大阪府議会議員 かじき一彦 公明党

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総務常任委員会質疑

2023年3月8日

万博の高校生向けの教育プログラム

質問

 公明党府議団の加治木一彦です。本日は、大きく8つのテーマで質問をさせていただきます。

 まず1つ目が、万博の高校生向けの教育プログラムであります。代表質問で、児童生徒向けの2025年大阪・関西万博への機運醸成、理解促進という観点でお聞きをしました。改めて詳しくお聞きをしたいと思います。

 子どもたちが学校で万博やSDGsについて学ぶ教育プログラムのうち、小中学生向けは既に博覧会協会と府の教育庁が共同で作成した専用教材を活用し、全国の小中学校で実施してもらえるよう博覧会協会が取り組んでおります。大阪府内は教育庁小中学校課が令和2(2020)年度から順次教育プログラムの実施校を増やしており、現在は88の小中学校が教材を活用して探究学習をしているとのことです。さらに府内全校での実施を目指していると聞いております。

 小中学生向けの教育プログラムで、私がこれはいいことだと考えておりますのは、小学生のポスター作成、中学生のプレゼンテーション発表会といった、子どもたちが学習の成果を披露する場がつくられていることです。先日も府の教育庁主催で、中学生が探究学習を経て考えたアイデアを発表するフォーラムが開かれ、学習過程で協力した企業も参加するなど、活発な交流が図られたそうです。

 現在、高校生向けの教材作成も万博推進局と教育庁が連携をして進めております。この取組をより有意義なものとするため、単に教材を活用した授業の実施だけで終わらせるのではなく、成果発表の場を設けるべきだと考えます。現在作成中の高校生向け教育プログラムの目的や教材の内容、生徒の発表の場を設ける予定なども含めた今後の展開につきまして、参加促進課長、お願いいたします。

答弁
参加促進課長

 高校生向けの教育プログラムにつきましては、万博のテーマやコンセプトの理解を通じまして、次代を担う人材の育成につなげていくことを目的としておりまして、現在、教育庁と連携し、動画やワークシートなど教材の作成を進めているところでございます。

 教材の内容につきましては、万博のサブテーマである「いのちを救う」、「いのちに力を与える」、「いのちをつなぐ」を題材としまして、実社会の課題に当事者意識を持って向き合い、未来社会について自分なりの答えを考えてもらうものとしております。また、高校の総合的な探究の時間での活用を想定しておりまして、多くの学校に使っていただけますよう、一単位から複数単位まで学校のカリキュラムの事情に合わせて柔軟にアレンジできる構成としております。

 来(2023)年度は、先行的に教材を使用するモデル校の協力を得ながら、効果的な活用方法や運用上の課題などを整理しまして、府内の高校へ展開していく予定でございます。また、委員お示しの成果発表の機会を設けることにつきましては、学校現場から、高校生の関心や学習意欲を高めることにつながるとの助言も得ておりまして、教育庁と連携しながら検討を進めてまいります。

意見

 令和3(2021)年9月定例会の代表質問で、子どもたちの研究成果を万博の会場でぜひとも発表、展示をしてほしいということで質問をしております。こちらもぜひとも実現できるように、引き続き頑張っていただきたいと思います。

 そうすることで、子どもたちは、ただ単に万博に見に行っただけではなく、自分も参加者になったという実感が湧くと思います。この本会場でやる意義というのは、人口1400人の村から300人が、一市町村一国フレンドシップ事業の交流相手国のナショナルデーのイベントに来たという事例があるように、それだけ本番の会場でやるということは意義がある、注目度があると考えておりますので、ぜひともよろしくお願いいたします。

2023年3月8日

市町村のDX支援

質問

 続きまして、市町村のDX支援についてお伺いいたします。

 こちらも、先日の我が会派の代表質問でスマートシティ戦略部長に、市町村のDX支援に関する来(2023)年度の新たな取組についてお伺いをしました。住民向けサービスのデジタル化と自治体そのもののデジタル化の両面から市町村を支援していくことが重要であり、今後とも各市町村の状況のニーズを丁寧に酌み取りながら支援していくと、令和5(2023)年度の事業の狙いなど御紹介をいただきました。

 市町村の中には、住民向けサービスのデジタル化、自治体自身のデジタル化のどちらも、人材面、技術面、財政面などで多くの課題を抱えているところもあるでしょう。DXが思うように進まない市町村には、この支援事業が大きな支えとなってほしいと思いますので、さらに詳細についてお聞きをします。

 まずは、住民向けデジタルサービスの支援です。スマートフォンなどの端末から様々な行政サービスの情報を受け取ることができるようにするため、標準的なデジタルサービスを共同調達と補助金という形で支援をするデジタルサービス導入促進事業費補助金、これにつきまして、現時点での調整状況や今後の予定を、戦略企画課長、お願いいたします。

答弁
戦略企画課長

 お答えします。

 デジタル化が先行している自治体では、LINE等を活用しまして、住民が自分の属性に応じて暮らしや子育てなどの情報をスマートフォンで受け取ることができる、そういう情報発信サービスが普及し始めています。しかしながら、府内では必ずしも取組が進んでいないところもあるため、府といたしまして、こうした市町村サービスが標準的なものになるよう、来年度、デジタルサービス導入促進事業費補助金によりまして、未導入の自治体を支援してまいりたいと考えております。

 今後、市町村に積極的に働きかけまして、アンケートなどで参加意向について確認しますとともに、サービスメニュー等機能の具体化を進めてまいります。今年の夏をめどに行う公募におきましては、サービスの導入サポートが手厚い事業者を選定するなど、人材確保等に課題を抱える市町村がスムーズにサービス導入ができるよう、働きかけていきたいと思っています。

質問

 続きまして、令和5(2023)年度予算案に計上されております(仮称)大阪Myポータル事業についてお聞きをします。

 スマートシティ戦略部の資料を見ますと、これまで住民が自ら情報を探し、個別の窓口でそれぞれ手続をしていた受動的な行政サービスを改め、自治体から住民に直接情報をお届けし、ワンストップで手続を完了させることのできる能動的な行政サービス、いわゆるパーソナライズサービスへと転換するものとされております。

 オンラインショッピングをはじめ、あらゆる民間サービスがデジタル化をされ生活が便利になったのは皆さんも実感があるかと思います。行政サービスのデジタル化は遅過ぎた感がありますが、ようやく様々な手続がスマートフォンやパソコンなどのオンライン上で手軽に完結できる時代が来るものと期待をしております。まさに大阪のスマートシティーが掲げる住民のQOL向上に大きく近づくことでしょう。

 また、このサービスの核となるID登録は、マイナンバーカードによる公的個人認証機能を活用するとのことです。先ほど触れました国のデジタル化方針にも沿ったものとなっております。ぜひ多くの府民の皆様にこのサービスを使っていただきたいと考えます。

 改めまして、この大阪Myポータルの目的、特徴、整備に向けて今後の取組を、戦略企画課長、お願いいたします。

答弁
戦略企画課長

 お答えします。

 大阪Myポータルは、これまでの自治体による一方的、画一的になりがちな情報提供のアプローチを改めまして、利用者である住民目線での行政サービスに転換していくものです。24時間365日いつでも行政サービスの手続ができる環境をつくり、デジタルで住民のQOL向上を目指す先駆的な取組であります。

 機能といたしましては、府民お一人お一人にパーソナライズされたデジタルサービスをプッシュ型で提供することができ、オンライン上でそのまま申込手続ができるなど、行政サービスがスマートフォンなどでワンストップで完結できることに大きな特徴がございます。

 また、利用者登録に当たりましては、マイナンバーカードの公的個人認証機能を活用いたしまして、信頼性の高いID登録を可能にしていることや、電子申請システムへのシームレスな連携によりまして、IDやパスワードを二度入力することなく、シングルサインオンでスムーズに接続する機能などを備えております。

 さらに、これまではがきなどで送付しておりました例えば特定健診の受診勧奨などの行政文書をデジタルでお届けできるデジタルポスト機能ですとか、行政相談の窓口がなかなか見つからなかったときに、スマートフォンなどで自然対話で直接入力することで、最適な窓口へ誘導あるいは回答してくれるAIチャットボット機能の実装などを目指しております。

 このような先駆的なデジタルサービスを、まずは庁内部局や一部の市町村と連携いたしまして先行的にスタートし、検証、改善を行いつつ、より多くの府民、市民に御利用いただけるよう、サービスの充実に努めてまいりたいと考えております。

質問

 続きまして、市町村そのもののデジタル化の支援についてお伺いをいたします。

 こちらも令和5(2023)年度より大阪版デジタル人材シェアリング事業というものを始められるとのことです。市町村単独で確保が難しいデジタル人材を15団体程度の市町村と共同で確保する仕組みづくりをするとのことです。市町村からは具体的にどのような支援ニーズが来ているのでしょうか。こちらは地域戦略推進課長、お願いいたします。

答弁
地域戦略推進課長

 お答えします。

 現在、大阪版デジタル人材シェアリング事業のスタートに向けて、これまでのシステム共同調達と同様に、市町村の意見を聞きながら共同仕様書の策定など具体的な調整を進めているところでございます。

 市町村のニーズとしましては、2025年度までに全市町村が求められている自治体システム標準化やガバメントクラウドへの移行、国のガイドライン改定に伴う情報セキュリティーポリシーの再整備、デジタル技術の活用に合わせ業務の構造を見直すBPR(業務改革)などの具体的な業務の支援に加え、こうした業務のプロジェクトマネジメントを遂行できる人材を育成してほしいといった声が上がっており、各プランに対応できるよう多様な人材を確保する予定でございます。

 また、庁内事業部局などとの具体的な協議調整に外部デジタル人材に加わってもらいたいとの声が多く、日頃市町村からの相談などに対応している府職員もサポートしながら支援を実施する予定にしております。府も新たなノウハウを吸収しながら好事例の横展開へつなげることで、ほかの市町村にも成果を還元していきたいと考えています。

意見

 住民サービスのデジタル化というものと自治体そのもののデジタル化の両面から説明をいただきました。住民サービスのデジタル化については、府民の皆様に利便性を感じていただけるよう進めていただきたいと考えてます。43市町村ございます。極端な格差が出ないように、くれぐれもお願いいたします。

 また、プッシュ型で通知が来るということに関しましては、今までの役所はいわゆる申請主義で、聞きに行ったらいろいろ丁寧に教えてくれるんですが、聞きに行かない限り教えてもらえない。せんだってもある方から、ある行政サービスの締切りの翌日にそのサービスがあるということを知ったと。当然、地元の役所に掛け合っても、これはすいません、どうもなりませんという話やったんですけど、その方とお話ししてるときに、こういうプッシュ型で情報が届くようになりますよと。それは加治木さん、非常にありがたいことですね、ぜひとも期待してます、ぜひともこれに取り組んでくださいということでしたので、本当に役に立つデジタル化をお願いいたします。

 また、自治体そのもののデジタル化につきましては、外部のデジタル専門人材が市町村で活躍するためには、その間に入る人、橋渡し役といいますか、通訳といいますか、そういう方が重要だと考えます。大阪府としまして、伴走型支援でしっかりと積極的な役割を果たしていただきますようお願いいたします。

2023年3月8日

スマートシニアライフ事業

質問

 続きまして、スマートシニアライフ事業についてお聞きをいたします。

 この事業は、全国の自治体にとって大きな課題であります超高齢社会において先導的な2デルになるのではないかと非常に期待をしております。昨(2022)年9月までは堺市などで第1期事業をされてまして、去(2022)年の12月から大阪市内で第2期の実証事業をされたと聞いております。これまで実証事業に取り組まれてきた中で、利用者の御意見、どんなものがあったか、こちらも地域戦略推進課長、お願いいたします。

答弁
地域戦略推進課長

 お答えします。

 スマートシニアライフ事業は、高齢者が生き生きと健康で便利に生活できるよう、生活を支援するサービスプラットフォームを公民連携で構築し、デジタル端末を通じて行政と民間のサービスをワンストップで提供するものです。これまで府内4市域で高齢者の皆さんに実際にサービスを利用していただく実証事業を行ってまいりました。

 第1期での利用者アンケートでは、回答者のうち68%の方がインターネットでのサービスを利用しやすくなった、46%の方がタブレットを使いこなせるようになったなどの回答がありました。

 また、これまでいただいた意見などから、今後に向けまして、スマートフォンでも利用できるようにすること、サービスの種類や数を増やすことといったサービス拡大に加えまして、人とのつながりのきっかけづくりも大切であると考えています。

質問

 第1期、第2期と実際に高齢者のユーザーに使っていただく中で、約7割の方がインターネットを通したこのサービスの活用促進が効果的とするなど、一定の効果を上げたものと評価をできると思います。また、改善に向けた知見をいただけたということも当然、これも成果やと思います。

 改善に向けた方向性の中でもスマホ対応について触れられておりました。これまで三十社もの民間企業と公民連携でつくってきたサービスをより多くの方に使っていただくためにも、事業の持続性の観点からスケールメリットを目指していくという意味でも、より幅広いユーザーに使っていただく工夫が不可欠やと思います。

 昨(2022)年12月からLINEの公式アカウントも開設したとのことで、先日、私も登録をしました。今後、この事業をどのように展開していくのか、改めてお聞きいたします。

答弁
地域戦略推進課長

 委員お示しのとおり、今後は、高齢者にも急速に普及が進むスマートフォンで多くの方に利用してもらうことが重要と考えています。その際に、60代の約80%、70代の約70%に活用されているLINEが有効なツールになると考えており、LINE公式アカウント「おおさか楽なび」を(2022年)12月に開設いたしました。これにより府域全体でサービスが利用できるようになったことから、おおさか楽なびを広く知っていただくプロモーションとサービス内容などの説明会を行うこととしました。

 具体的には、楽なびの利用者を抽選で招待するおおさか楽なび寄席を開催し、あわせて、落語家と事業内容を紹介するトークショーを行い、その動画を今後の利用説明に活用してまいります。そのほか、通信キャリアとのスマホ教室での連携や、オンライン広告などに取り組んでおり、楽なび利用者が直近約1週間で約4000人から約8000人へと増加いたしました。

 また、利用者サービスの充実も重要であるため、日常的に使いたくなるシーンを増やすようなニュースやお天気、料理のメニューを追加するとともに、人と人とがつながることができる仕組みとして写真投稿の機能を整備いたしました。さらに、日々挑戦したくなるカード記憶ゲームや、リアルタイムで参加できるヨガ、俳句などのオンライン講座などの導入を図ってまいります。

 来年度も引き続き、公民連携で、府域全体の利用者拡大や各種サービスの利用促進に取り組んでまいります。

意見

 昨(2022)年9月の定例会でもこのスマートシニアライフを取り上げました。そのときは、テレビぐらいに簡単に使えるようになってほしいという話をしたんですが、あれからよく考えましたら、ATM、元気な高齢者やったら、それこそ自分の生活費、年金を下ろしに行くのはもう日常生活の一部になっていると思います。ちょっと調べましたら、昭和44年(1969年)にキャッシュディスペンサー第1号が日本で始まったそうですが、そのときは現金を引き出すしかできひんかったわけです。この機械がどんどん多機能化して、今は画面上でボタンを押したら、入出金から振込からいろんなことができるようになりまして、多分ここにいてる皆さん、全部使ってはると思います。今さら、よっぽどのことがない限り、銀行や郵便局の窓口に行って、紙に書いて、判こをついてなんてことはないと思います。これぐらい身近になっているわけです。これは高齢者の方も実際使うてはると思います。

 スマートシニアライフ事業も、決して敷居が高い、難しいものではないという理解が広まることで、まだまだ利用者は増やせると考えます。引き続きこの利用促進と提供するサービスの向上に努めていただきますことを求めておきます。

2023年3月8日

公民連携

質問

 続きまして、公民連携についてお聞きをいたします。

 公民戦略連携デスクでは、これまで多くの企業や大学と連携をし、貧困や健康、雇用など様々な社会課題の解決に向けて取り組んでこられております。平成27(2015)年4月にこの公民戦略連携デスクが設置されて、もうすぐ8年です。これまでの実績について、行政経営課長、お願いいたします。

答弁
行政経営課長

 お答え申し上げます。

 公民戦略連携デスクにおきましては、包括連携協定の締結など様々な手法を通して社会課題の解決や地域の活性化を図ってまいりました。

 例えば包括連携協定につきましては、今(2022)年度は株式会社アカカベさん、アース製薬株式会社さん、KDDI株式会社、3社と新たに締結をいたしました。これまでの締結数は60件となり、流通、運輸、金融・保険、製造業など多様な企業、大学などと幅広いネットワークの構築に取り組んできたところでございます。

 これらのネットワークを活用いたしまして、公民戦略連携デスクがコーディネートした取組につきましては、これまでの8年間で2500件を超えており、今(2022)年度もこれまでに府主催セミナーへの講師派遣やイベントの共同実施、府政のPRなど450件を超える取組が実現しているところでございます。

質問

 様々な分野で連携が進んでいるということをお聞きをいたしました。

 この公民連携の事例の一つとして、私の非常に身近なところで、我が母校でございます大阪市立十三中学校の生徒を対象に、コロナ禍で実施が難しくなっていた職場体験学習の代わりとして、企業の方に出前授業をしていただきました。昨(2021)年度は、府と包括連携協定を結んでいる小林製薬株式会社の広報の方にオンラインで、将来働きたい業界や生徒自身の得意分野を考えたり、小林製薬でのお仕事について具体的に学んだりする授業をしていただきました。

 今(2022)年度は、同じく府と協定を結んでいる大阪信用金庫の御協力の下、同信金の提携先で金融教育を手がける株式会社マネイクからファイナンシャルプランナーのお二人で、「キャサリンとナンシーの金融教育」と題し、お金について知ることを通して、働くことや自分の人生について考える授業を実施をしていただきました。どちらも大変好評やったとお聞きをしております。

 こうした取組は、企業の強みを生かして、府民に協定締結の効果を直接還元できるよい事例やと考えます。ほかにどのような事例があるのか、行政経営課長、お願いいたします。

答弁
行政経営課長

 お答え申し上げます。

 本府では、企業による社会貢献だけではなく、社会の共通課題に対して、企業の本業を通して解決を図るCSV、いわゆる共有価値の創造に着目し、府民、企業、行政が三方よしとなる公民連携に取り組んできたところでございます。

 具体的な好事例といたしましては、例えば教育の分野におきましては、府立支援学校の卒業生の就職率の向上に向けて、セブン‐イレブン・ジャパンさんに御協力をいただき、生徒に仕事に対する具体的なイメージをつかんでもらう就労支援研修を実施しております。この取組は平成28(2016)年から毎年続いておりまして、例えば本事業に参加した生徒が実際にセブン‐イレブン・ジャパンさんに御就職をされて、後輩のロールモデルになっているケースもあるとお聞きをしております。

 また、子育て支援の分野におきましては、大阪いずみ市民生活協同組合さんに御協力をいただき、平成29(2017)年度から、府内で赤ちゃんが生まれた御家庭に離乳食づくりに使える商品やおむつ替え用品、子育て関連の行政情報を掲載したリーフレットなどを詰め合わせたプレゼントボックス--はじまるばこと申しますが、これをお届けいただいております。今(2022)年度も3月末までに2万1000箱が送られる見込みでございまして、生協さんの宅配ドライバーに御自宅まで届けてもらうことで、孤立しがちな乳児期の家庭と社会とのつながりの機会を増やし、孤独感の軽減や子育てしやすい環境づくりにつながっているものと考えております。

 さらに、地域活性化の分野におきましても、府内各地にある観光スポットの周遊を促進するために、昨(2022)年7月から9月にかけて、大阪地区トヨタ各社さんと「おおさかde謎とき宝さがし」というイベントを実施をいたしました。このイベントは、百舌鳥・古市古墳群など府内4エリアの観光スポットを巡るもので、コロナ禍にあっても密を避けて楽しめることから、多くの方々に大阪の魅力を発信できたと考えております。

質問

 この厳しい財政状況の下で、教育、子育て支援、地域活性化といった様々な分野で、公民連携という手法を通して社会課題の解決につなげていくということは非常に先進的で、今後も積極的に進めていただきたいと考えます。

 包括連携協定の件数は、最初に御答弁いただきましたとおり60件あります。連携の取組が増えていく中で、今後も多くの企業と包括連携協定を結ぶこと、このこと自体も非常によいことですが、企業ごとに連携の件数や内容が充実しているところとそうでないところの差が出ていないか、非常にこれも気がかりです。包括連携協定は結ぶこと、締結自体が目的ではありません。協定を結んだ後にどのような取組ができるのかという中身こそ大事です。府は協定の取組をより活性化させるためにどのように活動していくのでしょうか。行政経営課長、お願いいたします。

答弁
行政経営課長

 お答え申し上げます。

 公民連携を進めるに当たりましては、各企業との対話を重視するとともに、各企業を取り巻く現状や社会貢献、地域貢献のニーズなどを踏まえながら取り組むことが重要と認識をしております。このため、日頃から各企業担当者と密に情報交換を行い、社会貢献などの取組や、関心を持っていただいている本府の施策を把握をするとともに、個別訪問により企業幹部との意見交換を行いまして、府政の課題と企業の方向性が一致する分野を見いだすなど、新たな連携の取組が進むよう働きかけを行っております。

 また、公民連携の取組成果や今後の展望を共有する場として、公民連携フォーラムを毎年開催をしており、今(2023)年も1月に、新たに包括連携協定を締結いたしましたアース製薬さんとKDDIさんから、協定の内容ですとか今後の取組予定の発表をいただきましたほか、アカカベさんと小林製薬さん、グンゼさんと明治安田生命保険さんに、本府と複数企業による連携の取組事例を御紹介いただきました。こうした好事例の発信や企業同士の交流の場を設けることで、新たな取組に対するモチベーションの向上につながっていると考えております。

 さらに、こうした取組に加えまして、今後は、府政の重要テーマのうち公民連携で取り組みたい課題を本府から提示をし、解決に向けたアイデアを募り、実現につなげていくミーティングを新たに実施する準備を進めております。まずは本(2023)年4月を目途に、多くの包括連携協定締結企業さんに集まっていただきまして、継続的に議論を重ねていく場とすることで、本府と企業が同じ目標に向けて連携した取組を実施できるよう取り組んでまいります。

 引き続き、こうした新たな取組にチャレンジすることによりまして、効果的な公民連携の成果につなげてまいります。

意見

 皆さん、フューチャーセンターという言葉は御存じでしょうか。このフューチャーセンターって何かといいましたら、企業や政府、自治体、教育機関など団体の枠にとらわれず関係者を幅広く集めて、それぞれの知識や経験を掛け合わせて新たなアイデアや価値を生み出す場、オープンイノベーションの場ということで、スウェーデンの知識経営研究者であるレイフ・エドビンソンさんという人が提唱されたものだそうです。

 新年度から、いろんな企業が集まって大阪府と議論する場をつくる、これまでコロナ禍でなかなか直接会って議論する場ということ自体、難しかったと思います。ぜひともこの集まって議論する場で新たなものが生み出されますように、また府としてもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

2023年3月8日

外国人材に関する取組

質問

 続きまして、外国人材に関する取組についてお伺いをします。

 大阪府は、外国人材の受入れと共生社会づくりに取り組むため、去(2022)年の9月にOSAKA外国人材受入促進・共生推進協議会を設立されました。協議会には、経済団体や国の行政機関、市町村等が幅広く参加し、公民が一致団結して、外国人材の受入れや共生社会づくりを進める枠組みができました。この協議会は、外国人材の受入れ等に係る課題を整理し、取組の方向性をまとめるとお聞きをしております。現在の状況について、推進課長、お願いいたします。

答弁
企画室推進課長

 大阪府におきましては、委員お示しの公民連携によるOSAKA外国人材受入促進・共生推進協議会を立ち上げ、機動的に取組を進めるため、受入れ促進と共生推進の二つのワーキンググループを設置いたしました。

 受入促進ワーキングは、企業を代表する経済団体や受入れの制度を所管する国の機関等で構成し、共生推進ワーキングは、共生社会の担い手である市町村や支援機関等で構成しています。協議会設立後にワーキングを開催し、参画団体の取組について情報共有を図り、あわせて、取組の方向性について意見交換を行ったところ、参画団体からは、外国人の支援活動に取り組んでいる方など関係者の意見をよく聞いて課題を明らかにすることが必要との指摘や、具体的なヒアリング調査先等について提案をいただきました。

 このため、協議会のメンバーに加えまして、外国人を雇用している企業や外国人の相談に対応している支援機関等約50団体へのヒアリングやアンケート調査を実施しまして、現在、課題の整理や取組方針について検討を進めているところでございます。

質問

 このワーキングでの指摘を踏まえ、約50に及ぶ団体にヒアリングやアンケート調査をされたとのことです。本当にすごいと思います。

 外国人といいましても、出身国や在留資格などは様々です。実情に応じた取組が必要で、そうした意味で、外国人に係る多様な団体に意見を聞いたということは非常に重要で、得られた意見そのものも非常に貴重なものだと考えます。今回調査した団体からどのような意見があったのでしょうか。また、これらの意見を取組の方向性にどのように反映していくのでしょうか。推進課長、お願いいたします。

答弁
企画室推進課長

 これまで実施しましたヒアリング調査等の意見につきましては、受入れに関しましては、経済団体や企業から、外国人と一くくりにするのではなく、在留資格に応じたきめ細かな支援策を講じるほうがよい、社内にロールモデルがおらず、外国人材が活躍するためのノウハウが不足しているという意見、共生に関しましては、市町村や支援機関から、外国人への情報発信において、出身国の違いによって使用するSNSが異なる、相談窓口から専門的な支援機関にスムーズにつながらず、現場の相談員が苦慮しているなどの意見をいただいております。現在、これらの調査結果をワーキングにフィードバックしまして、参画団体それぞれの立場や視点から意見を出し合い、課題に対してどのような取組ができるのか検討を進めているところでございます。

 今後、ワーキングでの議論を経た上で取組の方向性を取りまとめ、これに基づいて参画団体が力を合わせて事業を効果的、総合的に実施することで、外国人の受入れや共生社会の実現に努めてまいります。

意見

 2025年の万博も目の前に近づいてまいりました。大阪に多様な人材を呼び込むとともに、この大阪に来られた外国人の皆様が幸せに暮らせるまちにしていくということが求められていると思います。歴史を振り返りましても、大阪は古くから外国に開かれたまちでありました。昨(2022)年5月定例会の一般質問で、ヨーロッパ発のインターカルチュラル・シティ・プログラムというものを紹介しました。移住者やマイノリティーを含む都市住民が生み出す文化的多様性を、脅威ではなくむしろ好機と捉え、都市の活力や革新、創造、成長の源泉とするという理念と政策を推進するというものであります。

 受入れ促進、共生推進の各事業を各部局が進めるに当たり、その羅針盤となる取組の方向性を取りまとめるということは大きな意義があります。参画団体との合意形成に努め、早期にこの取組の方向性をまとめていただきますようお願いします。この方向性がまとまった後は、ワーキングで、具体的な施策について役割や進め方などを検討していくことになると思います。実務者レベルでもしっかりと議論した上で着実に進めていただきますよう、お願いをいたします。

2023年3月8日

関空の回復状況について

質問

 続きまして、関西国際空港についてお聞きをいたします。

 昨(2022)年8月に出された将来需要予測の結果を踏まえ、経済界のトップや関係府県市の首長などで構成される関西三空港懇談会で、将来の目標を年間発着回数30万回とすることや、復活や成長に向け関西の官民が一致協力して取り組むことなどが合意をされました。

 新型コロナウイルス感染症の影響により、関空はこれまで経験したことがないほど大打撃を受けました。報道などによれば、ようやく長いトンネルを抜けて運営状況は好転しているようであります。私もまちなかで外国人旅行者とおぼしき人たちをよく見かけるようになりました。国内線、国際線の発着回数や旅客数が具体的にどの程度回復しているのでしょうか。空港政策担当課長、お願いいたします。

答弁
成長戦略局課長

 関空の状況につきまして、関西エアポート社の公表資料によりますと、コロナ前となる2019年度と今(2022)年度を月別に比較しますと、国内線は、昨(2022)年6月以降発着回数が一貫して100%を超え、本(2023)年1月には103%となるなど、既にコロナ前を上回る状況となっております。

 また、旅客数におきましても、全国旅行支援が始まった昨(2022)年10月にコロナ前を上回る103%となり、その後も100%前後の水準で推移しておるところでございます。年末年始に全国旅行支援が中断していた影響から1月は91%となったものの、傾向としてはおおむねコロナ前の状況まで回復しているものと認識しております。

 一方、国際線につきましては、発着回数、旅客数ともにほぼゼロに近い状態が続いておりましたが、昨(2022)年10月の水際対策の大幅緩和以降急回復し、1月には発着回数で36%、旅客数では43.3%となっております。このうち、日本人旅客は21.8%、外国人旅客は52.9%の回復状況でありまして、韓国やベトナム、シンガポールなど、中国を除くアジア諸国が力強い回復を牽引している状況となっております。以上です。

質問

 国内線につきましては、発着回数、旅客数ともにコロナ前の水準を回復したとのことで、ひとまず安心です。今後、国の需要喚起策がなくなったときの需要動向、これは注視しておく必要があると思います。

 関空の主力であります国際線、昨(2022)年10月から今(2023)年1月までの短期間で旅客需要が半分近くまで急回復しているとのことですが、完全復活までにはまだまだ道半ばということだと思います。再び中国人旅客を取り込むことが不可欠で、今(3)月一日から中国からの入国者について、全件検査から一部に限ったサンプル調査に切り替えたということは、これは受入れに関しては喜ぶべきことやと思います。

 国際線の日本人旅客の戻りが低調であるとはいえ、今後さらに中国を対象とした水際対策の緩和などが進めば、コロナ前に旺盛であったインバウンド需要の戻りが加速し、関空が復活するというのも決して遠くないと考えます。

 今後の関空の復活にとってマイナスとなる要因、プラスとなる要因、それぞれどのようなことが考えられるのか、空港政策担当課長、お願いいたします。

答弁
成長戦略局課長

 関空の復活に影響があるものといたしましては、まず国際線日本人旅客の回復に関しまして、ロシアのウクライナ侵略による欧州便のロシア上空の迂回や原油高等による航空運賃の高騰などがマイナスに作用し、逆にプラスに働くものとして、本(2023)年5月に予定されている新型コロナウイルス感染症の5類への変更は、旅行需要の喚起に資するものと考えられます。

 次に、インバウンドの回復に関しまして、マイナス材料といたしましては、世界経済の成長鈍化といったマクロ経済的な要因に加えまして、国際線日本人旅客と同様に、ロシアのウクライナ侵略による影響が挙げられるところです。

 一方で、プラス材料は、中国の感染爆発の収束により、同国を対象とした水際対策の解除に伴う訪日観光客再来への期待が非常に大きく、また為替が円安傾向にあることは訪日観光客にとってお得感を得やすく、訪日需要増加の追い風になるものと想定されます。

 本府といたしましては、こうした様々な要因の動向にも注視しつつ、関係機関と連携しながら関空の復活に尽力してまいります。

意見

 関空復活までのプロセスは、必ずしも一本調子、右肩上がりとならない可能性もあると思います。難しい課題ではありますが、空港担当だけではなく、各部局が連携しながら全庁挙げて取り組んでしっかりと前に進めていただきますよう、お願いします。

 関空の将来需要予測ですと、2025年には発着回数が現在の上限である23万回を上回る見込みとなっております。昨(2022)年の9月議会で我が会派が指摘したとおり、万博開催時に万が一にもゲートウエー空港となる関空がボトルネックとなることのないよう、容量拡張の実現にもしっかりと取り組んでください。

 最後に、これらの実施に当たって、コロナ禍の一番しんどい時期に関西エアポートグループ社員の出向受入れや、国への要望活動などを通じ、関空を支え続けてきた地元地域も共に発展していけるよう取り組んでいただきますよう、お願いしておきます。

2023年3月8日

アートによる都市格向上

質問

 続きまして、アートによる都市格向上についてお聞きします。

 こちらも先日、我が会派の代表質問で取り上げました。今(2022)年度の府のモデル事業として、Study:大阪関西国際芸術祭2023のアートフェアで、海外ギャラリーの誘致に試行的に取り組んだとお聞きしております。私もこのアートフェア、伺いました。多くの人でにぎわっておりまして、アートへの関心の高さを感じました。また、人が動く仕掛けとして、地域経済の活性化に寄与するものだと改めて認識をしました。

 今回、大阪府がモデル事業で海外ギャラリーを誘致した狙いと、具体的にどのようなことをしたのか、こちらは成長戦略担当課長、お願いいたします。

答弁
成長戦略局課長

 お答えいたします。

 世界のアートフェアにおける販売総額は1兆7500億円であり、最大級のアートフェアでは、コロナ前、世界中から約10万人もの来場者を集めていました。一方、国内のアート市場は、最大規模の東京のアートフェアでも直近で販売額が約30億円、来場者が約4万人で、まだまだ成長の可能性がある分野ではないかと考えているところでございます。そのため、大阪で国際的なアートフェアを開催するに当たりまして、海外ギャラリーが出展する際の課題や可能性などについて検証をすることとしたものでございます。

 具体的には、出展に係るブース料金を無償とし、海外ギャラリーを誘致する、出展した海外ギャラリーに出展理由や成果、課題等のインタビューを実施する、あわせて、来場者に対し海外ギャラリーに関するアンケートを実施するといった内容で、実際には韓国や台湾から5つのギャラリーに出展していただいたところでございます。

質問

 今回のモデル事業で、来場者や海外ギャラリーからの御意見をお聞きしたとのことです。それぞれどのような意見があったのでしょうか。また、モデル事業の成果を踏まえ、今度アートでどのように取り組んでいこうとしているのか、成長戦略担当課長に併せてお聞きします。

答弁
成長戦略局課長

 お答えします。

 モデル事業においていただいた御意見につきましては、現在全体を取りまとめているところでございますが、来場者からは、海外ギャラリーは新しい感覚やトレンドを感じさせてくれ、新たな視点を発見できる、アフリカや南アメリカなどふだん見ることができない海外遠方の作品の展示があればよかったという御意見があり、出展された海外ギャラリーからは、大阪のアートマーケットに興味があったので出展を決めた、来場者がアート作品のディスカッションに不慣れであったり、言語の違いもありコミュニケーションに苦戦した。また、出展を断った海外ギャラリーさんからは、府民のアートへの関心が低いと思ったので出展しなかったなどの意見が出ております。

 来(2023)年度は、これらを踏まえたモデル事業の検証結果や、今年度実施しました有識者へのヒアリング結果などから課題等を見極めまして、国内外から人や投資を呼び込むという観点で、府民のアートへの関心をいかに高めていくか、アートを活用してどのような取組ができるか、府民文化部と連携を図りながら引き続き検討を進めてまいります。

意見

 私も、こういう大きなアートフェアというのは初めて行きました。個人的に知っている人のギャラリーに行ったり、個展を見に行った経験はあるんですが、美術品は静かに鑑賞するものというふだんの展覧会とは異なりまして、直接出展者の方と話ができたというのは非常に新鮮でした。とはいえ、海外ギャラリーの方の意見にもありましたが、素人でアート作品についてどんな話をしていいんやら全然分からんというのもありましたし、ましてや、韓国や台湾のギャラリーは私も前を通ったんですけど、何語で話してええんやとか、やっぱり言葉が通じひんというのは、通じるのかな、何を話してええんやと、言葉の壁と、せっかく行ったのにもったいないな、残念やったなと、振り返ったらそう思う次第です。

 今回の事例を基に、開催規模を大きくしていくに当たって、こういうこと、いろんな壁、やっぱり見る人が慣れてないというのもあるでしょうし、見に来たときに、それこそふだんの美術館みたいに静かにしてなくていいですよというのも大きな違いです。楽しんでもらうためにどうしたらいいのか、いろいろと課題を見つけて一つ一つ解決できるよう取り組んでいってください。

2023年3月8日

国際金融都市

質問

 最後に、国際金融都市についてお伺いをいたします。

 今(2022)年度の金融系外国企業等の誘致の取組として、大阪進出に関心のある企業に、大阪の投資魅力をPRしながら、個別企業への面談につなげる事業を進めているとお聞きしております。去年の秋に国際金融ワンストップサポートセンター、うめきたにあるセンターを視察した際に、相談員の方より、大阪の成長に向けては、企業のイノベーション創出に寄与するフィンテック分野が有望であること、また相談に来ているベンチャーキャピタルからは、投資先となるスタートアップの情報が欲しいといったニーズがあるといったことをお伺いをしました。

 まず、今(2022)年度、企業誘致に向けてどのような取組をし、またその中で進出を検討している企業からどのような支援ニーズを把握されたのか、国際金融都市担当課長、お願いいたします。

答弁
成長戦略局課長

 お答えいたします。

 国際金融都市の実現に当たっては、金融系外国企業を大阪に呼び込み、在阪企業への資金供給の円滑化や新たなイノベーションの創出など、大阪・関西経済の成長発展につなげていくことが重要と考えています。

 そのため、スタートアップなどを経営面からサポートする資産運用会社や、企業のイノベーションを促進するフィンテック企業を国内外から誘致することを目指し、今年度は、英国における知事の講演や、シンガポールフィンテックフェスティバルへの出展といったプロモーション活動に加えまして、約3万社の金融系企業に大阪の投資魅力をPRするメールを送付し、個別の面談につなげる事業を実施しているところです。

 その結果、企業約80社から面談希望があり、進出に向けて継続的にサポートする企業も数社出てきております。また、(2023年)2月には、大阪・関西の中堅企業やスタートアップのサポートを行う大手外資系ファンドが大阪に初進出いたしました。

 このような取組を進める中で、面談企業からは、資産運用会社の投資先となるスタートアップや、フィンテック企業の金融技術の導入先となる企業とのビジネスマッチングを求める声や、金融ライセンス取得に係る手続支援、補助金等のインセンティブやセミナーについての定期的な情報提供といったニーズをお聞きしております。

質問

 今(2022)年度、個別企業との面談の中で様々な支援ニーズを把握しているということをお聞きをいたしました。ワンストップサポートセンターで相談員の方からお話を伺い、海外からベンチャーキャピタルを誘致することで、リスクマネーをスタートアップに供給し成長させていくという、この循環が必要やと感じました。大阪は、ライフサイエンスやカーボンニュートラルなどの分野に強みがあります。例えばこれらの分野のスタートアップ側にも、投資家、パートナーとして金融系外国企業等とマッチングをしてほしいというニーズがあると考えます。ですので、やはりマッチング支援に力を入れることが重要と考えます。

 今(2022)年度の取組を踏まえ、来(2023)年度はどのように金融系外国企業等の誘致を展開していくのか、こちらも担当課長、お願いいたします。

答弁
成長戦略局課長

 委員お示しのとおり、金融系外国企業等の誘致を実現するためには、企業のニーズに応えるマッチング支援をしっかり行うなど、伴走支援を強化することが重要と考えています。

 そこで、来(2023)年度は、庁内外の関係機関とも連携しながら、在阪企業やスタートアップ等と金融系外国企業等との個別マッチングやイベントを新たに行うなど、ビジネス機会の創出を図ります。あわせまして、ワンストップサポートセンターにおいて、金融ライセンスの取得支援から人材紹介、従業員の生活相談までサポートを行うとともに、補助金等のインセンティブによる後押しもすることで、進出まで一貫してフォローアップすることとしています。こうした取組をしっかりと継続し、大阪経済の発展につながる企業の誘致を実現してまいります。

意見

 この国際金融都市の取組につきまして、大阪に拠点を設置する企業も具体的に出てきております。これからは、そのビジネスパートナーとのマッチングなど企業をサポートするエコシステム、これをしっかりと強化していく必要があると考えます。イギリスのシンクタンクのZ/Yenというのが、年に2回、国際金融都市センターランキングというのを公表しております。去(2022)年の9月の時点は37位で、その半年前に比べると3ランク順位を落としてたんですが、レーティングポイント自体は上がっていたんですね。次回は今月そろそろ公表されることやと思いますが、何番という順位に一喜一憂するだけではなくて、全体としてレーティングが上がっていくような取組をしていただきたいと考えます。

 去(2022)年3月にまとめた国際金融都市OSAKA戦略に基づき一歩一歩着実に進めていかれますように、知事も一朝一夕にはできないと言われてましたので、やっぱり長い目で一歩一歩進んでいかれますようにお願いをいたしまして、私の質問を終わります。