第5期
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2011年
第1期
9月27日(火) 晴れ
府立桜塚高校(豊中市)の定時制課程にお邪魔しました。この学校は市内に本拠を置く一般社団法人キャリアブリッジのスタッフが授業の始まる前や終了後、休憩時間に生徒たちと触れ合う「うーぱー」と呼ばれる居場所事業(写真1)をしています。
定時制課程に進学してくる1年生の中には小中学校時代に不登校を経験したり、別の高校に入学したもののうまくなじめなかったりした生徒がいます。親でも教師でもないキャリアブリッジの大人たちとの「ななめ」の人間関係を通し、生徒たちは悩みの相談や卒業後の進路支援などを受けていきます。
入学後最初の1年間はこのうーぱーにしか来られなかった生徒がスタッフとの触れ合いを通し自信を付け、きちんと進級していたり、卒業後も就労支援を受けたりと着実に成果を上げています。
年齢も家庭環境もそれぞれに違う生徒が集まる定時制課程でなければできない役割があります。かつてに比べると定時制課程のある高校が少なくなりましたが、これからもしっかりと注目していきます。
もう1枚はクリアファイルと学校案内(写真2)です。どちらもイラストは生徒が描いたものです。
9月21日(水) 曇り
賞味期限が近づいていたり、見た目が悪かったりするため廃棄される食品を企業などから受け取り、生活困窮者や福祉施設などに譲り渡す仲介役となる「フードバンク」。大阪で活動している認定NPO法人「ふーどばんくOSAKA」(堺市東区)にお伺いしました(写真1、2)。
国は平成22年度で年間約1700万トン廃棄される食品のうち、本来食べられる「食品ロス」が500万-900万トンあると推計しています。食品ロスを減らすことについて、国でも目標設定を検討しています。
メディアで取り上げられる機会も増え、認知度も上がってきたそうです。食品ロスを減らす仲介役としての役割に注目したいですね。
9月16日(金) 晴れ
府立枚方支援学校(枚方市)で開いた大阪府議会の出前授業に参加しました(写真1)。
今年7月の参議院議員選挙から投票権が18歳以上に引き下げられたことを受け、政治に参加することの意義を考えてほしい、との願いから府議会議員が高校生を対象に出前講座(授業)をしています。枚方支援学校は府内で2校目でした。
私は支援学校の建設や、学校備品の購入も税金の使い道として府議会が決めていることを通し、生徒たちの暮らしに深くかかわっていることをお話ししました(写真2)。
枚方市選挙管理委員会の協力で本物の投票記載台や投票箱を使い、生徒たちは「星空市」という市の市長選挙の模擬投票を体験しました(写真3)。最後は府議会議長の呼び掛けに全員が選挙は必ず投票に行く、と答えてくれました。有権者として貴重な一票をしっかり行使してほしいですね。
9月7日(水) 晴れ
会派の有志議員で府立刀根山支援学校(豊中市)を視察しました(写真1)。
同校は隣接の国立病院機構刀根山病院と協力し、筋ジストロフィーや筋疾患の子どもたちの健康状態に応じた教育をしているほか、府北部の4病院に入院する子どもたち向けの病院内分教室、教員が直接子どもたちのもとに出かける訪問教育部を運営しています。
中でも、筋ジストロフィーの子どもたち向けの教育には定評があり、他県からも問い合わせがくるそうです。培ってきた専門的な知識・経験をどう次の世代に引き継ぐのかが課題になってきます。
①病気のときでも教育はできます②病気の時だからこそ、行うべき教育活動があります③病気になったから受けられる教育があります、とのメッセージには重いものがあります。子どもたちの可能性を最大限に引き出せる支援教育の環境づくりを進めていきます。
写真は子どもに合わせて高さを変えられる机がある一般教室(写真2)やパソコン教室(写真3)です。
9月5、6日(月、火) くもり一時激しい雨
府議会教育常任委員会の視察で北海道を訪れました。1日目の午後は開校3年目の星槎もみじ中学校(札幌市厚別区、写真1)、不登校だった児童・生徒を対象に特別な教育課程を組み、生徒一人一人に合わせた学習環境を提供しています。北海道で初の認定を受けた中学校で、2時間かけて通う生徒もいるそうです。
例えば、苦手分野の学び直しをする「ベーシック」は漢字の書き取りや算数の基礎計算などでつまずきを丁寧に取り除き、学習への意欲を引き出そうとしています。この日は1年生の数学の授業を見学しました(写真2)。
また「SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)」は社会生活に必要な意思疎通の仕方を授業で学ぶもので、3年生の授業を見学しました(写真3)。
学校の狙いは生徒を「ポジティブなサイクル(好循環)」に乗せることです。習熟度別授業や体験学習、外国人教員との交流授業などを通し、それぞれの生徒が自信をつけています。
1972年、生徒2人の塾から始まった星槎グループは3つの約束①人を認める②人を排除しない③仲間を作る、を掲げています。次は40数年の間で大学院大学や大学を備えるグループに成長した秘訣をお聞きしたいですね。視察した議員と先方とで写真に納まりました(写真4)。
2日目の午前中はかつて「ヤンキー先生」で有名になった北星学園余市高校(余市町)を訪れました(写真5)。
1965年に開校した同校は88年度より全国から高校中退者や不登校経験者を受け入れ、現在の生徒数186人のうち北海道以外の出身者が6割を占めています。年齢層も多様で20歳を超えた生徒もおり、この4月には31歳の女性が入学しています。
2年前に生徒たちが制作した学校の様子を紹介したビデオを見せてもらいました。非行がもとで高校を中退したものの、教師を目指したいとの思いで入学した生徒、一度同校に入学したのに中退して再度入学しなおした生徒らが新たな進路を開くべく努力している様子をまとめたものです。
「高卒資格は社会への入場券のようなもの。どんな人に出会い、仕事に就くのか先を考えた仕組みをつくる」との校長の言葉に実感が込められています(写真6)。自らソーシャルネットワークを活用し、卒業生と交流を図っています。
職員室にもお邪魔しました(写真7)。生徒数の減少で閉校も検討された同校ですが、校長の「弱者を弱者のままにしない」との思いが学校存続の動機付けになっています。引き続き注目したいですね。
午後は北海道立教育研究所(江別市)にお邪魔しました(写真8)。
小中高それぞれに対応した「いじめ未然防止モデルプログラム」は年間の取り組みを一覧できる表のひな型があり、自校の状況を踏まえた計画づくりに役立っています(写真9)。また、学校ごとに研修をする際の説明原稿付きのスライド資料なども用意されています。
面積の大きい北海道ならではの取り組みとして、研究所を拠点に遠隔地の教員向けに専用ネット回線を使いリアルタイムで映像を流して実施している研修を模擬実験してもらいました(写真10)。情報通信技術(ICT)の活用例として興味深かったです。
1泊2日の駆け足でしたが、中身は大変に充実したものでした。大阪府でも生かせるよう知恵を絞っていきます。