第5期
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2011年
第1期
2月18日(日) 晴れ
3月16日の北陸新幹線金沢(石川県)―敦賀(福井県)間の開業を前に試乗会があり、同じ会派の垣見大志朗府議と一緒に参加しました。(写真1、2)
金沢―敦賀間には途中、小松(石川県小松市)、加賀温泉(同県加賀市)、芦原温泉(福井県あわら市)、福井、えちぜん武生(同県越前市)の5駅ができます。
私たちは敦賀から小松までを往復しました。乗車の際の行列をご覧いただけばお分かりの通り、どの車両もほぼ満員の状態でした。(写真3)
金沢―敦賀間が在来線から新幹線に代わることで大阪―金沢間は最速で22分短縮の2時間9分、大阪―富山間は同じく29分短縮の2時間35分となります。敦賀駅での在来線と新幹線のホームの間をエスカレーターで移動する手間が増えますが(写真4、5)、少しでも北陸との所要時間が短くなることをどう生かすかがカギになりますね。
敦賀駅には2018年、22年と来たことがあります。ここからは当時の写真と今を比較してみます。
18年当時、駅舎外面に北陸新幹線の広告はなく、新幹線ホームができる部分は建設機械が動き回っていました(写真6、7)
22年は駅舎外面に北陸新幹線車両の広告が登場し、新幹線の高架橋は完成していました(写真8、9)。一方で駅構内は内装工事の真っ最中でした。(写真10)
開業目前となった今回、駅舎外面の広告には「2024年3月16日開業」の文字が入り、駅構内の内装も完成しています(写真11、12)。
おまけの2枚。石川県小松市は大手建設機械メーカー、コマツの発祥の地でもあります。駅前には「こまつの杜」という広場があり、超大型のダンプトラックとパワーショベルが出迎えてくれます(写真13)。
敦賀駅の待合室にはペットボトルのキャップで作った作品が飾ってありました(写真14)。敦賀の観光名所、赤レンガ倉庫と由緒ある気比神宮の鳥居があります。子どもたちの楽しそうな表情が目に浮かんできました。
2月8、9日(木、金) 晴れ
会派で熊本県へ視察に行きました。私が前回訪れたのは2017年11月ですので6年余りの時間が過ぎています。16年4月の熊本地震からの復旧・復興の様子が各所で感じられました。
1日目はまず熊本地震で崩落した阿蘇大橋のあった場所にできた「数鹿流崩之碑展望所」(南阿蘇村)に立ち寄りました。対岸に落ちた橋げたが残されています(写真1)。山の斜面はしっかり補強されていました(写真2)。17年の訪問時は対岸から工事の様子を見ていました(写真3)。「全面通行止」「立入禁止」の看板が目立っていました。
無人化の施工技術を全面的に駆使し、調査、設計、施工をデジタル化したことで(一社)日本建設業連合会から20年、第1回「土木賞」を受賞しています。
次に熊本地震震災ミュージアム「KIOKU」(同村)へ伺いました。元は東海大学農学部阿蘇キャンパスだった場所を整備し、23年7月に開館しました。地震後に新しくできた施設内には被災した車や道路標識、地震の原因となった断層がわかる立体地図などの展示(写真4、5)があり、詳しい説明をお聞きしました。
屋外には断層でひび割れした地面がそのまま残され(写真6)、旧校舎も断層の真上にあった部分は窓枠がゆがみ、柱の鉄筋が露出するといった被害が残されています(写真7)。この断層が阿蘇大橋のあった場所へ伸びており、山の崩壊と橋の崩落も引き起こしました。
阿蘇外輪山と展示施設、旧校舎を背景に視察に参加した全議員で写真に納まりました(写真8)。
続いて阿蘇の観光名所、草千里が浜にある阿蘇火山博物館(阿蘇市)を訪れました。全国初の火山に特化した博物館として1982年7月に開館、2016年の熊本地震の際は断水や展示施設の破損で約半年の休館を余儀なくされました。
阿蘇カルデラは東西18キロ、南北25キロ、一周約100キロと大地にできた巨大なくぼみです。4度にわたる巨大噴火を繰り返して形成されました。
今も噴煙を上げる中岳の火口(写真9)には同博物館が超高感度カメラを設置し、火山活動を24時間365日記録しています。16年4月の熊本地震、半年後の噴火で一度は破壊されましたが、機器を入れ替えるなどして18年10月から再稼働しています。
館内は阿蘇山の成り立ちがわかるジオラマや、火山災害への備えを示す展示(写真10)などがあり、時間をかけてみたかったですね。
この日の最後は21年3月に開通した新阿蘇大橋(写真11、12)の展望所「ヨ・ミェール」(南阿蘇村)に立ち寄りました。橋脚の長さに驚かされます。また、熊本地震で崩落した斜面がよく見えます。
17年当時は対岸で橋の基礎工事が進んでいました(写真13)。16年11月着工なので、ほぼ1年経過したときの写真です。
2日目は熊本城(熊本市中央区)からスタートしました。地震による被害は約634億円、復旧工事が進んでいるとはいえ、域内には今なお石垣が崩れたまま残されている部分(写真14)もあります。案内していただいた熊本市職員の方によると、元の姿に戻るには2052年ごろまでかかるのではないか、とのことです。
天守閣は21年に修復工事を終え、立派な姿を見せてくれています(写真15)。こちらも17年当時は工事の真最中でした(写真16)。
観光客の通路として17億円をかけ鉄骨製の歩道橋がかけられました(写真17)。上下移動が必要な場所にはエレベーターがあり、バリアフリー化もできています。
続いて熊本県庁で半導体関連産業をめぐる状況について説明を受けました(写真18)。「シリコンアイランド九州」の中心が熊本県、という位置づけです。
1960年代の三菱電機熊本工場の進出を皮切りに、九州に半導体産業が集まってきました。熊本県は国の施策とも連動しながら企業誘致を進めました。背景には良質で豊かな水資源、多くの理工系人材を輩出といった地域の強みがあります。
現在、台湾に本社を置く世界的半導体メーカー、TSMCの日本法人、JASMが菊陽町に工場を建設中で、2024年中の生産開始を目指しています。
地元の地方銀行、九州フィナンシャル・グループが23年8月に公表した試算によれば、22年から31年までの10年間で熊本県内の経済波及効果は6兆8518億円を見込んでいます。
2月6日には熊本県内にJASM第2工場を24年末までに着工、27年末までに生産を始める、とTSMCが方針を決めました。さらなる経済波及効果が見込めます。
熊本県もこの好機を生かすべく「くまもと半導体産業推進ビジョン」をまとめました。①世界に半導体を供給し続ける拠点②半導体人材が集う拠点③半導体を核とした産業創出拠点、を目標に産学官金が連携して23年度から32年度までの10年間で取り組むとのことです。
午後は23年5月に運用を始めた県防災センターにお邪魔しました。地上7階、地下1階の鉄筋コンクリート造、事業費は97億円かかっています。16年4月の熊本地震発生時は庁舎の10階にあったうえ、手狭だったことから、この建物は2階にオペレーションルーム(写真19)や災害対策本部会議室を集めました。
大規模災害に備え、免震構造は当然として非常用発電設備、屋上ヘリポートなどもあります。また、壁や天井に木材を活用したり、自然換気、自然採光ができたりといった工夫がされています。
1階は地震や風水害、火山といった熊本の自然災害の特徴や、16年の熊本地震をはじめとする県内での自然災害の記録をまとめた展示・学習室があります(写真20)。VRで地震や風水害を体験できるようにもなっています。
最後は阿蘇くまもと空港(益城町)のターミナルビルを案内してもらいました。熊本地震からの復興を加速させることや、民間のノウハウを生かしたサービス向上を目指し、国内線・国際線一体型のターミナルビルとして23年3月から使われています。
国内線エリアは黒、国際線エリアは白で統一しており、私たちの立っている場所がちょうど境界となります(写真21)。空港施設は拡張工事が続いており、観光交流施設の建物や賑わい広場などが今秋の完成予定です。24年2月時点で国内7空港、海外3空港との間に定期旅客便が就航する空の玄関口がさらに賑やかになりそうです。
おまけの1枚、熊本県で忘れてならない「くまモン」、県防災センター庁舎の壁に隠れていました。(写真22)