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質問事項
2017年3月13日
公明党大阪府議会議員団の加治木一彦です。
私も、まず森友学園をめぐる諸問題についてお聞きをいたします。午前中、自民党の冨田委員からもさまざま質問がございましたので、若干重なる項目があるかもしれませんが、それは御容赦をいただきたいと思います。
学校法人森友学園が運営をする塚本幼稚園で、外国人差別があったのではないか、不適切な保育が行われたのではないかとさまざまに報道がなされました。
まず確認をいたしますが、一般的に、保護者から私立幼稚園の保育を含めた取り組みについて申し入れや情報提供などがあった場合に、私学課はどのように対応しているのでしょうか。
私学課に、不適切な保育が行われているのではないのかというような情報が入った場合につきましては、幼稚園に対して事実確認を行い、事実を認めた場合は、不適切な保育を是正するよう指導し、認めていない場合でも、保護者にしっかり説明するよう指導しております。
では、今回の事例に即してお尋ねをいたします。
塚本幼稚園で外国人差別の疑われる文書が配付されたことにつきまして、私学課はどのように事実確認をしたのでしょうか。また、学校法人はどのように回答したのでしょうか。
保護者からの申し入れや私学課現認等により確認した事案は3点ございます。
1点目は、「よこしまな考えを持った在日韓国人、支那人」と記載された文書を保護者に配付した点、2点目が、園ホームページに、「巧妙に潜り込んだK国・C国人等の元不良保護者」等を記載した文書を掲載した点、3点目が、特定の保護者に対して、「私は差別はしませんが、心中、韓国人と中国人は嫌いです」と書いた手紙を渡した点です。
私学課から学校法人に対して事実確認をしたところ、平成29年3月3日、森友学園理事長から、差別的表現が疑われる事例については不適切と認識している、このことを真摯に受けとめ、今後同様の事例が生じないようにコンプライアンス体制の構築を検討するとの回答がございました。
私学課としましては、同幼稚園において同様の事態が引き起こされないよう、具体的取り組み方策を3月17日までに提出するよう求めております。
国会での質問や各種報道によれば、塚本幼稚園で不適切と思われる保育があったと幾つか事例が取り上げられておりました。それらにつきましても私学課が確認したと思いますが、学校法人からどのような回答があったのでしょうか。
平成28年12月、塚本幼稚園の元保護者から、「保護者に対して、園児のことを犬臭いと言った」「遠足の際に園児が持参した弁当を捨てた」などの申し入れがありました。
また、国会で同園の保育について質疑がなされたことから、文部科学省より、「トイレに行く時間が決められていて、それ以外の時間はトイレに行くことが禁止されている」「お漏らしをすると、謝らないとかえのパンツをもらえない」「漏らしたパンツを汚れたまま幼稚園のバッグに入れて持ち帰らせる」などの事案について確認の依頼がございました。
これらについて学校法人に事実確認をしましたが、事実でない、あるいは趣旨を誤解している、また訴訟中なので回答できないとの回答でございました。
申し入れがあった事案について、元保護者には平成29年1月24日及び3月3日に、国に対しましては3月3日に回答いたしました。私学課としましては、今後新たな事実が出てくれば、必要に応じ調査を行っていきたいと考えております。
森友学園が4月開校を目指しておりました瑞穂の國記念小學院は、この先週10日、設置認可の申請を取り下げ、また理事長が退任の意向を表明されました。本来、確たる建学の理念、精神に基づき設置、運営されるべき私立学校が、設置認可をめぐり大混乱し、申請者が取り下げる事態に至ったということはまことに遺憾であります。進学を楽しみにしていた児童や保護者の気持ちも察するに余りあります。
府には、事態のてんまつをきっちり検証してもらうとともに、関係者と協議をし、再発防止に向けてしっかりと取り組まれるよう求めますが、教育長、いかがでしょうか。
今回の事案につきましては、取り下げということになったわけでございますけれども、まだ事実確認等できていないところがございますので、当然森友学園に対して説明を求めるというのは続けてまいります。
ただ、私ども、特に契約書につきましては、住宅まちづくり部とも協議をした上で、大阪府としての事実認定をまずしたいと考えておりまして、その事実認定に基づきまして、どういうふうな対応ができるかというのは顧問弁護士と相談してまいります。
先週、3月11日の毎日新聞に同志社大学大学院教授の新川達郎先生がコメントを寄せておられましたので、私、全く同感ですので、全文をちょっと紹介させていただきます。
行政が持つ許認可権限を審議するプロセスは、基本的に申請者が法にのっとっているという性善説に基づく。疑わしい部分があっても、条件が整っていれば審議を先延ばしするのは難しい。私立学校の開設に対する規制を強化するわけにはいかないが、今回の事例を踏まえ、大阪府には手続上の改善が求められるだろうと指摘をされておりました。全く同感であります。しっかりと府として引き続き対応を求めておきます。
2017年3月13日
では、次のテーマに行きます。維新の笹川委員よりも午前中質疑がございました私立高校の授業料無償化制度についてであります。
この制度は、中学校時の進路選択段階で、家庭の経済的理由にかかわらず、みずからの希望や能力に応じて学校選択が可能となり、子どもたちの進路選択の幅を大きく広げる、大阪府が全国に誇るべき制度であると考えております。
この制度は、国の就学支援金と府の支援補助金の2つを支給することで授業料無償化を実現しておりますが、国では平成25年の法律改正の際の衆参両院文部科学委員会におきまして附帯決議がなされており、法施行後3年経過をする平成29年度に政策の効果を検証した上で、早ければ平成30年度から必要な措置を講じた新たな制度を実施する予定と伺っております。
現時点におきまして、国がどのような制度見直しを行うのかは不明ですが、我が会派としましては、この無償化制度が子どもたちの未来のために非常に重要で有意義な制度であることから、平成31年度以降の入学生に対しても、この制度の継続または充実をしていただきたいと願っております。私学課長の所見をお伺いします。
私立高校生に対する授業料無償化制度につきましては、大阪の子どもたちが、中学校卒業時の進路選択の段階で、家庭の経済的状況にかかわらず、みずからの希望や能力に応じて自由に学校選択できる機会を保障するとともに、このことを通じて学校間の切磋琢磨を促し、大阪の教育力の向上を図るため、平成23年度から実施してきたものでございます。
この間、昼間の高校への進学率が向上するとともに、中退率の減少など、さまざまな効果が上がってきているところと考えております。
委員お示しのとおり、国制度の見直しにつきましては、現時点においてその詳細が明らかになっていないところですが、授業料無償化制度は、高校への進学を希望する生徒に大きな影響があることから、平成31年度以降のあり方につきましては、毎年度の効果検証を踏まえつつ、引き続き、制度の趣旨が損なわれないように、平成29年度中にお示ししたいというふうに考えております。
この私学の授業料無償化につきましては、引き続き支援していただきますようにお願いをいたします。
2017年3月13日
次のテーマに移ります。新学習指導要領に向けた取り組みということで、午前中、自民の冨田委員からも質疑がございましたが、私からも質疑させていただきたいと思います。
小中学校の教育課程の基準となる新学習指導要領案が2月の14日に公表されました。今回の改訂案には、子どもたちに生きる力を育むことを目指すに当たって、「知識及び技能の習得」「思考力、判断力、表現力等の育成」「学びに向かう力、人間性等の涵養」の3つの柱が示されております。この3つの柱の実現に向けた取り組みは、学校の全ての教育活動にかかわってくることでしょうが、とりわけ学校生活の大半を占める授業が大きな役割を担うものと考えます。
小学校英語の拡充を除けば、学習内容や授業時間数は現在とほぼ同じなだけに、子どもたちの学びの質について、「どのように学ぶか」という視点からの「主体的・対話的で深い学び」の実現が求められています。そのためには、何よりも教員の授業に対する意識改革が重要であり、教員みずからが日々の授業の質を向上させていくことが必要と考えます。
そこで、今回示された「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善のために、府教育庁としてどのような取り組みを行っていくのか、小中学校課長にお聞きします。
府教育庁では、昨年度から「主体的・対話的で深い学び」の実現に向け、府内小中学校7校を指定し、実践研究に取り組んでおり、当該校では、子どもが興味関心を持つような題材の取り上げ方や、子どもたちの考えが深まる話し合い活動の工夫などの研究を行っております。
その効果検証といたしまして、当該校の子どもたちに対しまして、話し合う活動を通じて自分の考えを深めたり広げたりすることができているかというアンケートを行ったところ、肯定的な回答が小学校では約96%、中学校で約76%ございました。これは、昨(平成28)年4月実施の全国学力・学習状況調査におけるアンケートの国平均と比較いたしましても、小学校で約30ポイント、中学校で約10ポイント上回っており、これまでの実践の成果と考えております。
また、昨年10月から本年2月にかけまして、実践協力校の成果を普及させるため、府内7地区において授業公開を伴う研究発表会を開催いたしました。いずれの発表会におきましても、多くの教員の参加が見られ、次期学習指導要領において求められている授業のあり方に対する関心の高さを感じたところでございます。
各会場で公開された授業実践をもとに、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けたさまざまな意見交換がなされ、その成果が府内各地に普及できたものと考えております。
次(平成29)年度は、本年度の取り組みをさらに進め、大阪府全体の授業改善の推進に努めてまいりたいと考えております。
2月15日付の日本経済新聞朝刊の特集面には、教育理念が共有され、地域や社会の支援が得られれば、現場はさまざまな取り組みができるのではと、ある教育委員会の担当者の意見を紹介しております。もとより一朝一夕で実現できることではありませんが、大阪の子どもたちの生きる力を育むため、府は、まず教員の授業力向上に引き続き取り組まれますよう求めておきます。
2017年3月13日
続きまして、中学校での英語教育についてお聞きをいたします。
昨(平成28)年9月定例会の教育常任委員会で、府教育庁では、今年度より、各市町村から推薦された英語教育の中核を担う中学校教員を対象に、英語を話す力を高める授業づくりについての連続研修を実施しているとお聞きをしました。
その際、私から、研修を受講した教員だけの力量が高まるのではなく、各市町村で研修内容を確実に普及をし、府内全ての英語教員の指導力を高めるよう要望しております。
そこで、本年度の研修内容の普及に向けた取り組みの進捗状況について、小中学校課長にお伺いします。
委員お示しのとおり、教育庁では、今(平成28)年度より、英語を話す力を高める授業づくりに向けて、授業改善推進リーダー研修を年間5回実施しております。
本研修は、生徒の話す意欲を高める工夫やその力を適切に評価する方法など具体的な内容で進めております。受講者は、学んだことを自分の授業に取り入れ、その中で新たに見えてきた課題を次の研修に持ち寄って改善のための方策を協議するなど、極めて実践的な内容でございます。
また、研修を受講した教員には、自身が講師となって域内の英語教員を対象とした普及のための研修を年3回実施するとしておりましたが、本年度は予定を上回って、平均4.2回の研修が実施されております。
また、この普及研修では、受講者が講師として単に受講内容を伝えるだけでなく、みずからの授業を公開しており、教員と生徒の英語でのやりとりが充実している様子などを実際に見せることで、目指すべき授業のあり方が具体的に伝えられたものと考えております。
各市町村で普及のための研修が着実に行われているとお聞きをし、まずは一安心です。
その結果、大阪の英語教育がどのように改善されてきたのか、改めて小中学校課長にお伺いします。
文部科学省が毎年12月に実施している英語教育実施状況調査によりますと、中学校において英語の授業で何ができるようになるかをあらわした学習到達目標、いわゆるCAN--DOリストと呼ばれているものでございますけれども、このCAN--DOリストの設定が、昨(平成27)年度は政令市を除く41市町村で約30%にとどまっておりました。これに対しまして、今年度の調査では100%を達成いたしました。このことから、全ての中学校において、生徒につけたい力を明らかにした指導が行われるようになったというふうに捉えております。
また、国では、次期学習指導要領案におきまして、「教員は授業を英語で行うことを基本とする」と示しており、教員が授業中に話す言葉の半分以上が英語であることを目指しております。今回の調査では、そういった授業を行っている教員の割合が、昨年度の35.3%から54.6%と大幅に増加しており、目指すべき英語の授業が実現しつつあると実感をしております。
教育庁といたしましては、次年度も、各市町村教育委員会としっかり連携をしながら、英語教育の充実を図ってまいる所存です。
昨(平成28)年12月のNHKニュースで放映された映像を拝見いたしました。府内のある市立中学校の英語教員が研修に参加したことを生かして授業改善に取り組み、生徒もグループ学習などで英語を使う楽しさを体感しているようでした。府が実施している研修の成果の一端をうかがい知ることができました。
先ほどの御答弁にありましたとおり、次期学習指導要領案には中学校の英語について、「教員は授業を英語で行うことを基本とする」と示しています。生徒が実際のコミュニケーションで活用できる技能を身につけるには、何より一層の授業の充実が必要です。府内どこの公立中学校でも質の高い授業が受けられるよう、府は引き続き研修の場を用意するとともに、研修や公開授業などを通し、全ての英語教員が英語力、指導力を高めていかれることを要望しておきます。
2017年3月13日
次のテーマに移ります。
帰国渡日児童生徒受入体制整備支援事業という長い事業でございますが、今(平成28)年度、大阪府はこの国の補助事業を活用しまして、今申し上げました事業を実施しております。
この事業の目的と実施状況について、まずお伺いします。
大阪府におきましては、日本語指導が必要な子どもは増加傾向にあり、また新たに日本にやってきた渡日1年未満の子どもも増加をしております。
このような児童生徒に対する通訳派遣による支援につきましては、それぞれの市町村が担っているところでございます。
ただし、日本に来て間もない子どもたちには、生活に必要な日本語を早期に獲得し、安心して学校生活を送れるよう、手厚く通訳派遣を行うことが必要であるが、市町村の施策のみでは十分とは言えない状況が生じているという状況でございます。
そのような状況を踏まえまして今年度から実施している本事業では、渡日3カ月を目途に、手厚く通訳派遣を行うための費用の補助を行うことにより、当該の子どもたちへの支援を充実することで、日常の生活に必要な日本語の早期習得を図ることを目的としております。
今(平成28)年度は、本事業の実施を希望した7市におきまして、34名の子どもたちを対象に、8言語の通訳者を約1900回派遣をいたしました。
34人の子どもを対象に1900回ですので、単純に割り算したら約60回、本当に3カ月間毎日、本当に文字どおり毎日行ってはったということになるかと思います。本当に深く敬意を表する次第であります。
この事業の目的や実施状況については今お聞きしたとおりでございますが、この成果についてお伺いをいたします。
本事業を実施している7市からは、例えば通訳者を介して周囲とのコミュニケーションが充実したことにより、渡日当初は会話の1割程度しか日本語が使えなかった子どもが、1、2カ月の間で倍以上の日本語で会話できるようになったという話であるとか、身につけた日本語を使って積極的に友達に話しかけるようになったりしたという事例を聞いております。
また、中には、国が開発した日本語能力測定に取り組み、通常なら1年かかる平仮名と片仮名を使い分け、漢字も使って文を書こうとするというレベルまで達した子どももいたというふうに聞いております。
また、渡日間もない子どもたちは、日本語がわからないために意思疎通がうまくいかず、トラブルになるケースもよくありますが、当該市からは、この事業を活用することで、ほぼ毎日通訳が派遣され、子どもたちが落ちついて学校生活を過ごすことができていると聞いており、現時点で生徒指導上の課題についての報告は聞いておりません。
このようなことから、府といたしましては、この事業で支援を受けた子どもたちが、日常生活で必要な日本語を獲得し、学校生活にスムーズに適応できているものと考えております。
通訳者の派遣について、国の補助事業を活用し、一定の成果が出ているということがわかりました。短期間で日本語能力を急速に伸ばした事例もあるとお聞きをし、改めて子どもの持つ可能性の大きさを感じた次第です。
日本語指導につきましては全国的にニーズが高まっており、国は、我が党の要求を踏まえ、日本語指導にかかわる教員の基礎定数化を実現するなど、日本語指導に対する施策を拡充をしております。グローバル化が今後も進むことを考えれば、日本語指導のニーズがさらに高まることは十分に予想されます。
昨(平成28)年12月の本委員会でも、日本語指導の必要な児童生徒への府の取り組みをお聞きしたところです。そのときにも、内なる国際化という観点から指摘をしましたが、いろんなルーツを持った子どもたちが同じ学校に通っているということで、日本人の子どもたちにとっても多様性を身近に感じることができます。同じく大阪で教育を受ける子どもたちとして、府には引き続き丁寧な支援をお願いいたします。
2017年3月13日
それでは、次に移ります。
日本語教育学校支援事業、こちらは高校での事業ですが、小中学校課から、日本語指導の必要な児童生徒の数は年々増加しているということをお聞きをしております。この傾向は高校でも同じではないかと思いますが、府立高校でそういう生徒が今どれぐらい在籍をしていて、またどのような支援をしているのか、お聞かせください。
日本語の指導が必要な府立高校の生徒への支援についてお答えします。
日本語指導が必要な生徒は、本年度は府立高校41校に335名が在籍しておりまして、毎年増加傾向にございます。
府教育庁では、これらの生徒が在籍している学校に対しまして、非常勤講師を配置し、日本語指導、また学習面での指導を行っております。平成28年度の実績といたしましては、非常勤講師を34校に配置してまいりました。
さらに、学校の制度や教育内容を理解しており、日本語指導の必要な生徒への支援のノウハウを持っている教育サポーター、これを派遣いたしまして、日本語の指導や学習支援のほか、母語による相談も行っております。平成28年度の実績といたしましては、21校70名の生徒に対して、延べ468回の教育サポーターの派遣を行ってまいりました。
加えまして、各高校の入学式の前にこれらの生徒を一堂に集めまして、帰国・渡日生徒のためのオリエンテーションを開催しておりまして、日本の高校での基本的なルール、学習やクラブ活動といった高校生活全般について教えるとともに、府立高校を卒業した帰国・渡日生徒の先輩からの体験を聞いたり相談できる機会を設定いたしまして、安心して高校生活を始められるようにしております。
私もこのオリエンテーションのことをお聞きしまして本当に驚いたんですが、何より生徒にしてみたら、その先輩ですね、自分が高校に入学して3年間過ごしたらどのようになるのか、やはり身近に先輩を感じるということは非常に大事なことやと思った次第です。学校の先生が教師の立場からあれこれ言うより、ある学校で3年間学んで僕は私はこうなりましたという先輩が一人いれば、まさにそれを憧れに頑張ってくれる子どもたちも絶対出てくると思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
また、高校段階は、まさに今言いましたとおり、3年たって卒業するときに、僕、私はどうなっているのか、この進路をしっかりと保障していくことが大事やと思います。この帰国・渡日生徒に対してどのような進路支援を行っているのか、お聞かせください。
進路支援の取り組みといたしましては、府教育庁では、例年6月ですけども、帰国・渡日生徒を対象としました進路支援説明会を開催しておりまして、大学の進学の情報、あるいは奨学金制度といったことについても情報提供を行っております。今(平成28)年度は、7カ国語の通訳の協力のもとで開催いたしまして、160名を超える参加がありました。
また、これらの生徒を指導する教員に対しましては、今年度は4回の研修会を開催いたしまして、就職支援のノウハウについて専門家から講義を受けたり、効果的な支援の事例についての情報共有を行ってまいりました。
これも教えていただいて気がついたことなんですが、外国籍の生徒が高校に在籍していて卒業するときの進路に、もし僕、私、就職したいですとなったら、その生徒がどういう在留資格で今まさに日本にいるのか、これが実は物すごく大事なことだと。在留資格によっては、高校を出てすぐに就職できないという事例もあるかと思います。もちろんこの大阪府議会だけでどうこうできる話ではないんですが、高校生の進路を確保していくという意味で、進学と就職というのはまさに二本柱、大事なことです。国のほうにもどういったことができるのか、こちらからも話をしていきたいと思いますし、皆さんのほうからも何らかの機会を通して、生徒の進路確保という観点から何か工夫はできないかということを投げかけていただければと思いますので、よろしくお願いします。
2017年3月13日
次のテーマに移ります。進学フェアです。
昨(平成28)年9月の常任委員会で進学フェアのことを取り上げさせていただきました。去年7月、私も実際にマイドームに見に行きまして、すごい大にぎわいで大盛況で、それはそれで非常にいい集まりやと思ったんですが、大盛況過ぎて回り切れないというか、入場制限をかけてしまった。入場制限がかかって行けなかったところにも実は幾つかの高校のブースがありました。その学校に行きたいという生徒、また関心を持っている保護者にしてみたら、これはとんでもない話やったわけでございます。
私、質疑で取り上げましたら、抜本的な見直しを検討するということで、そのとき課長から答弁をいただいたわけでございます。次(平成29)年度、この夏の実施に向けてどのような見直しを検討されているのでしょうか、お聞かせください。
次年度の進学フェアにつきましてお答えします。
進学フェアは、平成24年度から毎年7月にマイドームおおさかで実施してまいりまして、今年度で5回目の開催ということになっております。来場者数も年々増加しておりまして、近年は約1万5000人前後というふうなこういう入場者になっておりまして、会場の収容人数の限界を超えておりまして、場内は大変混雑しているという今御指摘の状況のとおりです。特に今年度につきましては、来場者の安全確保のために、長時間の入場制限をせざるを得ないという状況がございました。
そこで、次年度につきましては、会場変更をせざるを得ないというふうに考えまして、現在、インテックス大阪2号館での開催を検討しております。
来場者の安全を考えて会場を変更するということで、これはもうそうしていただいたほうがええかと思います。
そこで、今までのマイドームよりインテックスのほうが大きい場所になるということですので、せっかく大きくなった場所をうまいこと使って来場者の満足度が高まるようにするべきと考えますが、どのような工夫を今のところ考えられているのでしょうか、お聞かせください。
会場変更に伴う来場者の満足度の向上ということですが、まずインテックス大阪につきましては、全ての学校が一つのワンフロアで設置できますので、来場者にしてみたら非常に会場を回りやすいということがあると思います。また、これまでは、各校のブース、学校ごとのブースですけども、相談や説明を個別対応で行っておりまして、一人一人の相談に丁寧な対応ができるという利点がある一方で、相談までの待ち時間も長く、多数の来場者に対応できないというこういう課題もありました。
そこで、次(平成29)年度は、各校のブースを広くとりまして、プレゼンテーションが実施できる環境を整え、一度に多数の来場者に説明できるようにする予定です。また、同時に個別の相談にも応じることができるように、スペースを別の場所に確保して、来場者の満足度を高めるようにしてまいります。
この進学フェアは、まさに大阪府内の公立高校などが一堂に会して、中学生、またその保護者にとっては進路を考えるという場で、非常にいい機会やと思っております。このフェアに参加することで多くの学校の情報を知ることができ、その中から興味を持った学校の説明会などに参加していくことで、その学校の取り組みや特色をより深く理解できるというものにつながっていくかと思います。
そう考えますと、進学フェア、物すごく意義のあるイベントであります。多数の来場者に来ていただいて、公立高校等の魅力を伝えて、来てよかったと思っていただけるようなイベントになるように取り組んでいただきますようお願いをしておきます。
2017年3月13日
では、次に移ります。インフルエンザ罹患者等の受験機会の確保についてお聞きをします。
インフルエンザに罹患した受験生への対応として、現在大阪府は別室受験という形で認めているとのことでありますが、先日、教育長が記者会見で、平成30年度以降は別室受験以外の何らかの対応を検討するとおっしゃったとお聞きをしております。
この決断に至った経緯、理由をお聞かせいただけますでしょうか。
インフルエンザ罹患者等の受験機会の確保についてお答えします。
昨(平成28)年5月に文部科学省より、インフルエンザ罹患者等への対応についての全国の状況調査が行われました。10月には、その集計結果とともに、インフルエンザ罹患者等への受験機会の十分な確保について特段の配慮を行うよう、こういう通知がございました。
その後、1月になり文部科学省から、別室受験というのは、インフルエンザ罹患者等への受験機会の確保という点では、受験機会の十分な確保に当たらないという、こういう認識が示されました。
そこで、府教育庁といたしましては、インフルエンザ罹患者等に対する受験機会の確保に向けまして、別室受験以外の方法について検討してまいりましたが、今年度につきましては、選抜実施直前に制度変更を行うということになりますと大きな混乱を招くおそれがあると判断いたしましたので、今年度、今行っております平成29年度選抜においては、従来どおりの別室受験で対応することといたしました。
平成30年度選抜以降の選抜につきましては、この別室受験以外の方法として、追検査の実施について検討してまいります。
追検査について検討していかれるということですが、新しいことをしますので当然さまざま課題も出てくるかと思います。今の時点で想定されている課題についてお聞かせください。
追検査の実施について想定される課題としては大きく3つあります。
まず一点目は、本検査と追検査で異なる問題で実施する必要がありますけども、2つの異なる問題による公平性の確保という課題があります。二点目は、追検査実施の日程確保という課題もあります。三点目は、この追検査問題に新たな問題を作成するというその準備の課題がございます。追検査を実施するためには、以上のこの3つの課題の克服が必要だと考えております。
さらに、選抜制度を大きく変更するということになりますと、これは受験生に対する影響が大きくなりますので、追検査実施に当たりましても、現在の選抜制度を基本的には変更しないということを前提に検討しなければならないというふうに考えております。
克服すべき課題が本当にハードルが高いということは理解をいたしました。
同時に、追検査を実施するとなると、現在の制度の本質の部分は変えないという前提ですが、新たな追検査ということですので変更することが出てくるのではないかと考えます。
そのためには、受験生に対して早目にこういう制度になりますよというのを周知する必要があるかと考えます。今後のスケジュールについてどのようにお考えでしょうか。
新たな制度につきましては、平成30年度選抜になりますけども、これにつきましては来(平成29)年度の当初に対応の方針を策定いたしまして、遅くとも6月には中学校、高等学校に示してまいりたいと考えております。
追検査につきまして、現在の制度を大きく変更しないことを前提に、6月に方針を示すとのことですので、それを待ちたいと思います。
先ほど、実施に向けた課題として3点例示がありましたが、私は公平性の確保が何より大事と考えております。追検査を受けた受験生が、本検査を受けた受験生より有利になることも不利になることもあってはなりません。
また、今後検討される追検査は、あくまでもインフルエンザ罹患者等に対する救済措置とのことですが、この「等」がくせ者だと感じております。救済措置の対象になる受験生の範囲はどこまでなのか、この線引きは明確にしておく必要があると考えます。
追検査の実施に向けては克服すべき課題が複雑に絡み合っていることは間違いないとは思いますが、府教育庁には、受験生や保護者初め、関係者が納得できる制度をつくっていただきますよう要望しておきます。
2017年3月13日
では、最後に、大阪府立大学と大阪市立大学の統合についてお聞きをいたします。
昨(平成28)年の9月議会でもこの大学統合についてお聞きをしましたが、大学統合に向けたスケジュールとしましては、平成31年度の法人統合、平成34年度の大学統合を目指すということで、現在は2年後の法人統合を見据えた検討が進められていると思います。
また、統合後の新大学の姿につきましては、従来の教育、研究、地域貢献という基本的な機能を維持しながら、新たに都市シンクタンク機能と技術インキュベーション機能の充実強化を図るといった方向性で検討しており、今後は幅広く両大学の意見を聞きながら、統合によるスケールメリットやシナジー効果を最大限生かすため、新大学に求められる役割や機能について議論を深めていくという答弁がございました。
そこで、その後、統合に向けた検討がどのように進んでいるのか、また今後の予定とあわせてお聞かせください。
大阪府立大学と大阪市立大学の統合の検討状況につきましてお答え申し上げます。
まず、法人統合につきましては、府市が共同で設立団体となり、新設合併方式による新法人の設立を目指すこととしております。本(平成29)年9月議会に関連議案を上程できるよう、大阪市及び両大学と連携して検討を進めております。
また、新大学の姿につきましては、府市及び両大学による新大学設計四者タスクフォースで検討を進めているところです。
その内容としましては、新大学の戦略領域としてパブリックヘルスとスマートエイジングなど四つの領域を掲げた上で、昨(平成28)年10月から戦略領域別のワークショップを設置して、両大学の教員が中心となってより具体的な検討を進めております。
各ワークショップでは、総合大学としての普遍的な領域など、教育、研究、地域貢献のための基本的な機能については維持・充実を図るという方向性を共有した上で、各学部・学域の教員の研究内容を踏まえながら、新大学が都市シンクタンクと技術インキュベーションの機能を担うための戦略領域の対象分野や展開の可能性などについて議論を重ねているところでございます。
今後は、戦略領域など新大学の役割や機能についてさらに検討を深め、夏ごろを目途に副首都推進本部会議への報告などを行い、その検討内容を御説明してまいりたいと考えております。
大学統合の目的は、両大学がそれぞれの強みを融合することで、大阪のための強い公立大学、国内外から学生や研究者、企業などを引きつけることができる魅力あふれる新しい大学をつくるということであると考えます。
そのため、引き続きしっかりと検討して、両大学の関係者はもとより、府民の皆様、また私ども議会が納得できるような大学の姿を示していただきますようお願いしておきます。
以上で質疑を終わります。知事質問はございません。以上です。