大阪府議会議員 かじき一彦 公明党

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府民文化委員会 知事質問

2010年3月18日

アーティストがめざす都市大阪づくりについて

質問

 本日は、アーティストがめざす都市大阪づくり、そしてまた文化を通じた次世代育成についてという観点で質問をいたします。

 まず、アーティストがめざす都市大阪ということで、文化振興新戦略案には盛り込まれております。

 一般の質疑の中で、イルミネーションやkappoの街角コンサート、またミュージックラバーズストリートについて質疑をさしてもらったわけですが、ああいう場所はまさに未来を夢見るアマチュアアーチストまたはセミプロにとって非常にいい舞台であります。

 その人たちがこれからのキャリアの中で、こういうところに出た、公のイベントに出たというのが、やはり一つ、言ってみれば箔づけになって、また次の機会が開けていくというふうになっていくと聞きました。実際、参加した人間からもそういうふうに聞いておりますし、特にkappoの次に、イルミネーションでもこういうのがあるよと言ったら、みんな喜んで、じゃ、僕も出たい、私も出たい、そういうふうな状況になっていたそうです。

 ですので、大阪府として、このアーティストがめざす都市という中で、大阪府のさまざまなイベント、また府有の施設なり公園なりでこういう人たちにもっと出てもらいやすくする。別に金銭的な支援ではなくって、場を提供するという取り組みをもっとされてはどうかと思うんですが、知事のお考えをお聞きします。

答弁
橋下徹知事

 知事に就任してから、いろいろ文化行政についても自分でも悩みながら、一体文化行政とは何ぞやということを自分なりに勉強してきまして、もちろん知事に就任する前から、文化についてもいろいろコメンテーターという立場で発言の機会がありましたので、考えてきた中で、僕は、文化というものに関して、守るもの、守らないもの、それを行政が判断するのは行政の傲慢じゃないかなというふうに僕は思っていまして、もちろん、守るべき文化はあると思うんですけども、ただ、それは行政が判断するものじゃなくて、やっぱり最後は民が判断していくものだというふうに思っているんです。

 ただ、ここはまたいろいろ意見が違うところもあるんで、また議論させてもらいたいんですが、行政としては、守るもの、守らないものの選別じゃなくて、その活動をサポートしてあげる、場を提供してあげる、その中で民に思う存分文化活動をしてもらって、後、民がこれは守るべきものということになれば守られていくんでしょうし、そうじゃないものというものは守られていかなくなる。

 いずれにせよ、行政というものは、民が文化活動をすることの環境を整えることに僕はまず全力を尽くすべきだというふうに思っておりまして、今までやってきた文化行政を全否定するわけじゃないんですけども、担当職員も今までやってきたことを否定されたような気になって、多分なかなか、すぐさまそういう意識、方向性、かじを切るのは大変だったかとは思うんですが、今徐々に、今委員から御指摘のあったああいう事業が成功をおさめる。多くの方に参加していただいて、みんなが文化活動--歌ったり踊ったり、いろんなことを発表して楽しんでもらう、そして満足感を得てもらっているというような光景を目の当たりにして、こういう方向性でも一回やってみようかという雰囲気に今なっているのかなというように思っています。

 もちろん、守っていくというこれまでの方向性、これを全否定することはないんですけれども、ただ、府民の皆さんが文化活動をする、その環境をつくっていくということに僕は軸足を置いて文化行政を進めていきたいなというふうに思っております。

2010年3月18日

文化を通じた次世代育成について

質問

 ありがとうございます。

 もう一点の次世代育成についてであります。

 今まで確かに次世代育成、文化芸術に触れる、体験するという、これももちろん大事でありますが、中学生、高校生ぐらいになると、今度は自分たちが人前で演奏したり、演技をしたり、何がしかの作品を展示する、こういった活動をすることで子どもたちの力を、可能性を引き出すことができるようになってくると思います。

 たまたまきのう、東淀川高校の校長先生と帰りに地下鉄で乗り合わせまして、東淀川高校、今度、吹奏楽部が池田の市民会館で定期演奏会をするそうです。アマチュアなんで、当然お金は取りません。じゃ、その会場代どうするんですかて聞いたら、結局、子どもたちが自分らで払う分とOBのカンパで、あと学校の先生方が気持ちでお金を出し合ってその会場を使って演奏をしているということなんだそうです。

 別に、これは大阪府に施設をただで貸せという話ではありません。先ほども言いましたとおり、この世代の子どもたちの演奏、演技、作品、もっと目に触れてもらうことで、子どもたちも力を持つことができると思います。

 せんだって朝日新聞で、淀川工科高校の生徒があいりん地区で年に1回、定期演奏会をやっているという記事が出て、あれは結構有名な話なんですが、やはり演奏に行った淀川工科高校の生徒たちも感動して帰ってきた。聞いてた人も感動してた。

 こういうことで、まあ言うたらアマチュアですけど、自分たちの演奏でも喜んでくれる人がいる。演技でも作品でも喜んでくれる人がいる。そういったことで、まさに子どもが笑う大阪、子どもが笑うことで大人の人たちも笑ってもらえる大阪づくり、知事の目指しているところにも一致してくると思うんですが、いかがなものでしょうか。

答弁
橋下徹知事

 委員の御意見、もう全く同感でして、お金をかけていろんなものに、本物に触れさせることが次世代育成なんだと、これはもちろんそういう考え方もあると思うんです。財源に余裕があればそうすればいいと思うんですが、まずは、子どもたちが演じる、表現する場をとにかく提供する。表現させるということが僕は真っ先だと思っています。

 いろんな資料の保存だったり、施設を維持したりとか、いろんな館を運営したりとか、そういうことじゃなくて、府民活動をまずサポートする。表現させるというのが僕は一番の、何というんですかね、文化教育といいますか、やっぱり表現というのは物すごい難しいし、表現ということはほんといろんなことを考えなきゃいけないし、表現ということが一番自己実現の最高の価値だと僕は思っていますので、やっぱり表現の場を与える、機会を与えるということこそが、僕はもう文化行政の最大の優先順位じゃないのかなと。

 何か、見せるとか、体験させるとか、どっかの館に行ってこういうものを視察するとか何とか、教えられるとか、そうじゃなくて、やっぱり表現行為というのが--今、日本の国民性というか、日本の国民に一番欠けているのは表現力だし、子どもたちもその表現力ということを重視して教育も受けてこないですし、やっぱり表現力というのが僕は一番重要だと思っていますので、委員の御意見も参考にしながら、ちょっと場の提供を何とか与えられないのか、いろんなことで検討していきたいというふうに思っています。

意見

 確かに文化行政、いろんな観点、取り組むべきことがあります。やはりちっちゃいうちにいろんな一流のものに触れる、見る、そういう時期、そしてまた自分が表現するようになる時期、あると思います。

 松尾芭蕉が俳句の精神として不易流行という言葉を残しております。時代が変わっても変えてはいけない部分、時代が変われば時代とともに変わっていく部分、それがしっかり相まったからこそ、今や俳句は世界の俳句になっております。

 大阪の文化もその不易流行で、大阪の文化はさすがだと、世界に通用するものだと言われるようになるように、ぜひとも知事も応援をしていただきたいと思います。

 以上でございます。ありがとうございました。