大阪府議会議員 かじき一彦 公明党

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府民文化委員会質疑

2011年3月4日

公文書館の資料の保存等

質問

 本日は、公文書館の資料の保存等について、大阪府の国際交流戦略、大阪ミュージアム構想、そして文化を通じた次世代育成について、以上の大きく4項目を質疑させていただきます。

 まず、公文書館の資料の保存等についてでございます。

 大阪府の公文書館は、本庁舎から府民文化部などの一部の部局が咲洲庁舎に移転したことに伴い、その機能を大阪市住吉区からここ本庁舎に移して、4月中旬の再開に向けて準備を進めているとお聞きをしております。

 今般、平成22年度一般会計2月補正予算におきまして、国の地域活性化交付金--住民生活に光をそそぐ交付金を活用して公文書館資料の補修とマイクロ化、デジタル化を進める予算が追加提案をされました。

 そこで、どのような理由でどのような事業をされようとしているのか、まずお聞かせください。

答弁
府政情報室課長

 大阪府公文書館では、明治期から昭和期にかけての大阪府の行政文書、刊行物、大阪府公報などの行政資料、さらに一般の方から寄贈を受けました江戸期の古文書など、平成22年11月末現在14万7508点の資料を収集保存してございます。

 これらの資料はほとんど紙やフィルムにより収集しており、月日の経過とともに劣化や損傷が避けられません。そのため、まず現物を保存する観点から、紙の劣化損傷の激しい資料約1万ページにつきまして、和紙等による裏打ち補修を行うことによって長期保存に耐えることができるようにしていきたいと考えています。

 また、資料をマイクロ化、デジタル化し永久に保存することも課題となっておりまして、これまでも、平成15年度から平成16年度にかけまして、国の緊急地域雇用創出特別基金事業を活用いたしまして、行政資料のうち、文書類は明治期から昭和30年代前半までに作成されました行政文書の主なもの約140万コマ、映像資料は約1000点のデジタル化等を実施してございます。

 今回は、それに引き続きまして、前回実施できなかった昭和40年代までの行政文書及び江戸期の古文書などを中心に約112万ページを対象に、マイクロフィルム化及びデジタル化を実施しようと考えております。

 これによりまして、所蔵資料のうち古文書の一部を除きまして、現在までに半世紀以上経過した行政文書につきましてはほぼデジタル化を完了したいと考えております。

質問

 任期の4年間の間にも、この公文書館の役割や存在意義がたびたび質疑で取り上げられてきました。公文書館は確かに非常に地味で目立たない存在ではありますが、公文書館で保存をされている歴史資料というものは、現在及び将来の府民に対し過去の政策判断についての説明責任を果たしていく上で貴重な財産であり、歴史検証をする上で非常に大切なものであります。

 世界的に有名なアメリカの国立公文書館が出している解説資料を見ますと、民主主義のもとでは記録は民衆のものであると指摘をし、アメリカ国民の権利にかかわる重要文書や、政府のとってきた決定や行動に継続して触れる機会を保障すると、その役割について述べています。規模こそ違え、府の公文書館も同じ役割があるはずです。

 今回、国の交付金を使うこととはいえ、古くなった資料を長期保存に耐えられるよう、修復や電子化することは非常に意義のあることと考えます。

 公文書館の本館移転を契機に、府として公文書館を運営する意義についてどのようにお考えか、お示しをいただけますか。

答弁
府政情報室課長

 公文書は、その時々の社会的、政治的、経済的な活動をあらわす貴重な歴史記録でございます。このような公文書はそれ自体が府民の共有財産であり、歴史的・文化的価値を有するこれらの資料を後世に伝え、残し、これらを広く利用していただくことは行政の責務であると考えています。これら貴重な資料を収集保存する公文書館は、これにこたえることができるよう、適切な運営を府として責任を持って行わねばならないと考えています。

 お示しのとおり、府では、公文書館を本館に移転し、4月からオープンする予定でございます。移転に当たっては、府民の皆様の利便性の向上の観点から、府政情報センターとの一体的な運営を図り、現役の文書でございます現用文書と歴史文書を同時に閲覧できる環境を整備いたします。

 また、府民がふだん触れる機会の少ない資料を身近にごらんいただけますよう、閲覧室での開架資料を従前より大幅にふやしますとともに、特に貴重な資料を常設で展示いたします。

 今回の緊急補修やデジタル化等によりまして、公文書館の使命であります歴史資料の適切な保存がさらに推進されますことから、今後とも、府民が府政の歴史を身近に感じ、利用しやすい施設となりますよう、公文書館の充実に努めてまいりたいと考えています。

意見

 今回、公文書館の資料補修やデジタル化に住民生活に光をそそぐ交付金という名前の交付金が使われるのは、非常に意味深長だと感じ、急遽質疑を追加いたしました。

 地方自治法第1条の2に「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、」というくだりがあります。重ねてになりますが、府の公文書館は、府がこれまで市民の福祉の増進に何をしてきたのかを検証する上で不可欠な存在です。

 4月に控えた本庁舎への移転と再開の機会を最大限に生かし、公文書館の存在を広く知ってもらうとともに、府民に利用しやすい施設として、また貴重な資料をしっかり保存する施設として十分に機能していくことを要望しておきます。

2011年3月4日

大阪府の国際交流戦略

質問

 続きまして、大阪府の国際交流戦略についてお聞きをします。

 日本で初めて海外との姉妹都市、友好都市提携を結んだのは長崎市で、昭和30年(1955年)にアメリカのセントポール市との間のものでした。以来半世紀が過ぎ、自治体間の海外交流も友好親善そのものを目的としたものだけでなく、経済交流を通して地域の活力を高めようとする動きが多く見られます。

 財団法人日本国際交流センターの毛受敏浩チーフプログラムオフィサーは、自治体の海外交流の動向を市民同士の民際型交流と自治体同士の戦略型交流に分類し、小規模な自治体が民際型、都道府県や政令指定都市が戦略型を志向する傾向にあると整理をしています。

 さらに、戦略型の交流にあっては、今まで以上に成果を明確に意識しないと生き残れない可能性が高くなる、真の意味での戦略性の有無が試されることになると指摘しています。

 大阪府におきましても海外の複数都市と友好提携を結び、さまざまな友好交流事業を行っておりましたが、最近はその内容も変わってきているのではないでしょうか。友好都市提携に限らず、大阪府が海外自治体と交流をする今日的意義についてどのようにお考えでしょうか、まずお伺いをします。

答弁
副理事兼国際交流・観光課長

 地域住民の方々や在阪企業が海外とのかかわりを非常に強める中、大阪がグローバルな都市間競争を勝ち抜き、魅力と存在感ある都市として持続的に発展していきますためには、海外、とりわけ成長するアジアと積極的に交流を進め、大阪の活性化に寄与していく必要があると認識しております。

 このため、一昨年(平成21年)4月になりますが、大阪府の外交方針を策定したところでございます。これは、アジアを中心に海外自治体との友好関係を深めますとともに、観光・経済分野を中心に双方が対等の立場に立った交流を推し進めていこうとするものでございます。

質問

 ちょっと余談ですが、なぜ姉妹都市と言うのか。アメリカではシスターシティーと呼んでいるそうです。これをまさに最初に長崎市とセントポール市がまず結んだ。どうもアメリカで言っているシスターシティーというのをそのまま日本語に直訳したのではないかと言われております。

 同じ英語を使っているイギリスですけど、イギリスではツインシティー--双子都市という表現をするそうです。ロシアだと兄弟都市。お隣中国は友好都市と呼んでいますが、姉妹都市というとどっちがお姉さんで妹かという話になるので、これは上下関係がないということで友好都市という言葉を使うようにされているそうです。余談でした。

 それでは、大阪府のさまざまな国際交流施策が今言われた都市間競争に勝ち抜くための手段になっているのかどうか、一つ一つ確認をしていきたいと思います。

 まずは、府はこれまで9カ国10都市と友好都市提携をしておりますが、どのような交流がなされているのでしょうか、主なもののその現状についてお聞かせください。

答弁
副理事兼国際交流・観光課長

 本府におきましては、30年以上前になりますが、1980年(昭和55年)11月に中国上海市との友好都市提携をしております。これを皮切りといたしまして、実質的な交流関係のございます江蘇省を含め、これまで9カ国10都市と友好提携を締結しております。

 当初、友好代表団の派遣・受け入れとか芸術文化交流など、友好交流事業が中心に実施されたところでございます。最近の主な交流実績といたしましては、上海市との関係では、昨(平成22)年5月開幕いたしました上海万博へ大阪市と共同で大阪館を出展しております。また、職員の相互派遣事業ですとか、あと省エネ技術に関する研修生の受け入れや専門家の派遣事業を実施しております。

 また、フランスのヴァルドワーズ県とは、昨年は知事をトップといたします代表団を派遣したところでございます。また、毎年、同県からは、同県にございますエセック大学院大学の研修生を受け入れております。

 そのほか、オーストラリア・クインズランド州、あとアメリカ・カリフォルニア州などとも、語学研修のため、教員の相互派遣でございますとか高校生の派遣・受け入れなどを行っております。

 クインズランドとの関係、クインズランドの研修につきましては平成17年度から開始されておりまして、府立学校の英語教諭を対象にこれまで30名の教諭を派遣いたしております。

 また、カリフォルニアの高校生交流につきましては平成9年度から開始されておりまして、これまで約200名の府内高校生の派遣を行ったところでございます。

質問

 今、お聞きをしました範囲では、いわゆる友好親善を目的とした交流事業が多いようでありますが、上海市との交流メニューの一つとして職員の相互派遣ということを紹介をされました。さらに、今(平成22)年度からは、友好都市ではございませんが、ソウル市とも職員交流が始まっていると聞いております。

 この職員交流、どちらとも始まって歴史は浅いものでありますが、何らか具体的な成果が上がっているのでしょうか。

答弁
副理事兼国際交流・観光課長

 上海市との職員交流につきましては、平成20年に知事が上海市長に提案して実現したところでございます。そのため、平成20年度から観光、教育、企画分野等を対象に交流を現在も展開中でございます。

 また、ソウル市との職員交流につきましても、一昨(平成21)年、知事がソウル市長に提案し双方合意に至ったことから、これを受けまして、昨(平成22)年11月から12月に観光・都市魅力、国際交流分野と、あと教育分野を対象に相互に職員の派遣・受け入れを行ったところでございます。

 具体的な成果についてでございますが、教育制度や都市魅力などの交流分野につきましては、さまざまな先進事例を学びまして制度設計の参考にすることはもちろんでございますが、上海市、ソウル市との最大の成果というのは、現地で職員同士が双方顔を合わせてわかり合うことによりまして、関連する情報を帰ってからも気軽に頼んだり頼まれるといった、人的ネットワークが築けつつあるということかと考えております。

 こうした企画分野のキーパーソン等の人脈を活用いたしまして、今後の交流促進につなげたいと考えております。

質問

 大阪府、上海市、ソウル市、それぞれ団体でありますが、それをまさに動かしているのはこういう皆さん方理事者であったり、向こうのまたお役人さんなわけで、そこは言ったら一人一人の人間です。やはり、一人一人の顔が見えるか見えないかでおつき合いの仕方というのも変わってくるでしょうし、例え短期間であっても相手のまちの空気を吸った、そこで物を食べてきた、そうすることで相手さんに対する理解も深まると思います。そうすることでまた関係もより深まっていく、そういういい循環を生んでいくようにお願いをしておきます。

 ソウル市との職員交流の例にありますように、最近は、友好都市に限らず、知事が訪問をして相手都市の首脳に会って、そしてそこから新しい交流事業が生まれてきております。この職員交流事業のみならず、知事が海外に出向いた際に得た、いわゆる外遊成果というものを現大阪府の施策にどのように生かしていらっしゃるのでしょうか。

答弁
副理事兼国際交流・観光課長

 知事につきましては、御就任以来15回の海外出張を行っております。うち、私ども府民文化部の関係で申しますと、観光プロモーション関係で5回、あと友好交流等で6回外遊されております。

 一つ成果ということで、観光分野につきましては、上海やソウル、また韓国など東アジアの各都市をターゲットに観光プロモーションを実施しており、例えば昨(平成22)年12月、香港でのトッププロモーションにおきましては、早速現地の旅行業者の方から、ことし(平成23)開催の大阪マラソンに200名の送客の申し入れを受けるなど、観光客の拡大につながっておるというところでございます。

 また、友好交流関係につきましては、ヴァルドワーズ県、シンガポール、大ロンドン市、ドイツのヘッセン州などを訪問いたしまして、各地の教育制度や都市制度等に関しまして自治体トップの意見聴取や現場視察などを行い、例えば大ロンドン市の都市制度を大阪府自治制度研究会の場で議論したり、これまでの受験英語とは違う実践的な英語教育にインセンティブを与える実践的英語教育強化事業など、海外で得られた成果を施策や予算に反映しておるところでございます。

質問

 続きまして、留学生への支援策と外国からの観光集客という観点についてお尋ねをいたします。

 現在まとめている最中の大阪の国際化戦略案におきまして、外国人人材の受け入れ拡大の必要性ということを掲げられております。現在、日本の大学など教育機関で学ぶ留学生は約14万人いるとお聞きをしておりますが、大阪での留学生の受け入れの現状はどのようになっているのでしょうか。また、現在、大阪府としてどのような留学生に対する支援策を行っているのでしょうか。

答弁
副理事兼国際交流・観光課長

 独立行政法人日本学生支援機構の調査結果によりますと、現在、大阪には東京に次いで多い全国第2位の1万人を超える留学生が大学や専門学校で学んでおられます。これは、10年前と比べますと約2倍の数字ということになっております。

 国籍別で申し上げますと、中国からの留学生が最も多く、6割以上を占めております。次いで韓国、台湾と続いておりまして、アジアからの留学生が全体の約9割という数字になっております。

 次に、留学生の支援という部分についてでございますが、財団法人大阪府国際交流財団とともに留学生会館の運営や就職支援等を行っておりますほか、同財団や、あと大阪市などとも連携いたしまして、府内にございます博物館や美術館など文化施設に無料で優待入場できるという制度も確立いたしております。

 さらに、外国人人材受け入れの観点から、就職支援では、府商工労働部や国際交流財団、また各大学等と連携いたしまして留学生のための合同企業説明会を開催いたしております。また、留学生が日本企業と出会い、企業が留学生を理解し、卒業後も大阪で活躍できるよう、就職支援の取り組みを推進しております。今(平成22)年度につきましては、説明会を2回開催いたしまして、延べ、企業につきましては90社、留学生につきましては1400名参加いただいたところでございます。

 また、今年度から大阪府国際交流財団では、日本特有のビジネス慣行や就職活動に関する就職セミナーを大学等と連携して開催いたしまして、留学生が主体的に就職活動できるよう支援しておるところでございます。

質問

 戦略案にもありますが、留学生の受け入れというものは、大阪の若者が国内にいながら外国人の青年とともに学び交流する機会ができるなど、グローバルな視野を持った若者の育成につながると考えております。

 今後、府として、大阪で暮らす、学ぶ留学生が活躍できる取り組みについてはどのようにお考えでしょうか。

答弁
副理事兼国際交流・観光課長

 留学生の方々がボランティア等で活躍できる取り組みといたしまして、大阪府国際交流財団におきまして国際理解教育外国人サポーター派遣事業を実施しております。これは、府内の学校や国際交流団体が行います国際理解教育での授業や講座に留学生を初めとする外国人サポーターを派遣いたしまして、留学生等の母国の文化や歴史の紹介、また民族音楽や母国の遊びなどを通じまして交流を図りますとともに、異文化の理解を促進しようというものでございます。

 今(平成22)年度につきましては、2月末現在で15カ国・地域43名のサポーターの登録があり、延べ51回、計152名を小中学校や地域の国際交流団体などに派遣したところでございます。

 大阪の成長、国際化推進の観点から、大阪の若者のグローバルな感覚、能力を育てる機会としてこのような取り組みは非常に重要と考えており、今後とも、留学生の方々を府内の学校へ派遣して行う国際理解教育プログラムの拡充や、留学生と交流できる場の創出などの取り組みを推進していきたいと考えております。

質問

 留学生というのは本当に貴重な戦力だと思います。まずやはり、どういう御縁であれ、この大阪を選んでくれたということに感謝をするべきやと思います。

 やはり、大阪にないものを持ってきてくれる。その人たちのいろんな経験であったり、そしてまたこの大阪のまちで働いてくれる。また、大阪の経験を持って自分の国に帰ってまた働いてくれる。物すごく大事な存在だと思います。この留学生支援ということ、これは広域自治体として取り組むべきことだと考えておりますので、ぜひとも力を入れていただきたいと思います。

 続きまして、先ほどの戦略案の五つの核の一つとして、海外からの企業や人材を受け入れる都市というふうに位置づけられております。この海外からの人材、留学生以外にもいろいろありますが、留学生という観点で質疑をさせてもらいました。

 企業誘致、本当でしたらこれも一緒に質疑をしたいところなんですが、当委員会の所管事項ではございませんので、これにもしっかり大阪府として力を入れていただきたいと要望しておきます。

 さて、大阪を訪れる外国人旅行者をふやしていき、大阪を窓口にした海外との人の交流をより活発にすることが大切なのは、昨(平成22)年9月定例会の一般質問で観光戦略--当時は素案--をテーマに質疑をしたところです。大阪のファンをふやすことで新しい可能性もまた開けてくると考えますが、さらなる外国人旅行者の増加に向けた取り組みについてお伺いをいたします。

答弁
副理事兼国際交流・観光課長

 観光戦略案に掲げる目標、平成25年度に来阪外国人旅行者を400万人と。これを達成いたしますためには、東アジア、とりわけ中国をターゲットにした重点的な観光誘客が必要と考えておりまして、来年度は、今後見込まれます中国人個人旅行者の増加を視野に入れた新たな取り組みを進めてまいるところでございます。

 具体的には、大阪の観光魅力をイメージで訴える映像を作成いたしまして中国国内で放映する大阪メディアプロモーション事業。

 また、関空の持ちます豊富な中国路線と、国内路線では東京便に次いで便数の多い沖縄路線を利用いたしまして、関西と沖縄という中国人観光客に人気の、大阪でいいますとショッピング、グルメと、あと、沖縄のほうで南国ならではのマリンリゾート、その両方が体験できるツアーの造成を促進いたします広域連携プロモーション事業。

 さらには、モバイル端末などIT技術を活用し、外国人向け観光案内サービスを提供いたします民間事業者の活動を支援する受け入れ環境整備促進事業。

 これらの取り組みとともに、あと観光振興のメーンプレーヤーでございます民間事業者の多様な活動のサポートを通じまして、民間がもうかる、事業が継続する仕掛けづくりを進めていきたいと考えております。

質問

 ここまでは、府民文化部が直接かかわる国際化の取り組みを中心にお聞きをしてまいりました。

 ですが、海外企業の誘致や大阪の企業の海外への販路拡大を担当する商工労働部に限らず、歩道橋をインドネシアに寄贈する都市整備部など、府庁の各部局が海外とやりとりをする機会は今後もますますふえてくると考えられます。

 海外出張業務についても、トラブルなく円滑に行われるためには、情報を一元化するとともに、業務の進め方を統一する必要があると考えます。

 国際交流・観光課は、各部局の海外交流の実情を適切に管理をし、必要に応じて指導助言する立場にあると考えます。庁内各組織における海外交流の情報管理及び助言体制はどのようになっているのでしょうか。

答弁
副理事兼国際交流・観光課長

 各部局におきまして、それぞれの所管事業との関連から、海外からの代表団の受け入れですとか知事の海外出張を企画実施する際には、これまでは部局の要請に応じアドバイス等を実施してきたところでございます。

 ただ、本(平成22)年度からは、海外との交流に関しての情報管理の一元化と専門的な観点からの助言体制を徹底いたしますため、この1月20日付で副知事名で、知事・副知事の海外出張、及び表敬対応等に係る取り扱いについてという文書を各部局あてに発したところでございます。特別職のみならず、職員の海外出張等国際交流事業につきましても国際交流監に情報を集約・一元化したところでございます。

質問

 ちょっとこの質問を立てたのは、実は昨(平成22)年の9月、知事が台湾に出張されました、そのことをめぐって怪文書が飛び交ったというのは、府庁内の方やったら御存じやと思います。私のところにもメールでやってきました。最初は恐らくその人の実名で、以降は同じメールアドレスですけど、高山右近という名前を名乗ってメールがやってまいりました。

 この怪文書の事の真偽そのものはもうここでは問いませんが、特に先ほど申し上げました戦略型交流など、こういった経済交流、こういったことに関してはまさに府庁内でしっかりと意思伝達・疎通がなされますように、先ほどの1月20日付の副知事の文書が各部局にしっかりと徹底されることを改めてお願いをしておきます。

 平成21年9月定例会の当委員会で、就任直後の楠本交流監から、単に外国のお客様を府庁で接遇するだけにとどまらないで、むしろ観光のプロモーションでありましたり、海外とのビジネス交流の拡大、こういった分野で幅広く参画してほしいと、こういう要請をちょうだいしました、との答弁をいただきました。

 それに対して私は、府庁の皆さんもぜひとも国際交流監に思う存分働いてもらえる、そういう環境をつくっていただきますように切にお願いを申し上げておきます、と要望しました。

 府が戦略型交流を志向していく上で、国際交流監の役割はますます重要になってきたと考えております。この民間出身の交流監にかわられてどのような変化が起きているのでしょうか、府民文化部長にお伺いします。

答弁
府民文化部長

 楠本国際交流監は、初めて民間から来ていただいた交流監でございます。それまでは、初代を除きまして外務省のほうから職員に来ていただいておりました。楠本交流監に来ていただいたときに、今まではどちらかというと、海外の要人の受け入れとか、あるいは領事館への対応だったりという範囲に限定されておりましたので、それをより幅を広げる、ある意味では大阪府を対外的に代表するという立場でやっていただきたいという考えでお願いをしたというところでございます。

 先ほど申し上げたように、全庁の統括機能ですね、海外交流の統括機能もやりますし、あわせまして経済交流に関する関与、あるいは国際会議場の国際会議の誘致などにも今一生懸命に取り組んでいただいております。

 やはり、民間から来ていただいたということで、例えば知事の海外出張に関しても、民間のいろいろ人脈を用いまして向こうの主要な方とセッティングをしていただいたり、あるいはまた中国の出張なんかに関しましても、やはり外交的な判断を要するところで、幅広い海外ネットワークあるいは国際感覚によりまして非常に適切なアドバイス、対応をしていただいているところでございます。

 また、業務全般につきましても、我々公務員とは違う感覚をやはりお持ちでございますので、非常に迅速に判断をしていただいておりまして、ある意味で雰囲気をすごく変えていただいておるのではないかなというふうに思っております。

 あわせまして、府民文化塾というのを府民文化部でやっているんですけど、その中で今までの経験を語っていただきまして、デジタル革命とグローバル化の衝撃というみたいな、そういう講義もやっていただいておりまして、非常に新鮮な風を吹き込んでいただいております。

質問

 留学生や観光客にこの大阪に来ていただくとともに、またこれらの人たちに、また来たい--まさにリピーターになってもらう、大阪のファンをふやしていくためには、やはりまず大阪を魅力ある都市にして、その情報をしっかり発信していくことが大事であります。そのために、海外の自治体と交流を深めて、そのよいところを取り入れていく必要はあると思います。

 その役割を担うのはやはり大阪府の職員であります。職員がより一層国際感覚を身につけていくことが必要だと考えます。今はそれこそ国際交流監が一人でエースで四番かもしれません、野球で例えるならば。言うたら三番、五番、バックを守れる人、ローテーションの二番手、三番手、そういうような役割ができるような職員を早く育ててほしいと思います。

 今後の国際化社会に対応していくために、府庁職員の資質向上策というのが大事だと考えます。これは、職員の研修とかということになるとこの部の所管ではないのかしれませんが、国際交流を所管している府民文化部長としてどのようにお考えなのか、お聞きをします。

答弁
府民文化部長

 私も府民文化部長になって初めて国際的な業務を担当しまして、実感としまして、本当に職員の国際的感覚を磨くということがもう急務だというふうに痛感しております。

 委員も御指摘のように、仲よくやろうねという昔の国際交流じゃなくて、本当に言いたいことはきちっと言った上で相互理解をして、お互いウイン・ウインの関係を構築するという、そういう形に変わってきておりますので、本当に相手方ときちっと折衝できる、そして豊富な人脈を持っているとか情報網も持っていると、そういう職員を育てなければならないと思っています。

 先ほど答弁したような上海とかソウルとの職員交流もその一環なんですけど、まだいわゆる点にとどまっていまして、線になってないんですね。ですから、それをやはり系統立ててそういう人材を養成するようなことが必ず必要になってくると思います。これは府民文化部だけでできるわけではありませんので、庁内関係の部局にもお願いをしまして、そういうシステム化をぜひやっていきたいと思っております。

 そのきっかけづくりといいますか、今、楠本交流監には楠本国際塾なるものをつくっていただいたらどうかという提案をしてまして、有志を集めまして、英語だけではなくて、海外の経験をそこでいろいろ語っていただいてそういう興味を育てるとともに、本当に皆さんが自主的にそういうことに頑張っていただけるような仕組みをちょっとつくっていこうかなというふうに考えております。

要望

 国際化が進んでいくのはとめようがありません。これに対応するのはもう避けられないことであります。しっかりと取り組んでいただきたいということをお願いしておくとともに、この国際交流戦略につきましては知事質問をしたいと考えておりますので、委員長、よろしくお願いします。

2011年3月4日

大阪ミュージアム構想

質問

 続きまして、大阪ミュージアム構想についてお聞きをします。

 平成21年9月定例会の一般質問で、この大阪ミュージアム構想の一環として、登録物を磨き、より輝かせるための方策として、府内各地のお祭りやイベントを運営する人たち同士が集まり、情報や意見交換をする場を設けてはどうかとの提案をしました。

 先日2月5日に、地域の魅力づくりの事例発表や地域で活動をされる方々の交流の場として、第2回大阪ミュージアム交流会が開催されたとお聞きをしました。どのような内容で開催され、その開催結果はどのようなものだったのでしょうか。

答弁
副理事兼都市魅力課長

 大阪ミュージアム交流会は、大阪ミュージアム構想のもとで地域の魅力づくり活動に取り組んでこられた方や、これから取り組みに参加しようとされる方の交流の場として、加治木委員の御提案を受け、昨(平成21)年度から開催しております。今年度で2回目となり、府内各地から約200名の方に御参加いただきました。

 交流会では、今年度の重点地域である泉州地域における魅力づくりの活動について、貝塚寺内町と紀州街道のまちづくり協議会と、泉南市の熊野街道信達宿藤保存会による2団体からの事例発表と、昨(平成22)年9月から12月にかけて京阪電鉄と沿線各市、各団体が連携して取り組みが行われました京街道JAZZライン2010の事例発表やパネルディスカッションのほか、参加者の親交を深めていただく懇親会も開催いたしました。

 懇親会会場には各地域のPRブースも設け、お互いの取り組みをPRし、交流を深める場となっております。何よりも、これから地域の魅力づくりにかかわっていこうとする皆さんが、先進的な事例発表を聞いたり、既に取り組みをされておられる方々とじかに会ってお話をされることは大変意義深く、地域活動の輪が府域への広がりにつながるものと考えております。

質問

 大阪府は一つですが、府内には43市町村あり、地域の特徴や魅力もさまざまです。自分が暮らす地域だけでなく、北は能勢町から南は岬町まで、西は大阪湾岸から東は生駒山系まで、広く大阪の魅力を大阪人自身が理解をし、評価をする上で、大阪ミュージアム構想に、より多くの府民がかかわることは大切なことと考えます。

 そのような意味で、この大阪ミュージアム交流会のような取り組みは非常によい取り組みだと考えております。今後もこの交流会は継続されていくのでしょうか。

答弁
副理事兼都市魅力課長

 当日、交流会の会場で参加者にアンケートを行ったところ、事例発表、パネルディスカッションともによかったとの評価が多数で、また今後もこうした交流会に参加したいかとの質問に対しても、圧倒的に参加したいという回答をいただいております。

 こうしたアンケート結果も踏まえますとともに、23年度は北摂を重点地域として特別展が展開され、たくさんの取り組み事例が生まれることを期待しており、そうした事例発表の場として、また地域で魅力づくりを担っていただいている方々の交流の場として、今後も継続して開催していきたいと考えております。

質問

 大阪ミュージアム構想の輪を広げ、さらに多くの府民を巻き込んで、地域住民を主役に大阪を元気で魅力ある都市にしていくための取り組みを行っていくことは、非常に重要だと考えます。特に、柔軟な発想の持ち主である若い世代の人たちが参加できる取り組みを行っていくのが大事ではないでしょうか。

 今回出されました大阪ミュージアム戦略プラン案でも、このような考え方のもとにOSAKA LOVERS CMコンテストという取り組みが提案をされておりますが、これは具体的にどのような取り組みでしょうか。

答弁
副理事兼都市魅力課長

 このたび、取りまとめました大阪ミュージアム戦略プラン案では、若者層とのコミュニケーションを強化し、若者の参加を拡大して、まちの活性化を図るということを展開方針の一つに掲げております。OSAKA LOVERS CMコンテストも、そうした若者の参加拡大ということも視野に入れた取り組みです。

 これは、大阪を盛り上げようとする人々をOSAKA LOVERS、つまり大阪を愛する人たちと位置づけまして、大阪のおもしろい人、モノ、コト、場所などをテーマに、ホームビデオなどで動画を撮影し、30秒程度のCM作品として応募いただき、さまざまな視点からの大阪の魅力を内外に発信していこうという企画です。

 学生・一般の部のほかに、外国語で大阪の魅力を発信する外国人の部や、ダンスで大阪のパワーを発信してもらうダンスの部などを予定しております。

質問

 若者を初め、外国人や一般府民を巻き込んだまちの魅力再発見・発信につながる新しい取り組み。これまでの大阪ミュージアム構想、行政からの情報発信がどちらかといえば主体であったように思いますが、このCMコンテストでは、まさにこの大阪のまちで暮らす普通の人たちからの、そういった目線からのおもしろい魅力がまた発信されるのではないかと期待をしております。

 将来、映像の世界での活躍を目指す若い人たちにとっても、こういった発表の場があるということが、発表の場をつくることが、彼らがまた次に進んでいく上で非常によいことであると考えます。より多くの作品が集まるように取り組んでもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。

答弁
副理事兼都市魅力課長

 CMコンテストの作品募集に先駆けて、今(平成22)年度におきましては、各方面の協力も得ながら、告知用のCM映像を数本作成する予定です。作成しました告知CMはホームページで配信するとともに、公共スペースなどでの告知PRにも活用するなど、より多くの応募が寄せられるよう工夫を凝らしていきたいと考えています。

 また、優秀作品につきましては、ホームページやイベントでの発信のほか、外国語部門の作品などは海外向けPRに活用するなど、その他各種メディアでの活用につなげていきたいと思っております。

質問

 平成22年9月定例会の一般質問の際、観光集客の観点から、観光魅力の多言語での発信、またリアルタイムでの情報発信が他の都市や地域との競争を勝ち抜く上で重要であると申し上げたところですが、このようなことを実際しっかり取り組んでいただきたいと思います。

 より多くの人にこの大阪のまちの魅力を知ってもらうことで、大阪のまちもまた元気になっていくのではないかと期待をしております。また、そうならなければならないと考えております。

2011年3月4日

文化を通じた次世代育成

質問

 最後に、文化を通じた次世代育成についてお伺いいたします。

 平成21年9月定例会の本委員会から、毎回このテーマは質疑をしてまいりました。4回目となる今回は、昨(平成22)年9月の定例会でお聞きをしました各項目について、その後の進捗状況について順次お聞きをしてまいります。

 まず初めに、芸術文化振興補助金であります。

 来(平成23)年度募集分から事業内容を見直す方向であるとお聞きをしておりますが、府としてどのような意図を持ってこの見直しをするのでしょうか。

答弁
文化課長

 これまでの芸術文化振興補助金は、対象を民間の文化団体が実施する次世代育成事業に特化いたしまして、子どもや青少年が芸術や文化に親しむ機会を持つことで豊かに成長し、大阪の文化を担う人材をはぐくむことを目的としてまいりました。

 次年度事業につきましては、こうした趣旨も踏まえながら、民間の文化活動のすそ野をさらに広げ、その内容も、創意あふれる斬新な取り組みや、新規性の高い取り組みの創出を促せるよう、制度の再構築を行うこととしたところでございます。

 具体的には、事業の選定に当たりまして、これまで以上に次世代育成事業としての内容を重視した選考を行いますとともに、新たな工夫、そして努力が審査に反映されますよう、審査基準を策定いたすところでございます。特に、斬新性等に富む非常にすぐれた活動につきましては、補助上限額を倍額にするなどの改正を検討しているところでございます。

質問

 今後とも、この芸術文化振興補助金を活用して、子どもや青少年が芸術や文化に親しむ機会が広くふえていきますよう、要望しておきます。

 次に、次世代育成型メセナ自動販売機についてお聞きをします。

 民間との連携という観点から、この次世代育成型メセナ自動販売機の売上金の一部を活用して、文化を通じた次世代育成事業について取り組むとお聞きをしておりますが、現在の進捗状況はどうなっているのでしょうか。

答弁
文化課長

 次世代育成型メセナ自動販売機については、府庁舎--具体的に申し上げますと本館に1台、別館に1台、そして咲洲庁舎に1台の計3台を設置しております。

 その売上金の一部を活用いたしました文化を通じた次世代育成事業につきましては、「輝け!子どもパフォーマー事業」と名づけまして、文化活動の発表を通じて次世代を担う子どもたちの感性や創造性、そして表現力を養う事業展開を図るということとしております。

 具体的には、子どもたちみずからがパフォーマーとして表現する活動を対象といたしまして、上限100万円を助成する事業といたしております。また、実施する場所につきましても、応募者が自由にみずから発表したい場所を基本といたしまして、また一部の大阪ミュージアム構想の登録物などにおいても実施し、大阪のまちの魅力を再認識することにつなげることとしております。

 こうした内容により、ことし(平成23)の1月の21日から2月18日までの約1カ月程度でございますけれども、募集をいたしましたところ、よさこいソーランや和太鼓などさまざまなパフォーマンスの応募が8件ございまして、現在、外部の専門家による選定を行い、来週中にはホームページのほうでこの選定結果について公表する予定としております。

 また、あわせてこれらの事業の実施状況を撮影いたしまして写真やカレンダーにし、広くこの事業の周知を図りまして、メセナ自動販売機のさらなる設置促進に取り組んでいきたいと考えております。

質問

 新たに取り組まれます「輝け!子どもパフォーマー事業」は、まさに子どもたちの可能性を開くものとして人気を集めるものに育っていくことを願っております。

 次に、アーティストの情報を入れた人材バンクやプログラム集の整備についてお聞きをします。

 平成21年9月定例会の本委員会で私の母校の小学校の事例を紹介し、文化を通じた次世代育成事業が、大阪に住む志のあるさまざまな分野の一流の芸術家と連携をし、府域で数多く効果的に実施できるように要望したところです。また、昨(平成22)年9月定例会の本委員会では、人材バンクやプログラム集の整備についてお聞きをしました。

 これらについては、地域や学校での自主的な取り組みをサポートするため、他府県の事例や実施状況等の情報を収集していると、その時点ではお聞きをしておりますが、現在はどのようになっているのでしょうか。

答弁
文化課長

 アーティストの情報を入れました人材バンクにつきましては、アーティストの活動のPRなどや、こうしたアーティストの活動内容を周知することで、地域、そして学校におきます府民の文化活動の自主的な取り組みをサポートすることを目的として策定しているところでございます。

 本(平成23)年1月から、こうした趣旨によりましてアーティストや文化関係団体に広く登録を呼びかけましたところ、さまざまな分野の団体、そしてアーティスト等から200件を超える登録希望がございました。

 また、プログラム集につきましても、次世代育成に関する具体的な事例をよりわかりやすく紹介いたしますため、現在、編集等の整備を行っているところでございまして、人材バンクとあわせまして、本年度中にホームページ上にアップしたいと、こう考えております。

 これらにつきましては、以降、適宜見直しを図りながら常に改善を重ね、より利用者やアーティスト等にとって効果的で使いやすいものにしてまいりたいと思います。

質問

 ぜひとも、意欲ある人たちの熱意を酌み取るとともに、子どもたちに喜んでもらえるプログラム集、人材バンクであってほしいと願っております。

 もう一つ、昨(平成22)年の9月府議会の本委員会で知事に、子どもたちが文化活動を発表する場として咲洲庁舎の公開空地フェスパを活用してはどうかという提案をしましたところ、知事から、表現活動の場、文化活動の場として提供していきたいというお答えをいただきました。

 先日、咲洲庁舎を初めて訪れました。WTCビルのころは、もうそれこそ何度となく足を運んでおったところでございますが、改めてこのフェスパに立ってみて、この広々とした場所で子どもたちが、ブラスバンドの演奏であったり、演劇であったり、漫才やコントであったり、いろんな躍動感あふれる文化活動をやってたらどんだけ楽しいかなと、みんな喜んでくれるかなという、そういうことを想像しておりました。

 来(平成23)年度からこのフェスパの活用について具体的にどのように取り組んでいかれるのか、お聞きをします。

答弁
文化課長

 咲洲庁舎の公開空地、いわゆる通称フェスパと呼ばれている部分でございますけども、ここにつきましては、もともとイベント会場等で活用していたことなどもございまして、表現活動の場としても比較的環境が整っておると、こういうふうに思います。

 こうした場所を子どもたちが活用いたしまして、多彩な文化活動を通じて自己表現力やコミュニケーション力を高めますとともに、さまざまな文化活動に触れることのできる場として提供していくこと、これは非常に意義があるものと考えております。そのため、こうした場を活用いたしまして、文化を通じた次世代育成を図ってまいりたいと考えております。

 具体的には、現在の本館活用事業、いわゆるひょうたんから独楽劇場と同じスキームといたしまして、子どもたちが集まりやすい土日を中心に、フェスパを文化を通じた次世代育成に特化した事業への場として提供、展開していきたいと考えております。

 今後とも、子どもたちの多彩な文化活動、または子どもたちが演技、演奏等を鑑賞していただける場となるよう、次世代育成に特化した事業に積極的に活用してまいりたいと考えております。

質問

 府民文化部はまさに2年前に発足をしました。4つの部課が集まってこの府民文化部という部が生まれました。当然、議会の委員会もその部に対応するような形で組みかえられまして、この府民文化委員会というのができました。

 2年間この府民文化委員会におって、いろんなことを質疑させてもらいました。大阪府の情報発信--広報広聴の体制であったり、きょうお聞きしたようなテーマ、また咲洲への総領事館の移転などなど、いろんなテーマをやってきたわけでありますが、まさにいろんな部が集まってこの部ができた。

 一体感をつくり上げていくのは大変やったと思いますが、2年間部長をされててどういったことに心がけてこられたか。質問の予定にはないんですが、ちょっとお聞きをしたいと思いまして。お聞かせいただけますでしょうか。

答弁
府民文化部長

 府民文化部が発足して2年ということで、確かに当初、それぞれの部局からいろんなものを持ち寄ってという形で発足しまして、ほんとにばらばらでありましたので、やはり統一コンセプトが要るだろうということで、部としての一つのコンセプトを皆さんに求めまして、やっぱり府民の視点といいますか、そういうところからスタートしなければならないということを共通意識にしまして、部の運営に取り組んでまいりました。

 その中で、本当にだんだんまとまりが出てきたなというのが実感でございまして、それぞれのセクションの情報の流通であったり、あるいは協働であったり、そういったことがほんとにできてきたかなというふうに思っております。

 まだまだ課題が山積しておりますのと、次から次へとうちとこは新しい課題が出てまいりますので、府民の視点を忘れることなく、積極果敢に取り組んでいきたいというふうに思っております。

意見

 2年前の話でいえば、この府民文化部も、府民文化部という名前に決まるまでいろいろあったのを皆さん覚えてはると思います。

 最初、総合府民部という名前でした。総合府民部て、一体何の仕事をするとこやいうて、からきし見当つかんかったと思います。大阪府のほかの部を見たら、まさに名は体をあらわす部名ばっかりです。総合府民部やったら一体何する部やということで議会のほうからも言いまして、この府民文化部という名前に落ちついた、そういう経緯があります。

 去年(平成22)の秋のときにも取り上げましたが、まさにバブルのころ、「文化都市大阪」という看板を掲げて文化振興財団ができてなどなど、そういったことがあったわけです。やっぱり大阪のまち、自分たちの歴史、文化をしっかりと大事にして、そしてそれをまた、その魅力を広く内外に発信をしていく。人間がよって立つ文化、それをだれが守るんか。大阪府庁の中で、やっぱり府民文化部にいる人たちが大阪の文化をしっかり、広い意味での文化を守っていくんだという、そういう心意気で仕事をしていただきたいと思います。

 また、私も2年間この委員会におりましたが、広い意味では、大阪の文化を議員の立場からどうやったらよりよいものにできるのか、またその魅力を高めていけるのか、そういう観点でさまざま質疑をしてまいりました。

 まだあともう1回、知事質問をさしていただければ知事質問が残っておりますので、残りの機会もしっかりと質疑をして、自分なりの考え、そしてまた大阪の文化というものに対してしっかりと発言をしていきたいと思います。

 きょうは、これで終わりにさせていただきます。ありがとうございました。