大阪府議会議員 かじき一彦 公明党

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府民文化委員会 知事質問

2011年3月10日

英語力の強化

質問

 本日は、国際交流戦略という項目で知事質問、通告をしておりますが、そこに入る前に、ちょっと知事の英語力についてお聞きをしたいと思います。

 これは3月2日付のメールマガジン、橋下知事のコラムというところで、これからのグローバル化した社会では語学力は欠かせません。私自身、出張で英語ができなくて悔しい思いをしてきました、というふうに述べてはります。

 このお気持ちはそうなんやとは思いますが、うわさに聞きますと、いや、知事の英語力はなかなかどうして、聞いてるほうはちゃんとわかってはるんやないのかとか、実際また、この悔しい思いをしてきたというこのところが、今、実は知事、こそっと英会話を勉強してはるんやないのかとかいうようなうわさも聞いております。

 実際、中学校、高校、知事と私と1年しか違いませんから、その時代の英語教育というと、まさに受験英語の教育で、使える英語とは全く無縁の英語やったと思うんですが、今現在、知事の実際お感じになっている英語力、そしてまた知事が、まず使える英語に対して今頑張っているというようなことが何かありましたら、教えていただけますでしょうか。

答弁
橋下徹知事

 いや、一時期ちょっとやろうかなと思って、それこそツイッターで書いたんですが、前原大臣のああいう問題でいろいろ外国人献金で問題になりましたから、僕も政治資金パーティー、外国人にパー券を売ってますんで、そのアメリカ人にちょっと英会話を何回か習おうということで法律事務所でやったんですけども、いやあ難しいですね。あと、よく新聞広告で出てる、これ言っちゃうと特定名になりますが、あのCDですね、うわさの。あれも全然だめでしたね、これ。

 ただ、本当にここに何日間滞在ですかなんて言われたときに、2泊3日と答えるのも、ツーナイトなのかツーデーなのか、ツーデーズなのか、そこもごっちゃになってるぐらいの英語力で、もうやめました。もう僕はいいと。やっぱりもう次の世代に託そうということでやめまして、現在はもう英語じゃなくて、ひたすら大阪市政とか大阪府政について、特に大阪市政について勉強してるような状況です。

 本当に英語、子どもを見てても、これは全然進歩なくて、僕らがやってたときの英語教育と同じことをやってるので、非常にこれは心配ですね、今。

質問

 知事がこれまで15回海外出張されましたということで、ちょっとあれこれかちかち探してましたら、シンガポールの首相を訪れたときの記事というのが、これはシンガポール首相府のホームページから出てきまして、もう片一方はせんだってインドに行かれたときの話というのが、インドの向こうの団体、CII、インド版のいうたら経団連ですわね。こちらのサイトからも何か出てきました。

 ここで知事は、大阪ではそれこそつくれないものは何もないというようなことを発言されたとかいうようなことが出ておるんですが、物は考えようで、トップが特定の外国語ができるという場合の不幸というのもあると思うんです。どうしてもその言葉で通じる国しか行かなくなる。英語は確かにもう今や実質世界共通語ですので、できたほうがええのんかもしれませんけど、もうトップですから、変に言葉にこだわるより、どちらかというとその考え方ですとか、まさに指揮権の部分やと思うんです。

 私自身、大学時代に1年イギリスに留学しました。それである程度英語を使えるようになったということで、その先、道が開けて、13年新聞記者をやっておる間に英語で取材することもあり、英語で記事を書くということもやってまいりました。

 でも、そのときに、学生時代にお世話になったベルギー人の先生が、ベルギー人ですので、英語とフランス語とドイツ語と、あと多分オランダ語が最低しゃべれると思うんですが、この先生にバイリンガルて何ですかと聞いたんですよ。バイリンガルて何ですかと聞いたら、その先生が言ったのは、バイカルチュラルだと。つまり二つの言葉をしゃべるということは、二つの文化がわかる人だ。そういうことを話をされたのを非常に覚えております。

 多種多様な物の考え方、価値観、そして相手さんの歴史を、そういったことを学んで評価をしていく。それは、別に何も外国語ができなくてもできる話やと思います。そういう素養のほうを知事はしっかりと身につけていただいたら、それこそまさにグローバル人材として、ますます活躍できるんやないのかと思います。

 そこで、これからの世代のまさにグローバル人材ということなんですが、これもあるところで議論をしておりましたら、私、大学時代に留学をしました。加治木さん、やっぱり大学は遅いんですと。高校時代に留学してください。何でですか。高校までに英語を勉強するんですと。高校までに英語を勉強したら、大学は英語で勉強するんですと。大学、大学院へ行ったらもう英語で勉強する。こうやっていって能力を高めていってほしいと。

 そこで、あれこれ調べてましたら、大阪府もカリフォルニア州との間で友好都市交流があって、高校生を派遣している。オーストラリアのクィーンズランド州には英語の先生を送っている。まあいうたら、まさにあり物の交流があるわけです。しかも、英語圏です。こういったところに、こういった今までの環境をうまく生かして、大阪の高校生をもっともっと送り出せるような、そういう後押しをしてほしいと思うんですが、いかがでしょうか。

答弁
橋下徹知事

 できる限り若い世代を外に出したいという気持ちは、もう委員と同じように強く持っておりまして、まず先生に海外の状況に触れてもらうということで、今回予算で審議してもらってますけれども、先生を数百人単位で海外に行かして、それは短期間なんですけども、日本の甘っちょろい教育状況じゃない海外の現実を知ってもらうということと、もう一つは、若い世代に、特に大阪府の場合には高校を所管していますので、この高校生に海外に出て行ってもらいたい。ただ、これも財源がいろいろかかります。

 そういう中で、今回提案させてもらってる、TOEFLの一定の基準を満たしたところには5億円を十何校に配分するというあの中で、校長のマネジメントのもとで子どもたちを海外に送り出してもらうということに、あのお金を使ってもらっても構わないと思ってます。

 それは学校のやり方次第なんですけれども、うまくいけば今までにない数の子どもたちを海外に送り出すことができるし、TOEFLの一定の基準を満たすということが前提になってますから、単純な観光旅行ではなくて、本当に英語というものにある意味能力を身につけた子どもたちを外に送り出せるというようなことになるんではないかなというふうに思ってます。

2011年3月10日

大阪府の国際交流戦略

質問

 ありがとうございます。新年度予算で5億つけていただいたということです。まずはいろんな仕組みを使っていただきたいと思いますし、私自身、余り経済的に裕福やなかったです。その立場から考えるならば、例えば育英会の奨学金制度もあります。例えば、留学に行くときに育英会からちょっとお金を貸してあげる。大きくなったらちゃんと返すんやでと、そういうような運用の仕方もまた考えてもらったらええんやないかなと思います。

 あれこれ2年間この府民文化委員会におりまして、知事とこれまでずっと文化を通じた次世代育成ということで議論してまいりました。

 きょうはもう質問項目に挙げてませんので、思いだけちょっと話さしてもらいますけど、先ほど言いましたとおり、その能力と人格の部分、能力は例えば英語教育でもいわゆるペーパーテストの部分でも、そういうところはここの所管じゃない部分のほうが大きいんですが、やっぱり文化を通して歴史を知る、また人を思いやる心を育てる、そういったことをやってこそ初めてグローバル人材というのができてくる。

 大阪のそういう、さすが大阪で教育を受けた子どもは違うなと言ってもらえる、そういう人材が育ってくるんやないかなと。これはまさに一朝一夕にできる話ではないです。また、今それをやっても、それがわかるのは、その子が大きくなって10年か20年か30年かわかりませんけど、その先の話です。そういったところをしっかりと見据えて、またこの手は打っていただきたいと思います。

 それと、先ほどちょっとお話しあった中で、印象のある都市にシンガポールというのがあったんですが、ちょうどシンガポールで今回の予算の中にもいわゆる統合型リゾートというのもあります。やっぱりこういうところに一つ知事も引かれたんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。

答弁
橋下徹知事

 もうおっしゃるとおりで、イメージしていたカジノ施設というものの概念を本当に覆した、そういう非常に衝撃的な視察でした。

質問

 もう1回、3月2日のメールマガジンに戻りますが、これはまさに大阪が都市間競争に打ち勝ち成長を続けていくためには、国内だけを見ていてはいけない、世界、アジアを見据えた戦略を立てなければならないというふうに感じてきました、とあります。

 知事は、いつも部局の人にPDCAやと叫んではると思うんですが、予算編成権は今のところ知事がお持ちですから、今回これがまさに知事なりのPDCAのあらわれなんかなと思うんですけど、いかがでしょう。

答弁
橋下徹知事

 もうおっしゃるとおりで、部局は執行するということが仕事ですから、そこで行政の事務執行のPDCAということを回していくことがそのPDCAになるんですが、僕の場合にはもう最後、予算編成ということですから、見てきて感じたことをこの予算編成に反映させると。中国やこのシンガポール、タイ、ベトナム、台湾、香港も含めて、もういろいろ韓国も、それからヨーロッパのときには地方議会制度を見させてもらったんですが、特に今回の予算編成では、教育の分野、観光の分野、そういうところでこの海外視察をしてきて感じたことを今までにない形で、予算編成という形で集大成が図れたかというふうに思っています。

質問

 また、委員会質疑でも取り上げさせてもらったんですが、府庁の国際化というところで、せんだって朝倉委員と国際交流監のやりとりの中で、やはり府庁の国際交流・観光課に限らず、各部署に外国語のできる人材を置くような体制をとる。それができれば理想的だというようなお話もあったものですから、これはこの委員会の所管外なんですけど、例えば秋に留学経験者、もう留学から帰ってきて大学でも大学院でもいいですけど、たしか今の日本の就職のサイクルですと、留学から帰ってきてすぐさあ就職先を見つけれるかといったら、なかなかない。

 そんなときに大阪府のほうで--ですから、もちろん使える英語なり中国語なり韓国語なりができるというのが大前提ですけど、そういった留学経験者の採用枠、何人か、1人か2人か5人か知りませんが、そういったような採用をあえてして、大阪府庁に新しいそういうグローバル人材の素材を獲得していくというのも一つありやと思うんですが、いかがなもんでしょうか。

答弁
橋下徹知事

 23年度から採用方針をもう革命的に変えて、特に行政職はこれまでの公務員試験というものの準備をやらなくても、通常の民間組織の就職活動をやってるようなメンバーでも受験できるような、そういう仕組みにもう変えます。アメリカの政府機関で働いている人を見ても、日本部長をやったりいろんなメンバーは、いろんなところで日本の代議士秘書をやった、あれはだれでしたっけね。元アメリカの総領事だったり、今ちょっと名前は忘れちゃいましたが、とにかくいろんな経験をやって政府の中に入ってくると。こういうのが必要だと思うんですね。

 ですから、この留学生枠というものも、枠をとれるかどうか、今30名程度の採用でやってますから、そこをすぐにとれるかどうかわかりませんが、でもそういう方向になるというふうに思ってます。もうオープンでエントリーシートと通常のいろんな面接とか論文とかそっち側でどんどん採用していきますから、その中で外国経験というものが非常にプラスになる。採用においてプラスになるという、これも重要なプラス要素になると思いますから、枠をつくらなくてもそういう人材がどんどん府庁で活躍するような、そういう組織にしていきたいというふうに思ってます。

意見

 実際、今なかなか学生が異国に行きたがらない。その1つは、帰ってきて就職が見つからない、また自分の海外経験をきちんと評価してくれるところがない、そんなことをよく聞きます。逆に言ったら、だからこそねらい目なんやと思います。大阪府に来てくれたら、何もすぐ海外交流の部署に行けるわけじゃないにしても、あなたの可能性をこうやって引き出すことができますよ、ぜひとも挑戦してくれませんかと。

 組織として、やはりそうやって魅力のある大阪府庁になってほしいと思いますし、また知事もいろんなことがあって大変やと思いますが、今、大阪府庁のトップですね。大阪府庁をどうやったら魅力ある組織にできるのか、またこれからも考えていただきたいと思いますし、またこちらはいわゆる監視機関、チェック機関の側として、どうやったら大阪府が、また大阪府庁が魅力的な存在になるのかということを考えて発信していきたいと思います。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。