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2020年12月1日
公明党大阪府議会議員団の加治木一彦でございます。
まず、新型コロナウイルス感染症で亡くなった方々へお悔やみを申し上げますとともに、現在闘病中の方々の一日も早い御回復をお祈り申し上げます。
また、医療や介護、教育など、日常生活のあらゆる場面を支えてくださっている全ての皆様に心より敬意と感謝を表するとともに、これ以上の感染拡大を防ぐための行動を心がけていきたいと思います。
それでは、今期2回目の一般質問の機会をいただきましたので、順次質問を進めてまいります。
この数年、大阪は外国人児童生徒をはじめ日本語指導が必要な子どもたちが増えてきています。
スクリーンを御覧ください。(スライド1)
令和2(2020)年5月1日時点の調査によると、府内の小学校に2324人、中学校に822人、高校に414人が在籍し、言語数は38にわたります。平成28(2016)年の調査に比べ、人数は44%、言語数は3つ増えました。さらに、府内各地でこのような児童生徒の少数散在化が進んでいると聞いております。多文化共生の取組がより重要になってくると考えます。
そこで、大阪の学校の多文化共生の取組についてお伺いします。
11月14日、府教育センターで、OSAKA多文化共生フォーラムが開かれ、我が会派の中村議員と共にお伺いしました。
特に印象に残ったのは、府立高校に通う中国出身の女子生徒が自らの体験を語ってくれたことです。連日2時間の睡眠で受験勉強を続け合格を勝ち取ったこと、多文化交流部と放送部で部長を務めていること、将来は医療現場で働く夢の実現を目指していることなどを話し、新しいことに挑戦しよう、いつの日か君の夢がどんどん近づいてくるから頑張ってと呼びかけていました。同じように外国にルーツを持つ中学生たちには、大いに刺激になったのではないでしょうか。
参加した中学生、高校生はどのように感じていたのでしょうか、教育長にお伺いします。
本(2020)年11月に開催をいたしましたOSAKA多文化共生フォーラムには、外国にルーツを持つ子どもを中心に32名の中学生と21名の高校生をはじめ、保護者、教員などを含めて183名が府域全域から参加をしていただきました。
当日は、高校生からの体験談や、中学生から高校生に対して受験や学校生活についての質問などが行われたところであります。
参加した生徒の感想ですが、例えばですが、中学生からは、外国から日本に来て頑張っている人がたくさんいることが分かり、友達になれてうれしい、あるいは高校生になったら自分の体験を伝えたい、そして高校生からは、中学生がたくさん質問してくれてうれしかった、勉強方法を聞かれたので、自分なりの方法を伝えると安心をしてくれたなどの感想が寄せられています。
多文化共生フォーラムは、今年が2回目です。私は、平成30(2018)年9月定例会や31(2019)年2月定例会の教育常任委員会で、学習意欲の向上や自尊感情を育むため、ロールモデルとなる先輩との出会いの場をつくるよう質問をしました。参加した中学生、高校生とも喜んでいたとお聞きをし、フォーラム開催を支えてくださった皆様に感謝の思いでいっぱいです。
とりわけ、自分がふだん通う学校に母語で会話できる相手がおらず寂しい思いをしている子どもたちに光を当て、同じ悩みを持つ仲間と友達になれてうれしい、夢を目指して頑張ろうと思ったと元気づけることのできる取組は、極めて大切だと考えます。
府教育庁は、この成果をどのように大阪の学校全体に普及していくのでしょうか、教育長にお伺いします。
本フォーラムは、中高生が安心して自らのアイデンティティーを前向きに捉えて自信をつけてくれる機会となっています。この取組を継続して、さらに多くの生徒の参加を促していきたいと、このように考えています。
あわせて、フォーラムの当日だけではなくて、全ての学校が日常の学習の中で、それぞれの国のよさについて学び合い、互いの気持ちを語り合う、そうしたことで信頼関係を築いていく、こうした多文化共生の取組を進める仕組みづくりというものを市町村教育委員会と共に行ってまいりたいと、このように考えています。
多文化共生フォーラムの取組は、ぜひとも続けてもらい、成果を各学校に広めていかれるようお願いを申し上げます。
一方で、日本語指導が必要な児童生徒への日常の支援が不可欠なのは言うまでもありません。本(2020)年2月定例会の教育常任委員会で、日本語指導の必要な児童生徒への支援についてお聞きをしました。
学校現場での支援の現状と課題はどのようになっているのでしょうか、教育長にお伺いします。
日本語指導が必要な児童生徒の支援として、昨(2019)年度から日本語指導のスーパーバイザーを府内の小中学校に直接派遣をいたしまして、指導方法や体制づくりのアドバイスを行っております。
また、児童生徒や保護者への生活支援として、今年度から外国人児童生徒支援員を府域7地区に配置をし、日本の生活様式を教え、母語で話を聞くことで不安を取り除く、そうした取組を進めております。
課題といたしましては、コロナ禍の影響もありまして、10月末現在、児童生徒及び保護者からは当初の想定を上回る延べ約2000件の相談を受けておりまして、今後の対応策を検討しています。
一方、府立高校におきましては、スマートスクール構想の一環といたしまして、今月初旬から、日本語指導のノウハウのある学校の教員が、支援の必要な他校の生徒にICTを活用いたしまして遠隔指導を行うモデル事業をスタートする予定です。
コロナ禍の中、外国人児童生徒やその家族は、言葉の壁のため情報も伝わりにくく、不安な日々を過ごしているのではないでしょうか。教職員も、これまでと違う状況で、マイノリティーの子どもたちへの対応に追いつかず、支援員への相談が増えていると考えられます。
先日訪れたある小学校で、韓国ルーツの児童に対する日本語支援教育の様子を拝見しました。外国人児童生徒支援員が適宜、韓国語で話しかけ、まさに児童の学習を手助けしていました。日本語の理解が十分でない児童にとって、非常に心強い存在だと感じました。
今後、外国籍の保護者が仕事を求めて大阪に引っ越ししてくることに伴い子どもたちも転入してくることや、雇い止めなど家庭の経済状況が悪化して子どもたちに悪影響が及ぶことも考えられます。当該児童生徒への生活面や学習面のきめ細かな支援とともに、学校への支援も不可欠です。
市町村や関係の様々な団体とも連携を強め、日本語指導が必要な児童生徒への支援を続けていかれるよう強く求めておきます。
2020年12月1日
次に、英語教育についてお聞きします。
小学校は、新しい学習指導要領がこの4月から全面実施され、5、6年生は外国語科、3、4年生は外国語活動が始まっています。来(2021)年の4月からは中学校でも新しい学習指導要領が全面実施され、授業は基本的に英語で進めることを求めています。
先日、茨木市の市立山手台小学校、市立南中学校を我が会派の中野府議と一緒に訪問し、英語の授業を参観しました。どちらも、子どもたちが英語を話す場面をたくさん用意し、興味関心や集中力を途切れさせることなく、英語を使う楽しさを体感できるすばらしい授業でした。
教育庁は、研修で、英語のリーダー教員を育成し、その授業を公開して多くの教員の授業力を向上させるべく努めてきたとお聞きしております。成果はいかがでしょうか。
また、今後、小中学校の英語教育に携わる全ての教員の授業力を高めるための手だてをどのようにお考えでしょうか、教育長にお伺いします。
今(2020)年8月に公表された英語教育実施状況調査におきまして、府内の中学校の教員が授業の半分以上を英語で話す割合、これは2016年度の54.6%から、2019年度は97.3%と、42.7ポイント上昇いたしました。また、中学校3年生で英検3級相当以上の生徒の割合、これは34.3%から46.9%となりまして、12.6ポイント上昇しています。さらに、昨(2019)年度、全国学力・学習状況調査におきまして、中学校の英語平均正答率は全国平均を上回るなど、確実に成果が現れています。
今後ですが、教員の指導力を一層向上させるために、優れた授業に共通する指導内容というものをチェックリスト化いたしまして見える化する、そして研修などを通じてそれを広く普及してまいりたいと考えています。
また、質の高い授業を映像化いたしまして、いつでも見られるようにするなどの工夫により、府域全体に広めていきたいと考えています。
高等学校での英語教育についてお伺いします。
府立高校の英語の授業も何度か参観したことがありますが、使える英語、骨太の英語に続き、令和元(2019)年度からは広がる英語教育推進プロジェクトをはじめ、授業改善や生徒の英語力の向上に取り組んでいます。その成果はいかがでしょうか。
また、令和2(2020)年2月定例会の我が会派の代表質問で、教育長より、今(2020)年度は大阪府スマートスクール推進事業でICTを活用し、自動採点機能を使って生徒の話す英語を瞬時に測定し評価できる、英語スピーキング力を測定するツールを開発するとお聞きしました。現在の状況について、教育長にお伺いします。
昨(2019)年度から、授業の改善を目的とした全校対象の教員研修、これに加えまして、生徒の英語力向上を目指した海外研修やイングリッシュキャンプなどを実施しています。その結果、授業の半分以上を英語で話す教員の割合は、2018年度の34.4%から、2019年度には50.9%と、16.5ポイント増加をしています。また、英検準2級相当以上の英語力を有している高校3年生の割合、これも41.4%から45.6%と4.2ポイント増加をしまして、全国平均を上回っております。
お示しの英語スピーキング力測定ツールですが、今(2020年12)月からモデル校におきまして検証実験を開始するということとしておりまして、検証で明らかになりました成果あるいは課題を踏まえましてツールを改善し、今(2020)年度末に完成をする予定です。次年度以降、多くの府立高校で活用できるように取り組んでまいります。
自動翻訳の技術が進歩していけば、いずれ外国語の会話の能力が不要になるのではないかと思うことがあります。外国語活動とはいえ、小学校3年生から英語を始めることに否定的な意見があることも承知しております。では、なぜ外国語を学ぶのでしょうか。アメリカのある大学が、その理由として25項目を挙げております。海外旅行がより楽しくなる、職業選択の可能性が広がる、のほか、文化の多様性を尊重することにつながる、違う文化に接することで自らの文化をより深く理解できるなどがありました。私自身、思い当たることがあります。
まずは、小中高校と成長段階に合わせて、読む、聞く、書く、話すの英語の4技能を子どもたちが確実に身につけられるよう、研修を通して教員の資質向上に取り組むとともに、ICTなど新たな技術を積極的に活用してください。英語学習は、自動翻訳でできない機能を人間が補うとの視点が重要だと指摘する識者もいます。特定の地域やモデル校にとどまることなく、府域全体に優れた教育環境が行き渡ることを強く求めておきます。
2020年12月1日
次に、日本遺産についてお伺いします。
文化庁は、平成26(2014)年度、我が国の文化財や伝統文化を通じて地域の活性化を図るため、日本遺産制度を創設しました。27(2015)年度から今(2020)年度まで6回の募集があり、104件が認定を受けました。大阪府内でも、単一の市町村内で完結する地域型が泉佐野市と河内長野市の2件、複数の市町村にまたがってストーリーが展開するシリアル型は、府が代表で申請した竹内街道・横大路をはじめ6件の計8件が認定されています。(スライド2)
日本遺産は、地域での新たな魅力づくりや発信につながる制度です。私も、平成27(2015)年9月定例会の一般質問以来、繰り返し府内の取り組みを質問してきました。
先日、紅葉見物がてら、河内長野市の日本遺産「中世に出逢えるまち~千年にわたり護られてきた中世文化遺産の宝庫~」を見てまいりました。
スクリーンを御覧ください。
南海電鉄の河内長野駅の改札口です。実際、出かけたくなる見事な写真が並んでおります。(スライド3)
次をお願いします。
日本遺産の構成文化財となっている観心寺です。国宝、重要文化財をはじめ見どころの多いお寺です(スライド4)。このほか、延命寺や高野街道も巡ってきました。もちろん、紅葉も堪能してきました。今後も、地域のブランド化や活性化につなげていかれることを願っております。
一方、認定後に受けられる国の補助事業は、3年間に限られています。金の切れ目が縁の切れ目となっては困ります。認定された地域が、日本遺産のブランドを生かした活動を将来にわたって続けられるよう、大阪府がどのように取り組んでいくのか、教育長に伺います。
国の補助事業終了後も日本遺産の取組を継続させるため、補助事業期間において、ボランティアガイドの育成、あるいは小中学生を対象とした教育活動など、補助事業終了後を見据えた事業というものを取り組んで進めているところであります。
また、補助終了後もこれまでの取組が継続されますように、他地域における優良な取組事例や課題につきまして情報収集を行いますとともに、地域の活性化に関係する他部局とも連携をいたしまして、府内の関係自治体への助言を行ってまいります。あわせまして、補助期間の延長を国に要望しているところであります。
2020年12月1日
次に、関西国際空港について伺います。
10月に関西エアポート社が発表した本(2020)年4月から9月の上期運営状況によると、関空の柱である国際線は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、発着回数が前年比81%の減、旅客数が99%の減と、大きく落ち込んでいます。世界を見渡しても、航空旅客需要は低迷していますが、国際航空運送協会は、本(2020)年11月の年次総会で、大阪・関西万博開催の前年である2024年に、上振れ、下振れともに可能性はあるものの、新型コロナ前の水準まで回復する見通しを基本線として示しました。
国は、観光需要の回復に向け、2030年の訪日外国人6000万人の実現を目指した計画をまとめる予定です。
11月23日付日本経済新聞朝刊には、「コロナ下のアジア観光」をテーマに、アジアや中東など世界14か国で約40拠点を展開するタイのホテル大手デュシットインターナショナルのグループ最高経営責任者、スパジー・スタンパン氏のインタビュー記事がありました。
同氏は、「観光需要は元に戻らないとの声もあります」との問いに、「そうは思わない。人間は、生来、旅を必要としている。観光産業は、決してなくならない」と答えています。また、感染防止策を講じて、近隣国同士が自由な往来を認め合うことを前提に、来(2021)年半ばには片道2時間から5時間の域内旅行が回復するとの見方を示していました。これらを踏まえますと、足元は厳しい状況ですが、中長期的に需要は回復していくと考えられます。
訪日外国人の受入れ再開には、水際対策の充実強化が不可欠です。我が会派は、府に対し、国に強く働きかけるよう求めてきました。その結果、関空の検疫所は、PCR検査に比べ検査時間を大幅に短縮できる抗原検査を導入するとともに、最新の検査機器を整備することなどで、現在、1日当たりの検査処理能力は、これまでの4倍近くとなる1800件に向上したと聞いております。
一方、一部の国からのビジネス目的等の入国について、検査の一部を免除するなどの動きがあるようです。昨年の関空の1日当たり平均入国者数は約3万4000人でした。ウィズコロナ時代の訪日外国人の受入れ体制を考えると、現在の検査処理能力はまだ十分とは言えません。さらなる水際対策の充実強化が必要と考えます。政策企画部長の所見をお伺いします。
関空の水際対策につきましては、知事が現地において空港検疫の課題を確認した上で、7月に実施した府の重点要望や、関西国際空港全体構想促進協議会の緊急要望で、国に対して検疫体制の強化を求めた結果、唾液抗原検査による迅速な検査体制が整いつつあります。
しかしながら、今後の関空の本格的な復活に向けまして、さらなる水際対策の充実強化が必要であることから、先日の関西三空港懇談会におきまして、国に対する要望決議をしたところでありまして、引き続き、国に対してしっかりと働きかけてまいります。
次に、関空の第1ターミナルのリノベーションについてお伺いします。
昨(2019)年12月、関空エアポート社が、第1ターミナルの国際線キャパシティーの拡大を中心とするリノベーションを、2025年の大阪・関西万博の開催までに終える計画を発表しました。
昨(2019)年度の関空の国際線旅客実績2200万人に対して1.8倍となる年間4000万人の受入れを可能とするなど、平成6(1994)年9月の開港以来初めてとなる大がかりなものです。万博の成功には欠かせない取組であり、大いに期待しております。
10月26日、新型コロナウイルス感染症の影響で、同社は工事の着工を半年延期すると発表しました。商業エリアの拡張は万博後の完成となるものの、旅客の受入れ機能の向上に必要な工事は、万博に間に合うことになっており、ひとまず安心しております。
同社自らリノベーションした関空の第1ターミナルは、万博のファーストパビリオンと意気込んでいます。関空は、万博に来られる訪日外国人の玄関口となることから、その受入れ体制の整備には、地元自治体としても万全を期さなければならないと考えます。知事の決意はいかがでしょうか。
加治木議員の御質問にお答えを申し上げます。
現在、コロナ禍ではありますが、関空の第1ターミナルのリノベーション、いわゆるT1リノベにつきましては、運営会社である関西エアポート社から、最大限努力をして、大阪・関西万博までに、2025年までに概成をさせたいというふうに聞いております。
府としては、この大規模リノベーションが確実に実施されるように、地元関係者とも連携をして、国に対して、例えば財政投融資の支援を求めるなど、できる限りの協力支援を行い、国家プロジェクトである大阪・関西万博の成功に向けて、地元自治体として最大限の尽力をしてまいります。
2020年12月1日
知事、ぜひともよろしくお願いします。
次に、新大阪駅周辺のまちづくりについてお聞きします。
本(2020)年3月、新大阪駅周辺地域都市再生緊急整備地域検討協議会が、まちづくりの方向性や導入すべき都市機能などを示したまちづくり方針の骨格を公表しました。新大阪駅周辺地域がスーパーメガリージョンの西の拠点としてのまちづくりを実現し、関西、日本の発展を支えていくことを大いに期待しております。
骨格の内容を深めるための検討が進められており、10月6日の第4回検討協議会は、導入すべき都市機能の一つである交通結節機能やプロモーションの進め方等について議論がされました。公開されたこの日の議事要旨には、都市再生緊急整備地域の新規指定を受けるためにも、民間の開発事業の具体化を進める必要がある、海外の先進事例をもっと調べるべきだなどの意見がありました。
大阪の知名度は、G20開催や2025年大阪・関西万博のおかげで向上したでしょうが、新大阪というまちがどこまで海外で知られているかは心もとない限りです。
一方、府民、市民にも広く新大阪駅周辺のまちづくりの取組をもっと知ってもらうべきであり、とりわけ地元住民の関心は強いものがあります。リニアや北陸新幹線が具体化されるまでの間を使い、十三や淡路、淀川を含むこの地域は、様々な特色や地域資源がある魅力的なまちであること、今後、リニアや北陸新幹線の整備を通して大きく変貌していくことを広く情報発信し、新大阪を知らない方々の知恵も借りて検討を深めるとともに、府民、市民の合意形成を図りながら、民間による都市開発の機運を高めることが重要ではないでしょうか。
そこで、都市再生緊急整備地域の指定にもつながる民間による都市開発の具体化に向け、戦略的にプロモーション活動を展開していく必要があると考えます。住宅まちづくり部長の所見をお伺いします。
スーパーメガリージョンの西の拠点の形成に向けて、新大阪駅周辺の動きを近接してまちづくりが進んでいるうめきたと一体的に国内外に広くプロモーションし、民間都市開発の機運の醸成や新たな事業創出、人の集積などをつくり出していくことが重要と認識しています。
これまで、大阪市と共に、まちづくり方針の骨格により、不動産開発会社や銀行、マーケティング会社など国内外の様々な分野の企業や団体、新大阪駅周辺に立地する企業や学校、学識経験者等に対して情報提供や意見交換を行ってきました。
今後とも、大阪市と連携し、新型コロナ感染状況を踏まえながら、国内外企業等と継続的に意見交換するとともに、デジタルサイネージなどの広報媒体を活用した府民、市民への情報提供、ウェブ等も活用したシンポジウムの開催など、ターゲットに応じた様々な手法により効果的にプロモーション活動を進め、民間都市開発の機運醸成に取り組んでまいります。
2020年12月1日
最後に、淀川流域のまちづくりについてお伺いします。
府域を貫く淀川は、身近に自然とふれあえる貴重な空間です。私は、5年前に一度、ウオーキングイベントで、新御堂筋の新淀川大橋から国道170号の枚方大橋までの約20キロを歩いたことがあります。あいにく夜でしたので風景はあまり楽しめなかったのですが、川沿いに住んでおられる方々に、自分の家の周辺だけでなく、京都から大阪湾までつながる淀川全体の地域資源や魅力を知ってもらいたいと考えております。
スクリーンを御覧ください。
まずは、現在の淀川河川公園を十三から西中島方向に撮影したものです。西中島寄りにはバーベキュー広場などがあります。(スライド5)
次をお願いします。
これは、亡き父が撮影した昭和40年代前半の同じ地域です。川の中に入っている人の姿が見えます。シジミが名物ですので、シジミ掘りなのかもしれません。(スライド6)
次をお願いします。
こちらも同じく昭和40年代前半です。阪急電鉄の新淀川橋梁付近、堤防を下りたすぐのところで釣りを楽しんでいる人がいます。(スライド7)
次をお願いします。
最後は、現在の新淀川橋梁付近です。かつて釣りができた場所でジョギングを楽しんでいる人がいます。約半世紀の間に、この姿を大きく変えていました。(スライド8)
今(2020)年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で多くのイベントが中止されましたが、私の地元の淀川河川公園西中島地区は、この夏と秋、水辺のアクティビティーが楽しめる淀川アーバンフロントが開催されました。さらに、運航中止となっていた大阪市内の観光船や、八軒家浜と枚方を結ぶ定期観光船などの舟運が再開されるといった動きが出ています。
新型コロナウイルス感染症が続いている状況でも、三密を避けることのできる淀川の開放的な自然空間を生かした身近な地域の取組は大切ではないでしょうか。
2025年大阪・関西万博の開催に向け、大阪府や京都府はもとより、国内外に向けて淀川の魅力を広く発信するなど、広域で連携したまちづくりを進めることが必要だと考えます。住宅まちづくり部長の所見をお伺いします。
淀川には、上流から下流まで豊かな自然や様々な歴史文化資源があり、その魅力ある都市空間を内外に情報発信するためには、人の交流やにぎわい創出につながる広域連携のまちづくりを進めることが重要と認識しています。
本府では、様々な民間団体や企業、地元市町等が参加する淀川沿川まちづくりプラットフォームを設置し、淀川沿川のイベントとの連携に加え、昨年度からドローンを活用したプロモーションビデオやトレーディングカードの制作にも着手し、淀川の魅力をあらゆる形で発信する取組を実施しているところです。
引き続き、2025年大阪・関西万博に向けて、大阪湾から京都方面まで淀川全体を視野に入れ、国や沿川の市町、民間団体や企業と幅広く連携しながら、新型コロナの状況も踏まえ、お示しの舟運をはじめ船着場や河川敷など、淀川の特性を活用したにぎわいづくりや防災の取組など、広域に連携したまちづくりに取り組んでまいります。