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2011年10月11日
公明党の加治木一彦です。本日は交通事故対策、性犯罪対策、警察官の健康管理、以上3点についてお伺いいたします。
まず、交通死亡事故対策でございます。
私の地元淀川区でも、本(平成23)年に入りまして既に昨年を上回る3人の方が交通事故で亡くなっております。
大阪府内に目を向けましても、本年は交通事故が多発しており、昨年と比べて亡くなった方もふえ、8月ごろまでは全国最悪の状態で、知事による交通事故多発警報、こちらも4回出されたと記憶をしております。
交通事故で人が亡くなるということは、もう皆様御承知のとおり、非常に痛ましいことでございます。亡くなった本人は何より無念だと思います。その御家族も非常に無念だと思います。事故で人を過って死なせてしまった方も、その責任を一生負い続けなければならない。当然その加害者の家族の方も同じであると思います。
このように、一瞬にしていろんなもの、すべてのものが変わってしまうこの交通死亡事故ということは、絶対に減らしていかなければならないと思います。
この府内の交通死亡事故による死者数、平成2年をピークに減少傾向にあったものが、この2、3年はほぼ横ばいであったとお聞きをしております。
そこでまず、本年9月末の交通死亡事故による死者数の状況と、最近5年間の交通事故による死者の推移をお願いいたします。
本(平成23)年9月末の交通事故による死者数の状況と、最近5年間の交通事故による死者数の推移についてお答えをいたします。
府下における本年9月末における交通事故による死者数は156人で、前年と比較し20人の増加となっており、全国ワースト2位であります。
5年間の交通事故による死者数の推移については、平成18年が255人、平成19年が248人、平成20年が198人、平成21年が205人、平成22年が201人となっており、平成20年からは昨年まで200人前後で推移しております。
ただいま、交通事故で亡くなった方の数はこの3年間200人前後で、また本(平成23)年は前年と比べて増加しているということでございました。交通死亡事故を減らすことにつきましては、私たち府民も何より心がけねばならないことと感じております。
我が会派の政調部会で、この8月、北海道警察本部にお伺いをいたしました。北海道は交通事故による死亡者数が毎年全国ワーストレベルにあるということは、もう皆さんも御存じと思います。だからこそ、その事故の原因、特徴というものを分析をし、対策を講じられているのではないかと考えまして、その参考にすべき点をお伺いに行ってきた次第でございます。
北海道の交通死亡事故の特徴は、正面衝突や車両単独のものが全国と比べてそれぞれ1.8倍、1.2倍あるそうです。単調な道路を長い距離、真っすぐ走るということで、居眠り運転をしやすいということがあるそうです。
そこで、北海道警察本部としても、重点路線で警戒をすること、マスメディアや街頭での広報啓発活動--一つ感心しましたのは、センターラインにくぼみをつける、こうすることで、うっかり居眠り運転をしてセンターラインをはみ出たときに車に振動を与える、それで目を覚まさせるという、こういったような工夫をされていると非常に感心したんですが、このようなさまざまな対策の効果と思いますが、交通事故により亡くなった方が前年より約20人少なくなっているそうです。
一方、大阪府内の交通死亡事故の特徴を見ますと、自転車に乗っているときの事故、飲酒運転による事故が多発しているとの、こちらの新聞報道がございました。特に飲酒運転による痛ましい死亡事故は全国各地で起きてきましたが、そのたびに感じるのは運転者の当事者意識のなさです。この程度なら大丈夫との思い込みや思い上がりがとんでもない死亡事故を引き起し、取り返しのつかない結果を招いております。
そこで、新聞報道でもございましたが、改めて大阪府内の本年の飲酒運転による交通死亡事故の発生状況をお聞かせください。
大阪府下における飲酒運転による交通事故の発生状況についてお答えいたします。
8月末現在、飲酒運転による交通事故は193件、前年比マイナス41件発生しており、そのうち死亡事故件数が12件、前年比プラス5件であり、13人の方が亡くなっており、発生件数、死亡事故件数とも全国ワースト1位となっております。
大阪府内の飲酒運転による交通死亡事故は、発生件数も死亡事故件数も全国最悪との、非常に厳しい、また悲しむべき状況でございます。
飲酒運転の車は走る凶器であります。府警でも飲酒運転の根絶に特に注力されていることは承知をしておりますが、主な取り組みについてお聞かせいただけますでしょうか。
飲酒運転に対する主な取り組みについてお答えいたします。
府警では、飲酒運転を撲滅するために、飲酒運転の取り締まりの強化、広報啓発活動の強化などの対策を推進しております。
まず、飲酒運転の取り締まり強化につきましては、特に重大事故につながる悪質危険性の高い違反であるということから、府下一斉検問等における運転者の検挙を初め、酒類の提供、車両の提供、要求・依頼しての同乗行為などの背後責任の追及についても力を入れております。
次に、広報啓発活動の強化につきましては、交通安全キャンペーン等を通じ、広く府民に対し飲酒運転の悪質性、危険性、交通事故の悲惨さを訴えて、意識改革を図っているところであります。
また、9月14日には大阪府知事による飲酒運転撲滅宣言がなされたところであり、府警では、今後も徹底した飲酒運転の取り締まりを強化していくとともに、自治体、関係機関・団体等と連携した広報啓発活動を推進し、飲酒運転撲滅の機運を高めてまいりたいと考えております。
まず、交通死亡事故対策、中でもこの飲酒運転の取り締まり、根絶に向けた取り組みをお聞きをいたしました。言い古された言葉でありますが、「飲んだら乗るな、飲むなら乗るな」、これはまず、やはりだれしもが心がけなければならないことであると思います。
先日、私、地元淀川区の地域振興会、赤十字奉仕団大会に出席をしましたが、そこでも淀川警察署を初め、また地域の諸団体が集まっての飲酒運転撲滅宣言というものが出されておりました。この、まず飲酒運転をしない・させないという取り組みを府民、私もその府民の一人としてしっかりと取り組んでいかなければならないと思います。
また府警の皆様におかれましても、府警でなければできない検問摘発といった、こういった取り締まり活動、取り組みをしっかりと今後とも強化していただきたいことをお願いをしておきます。
2011年10月11日
続きまして、大阪府内の性犯罪の現状と、装備資器材等の整備についてお伺いをいたします。
先ほどの質疑の中で既に、性犯罪の発生状況に関しまして、平成22年中の強姦の認知件数が119件、強制わいせつの認知件数が1078件、強制わいせつについては全国最悪とのお答えがございました。また、本年8月末現在の強姦の認知件数が76件と、前年よりは減少しているものの、強制わいせつの認知件数は832件と、前年を上回る認知件数とのことでございました。
ことし(平成23年)の2月定例会で、我が会派の谷口昌隆前府議より、性犯罪対策についての一般質問がございました。そのときも、警察本部長より捜査体制を強化するとの趣旨でお答えをいただいております。
この性犯罪対策としましては、重ねての質疑となりますが、今議会に上程された補正予算案にも、緊急治安対策事業としまして、街頭犯罪、交通死亡事故、性犯罪、それぞれの対策を推進するための各種捜査用の資器材の拡充というものが計上されております。
この性犯罪の検挙に向けた取り組みをお聞かせいただけますでしょうか。
性犯罪の検挙に向けました資器材面などでの取り組みについてお答え申し上げます。
性犯罪を含めまして各種の犯罪一般に関しましては、何よりも早期に被疑者を検挙いたしますことが府民の皆様の期待にこたえるものであります。最も安心感を感じていただけるというものであると考えておるところでございます。
捜査員の体制強化を進めておるところでございますが、これとあわせまして、初動捜査をより一層徹底するとともに、客観証拠をより多く確実に収集するために、各種装備資器材の強化につきましても積極的に進めてまいりたいというように考えておるところでございます。
具体的には、さきの議会で予算措置をしていただきましたDNA型鑑定を専門に行う施設、これはまだ仮称でございますが、第二科学捜査研究所の開設に向けまして、ただいま準備を進めておるところでございます。
その他、DNA型鑑定と同様に、被疑者の割り出し、あるいは検挙後の立証に極めて有効な画像情報の収集分析のための各種カメラなど、資器材の整備充実を図って、一件でも多くの検挙解決に向けて全力で取り組んでいるところでございます。
以上でございます。
犯罪はすべてそうだとは思いますが、やはり検挙することが何よりの対策、予防策になると思います。
先ほどの御答弁でもございました性犯罪、何より被害者の心や体に与えるダメージが極めて深刻であり、地域社会に与える不安も著しいものがございます。しっかりとうまく器材も活用し、そしてまたマンパワーもしっかりと活用していただきまして、一人でもこの痛ましい被害者が減りますように力を入れていかれますことを要望しておきます。
2011年10月11日
最後に、警察官の健康管理という観点でお伺いをいたします。
先ほどの質疑の中で、今回捜査用の資器材を拡充するというものが補正予算に計上されておりましたが、どんなに時代が進んで、警察の捜査、いろんな手法が進む、例えばDNA鑑定の手法が進む、カメラの解析度が上がる、日常業務を支援する上で、例えばコンピューターが入っただけでも、いろんなデータ管理、過去の記録を探すのが簡単になった、どんどん変わってきたと思います。
これから先も、そのときそのときの最先端の技術をうまく使って捜査に役立てていただきたいわけですが、そのように幾ら資器材が進んでいったとしても、使うのはやはり生身の人間です。府民の安全安心を守るという警察活動におきましては、やはり警察官の皆さんが心身ともに健康で働けるということは、何より大事であると考えます。
そこでまず、体の面での健康管理についてはどのように取り組まれているのか、お聞きをします。
警察官の体の健康管理対策についてお答えをいたします。
委員御指摘のとおり、警察官の健康管理対策は、本人はもとより、警察の執行力を最大限に発揮するために極めて重要な課題と認識しておりまして、強力に取り組んでおるところでございます。
まず、健康診断につきましては、全警察官を対象に年1回定期健康診断を実施いたしますとともに、40歳以上の警察官に対する胃部検診、さらに50歳以上の警察官に対する腹部超音波検診などの特別検診を実施しております。
また、一昼夜勤務を行う交替制勤務者に対しましては、その勤務が深夜に及ぶ形態でありまして、睡眠や食事が不規則となって体調を崩しやすくなるということから、深夜業務従事者検診を実施しております。これによりまして、交替制勤務者は定期健康診断とあわせて年に2回の健康診断を受診することになります。
このほか、健康診断の結果に応じた個別の保健指導、それから健康管理に関する職場教養などを実施するなど、職員の健康増進に向けた総合的な諸対策を積極的に推進しておるところでございます。
次に、心の健康という観点からお伺いをいたします。
警察官は職務上、悲惨な犯罪や交通事故の現場など、一般の方々がほとんど目にするようなことのない場面に遭遇する機会が多いと考えます。そもそもが使命感に燃えて警察の仕事を選ばれたという人たちの集まりであると思います。だから、強くなければならない。強くあることが求められているがゆえに、かえって、この大変なとき、つらいということがなかなか言い出せないのではないかと思います。
この心の健康に関しましても、早い段階で対応することで、本人、家族、またその職場の周辺周囲の皆さん、その負担が軽くなると考えますが、府警でのこの心の健康管理の対策についてお伺いをいたします。
警察官の心の健康管理対策についてお答えをいたします。
心の健康管理につきましては、まず警察官個々に心の病に対する正しい認識を浸透させることが肝要であると考えておりまして、そのために、幹部職員を対象としたメンタルヘルス研修、それから昇任異動者を対象としたセルフチェック、そして視聴覚教材を用いたメンタルヘルス教養、さらに保健師、臨床心理士による所属を巡回しての個別相談などを実施しております。
さらに心の病を発症した警察官に対しましては、本人、家族、所属幹部、産業医、保健師などが緊密に連携をしまして、職場復帰支援を行っております。
なお、職員のさまざまな悩み事の相談に対する助言指導を行うために、本部庁舎内に職員相談室を設置しまして、専従職員を配置して相談を受け付けておりますほか、必要により医師などを紹介するなど、適切な対応を行える体制を整えております。
また、職員相談室では匿名での相談にも応じておりまして、職員が安心して相談できるように配意をしております。
このように、警察官の健康増進と疾病の早期発見、早期治療のための各種対策を鋭意推進しておるところでございます。
せんだって(平成23年)8月に、私ども警察委員会で岩手県のほうを視察させていただきました。手配をいただきました府警本部の皆さん、本当にありがとうございます。私にとっても非常に有意義な視察となりました。本当にありがとうございます。
共同通信社の配信した東日本大震災に関するニュース特集というところで一つ気になったのですが、ある西日本の警察官が被災地に送られた。そして、そこでやはりいろんな大変な思い、つらい思いをして帰ってきた。帰ってきてなかなかやはり外にしゃべれない。職場でしゃべっても、下手したら何か自分にかえって不利益が来るのじゃないのか、そういったことを心配されて。ただ、まだそこに一緒に行った人はいますから、一緒に行った人同士でそのときの大変な思いを話すことで、その思いを少しでも軽くしようとしている、そういったような記事が出ておりました。
やはり、体の健康も健康診断等で早く見つけるということが大事ですし、心の健康管理という面も、先ほど言いましたとおり、言い出しにくい組織であっては本来いけないと思います。やはり使命感を持ってこの職を選ばれた皆様が健康で働いていただけることが、何より府民の安全安心につながるものと思っております。
また、さまざま警察の皆様には、各種犯罪捜査、いろんなところで大変だと思いますが、どうかしっかりと体の健康・心の健康管理、幹部の皆様が部下の皆様によく目配りをしていただきまして、それも大阪府民の安全安心を守る仕事の重要な役割であるということでまた取り組んでいただければと思います。
以上で私の質問を終わります。ありがとうございます。