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2016年12月16日
こんにちは。公明党府議団の加治木一彦です。
私からも、27年度教育行政に係る点検及び評価報告書に基づきまして、2つの項目について質問いたします。
まず、基本方針4、「子どもたちの豊かでたくましい人間性をはぐくみます」の具体的取り組みの81、国際理解教育等の推進についてお聞きをいたします。
平成27年度の国勢調査を見ますと、日本に住む外国人の人口は175万2000人と、昭和50年以降一貫してふえ続けております。
先日、さまざまな国にルーツがある子どもたちが集まる大阪市内のとある地域にお邪魔をし、学習支援の現場を見てまいりました。
国勢調査の結果を踏まえますと、日本語指導の必要な子どもたちが大阪市内でもふえ続けているのではないかと考えます。
現在どのような状況なのか、お聞かせください。
大阪府におきましても、日本語指導が必要な児童生徒は年々増加する傾向にあり、5年前の平成23年度は1654人でしたが、ことし(平成28年)の5月1日現在の調査では、小中学校合わせて2121人となっており、調査以来最多となっております。
特に近年は、さまざまな国から来日する傾向が見られるため、当該児童生徒の母語--母語といいますのは、生まれ育った環境の中で身につけた言葉を母語と呼んでおりますけれども、その母語の数は、5年前は29言語であったところが、今年度35言語に上っております。
あわせて、これまで日本語指導が必要な児童生徒が在籍していなかった小中学校に、海外から直接編入してくるケースがふえておりまして、現在、当該の児童生徒が在籍している学校は500校を超え、全小中学校のうち3校に1校という状況になっております。
日本語指導の必要な子どもたちが年々増加をしており、直接地域の小中学校に編入されるという事例もふえているとのことです。
子どもたちの母語、家庭環境、日本の滞在歴など一人一人の状況が異なる中、現場の教員は対応に追われているのではないかとお察しをいたします。
府として、この日本語指導にかかわる教員にどのような支援をしているのか、お聞かせください。
委員お示しのとおり、学校現場ではさまざまな課題に対応することが必要となっております。
府といたしましては、児童生徒が海外から直接編入したときの受け入れマニュアル、渡日間もない時期の児童生徒に日本語を教える際のアイデア集、日々の授業に役立つ日本語指導の指導事例集を、現場のニーズに応じて3種類の指導者用の資料として作成し、全小中学校に配付をしております。
加えて、日本語指導にかかわる教員を対象に、年間3回の研修を行っております。研修では、どのように日本語指導に取り組めばいいかわからないという参加者もいることから、実際に日本語指導をしている場面のビデオを見て具体的な指導方法を学んだり、参加者同士で日本語指導に関する情報交換を行ったりということもしております。
子どもたちへの日本語指導は、内なる国際化を考える上で非常に重要な取り組みと考えます。国も次年度予算の概算要求で、日本語指導にかかわる予算の増額を検討しているとのことですが、子どもの増加やニーズの多様化に学校現場が今追いついているのか、非常に気がかりであります。
日本語指導が必要な子どもたちは、日本語を学びながら日本語で授業を受けるという大変な状況に置かれています。私たちに置きかえて考えるなら、英語を学びながら、英語で算数や理科、社会を学ぶということです。大変さが少しは想像できるかと思います。
外国にルーツを持つ子どもたちは、国際化の最先端を行く大阪にとって大切な宝物の存在です。彼らを通し、大阪の子どもたちも、異なる文化があることを体感でき、視野を広げることができるのではないでしょうか。大阪で学力をしっかり身につけられるよう、府には日本語指導の支援、引き続き力を入れていただきますよう、お願いしておきます。
2016年12月16日
続きまして、基本方針9、「地域の教育コミュニティづくりと家庭教育を支援します」に関し質問いたします。
現在、国会で審議をされておりますチーム学校運営の推進等に関する法律案の第3条には、学校の教職員と学校の関係者等、具体的には保護者、地域住民、児童等に対する教育に関する活動を行う民間団体等の関係機関が連携し、及び協働することを通じて、児童等に対する教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚し、児童等に対する教育に自主的かつ積極的に取り組む地域社会の実現に寄与することと記されております。
さらに、現在、学習指導要領の改訂作業が進められておりますが、その基本方針として、社会に開かれた教育課程の実現が示されるなど、昨今の学校教育をめぐる改革の方向性においても、学校と地域の連携協働がますます重要となっております。
府教育庁は、学校と地域が協働して地域の子どもたちを育てる教育コミュニティづくりに取り組まれております。こうした学校支援活動は今後もしっかりと力を入れて続けていくべきと考えておりますが、現時点での府教育庁の認識をお聞かせください。
府教育庁では、教育や子育ての課題を学校、家庭、地域が共有し、課題解決に向けた協働の取り組みを通じまして、新たな人のつながりをつくり出す教育コミュニティづくりに取り組んでまいりました。
具体的には、登下校の安全見守りや授業の支援、放課後の学習支援、部活動の支援などの学校支援活動や放課後の居場所づくりの活動、あるいは親学習などの家庭教育支援活動の取り組みなどを通して、地域の大人が子どもたちに寄り添い、成長を支えていると存じます。
府教育庁といたしましては、補助金による経費の支援やコーディネーターのスキルアップを目的とした研修会の実施などにより、こうした市町村の取り組みを支援しており、今後も教育コミュニティづくりの充実発展に努めてまいりたいと存じます。
府教育庁は、こうした取り組みがどれだけ進んでいるのかを判断するに当たり、大阪府教育振興基本計画で、学校支援地域本部などの学校支援ボランティアの仕組みにより、保護者や地域の人が学校における教育活動やさまざまな活動によく参加してくれると回答している学校の割合を点検・評価の指標に選び、目標値を平成24年度の計画設定時の倍増を目指すとしております。
そこで、この指標でいうところの学校の割合はどのように調べているのでしょうか。また、これを指標にした理由についてお聞かせください。
この指標でございますが、国が実施いたします全国学力・学習状況調査の学校質問紙の設問に基づいており、「よく参加する」「参加する」「余り参加しない」「全く参加しない」、その四択から学校長が回答するもので、そのうち「よく参加」の回答をした割合を指標としているものでございます。
これを指標とした理由は、府内で一定定着した活動をさらに活性化するため、「よく参加する」割合を指標としたものでございます。また、その際、全国統一の調査を活用することで、全国データとの比較ができること、また指標の推移を調べるため、新たな調査をすることで学校に負担をふやさないようにすることなどから、全国学力・学習状況調査を活用することとしたものでございます。
指標に選んだ理由、その考え方については承知をいたしました。
では、計画策定時の平成24年度以降の推移と本(平成28)年度、今回のこの結果はどのようになっているのか、お聞かせください。
指標の推移でございますけれども、計画策定時の平成24年度の実績値は、小学校が32.5%、中学校が32.3%でございますが、その後の推移といたしまして、小中学校ともに増加しております。しかしながら、目標値に対する増加幅は少ない状況でございます。
具体的に、平成28年度の大阪府の状況でございますが、小学校で「よく参加する」と回答した割合は42.9%となっております。また、「よく参加する」以外の「参加する」が46.2%、「余り参加しない」が5.4%、「全く参加しない」というのも同じく5.4%となっております。
中学校でございますけれども、「よく参加する」と回答した割合は39.2%となっております。また、同じく「参加する」というのが49.9%、「余り参加しない」というのが7.7%、「全く参加しない」というのが3.0%となっております。
「よく参加する」と「参加する」を合わせましたいわゆる肯定的な回答の割合は、小中とも約九割という状況でございます。全国と比較いたしますと、小学校で約2ポイント、中学校では約15ポイント上回っているという状況でございます。
「よく参加している」、また「参加している」という肯定的な回答の割合が約9割あったということは評価していいと思います。
一方で、「余り参加しない」「全く参加しない」という否定的な回答があったことは非常に残念なことであります。全国と比較してどのようになっているのでしょうか。
そしてまた、この否定的回答の背景に何が隠れているのか、その原因と現状というのはしっかりと把握をしていただきたいと考えます。地域の側に課題がさまざまあるにしても、府としてしっかりとサポートする必要があると考えます。府教育庁の取り組みについてお聞かせください。
次に、府教育庁におきましては、ヒアリング調査により、政令市を除く全中学校区におきまして、学校支援活動につきましてさまざまな状況について確認、あるいは状況報告を踏まえてヒアリング調査を実施しておりますが、特に「余り参加しない」「全く参加しない」といった回答のあった市町村教育委員会につきましては、直接訪問した上で、学校支援活動の状況や回答した学校長の考え方につきまして再度ヒアリング調査を行ったところでございます。
その結果、学校支援活動を授業補助などの学校支援に限定いたしまして理解するケースなどがあったことがわかり、市町村教育委員会を通じまして、改めて学校支援の活動内容等について周知を依頼したところでございます。
一方で、活動に参加するメンバーの高齢化やあるいは固定化などによって、今後の活動の継続について不安を感じる、そういった意見があったことから、学校支援活動や親学習など家庭教育支援活動を担う新たな人材を育成する研修などを実施しているところでございます。また、企業や団体などの協力を得て、放課後子ども教室での出前プログラムを実施し、活動内容の充実を支援しているところでございます。
今後とも、活動の新たな担い手や、これまで余り参加のなかった企業、団体などにも御協力いただきながら、教育コミュニティづくりのネットワークの拡大に努めてまいりたいと存じます。
私、今回この質疑を通して感じたことなんですが、この学校長の判断に基づく4段階評価の数値を点検・評価の指標にしたということが、果たして正しかったのかということです。
どの学校長も適切に判断したと思いたいのですが、学校長がかわれば、学校支援の取り組みは変わらなくても判断が変わるということは十分に考えられます。極端な話をすれば、全ての学校長が「よく参加する」を選べば、それだけで目標達成となってしまいます。次期の計画でも、学校支援活動について何がしかの数値による評価をするのであれば、公正性、客観性、再現性の観点から、数値目標の設定の仕方はよくよく考えていただきたいと強く求めておきます。
もとより、この学校、家庭、地域が連携をして学校支援をしていく、この取り組みはますます重要になってまいります。私自身も地元の中学校2校でボランティア登録をしておりまして、年に1,2回程度ではございますが、ボランティアで出かけております。中学生と接すると、こちらもいろんな学ぶことがあります。こういう発想をするのかとか、毎回楽しみにしております。
そこでボランティアのまとめ役をしてくださっている方、またその学校長とも話をしておるんですが、ボランティアに来ていただく方は、できる人ができるときにできることをしてもらえばいい。言うたら、勉強を教えられへん人に勉強を教えてくれというのは無理な話ですし、私、体育不得意ですから、スポーツ系の部活を教えてくれというのは絶対無理です。でも、できることをまさにできるときにできる人がやってくれればいい。そうやって裾野を広げて、より多くの人に、たとえ年に1回でも2回でもいいから学校に来てもらう、こういった取り組みをぜひ進めていきたいと、ある学校の校長先生、そのように話をされておりました。
ぜひともこの活動、多くの大人の目が入ることで、小学生、中学生、大阪の子どもたちのよりよい人間形成につながりますように、この活動に力を入れていただきたいと思いますので、今後ともしっかりとよろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。ありがとうございます