大阪府議会議員 かじき一彦 公明党

SPring-8と兵庫県立粒子線医療センターを視察

12月17日(火) 晴れ

 公明党府議会議員団で兵庫県たつの市、上郡町、佐用町にまたがる播磨科学公園都市にある大型放射光施設「SPring-8」(佐用町)と兵庫県立粒子線医療センター(たつの市)を視察しました。(写真1)

 まずは独立行政法人理化学研究所と公益財団法人高輝度光科学研究センターが運営するSPring-8に。一周1400メートルのリングの中に強力な電磁石があり、電子が磁場を超高速で通過する際に発生する電磁波を使って物質を分析する装置です(写真2、3)。分子や原子のレベルで見ることができる性能は、頭髪に優しいヘアケア製品や、虫歯になりにくいガムなど身近なところにも役立っています。

 もう一つ、同じ敷地内にある「SACLA」というX線自由電子レーザー施設も見学しました。どちらも電子を超高速で磁場を通過するときに発生する電磁波を使いますが、SACLAは原子や分子の瞬間的な動き、化学変化などをとらえるのに向いています。(写真4)

 さらに「SPring-8」と組み合わせることで、1000兆分の1秒単位で原子レベルの動きを分析できるそうです。例えば、水と二酸化炭素と光からでんぷんと水と酸素を生み出す植物の光合成を人工的に起こすための研究に役立つとのことです。

 最先端の科学技術は確かに難しいのですが、応用で生み出される技術や製品は決して別世界のものではありません。日本の産業競争力を支えるうえで重要だということが理解できました。(写真5)

 午後は県立粒子線医療センターを訪れました。陽子線や炭素イオン線といった粒子線を使い、がん細胞だけを殺して治療するという施設です。ある有名な作家が陽子線を使い、手術を受けることなく前立腺がんを克服したことで、一気に注目を集めました。(写真6)

 1回あたりの治療時間が30分程度で、照射中も痛みを感じることはなく、日常生活を続けながらがん治療を受けられるのが特徴です。がんの種類で個人差はありますが、2週間から8週間で治療可能だそうです。(写真7)

 治療費が300万円近くかかるのが難点ですが、民間のがん保険の先進医療の対象になっているほか、兵庫県の貸付制度もあります。大阪も将来、粒子線による治療施設が府庁のすぐ近くにできる予定です。設備だけでなく、治療費にかかわる制度なども充実させたいですね。


写真1

写真2

写真3

写真4

写真5

写真6

写真7

府議会決算特別委員会で質疑

11月7、13、18、21、27日、12月3日

 前年度の大阪府一般・特別会計のすべての決算案を審議するのが府議会決算特別委員会です。1日につき2-4部局に対して質疑をします。

 新年度のお金の使い方を示す予算案の審議に比べると地味ですが、効果的で適切な使い方だったか、反省すべき点はないか、などを細かく点検していきます。

 ほぼ1か月にわたる審議期間で大阪府のすべての事業を点検する形ですので、準備が大変ですが、広く、深く府のことを知ることができました。

 審議の様子は大阪府議会のHPで動画が公開されています。アドレスはこちら