大阪府議会議員 かじき一彦 公明党

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健康福祉常任委員会

2014年3月12日

後期高齢者医療制度

質問

 おはようございます。公明党の加治木です。

 本日は、後期高齢者医療制度につきまして、発達障がい児への支援につきまして、パーキングパーミットについて、また障がい者の就労支援について、以上四点についてお聞きをいたします。

 まず、後期高齢者医療制度の保険医療についてお聞きをいたします。

 この制度は、人口の高齢化が今後も進む中で、国民皆保険制度を将来にわたって維持していくため、現役世代と高齢者でともに支え合う制度として、国における医療制度改革の10年以上の議論を経て、平成20年4月にスタートしたものです。

 制度が発足した平成20年当時、私も既に府会議員をしておりましたが、この制度の周知不足等がございまして、この制度のせいでよりひどくなるのではないのか、さまざまな不満、苦情が私のところにもたくさん届けられました。その後、国のほうが、低所得者に対する均等割の軽減拡大や所得割の減額、また保険料徴収方法を選べるようにするなど、そういった細かい対策をとった結果、制度として、今現在、ある意味やはりこれがないと困るもの、そういうふうな形で受け入れられているのではないかと感じております。

 その中で、来(平成26)年度に保険料が改定される予定です。制度上、2年に1回、保険料の見直しというものがございますが、その加入者のほとんどは年金受給者です。年金がこの先出るかどうかわからない、まさに年金はどないなるねんという話がいっぱい私のところに来るわけですが、その中で、保険料負担が余りに大きくぼんとふえるようなことになりましたら、当然、私の生活はこの先どうなるのと不安を抱えることになるのはある意味当然のことやと思います。

 このような状況の中で、この2月17日に開催されました大阪府後期高齢者医療広域連合議会で後期高齢者医療制度への財政支援を求める意見書が採択されて、府に提出されたところです。具体的には、大阪府後期高齢者医療財政安定化基金を活用して、同基金からこれを繰り入れることで保険料の上昇抑制をお願いしたい、そういった内容でございました。

 この基金への拠出について、府は平成26年度の予算措置を今回見送ったということですが、どのような経過があったのか、改めて御説明いただけますでしょうか。

答弁
国民健康保険課長

 委員お示しのとおり、平成26年2月17日付で、大阪府後期高齢者医療広域連合議会から後期高齢者医療制度への財政支援を求める意見書が提出されまして、大阪府後期高齢者医療財政安定化基金による保険料抑制の要望をいただいたところでございます。

 後期高齢者医療財政安定化基金は、後期高齢者医療制度の財政の安定化を図る目的で設置されたものでございます。保険料増加抑制のための基金からの交付は、特例として規定はされておりますものの、本来の目的は、予定した保険料収入を下回って生じた収入不足や見込みを上回る給付費の増加等に起因をします財源不足について、資金の貸し付け、交付を行うものでございます。

 後期高齢者医療制度は、給付に要する経費につきまして、被保険者に保険料で約1割を御負担いただいておりますが、その他の約9割につきまして、74歳以下の方々からの支援金で約4割及び公費で約5割で賄っておるところでございます。

 先ほど委員お示しいただきましたように、現役世代と高齢者でともに支え合う後期高齢者医療制度ですけれども、今般の保険料改定に当たりまして、大阪府といたしましては、受益と負担の観点から、さらなる公費投入による保険料の抑制は好ましいものではないこと、また今般の保険料の改定に当たっての広域連合の試算によりますと、全国平均の想定伸び率が2.5%であるのに対しまして大阪府では1.21%と低く試算されていることなどを勘案し、予算措置は見送ったものでございますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。

質問

 ただいまの御答弁では、安定化基金を活用して保険料を抑制しなくても、全国平均の想定伸び率が2.5%であるのに対して大阪府は1.21%、ポイントでいうたら半分低く試算されていることがあるから、予算措置を見送ったということです。

 適正な受益と負担の関係というのを念頭に置きながら、将来にわたってきちんと安定して運営できる制度にしていく必要があります。ということは当然理解をしておるんですが、一方で、高齢者、お年寄りが必要なときに必要な医療が受けられる制度でなければならないと思います。やはり、中でも所得の低い人への配慮というのが大事やと、不可欠やと考えます。

 先ほど、所得の低い人に対する対策については、これまでも国の制度設計のもとで必要な対策がなされてきたということは御説明いただきましたが、この4月から消費税が5%から8%に上がります。その一方で、社会保障と税の一体改革に伴う社会保障の充実というものもあると聞いております。

 そこで、今回の保険料改定の影響とあわせて、一体改革に伴う所得の低い人への対応についても改めてお聞かせいただけますでしょうか。

答弁
国民健康保険課長

 今般の保険料改定につきまして、低所得の方に対する影響につきまして御説明をいたします。

 例えば年金収入80万円、公的年金等控除後所得がゼロとなる方でございますが、保険料の均等割につきまして、先ほど委員お示しのございましたように、軽減の拡大によりまして均等割が九割軽減、こういった方でございますが、こういった方で年額で78円、それから年金収入が168万円、公的年金等控除後の所得が48万円で保険料の均等割が8.5割軽減、こういった方の場合で、年額で297円の増額になると試算をされておるところでございます。

 後期高齢者医療制度におきましては、低所得者の方々の保険料は、その所得に応じまして、均等割額の7割、5割、2割が軽減されることとなってございます。委員お示しのとおり、これまでに国におきまして、この法定軽減分以外に所得の低い方へのさらなる負担軽減を図るなど、制度の見直しが行われているところでございます。

 これに加えまして、平成26年4月から、社会保障と税の一体改革の中で消費税財源を活用いたしまして、5割、2割の軽減対象となります所得基準額をさらに引き上げ、低所得者の負担軽減のさらなる拡充を行う制度改正を実施する予定となってございます。これにより、府内でも軽減対象者が約3万3000人増加する見込みでございます。

 低所得者への保険料軽減対策へ府としてその役割を果たしていくため、この拡充に必要な経費といたしまして約7億6200万円を平成26年度予算に追加計上しておるところでございます。

要望

 今、課長から御説明がありましたとおり、今回の保険料改定で一定額の負担がふえるという事実はございますが、一方で、国の軽減拡充策の実施などで所得の低い人への負担については配慮がなされるということであります。

 まだまだこれから75歳以上の高齢者がふえ続けていきます。ですが、その一方で、今後とも所得の低い人に対する配慮というものはきちんとなされますように重ねて要望をしておきます。

2014年3月12日

発達障がい児への支援

質問

 次のテーマに移ります。次、発達障がい児への支援です。

 まずは、乳幼児健診の問診票に関する項目です。

 我が会派では、これまで、発達障がいの早期発見の場として乳幼児健診の機会を捉えて、その早期発見に役立つ、資する問診項目の作成、またこれを踏まえて市町村の問診票改訂についてしっかり取り組んでくださいということで、繰り返し質疑をしてきたところです。

 (平成25年)9月議会では、市町村の問診票の改訂状況や府の支援等についてお聞きしたところでございますが、その後、半年近くたっております。改めてその状況の変化、また府の対応等についてお聞きをしたいと思います。

 まず、市町村の問診票の改訂時期でございますが、現在、どのような状況になっているのでしょうか。

 また、この改訂に当たっては、専門的な知識も必要になることと思います。問診票検討ワーキングチームの専門家によるアドバイス等を実施するとお聞きしておりましたが、市町村に対するそういう取り組みはきちんとされてきたのでしょうか。また、これからもしていただけるのでしょうか、改めてお聞きをします。

答弁
副理事兼健康づくり課長

 今(平成25)年度中に問診票の改訂を実施していただくところは20市町村で、新しい問診票を活用した来(平成26)年度の健診に向け、準備を進めていただいているところでございます。来年度中に改訂を行うところは13市町、平成27年度は4市、平成28年度は4市となっております。残る2市につきましても、現時点で改訂時期を示すことは困難ではありますが、前向きに検討を進めていく旨、御回答をいただいております。発達障がいの早期発見の重要性、必要性について御理解いただき、来年度には約8割の市町村で問診票の改訂が完了する予定であります。

 また、問診票改訂に伴います市町村支援につきましては、昨(平成25)年10月から12月の期間に、要請のありました15市町につきまして、質問を取りまとめ、専門家のアドバイスを実施いたしました。

 来年度以降も、市町村の意向を確認し、同様の支援を行ってまいります。

質問

 早期に各市町村、問診票の改訂に取り組んでいただけるということでございますので、引き続き支援をしっかりとお願いしたいと思います。

 さて、この新しい問診票ができても、その結果を適切に評価して、フォローが必要な子どもたちの経過観察健診や発達相談などにきちんとつないでいくことが必要やと思います。やはり、その現場では、お一人お一人の保健師さんが、当事者、子どもだったりその保護者の人たちと向き合うわけです。そこで気がかりなのは、個々人の力量の差が出ないように、きちんとどこでも同じように対応してもらえるように、運用に当たって手引書をつくるということでお聞きをしておりましたが、こちらのほうはどのような状況でしょうか。

答弁
副理事兼健康づくり課長

 問診票検討ワーキングチームの委員の協力を得まして、問診項目の選定理由、考え方、健診後の評価と支援方法、健診時の保護者への伝え方などにつきまして解説いたしました手引書を作成し、2月5日に市町村へ説明したところでございます。

 手引書の作成に当たりましては、発達障がいの専門家に加え、市町村の保健師や心理士にも入っていただき、健診等の場で対応する保健師に理解していただけるよう、わかりやすい表現に努めました。また、保護者との信頼関係を築いていくため、気になる児の保護者への接し方など対応方法等についても記載しております。

 発達障がいに関する研究は日々進んでおり、今後も内容を充実させる等、見直しを行ってまいります。

要望

 この手引書を私も一冊いただきました。ありがとうございます。読ませていただきましたが、私は素人ですので、気がついたところといいましたら、例えば参考文献はきちっと引用元が記載されているですとか、またコラム、読みものという形で注意喚起をしてもらえるようなことが工夫されている。そこは、済みません、素人ですのでそういうところしかわからんかったんですが、今回、こういう形で実際形にまとめられました。

 これを、今後も、言うたら第二版、第三版というような形で改訂を、その都度応じて引き続きよくしていっていただいて、現場の市町村の保健師さんが頼りにするものとともに、これがまたよその府県のこういう手引書をつくるときに、大阪府はこういういいものをつくってますよというて参考文献に引用されるぐらいのええものをつくっていただきたいと思いますので、要望しておきます。

質問

 続きまして、同じ発達障がい児支援ですが、ゲイズファインダーに関する話です。

 昨(平成25)年9月のこの健康福祉常任委員会で、新たな診断補助装置であるゲイズファインダーというのを乳幼児健診で活用するということについてお聞きをさせていただきました。その際、地域生活支援課長から、「ゲイズファインダーは、人の視線の位置を容易に測定することができるため、発達障がいの早期発見に資する手法の一つとして期待している。平成26年度以降、市町村の乳幼児健診においてモデル実施を行いたい」、そのように答弁をいただいております。

 この機械、確かに私も早期発見のツールになってくれるんやないかと期待をしておりますが、去年9月以降のゲイズファインダーの乳幼児健診での活用に向けた取り組みについて改めてお聞かせください。

答弁
地域生活支援課長

 ゲイズファインダーの乳幼児健診での活用についてお答えいたします。

 乳幼児健診の際にゲイズファインダーを活用していくことは、保護者の方が子どもの社会性の発達の特徴を理解し、必要な場合に早期に適切な支援につなぐための手法として有効であると考えております。

 このため、平成26年度におきましては、府内3市町村程度の乳幼児健診の現場における活用について、モデル的に実施することとし、予算案を提案させていただいているところでございます。

 また、先月には、市町村保健師を対象とした研修を実施し、その中で、発達障がいの早期発見の意義や保健師の役割等について講義を行いますとともに、ゲイズファインダーの内容についても説明させていただきました。さらに、市町村の健診担当者により具体的なイメージを持っていただくため、ゲイズファインダーの見学会も開催させていただいたところでございます。

 現在は、市町村に対して来年度の事業実施についての意向調査を行っているところでございまして、今後、その調査結果を踏まえて、実施市町村を決定し、具体的な実施内容等について市町村の意向もお聞きしながら、進めてまいりたいと考えております。

質問

 ゲイズファインダーの乳幼児健診の活用に向けた取り組み状況というのは今お聞きをしました。ありがとうございます。

 平成26年度以降、これらの取り組みを踏まえて、市町村の乳幼児健診体制の整備を進めていくことになると思いますが、今後、府としてどのように取り組んでいこうとされているのでしょうか、お聞かせください。

答弁
地域生活支援課長

 26年度の市町村の乳幼児健診現場におけるゲイズファインダーのモデル的な活用におきましては、保護者の方に、事業の趣旨を十分御理解いただいた上で行うこととし、ゲイズファインダーを乳幼児健診に活用していくに当たっての保護者に伝わりやすい説明や配慮すべき点について検討してまいります。また、あわせて実際に乳幼児健診に導入するに当たっての方策について検討してまいります。

 これらの検討に当たりましては、大阪府障がい者自立支援協議会発達障がい児者支援体制整備検討部会こどもワーキンググループのもとに乳幼児健診検討ワーキングチームを設置いたしまして、ここで、モデル実施の状況を踏まえ、健診担当者や学識経験者などからの御意見をお伺いしながら進めてまいりたいと考えております。

 本府といたしましては、ワーキングチームにおける検討結果も踏まえ、ゲイズファインダーを含めた市町村の乳幼児健診体制の整備に向け、取り組んでまいります。

要望

 昨(平成25)年の10月、私どもの会派で枚方の府立精神医療センターにお伺いしまして、私どもの同僚議員がゲイズファインダーが実際どんなものか体験してくれました。ところが、どうもうまく反応しなかったみたいなんですね。視線を捉え切れなかったのか、ちょっと何が原因なのかわからないんですが、まさに機械はうまく使うと便利ですが、その機械に使われるんじゃなくて、まさに機械をきっちり使いこなせるように、そのための技術研修もしていただきたいと思いますし、また先ほども健康医療部のほうとも質疑をさせてもらいましたが、両方の部にまたがる話です。しっかりと連携をとって、現場はその現場の保健師さんがしはる話ですので、現場が混乱しないように、現場できちんとこの発達障がいに関しての健診が順調にスムーズに進みますように、これからも連携をよくとって、府の側、市の側、市町村の側、しっかりと連携をとって取り組みを進めていっていただきたいと思います。

2014年3月12日

大阪府障がい者等駐車区画利用証制度(パーキングパーミット)

質問

 では、次のテーマに移ります。

 大阪府障がい者等駐車区画利用証制度についてお聞きをします。

 これまでもたびたび我が会派として質疑で取り上げさせてもらいましたが、このときはパーキングパーミットという英語で言ったんですが、近くは、去(平成25)年の9月の健康福祉常任委員会で、このパーキングパーミットという言葉で、車椅子使用者用駐車場の適正利用に向けてこういう制度を取り組んではどうかと質疑をさせてもらいまして、その後、12月の一般質問で、知事から、この車椅子使用者用駐車区画等の適正利用のために、真に必要な人がきちんと車をとめられる制度を実施したいということで御答弁いただいたところです。

 その後も、担当課の皆さんが準備をしていただきまして、この2月から大阪府障がい者等用駐車区画利用証制度ということで始まったところですとお聞きをしております。本当に必要な人にとっては必要な制度で、これはよくやっていただいたなと私もうれしく思っております。

 そこで、2月に始まったばかりですので、まだ開始から間もない時期ではございますが、現在の状況についてお聞かせいただけますでしょうか。

答弁
障がい福祉企画課長

 ただいま御質問いただきました大阪府障がい者等用駐車区画利用証制度でございますが、障がい者や高齢者など移動に配慮を要する方々が安心して外出できますよう、車椅子使用者のための駐車区画と高齢者など移動に配慮を要する方のための譲り合い区画、この両方を確保する公共施設あるいは商業施設などにおいて、その区画を御利用いただくための利用証を大阪府が交付する制度でございます。本年2月から開始をしたところでございます。また、この利用証は、兵庫県、滋賀県、京都府など、同様の制度を導入しております多府県の駐車区画でも相互に利用することが可能となっております。

 現在の状況でございますが、大阪府域において利用証を使用できる施設は公共施設と民間施設を合わせて約350施設、障がい者の方等への利用証の発行総数はこれまでに合計450枚となっております。

 現在、市町村や関係団体の窓口、広報紙でのPRなど、制度の周知を進めてきているところでございますが、一方で、協力をいただいている施設は公共施設がその大半を占めており、利用証を交付された方々により身近な施設で活用いただけますよう、今後は民間施設に広く制度を広げていくことが課題と考えております。

質問

 この制度が有効に機能していくためには、やはり、より多くの民間施設の協力を得てその区画を確保していくことが必要不可欠やと思います。今後、大阪府としてどのように取り組んで、また障がいのある方を初め、この利用証の対象になる方が安心して外出できる環境づくりを進めていかれるのでしょうか。

 小野課長、ちょっと個人的なお話ですが、2年前、国から大阪府に来られて、障がい福祉企画課長として府のために御活躍いただいたところでございますが、これまで取り組んでこられた障がい者が安心して暮らせる社会づくりについて今感じておられることなどもあわせてお答えいただければと思います。

答弁
障がい福祉企画課長

 民間施設における駐車区画の確保についてお答えいたします。

 現在、民間施設におきましては、イズミヤ、ダイエー、阪急オアシス、帝国ホテルといった企業に御協力をいただいておるところでございます。

 大阪府といたしましては、レストラン、スーパー、銀行、百貨店といった府民の皆様に身近な施設から協力の輪を広げていきたいというふうに考えておりまして、本年2月13日には、府域の企業を対象に制度の説明会を実施をいたしまして、約20社の企業に御参加をいただきました。今後も、さまざまな機会を捉まえて、多くの企業にこの制度への協力を呼びかけてまいりたいと考えております。

 現在、大阪府が推進しております第四次大阪府障がい者計画の基本理念は、「人が人間(ひと)として支えあいともに生きる自立支援社会づくり」でございます。

 障がい者の自立と社会参加の実現を目指していく上で、障がい者が社会の中で特別な存在でなく、生き生きと暮らすことができる環境の整備を府民の皆様の御理解をいただきながら進めていくことが重要というふうに痛感をしております。

 この障がい者等用駐車区画利用証制度も、そうした環境づくりの一環としてこれからしっかりと育てて、障がい者の方が安心して外出できるよう官民一体となって取り組んでまいりたいと考えております。

意見

 やはり、障がいのある人が暮らしやすい社会というのは、別に障がいのない人にも暮らしやすい社会やと思います。

 けさ、谷町四丁目の駅から府庁までとことこ地下通路を歩いてきたんですが、お年を召した方が一生懸命階段をえっちらほっちら途中までおりてはったんですね。おりる前やったら、あそこにエレベーターがありますよと教えて、おりていってくださいと言えたんですが、もうおりてはる途中なのでどうしようもなかったんですけど、そのような優しさというんでしょうか、誰もが、ちょっときょうは体がえらいからエレベーターに乗ろうかなと思う日だってありますやん。そういうときに、駅に行くんやったらエレベーターがありますよという、例えばそういうサイン一つも、非常に皆さんに、誰もに役に立つことやと思います。

 小野課長は今回2年間を終えられてまた次の新しい立場に行かれるわけですが、大阪府のこともたまには思い出していただきながら、新たな立場での御活躍をお祈りしております。

2014年3月12日

障がい者の就労支援

質問

 では、最後に障がい者の就労支援についてお聞きをいたします。中でも、アートを活かした障がい者の就労支援事業についてお聞きをいたします。

 この間の土曜日、梅田スカイビルの空中庭園で開催していました「現代アートの世界に輝く新星」発掘プロジェクトの第3回公募展というのを見てまいりました。

 障がいのある方にとって、芸術文化活動というのは、楽しみながら豊かな心を育むことができるものであると同時に、生きがいとなって、また自己表現、自己実現の手段として、大変重要な意味を持つものであると改めて実感をしたところです。

 これまで、障がいのある人が創作されるアート作品は、教育的効果や福祉の向上の視点で捉えられていましたが、近年、障がい者の人がつくる作品に対して、文化的、芸術的な価値に関心が高まってきております。

 大阪府が先進的にアートを活かした障がい者の就労支援事業に取り組んできたわけですが、改めて、これまでの経緯、府の取り組みについてお聞かせいただけますでしょうか。

答弁
自立支援課長

 大阪府で取り組んでおりますアートを活かした障がい者の就労支援事業についてでございますが、障がいのある方々が創作した創造性豊かな芸術性にあふれる絵画等の作品を現代アートとして評価をいたしまして、これをマーケットにつないでいくことによりまして、アーティストとしての自立に向けたチャレンジを支援していくというものでございます。

 これまでの経緯でございますけれども、まず平成20年度に現代アートの専門家や学識経験者等をメンバーといたしますアートを活かした障がい者の就労支援懇話会を設置いたしまして、埋もれた才能の発掘でありますとか作品発表の機会が必要といった提言を取りまとめていただいたところでございます。

 この提言に基づきまして、これまで、障がい福祉施設等における美術創作活動等の実態調査でありますとかアートフォーラムを開催いたしまして、また作品の公募展を3回、企画展を2回行ってまいりました。

 今年度は、第3回目の作品公募を行いまして、去る2月28日から3月9日の10日間、梅田スカイビル空中庭園展望台におきまして、入選作品58点を「絶対世界--可能性の起点--」と題しまして展覧会を開催したところでございます。今回は、空中庭園展望台という観光スポットでの開催となりました。展望台を訪れた1万人を超える方々に熱心にごらんをいただきまして、改めてアート作品への関心の高さを実感したところでございます。

質問

 平成20年度に取りまとめられましたアートを活かした障がい者の就労支援懇談会の提言からさまざまな取り組みを実施されてきたということはわかりました。

 大阪府が取り組んでいる事業の特徴というのはどういうところにあるのでしょうか、お答えいただけますでしょうか。

答弁
自立支援課長

 この事業の特徴といたしましては、2点ございます。1点目は、障がい者アートと限定して捉えるのではなく、現代アートとして評価をしているということでございます。2点目は、市場化ということでございまして、作品を市場へつなげることによりまして、作者が収入を得、アーティストとしての自立を目指すということでございます。

質問

 この公募展は今回が3回目ということで、これまでにもすぐれた才能を発掘してこられたと思います。アートを活かした障がい者の就労支援事業は、才能のある人がアーティストとして自立していただくということが目標ということですが、今後の取り組み、展望についてお聞きをいたします。

答弁
自立支援課長

 今回の公募展では、第2回公募展でも最優秀賞を獲得いたしました西脇直毅さんが特別賞を受賞されておられます。この方の作品は、審査員からもずば抜けているといった非常に高い評価を得ておりまして、また来場者からも大変注目をされまして、ぜひ購入したいという声もお聞きをしているところでございます。

 今後は、まずこうした方の作品を市場参入のモデルケースとして支援できますように、民間と連携をしながら、例えばギャラリーへの紹介でありますとかアートフェア等への出展協力など、販売ルートや資金確保の方策についてしっかりと検討してまいりたいと考えております。

質問

 今回、スカイビルでの公募展へ行かせてもらいまして、作品をずっと見させてもらいました。ここのところ、いろんな美術展に行ったりとか、またこれまでもおつき合いのありました関係で、障がい者作業所の人たちの作品展ですとか、また私の住んでいる淀川区で、何かちょっと障がいのある人でそういうアートに絵ですぐれている人の作品を見に行ったりしたこともあったんですが、これだけの質の高いものが1カ所にまさに一堂に会しているというのは全く初めての経験でした。

 いろんな絵とか彫刻とかを見てきて、くるっといっぱいある作品を見ていく中で、それは確かに美術館を回ってても、1つや2つ、そこに立ちすくすしかない絵とか、見ていたら吸い込まれそうな絵とかいうのもあるんですが、もう一方で、済みません、作家さんには悪いんですが、一目見たらまあいいかとかいってしまうような作品もやはりあるわけです。

 それと考えたら、今回行った公募展、まさに一つ一つの作品から手が出てきて、「加治木さん、私の絵を、僕の絵を見ていってください」と言わんばかり、まさに体をがしっとつかまれるとか、そういう感じがほんまに一点一点しました。物すごく訴えかけるものというんですか、私はこれを伝えたいというメッセージが、こういうアピールをしたいというのを非常に強く感じました。どうやって表現しようか、今でも言葉で尽くし切れないのが正直な思いです。

 やはりこのような公募展、これからも継続していっていただくことで、まさにそういう夢を、僕の、私の思いを伝えたいという人の可能性を引き出すことになっていくと思いますので、ぜひとも継続をしていっていただきたいと思います。まず、この点をお聞きします。

 また、今回、スカイビルの空中庭園の展望台という場所は、応募者、関係者以外にも、まさに通りすがりの一見さんもいっぱい来はったと思います。そういう人たち、まさに障がい者アートって何やって全然知らん人たちも恐らく見て、幾つかの作品に私と同じような感覚を持った人もいてはるんやないかなと思いたいとこなんですが、ただ済みません、いかんせん今回のこの展示に関しても、こういうことをやっているということ自体どれぐらいの人が果たして知っていたんだろうというとこも気になるところなんです。こうやってせっかく取り組んでいただいたからには、広報活動というのも力を入れていただきたいと思います。

 継続をしてほしいという点と広報活動に力を入れてほしいという点につきまして、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。

答弁
自立支援課長

 まず、公募展の継続についてでございますが、公募展は、障がいのある方々やその関係者を初め、一般府民からも継続の要望を受けております。また、埋もれた才能を発掘し、市場へつなげるためにも、また障がい者の方々の芸術活動の裾野を広げるためにも欠かせないというふうに考えております。来(平成26)年度以降も継続して開催できるよう、しっかりと取り組んでまいります。

 次に、広報活動でございますが、本公募展の開催に当たっては、大阪府のホームページや報道機関への資料提供、さらに広報チラシやポスターを作成、配布し、周知を行っているところでございますが、まだまだ知らない人がいらっしゃるというのも先生御指摘のとおりでございます。今後、これまでの取り組みに加えまして、先駆的に芸術活動に取り組む福祉事業所の事例紹介を初めまして、本事業に理解をいただいている企業や団体、ギャラリーなどに積極的に働きかけるとともに、美術関係者のネットワークを活用した情報発信など、さまざまな手法を活用いたしまして本公募展をより多くの方々に知っていただき、作品を鑑賞していただけるようにしっかりと取り組んでまいります。

意見

 私も暇なときにバラエティー番組とか旅番組とか見るんですが、川の源流を探そうなんていうのをたまたま見たことがありまして、河口ではそれこそ何百メーター、一キロ単位で川幅があるような川も、どんどんさかのぼっていくと、山の中で、それこそ最初の一滴、二滴、ぽちゃぽちゃぽちゃと落ちているのがその川の始まりですと。そこへ何か碑が立っていたりするわけですが、まさに今、大阪府が取り組もうとしている障がい者アートを現代アートとして捉えて世に出していこうという取り組みは、言うたら今はしずくのぽちゃぽちゃかもしれませんけど、これをぜひとも大きな川の流れに育てていっていただきたいと思いますし、また今は大阪とかその近辺ぐらいしかこの存在を知ってはる人がいてはれへんかもしれませんけど、それこそ全国からこの公募展に作品が集まる、またこの公募展で賞をとったら、次のステップというんですか、それこそプロとして活躍できるとかいったような質の高い、誰からもその存在を知られるような公募展に育てていっていただきたいと思います。

 そんなに一朝一夕でできる話じゃないのは重々わかっております。長い目で取り組んでいっていただきますように、またこちらもしっかりと応援していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。