年間で府域全602小学校に1名ずつ配置できますように、本年度約200名の小学校教員を対象として、全5回の連続研修を実施しております。
研修では、子どもたちがゲームや歌などを通じて楽しみながら英語を聞いたり、話したり、また簡単な文章を読んだり、アルファベットを書き写したりするための指導方法を学んでおります。
この小学校での研修、本当にありがとうございます。
一方で、大阪府が「DREAM」という教材をつくったのは御承知だと思います。英語の指導経験が少ない先生でも使えるようにということでつくられたもので、もう3年ほど前になりますが、私も四條畷市立四條畷東小学校に、その「DREAM」を使っている授業を実際に見に行かせてもらいました。これを使うことで、指導力の向上、授業の充実、ということは、ひいてはやっぱり子どもたちのためになると考えておりますが、今年度のこの「DREAM」の活用状況についてお聞かせください。
委員お示しの「DREAM」につきましては、現在、政令市を含めた府内38の市町、682校の小学校や支援学校で導入されておりまして、前(2017)年度と比較すると今(2018)年度は67校ふえております。
府教育庁といたしましては、今後、小学生に求められる英語の力を高めるため、授業で学習した英語の表現を繰り返し視聴してなれ親しんだり、英語の会話とアニメーション--これは「DREAM」に入っているんですが--から、おおよその意味をつかむ練習などに「DREAM」が活用できることを示して、効果的な指導を促しているところでございます。
お金と手間暇とかけてつくったものですので、しっかりと活用していただいて、子どもたちの英語力向上に大いに使っていただきたいと思います。
先ほども申し上げましたが、やっぱり小学校の先生は、そもそも英語を教えるということを想定していなかった方もいてはると思います。ですので、新しく英語を教える指導方法を学んだり、また外国語の時間が今より週1時間ふえるということで、先生にかかる負担が相当大きくなるんじゃないかと考えます。
そこで、小学校に対して、英語教育という面で人的支援が必要と考えますが、府としてどのように取り組んでいくのでしょうか。
人的支援につきましては、府として小学校へ3つ行っております。
一つは、英語だけを専門的に指導する教員の配置でございます。いわゆる英語専科の指導教員です。この英語専科ももともと少ないという状況がございますので、高い英語力のある人材を多く確保するために、例えば地域の人材の中でふさわしい人を、小学校で英語の授業を行えるよう特別免許状を与える仕組みを新たに整えまして、次(2019)年度は今年度の約8倍の英語専科教員を配置できる予定となっております。
二つ目は、中学校の英語科の先生が校区の小学校で授業を担当することができるようにしております。
三つ目には、小学校の英語の授業を2人の教員で担当するいわゆるティームティーチングができる仕組みも整えております。
これらによって、次年度は小学校における外国語指導の人的支援をより一層拡充してまいりたいと考えております。
ありがとうございます。
次に、高校のほうについてお聞きをいたします。
こちらも昨(2018)年9月の定例会でもお聞きをしましたが、有識者会議をつくって、(平成)31(2019)年度以降の方向性を決めて取り組んでいくという御答弁をいただいたと記憶しております。やはりグローバル化であったり、在留外国人、外国人留学生、旅行者の増加に伴って、外国人とふれあう機会というのもふえておると思います。私も実際、この前、駅におりましたら、まさに外国人旅行者のお兄さんに道を聞かれまして案内をしたことがあるんですが、こういうことを考えましたら、高校生に関してはさらに実践的なコミュニケーション能力を育ててほしいと考えております。
全ての高校で、将来、生徒がそれぞれの状況や目標に応じて英語を使って活躍できるための素地を身につけられるように、府立高校でも英語授業の改善や、そのための英語の先生の指導力向上が不可欠と考えます。そのための具体的な取り組みについてお聞かせください。
お答えをいたします。
府教育庁では、これまでから、生徒の英語の4技能を育成するために、府立高校におけます英語の授業改善と英語科教員の指導力の向上を図ってきたところでございます。
平成31(2019)年度からは、府立高校が英語の授業の改善に組織的に取り組めるよう、その中心となる教員を育成するため、英語教育推進中核教員研修を新たに実施をいたします。この研修は、3年間で全ての府立高校を対象として実施するという研修でございます。各学校の管理職のほうから推薦をされました教員が9回の研修を受講いたします。今後求められる授業のあり方などについて学んで、その内容を各校の英語科教員と共有する。それとともに、研究授業を実施することによって、各校の授業改善と英語科教員の指導力向上を図ってまいります。
また、この研修に加えまして、学び直しに関する研修やディベート活動に関する研修などを新たに開講いたしまして、英語科教員が自校の状況や生徒の目標に応じた授業ができるように支援をしてまいります。
次に、骨太の英語力養成事業で、府立高校17校に3年間スーパーイングリッシュティーチャー(SET)を配置したというものがございました。配置する以前に、本会議の一般質問で当時の教育長に、ちゃんとそういう人が採れるのかというようなことを質問したこともございますし、また平成27(2015)年6月に箕面高校、7月は、向畦地現室長が校長をされてました北野高校、翌28(2016)年11月に生野高校と、SETの先生の授業ではどんなことをしているのか、実際に見に行かせてもらいました。私自身、自分の高校生のときにこんな授業があったらよかったよなと思う反面、自分が高校生のときに果たしてこの授業についていけたかといったら甚だ疑問でして、ここの3つの高校の生徒に関しては本当に一生懸命この授業についていっているなという印象を受けました。
このSETの配置が配置校の英語の授業改善、また英語科教員の英語力の向上にどのように効果があったのか、お聞かせいただけますでしょうか。
スーパーイングリッシュティーチャーを配置をいたしました17校では、文部科学省の英語教育実施状況調査においては、授業での発話の半分以上を英語で行っている教員の割合が、配置前の平成26(2014)年度は31.6%でございましたが、平成30(2018)年度には66.7%と35.1ポイント増加をいたしております。
また、授業の半分以上の時間、言語活動を行っている教員の割合、これが42.1%から64.9%と22.8ポイント増加するなど、授業改善も大きく進んでおります。
さらに、TOEFL iBTで100点以上相当の英語力を有する教員、これが3人から18人になるなど、教員の英語力向上にも貢献をしております。
北野高校にお伺いしたときに、英語の先生がSETの授業を体験して驚いていたということもお聞きしましたし、また英語の先生以外が積極的にSETの先生に英語でしゃべってコミュニケーションをとっていろんなことを学んでいたとか、英語教育に対するプラスアルファもそうですし、それ以外にもプラスアルファがあったということで、非常によかったんじゃないかと。あとはその財産をしっかりと生かしていっていただきたいと思います。
また、広く英語教育といった場合に、この先の英語教育というのは、ただ単に言葉がしゃべれるからではないと思うんです。やはり英語を通して異なる文化や考え方を知る。例えばニュースでも、日本の立場で日本語で読むニュースと、外国の立場で英語で読むニュースでは全然視点が違う。私も昔、一年間留学したことがありましたけど、そのときに日本のニュースなんて新聞をひっくり返してもほとんど出てこない。何かあったなと思ったら、パンダの名前が決まったというようなそんなニュースだったとか、やっぱり興味関心が全然違うというのも感じる。そういったときに、やはり違う言葉を使えるというのは人生にとってどれだけプラスになるのか、私自身も経験しております。
ですので、単にしゃべれるというだけではなく、それを通してその次の段階、これはまず小中学校、高校で使えるようになってもらって、その先の本人の努力による部分が大きいんですが、そのできる素地は小中高校でしっかりとつくってあげていただきたいなと願っておりますので、よろしくお願いいたします。
2019年3月7日
次に、日本語支援教育についてお聞きをいたします。
まずは小中学校のほうですが、外国人労働者の受け入れ拡大に向けて、昨(2018)年の末に入管法が改正をされました。それに伴って、府内の小中学校に通う日本語指導の必要な子どもたちがふえるということは十分予想されます。
そこでまず、現在の大阪府の小中学校におけます日本語指導が必要な子どもたちの状況についてお聞かせください。
平成30(2018)年5月1日現在の大阪府内の公立小中学校におけます日本語指導が必要な児童生徒は、43市町村のうち38市町に3149人在籍しておりまして、前回の平成28(2016)年度調査と比較しますと、約600人増加しております。また、言語数につきましては、4言語増加して39言語となっております。
これらの子どもたちが教室で授業を受けるための日本語の力をつけてくれることが必要であると考えております。(2018年)9月の議会で、この全ての日本語指導が必要な子どもたちに丁寧に支援をしてくださいとお願いをしたところですが、どのような取り組みを進めていらっしゃるのか、また今後どのようにしていくのか、お聞かせください。
府教育庁といたしましては、これまで、国の加配教員の配置、市町村と連携して通訳の派遣等を実施してまいりました。また、今(2018)年度は、当該の子どもたちに日本語の力をつけるために、府内6地区で日本語指導の授業を見学したり教材を交流したりする研修会を実施し、効果的な指導方法を普及してまいりました。
しかしながら、当該の子どもたちの増加と多様化が進む中で、平成30(2018)年5月1日現在で、別室において丁寧な日本語指導を受けることができていない児童生徒が、政令市、中核市を除きますと355人おります。
それらの子どもたちに対応するために、その児童生徒が在籍する学校に日本語指導の経験豊富な人材を派遣しまして、個々の状況に応じた個別の指導計画を作成するための適切なアドバイスを行います特別の教育課程による日本語指導推進事業を実施してまいる予定でございます。
この日本語指導が必要な子どもたちが日本語の力を身につける取り組みについては、今お聞きをしたところです。
ただ、この日本語指導が必要な子どもたちの日本語力を高めるとともに、みずからのルーツを肯定的に捉えて、そのアイデンティティーを育んでいく必要もあると考えております。今後どのような取り組みをされるのか、お聞かせください。
それらの当該の子どもたちのアイデンティティーを育んでいくためには、それぞれの文化を紹介し合ったり、そのよさを認め合ったりすることで、母国の言葉や文化に誇りを持つとともに、ロールモデルとなる高校生や大学生の体験談を聞いたり、みずからの進路を伝え合ったりして、自分の進路に展望を持つことが重要と考えております。
そのために、次(2019)年度、府域の日本語指導が必要な中学生が集いますOSAKA多文化共生フォーラムを実施する予定でございます。
続きまして、高校についてお聞きをいたします。
府立の高校では、平成13(2001)年度から、中国帰国生徒等に対する特別枠の入学者選抜として、中国帰国生徒及び外国人生徒入学者選抜というものを実施をしております。平成29(2017)年度には、その選抜の志願者が多国籍化していることから、選抜名を、日本語指導が必要な帰国生徒・外国人生徒入学者選抜ということに改めて、現在、その選抜実施校は7校あるとのことです。昨(2018)年9月の委員会での答弁を見させてもらったら、43校で354人、言語数で21言語ということだったんですが、この外国籍生徒を受け入れている学校でどのような教育的効果が得られているのか、高校課長、よろしくお願いいたします。
日本語指導が必要な生徒を受け入れております学校では、これらの生徒たちと他の生徒たちがともに学校生活を過ごす中で、日常的なレベルで他国の文化や習慣の違い、あるいは考え方の違いを知る機会というものが多くなっています。こうした機会を通じまして、互いに他国の文化を認め、尊重する気持ちが育まれてきております。
また、これらの学校では、外国籍生徒が中心ではありますものの、国際交流部ですとか多文化交流同好会などがございます。そこでは、民族舞踊の発表を行うなど、他の生徒たちとさまざまな場面で交流をしております。これらの活動は、多文化共生に対する理解をさらに深めることに寄与しております。
日本語指導が必要な生徒を受け入れた学校で、まさに内なる国際化が生まれてきていて、その中で生徒たちが多文化共生に関する理解が進んでいる、すばらしいことやと思います。
一方で、こうした日本語指導が必要な生徒たちに対しまして、高校卒業後の進路実現に向けてしっかりと進路指導していくことも大事と考えております。高校卒業後に向けての進路指導についてどのようなことをされているのか、お聞かせください。
日本語指導が必要な生徒の進路指導につきましては、入学の当初から、大学等の入学制度の違いですとか就職制度の違いを丁寧に伝えていきますとともに、例えば外国籍の先輩から実際の体験談を聞く、改めて自分の進路について深く考えさせるようなことをしております。また、NPOなど関係団体とも連携をいたしまして、高校卒業後の進路に関する説明会なども開催しているところでございます。
今後とも、日本語指導を必要とする生徒が、自己実現や卒業後の進路実現に向けまして、安心して高校生活が送れるよう、関係団体とも連携をしながら、個々の課題に応じた支援に努めてまいります。
小中学校課長から、OSAKA多文化共生フォーラムを開くとの答弁をいただきました。ロールモデルとなる先輩と身近に接する機会をふやすことで、児童生徒の学習意欲の向上に努めることという我が会派の政策要望が実を結ぶことに大いに期待をしております。
さて、質問の冒頭で入管法の改正で外国人労働者の受け入れ拡大が決まったことに伴い、日本語指導の必要な子どもがふえることが予想されると申し述べました。(2019年)3月5日付の毎日新聞朝刊に、文部科学省が全国の市区町村に対し、小中学校に通えていない外国籍の子どもの実態調査をするとの報道がありました。また、岐阜県可児市での外国籍児童の就学支援の取り組みが紹介されていました。府も、実態調査を踏まえ、現在就学している子どもたちだけでなく、通えていない子どもたちが就学し、また確かな学力が培えるよう、支援をお願いをしておきます。
また、高校に対しましても、子どもたちの取り組みを、またその進路をしっかりと後押しをしていただけますように、お願いをいたします。
2019年3月7日
最後の質問はチャレンジテストです。
こちらも昨(2018)年9月の定例会でもお聞きをいたしましたが、昨年6月に実施される予定でした3年生のチャレンジテスト、大阪府北部地震によって9月4日に延期をされましたが、その9月4日も台風21号が大阪府を直撃するということで、9月4日は9月6日に延期をして、その9月6日に実施できず、テストの結果が後日実施の扱いとなった学校が府内で71校あったと、これも答弁をいただいております。
チャレンジテストの結果というのは評定の公平性の担保のためにも用いられておりますが、これらの学校において、中学校3年生の評定平均は、市町村教育委員会と府教育庁の間で協議をして決定をすると、そのときも答弁をいただいております。その協議は無事に終わったのでしょうか、お聞かせください。
中学校3年生のチャレンジテストの結果が後日実施扱いというふうになりました71校の調査書の評定につきましては、中2チャレンジテストの結果などさまざまな客観的な資料をもとに、市町村教育委員会と府教育庁のほうで協議を行いました。当該中学校も御納得をいただいた上で、昨(2018)年12月初旬には決定をいたしました。これにより、評定の公平性は担保されていると考えております。
今の課長の評定の公平性は担保されたと考えているとの答弁を、こちらも重く受けとめます。
一方で、このチャレンジテスト、全学年で行うようになって3年目、もう一つの目的であります学力向上について、チャレンジテストや学力向上についてどのような取り組みをして、どのように成果が上がっているのか、お聞かせください。
学力向上につきましては、各教員が子どもの課題に対応した授業を行い、短いスパンから1年単位で子どもに力がついたのか、チャレンジテスト等で確かめながら検証改善サイクルを回すように取り組んでまいりました。そのために、教材やリーフレットを全校に配付したり、特に取り組みを積極的に進める学校には学力向上担当教員を位置づけまして、府の指導主事と校長OBから成る支援チームが学校訪問を行いまして、直接指導助言を行ったりしてきました。その中で、学校での授業が大きく変わってきていると実感しております。
例えば、中学校の数学の授業では、先生が問題の解き方を解説するのではなく、子どもたちが自分の考えや必要な資料を小さなホワイトボードに書き込みまして、それを提示しながら、グループで互いに説明し合う授業などを行っております。根拠を示して説明する力をつけるこのような取り組みが広がっており、中学校3年生の数学のチャレンジテストにおいても、大阪の課題となっておりました記述式問題の正答率が上がってきております。
また、全国学力・学習状況調査の結果におきましては、例えば国語の活用に関する問題の平均正答率、これが課題であったんですが、チャレンジテスト実施前の平成26(2014)年は、全国平均を100といたしますと大阪府は93でございましたが、今(2018)年度は97になっておりまして、全ての教科についておおむね全国水準まで改善してきております。
チャレンジテストについてもずっと議論を続けてきておりまして、チャレンジテストという名前になる以前、統一テストと呼ばれていた平成25(2013)年9月定例会のときに、絶対評価に切りかえることで、統一テストをやることについて、我が会派の問題意識として、統一テストが実質の選抜テストとなり、いわゆる入試の前倒しになって中学校の教育活動に大きな影響を与えるのではないか、これが当時の私どもの問題意識でした。
それに対して、当時の中原教育長から、まさに相反する2つの要請がありますと。「統一テストを実施すると入試の前倒しになったり、あるいは中学校現場がテスト中心の過当競争に陥ってしまうという要請があって、もう一つは、統一テストに何らかの横並びの基準を設けないと、ついつい自分の学校の生徒を応援したい気持ちから、いわば絶対評価のインフレーションとでも申しますか、絶対評価の基準がどんどん高くなってしまって学校間でずれが出る。実際にそうやって困っていて、相対評価から絶対評価にしたものの、本当に絶対評価というのはいいんだろうか、それで悩んでる都道府県もあるという調査があります。
ですから、その両方の、これ、どちらかに偏ってもいけませんので、非常に、今苦労しているところであります」というのが25(2013)年9月の教育長の答弁で、当時、陰山教育委員長もいらっしゃいました。教育委員長のほうからは、「統一テストというのは、子どもの学力を伸ばすため、その結果を教職員が分析し、みずからの指導や評価の方法の改善に活用することが目的であるべきというふうに考えております。子どもの中学校生活が、入試一色のようなものになっては当然いけないのでありまして、その点は十分配慮していかなければならない」というふうにお答えをいただいてます。ちょうど入試制度の切りかえのときでもありますので、「適切な判断がなされていくべきであり、今後、市町村の教育委員会に十分聞きながら、慎重に検討していくべきであろう」、これが(平成)25(2013)年9月のやりとりでした。
そして、変わりまして(平成)27(2015)年9月、代表質問のときに我が会派のほうから、いろいろと制度が変わったことに対して、やはりこれまでのように制度変更を繰り返すのではなく、まずは安定した制度になるようにしていただきたいと考えていますとのこちらの代表質問に対しまして、当時の向井教育長から、そのときちょうど「府内統一ルールの決定が年度をまたぐことになりまして、受験生や保護者に十分な周知期間を設けることができず、不安を与えましたことについて、大変申しわけなく思っております」という陳謝と、また「入学者選抜制度の改善に当たりましては、中学生や保護者に対する十分な周知期間をとった丁寧な説明が必要と認識いたしております」との答弁をいただいております。
こういったことの積み重ねの上で今があるわけです。繰り返しになります。今、小中学校課長から答弁いただきましたけれども、その学年で学習した内容の定着状況を把握して、その後の学習に生かしていくことは、これは非常に有意義なものだと私は感じております。その上で、府と市町村との役割分担を踏まえて、教育庁として、義務教育である小中学校の学力向上にどこまで責任を持たないといけないと考えているのか。また、この2つの役割を担っているチャレンジテストについて、今後どうしていくかの、これは教育監、お願いいたします。
今、委員おっしゃいましたように、このチャレンジテストが今に至るまでにはさまざまな経緯があったなと、改めて振り返っております。
お尋ねの小中学校の学力向上に関して府の責任はということでございますが、府全体で一定の学力の水準を維持、向上させるために、まずは大阪の学力課題とその改善に向けた取り組みの方向性を府として示すこと、あわせて先進的な指導方法を示すこと、この両面があると考えております。
そのためには、大阪の子どもたちの学力の定着状況を把握をし、その分析結果を、子どもたち一人一人に対してはもちろんのこと、学校に対しても、そして市町村に対しても示す必要がございます。そこで、現在、中学生には、今もお話に出ていますチャレンジテストを実施しております。これとともに、小学生には、府が国語と算数の問題を提供しております。それらの結果を分析して指導助言をするといった事業を今進めてきております。
それから、もう一つの御質問のチャレンジテストのあり方についてでございますが、御批判を含め、さまざまな御意見をこれまでも頂戴をしております。委員も御承知のとおり、チャレンジテストには2つ目的がございます。一つは、大阪の中学生の学力向上です。もう一つは、公立高等学校の入学者選抜の評定の公平性の担保であります。
この2つの目的のうち、最初の学力向上に関しては、府と同様の目的で既に20の市町で実施をされております。独自に学力調査を実施されております。こういった実態も踏まえて考える必要があると考えています。
一方、公立高等学校入学者選抜の調査書に記載する評定の公平性の担保、なかなか悩ましい問題でありますが、これについては、現行制度にどのような課題があるのかしっかり検証しまして、その解決方法を探っていかねばならないと思っています。その上で、対象とする学年や実施の時期、それに伴う必要な経費等について、どういった形がいいのか、次(2019)年度前半を目途に議論を重ねてまいりたいと考えております。
改めて、平成25(2013)年9月の代表質問のときに、神奈川県のかつて存在した統一テスト、アチーブメントテスト、いわゆるア・テストについて取り上げたのも御記憶にあるかと思います。実は平成3(1991)年に神奈川県が県高等学校教育課題研究協議会というものをつくって、大学教授を初めとする学識経験者、横浜市、川崎市の教育長ら行政関係者、中学校校長会や中学校教職員組合、高校校長会や高校教職員組合、PTAの代表らが集まって、公立高校の入試制度改革のため2年間かけて議論をした。その結果、2年後ですが、学習到達度を客観的に評価し、学力向上に役立ってきたとは言いつつも、数値化された結果が進路指導の決め手になっているとの現状分析から、高校入試の選抜指標としての扱いはしないということで結論づけて、県独自の統一テストをやめたということがございます。
別に時間をかけろという意味じゃないです。検討するに当たって、まさに幅広く、小中学校課とか高校課だけではなくて、まさにいろんな当事者がいます。そういう人たちにいろんな形で、メールでも文書でもいいです、集まってもらうでもいいですけど、さまざまに集まっていただいて意見を聞いて、それで検討する必要があるのではないかと非常に感じる次第ですが、ここは通告してないですが、酒井教育長、いかがでしょうか。
チャレンジテストの経過、そして現在のやり方において、保護者の皆様、生徒御自身もあるかもしれません。あるいは、学校関係者、そして市町村教育関係者、いろんな形で、ここをこう改善してほしいなとか、もうちょっとここはこうしてほしいなというお声は恐らくおありだと思います。
一方で、私どもが考えなくてはいけないのは、先ほど教育監が答弁した2つの柱、これをゆるがせにしてはいけないというふうに考えております。一つは、やっぱり学力向上方策としてのエビデンスをしっかりととるということ、もう一つは、公立高校の入学者選抜の正当性といいますか、それをきっちりと担保すること、この2つの柱を崩さずに、チャレンジテストのあり方について、委員お示しのように、幅広く、先ほど申し上げた皆様の意見というものを鑑みながら、あるべき姿ということについて追求をしてまいりたいと考えております。
いろいろと調べている中で、有名なせりふ、「15の春を泣かせない」というのは皆さん御承知やと思います。ぜひとも振り回すことのないように、全員が納得できるというのはなかなか難しいと正直私も感じていますが、それでもやはり丁寧に、こういう仕組みになるから頑張ってねと、受験生の子どもたちに納得してもらえる、そういう仕組みになることを願っております。
以上で私のきょうの質問を終わります。