大阪府議会議員 かじき一彦 公明党

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府民文化常任委員会 参考人招致

2024年11月7日

オーバーツーリズム

質問

 公明党府議団の加治木です。今日はありがとうございます。私ども御紹介いただきまして、ありがとうございます。

 すみません、先ほど田中さん御自身もお話しされてましたツーリストシップという言葉のほうが多分引っかかりやすいと。レスポンシブルツーリズムとか、サステーナブルツーリズムといってもなかなか、ちゃんと英語を理解してたらそのとおりなんですけど、恐らく根っこにあるところは一緒やと思うんですが、改めてですけど、何が違う、こちらのほうが伝わりやすいと私も感じるんですが、そのセールスポイントを改めて聞かせてもらえますか。

答弁
田中千恵子(一社)ツーリストシップ代表理事

 ありがとうございます。

 サステーナブルツーリズムですとかレスポンシブルツーリズム、レスポンシブル、サステーナブルというと、エコのイメージがとても強いんですね、環境に対する。確かに旅先の環境に対する、北海道とか沖縄ですととても大事なんですが、町なかにおいて大事なのは、環境以上に暮らしへの配慮になってきます。暮らしへの貢献とか、暮らしと交流していく。この暮らしへの想像がなかなかサステーナブルツーリズムでは湧きづらいんですね。環境が強いので、環境でしょうと、すぐイコールで出てきてしまう。ですが、ツーリストシップというと旅行の仕方というか、旅行者精神になってきますので、暮らしへの配慮、旅先の人との交流というものが想像しやすくなってくるというところが大きく違ってくるかなと思います。

 また、シップ、一人一人が当たり前に持つものというところも大きく違ってきます。サステーナブルツーリズムも、理念としてはみんなが持っているものですが、一般の方からすると、意識の高い人が持っているものというような感じがやはりあります。ツーリストシップというのは、みんなが持ってるべきだよねと。ツーリストシップ、持たなきゃだよねとか、そういったスポーツマンシップみたいな形で、例示として並列できるものがあるというのも大きいかなというふうには思っているんですが、一人一人が持っていて、それを発揮していくものというところで、ささいなことから、自分ができる範囲からやっていこうというハードルの低さといいますか、一般的なハードルの低さがあるんではないかなというふうには感じております。

質問

 ありがとうございます。初めてその言葉に接したとき、スポーツマンシップという例示を出されましたけど、そこがやっぱり私もすとんと落ちたというか。

 私自身、本当に旅行が、若い頃は旅行が大好きで、バックパックをしょって、安い宿でポーランド語とロシア語と英語でウオッカを飲んで、お互いに何をやってるか分からんけど楽しかったなということがありました。先ほど言葉が通じなくてもと、物すごく分かりましたし、ですから、お互い楽しむという共通の根っこ、基盤がある。そこに、多分クイズ会に集まる人というのはそういう人でしょうから、それで成り立つんかなというのを感じました。

 あと、この前、コロナ禍でもう旅行がぱたっと止まったということがあったように、恐らくこの先も、起きてほしくないですが、多分10年に1回ぐらいはパンデミックが来るでしょうし、もっと来てほしくないのは戦争とか自然災害ですけど、本当、この旅行は平和産業やと思います。ましてや外国からお客さんが自由に来れるというのは、今言ったような移動を妨げるものがあればできない話ですので、ぜひとも何かそういう平和産業なんだと。個人と個人との付き合いですけど、そこから国際交流、国際理解が広がっていくんだというようなことも、ツーリストシップの中に、特に外国から来る人を相手にするときなんか、ふっと引き込んでもらえるといいかなと思いますので、また考えてみてください。

答弁
田中代表理事

 ありがとうございます。

 よく観光というのは平和産業とか、平和をつくっていく、友達をつくることで戦争がなくなるとか、いろいろ言われますが、実際、今、何が起きているかというと、住民の方たちは排他的な感じを持っています。どんどん排他的になってます。

 旅行者は日本に来て、特に国外旅行者は日本に来て、豊かな気持ちになって、日本はいいなと。人によってはそうじゃない方もいらっしゃるかもしれないですが、多くは、リスペクトを持ってもらって帰っていくと。寛容な気持ちになって帰っていただく。でも、住民はどんどん排他的になっていってると、その体験をつくるためにですね。これは搾取ビジネスになっちゃってると私は思ってます。だからこそ住民側も豊かな気持ちをつくってあげるような仕組みを、あるいはそういった環境をつくっていかないと、平和産業とは言えないんじゃないかというふうに思います。

 なので、私たちはそういったところもつくっていけたらいいなというふうには思っていますし、それを実現する、来てほしいと思ってもらえる旅行者になるということが、平和産業になることにもつながっていくと、それがツーリストシップの考え方なんじゃないかなというふうには思っております。

意見

 ありがとうございます。本当にそうです。

 まずはやっぱり知ることというのは物すごく大事やなというのはおっしゃるとおりですし、とはいえ、ちょっと前までの京都はそんな余裕はなかったと思います。本来、まちにはもっと余裕があったんやないかと思いますが、なかなか物理的にできない部分はあるかもしれませんけど、だからこそこの発想が大事で、理解を求める。こちらの側も、そういう発信といいますか、また逆に気がつかないよさ、自分たちにとっては当たり前かもしれないけど、旅の人にしてみたら、これってすばらしい点じゃないのかなと。お互いツーリストシップという基盤をベースに高め合えるような環境をつくっていっていただければ非常によいかと思いますので、意見ということで、私の発言は以上です。ありがとうございます。