大阪府議会議員 かじき一彦 公明党

四條畷高校を視察

5月28日(火) 雨

 会派の議員有志で府立四條畷高校(大阪府四條畷市)を視察しました。(写真1)

 同校の前身の旧制第9中学は1903年創立、昨年120周年を迎えた伝統校です。「質実典雅」「文武両道」をモットーとし、文部科学省の「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」、大阪府の「グローバルリーダーズハイスクール(GLHS)」に選ばれています。

 この日は1年生の英語の授業にお邪魔しました(写真2)。小中高校での一貫した英語教育のために開発した学習アプリ「BASEinOSAKA」を活用し、生徒の話す力を測定していました(写真3)。小中高一貫した英語教育は私がたびたび府議会で取り上げてきたテーマです。

 生徒は各人の専用パソコンとヘッドセットを使い、 画面に表示された英語の問題文や聞こえてくる音声に従い、英語で答えを吹き込んでいきます。1年のうちに同じテーマであと2回測定することで生徒の話す力がどれだけ伸びたかを調べるそうです。

 授業を見た後でこの学習アプリの使い方をお聞きしました。教員は生徒が話した肉声が聞けるだけでなく、文字起こしされた内容も確認できます。AIが生徒の発音や文法などを採点しており、教員は評価をつける参考に使えます。生徒も自分の音声や文字起こし、評価を確認できます。

 これまで教員は生徒を一人ずつ呼び出し、1対1で英語を話す力を測定していました。このやり方だと授業2回分を使うこともあったそうですが、BASEinOSAKAを使えば1回の授業の中で一斉に実施できます。

 また、この日は端末の調子が悪い生徒がおり、自宅で受けてくるよう教員が指示していました。専用パソコンがあれば時間や場所を問わないのも利点です。

 教員の働き方改革が求められている中、採点作業を大幅に減らせそうです。効果を大いに期待しています。

 おまけの1枚。校舎の一画にテーブルと椅子が用意されています(写真4)。クラブ活動やグループ学習で活用しているとのこと、こういう場所があるのはいいですね。


写真1

写真2

写真3

写真4

北陸新幹線建設促進大会に出席

5月22日(水) 晴れ

 東京に北陸新幹線沿線の府県が集まり、建設促進を求める大会を開きました。

 北陸新幹線は石川県の金沢駅から福井県の敦賀駅まで今年3月に延長開業したばかりです。杉本達治・福井県知事から開業効果が非常に大きい、との喜びの声もありました。

 敦賀から先の延伸について米原駅(滋賀県)で東海道新幹線と接続すればいい、との意見が出ています。関西広域連合長を務める三日月大造・滋賀県知事は明確に小浜ー京都ルートの支持を表明、ほかの出席者も賛意を示していました。

 新大阪駅を選挙区に抱える府議として、まちづくりに大きく影響する駅位置の確定など地元の声を届けていきます。

 写真は左から順に大橋章夫、内海久子、私、の公明府議です。


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府教育センターを視察

5月16日(木) くもり後晴れ

 会派の議員有志で大阪府教育センター(大阪市住吉区)を視察しました。

 私がたびたび議会質問で取り上げてきた外国ルーツの児童・生徒への日本語教育の一環として、一人一台端末を活用し、センターにいる教員が府内各地に点在する当該児童・生徒にオンラインで授業をしています。この日は2人の教員が小学生を相手に簡単な日本語の作文を教えていました。(写真1、2)

 私も同じようにヘッドホンをしてパソコン画面に映る授業を見せてもらいました。(写真3)

 センターの重要な役割として府が採用した教職員向けの研修があります。コロナ禍で1か所に集めての研修が難しかった時期、オンライン配信のための機材を配備していました。講師が身に着ける小型カメラ(写真4)や、パソコンで操作すれば360度見回すことのできる据え置き型カメラ兼集音マイクなどがありました。

 研修の仕方もコロナ禍を経て変わったそうです。事前の予習のように情報を一方的に流すものはオンラインで、小グループでの討議が必要なものはセンターに集まって、と整理したそうです。

 最上階には大型の天体望遠鏡が備え付けられています。太陽の黒点やフレアを見せてもらいました。(写真5)

 このほか、府内の学校で使われている教科書などを所蔵する図書室や、保護者らからの教育相談のための部屋(写真6)などがあります。大阪の教育の裏方として引き続き貢献してもらうことを願っております。


写真1

写真2

写真3

写真4

写真5

写真6

会派で秋田県を視察

5月13、14日(月、火) くもり後晴れ

 会派で秋田県を視察しました。

 初日は由利本荘市立矢島小中学校、秋田県立矢島高校を訪問しました。(写真1)

 少子化や過疎化の課題に対応すべく2004年12月「町(当時の矢島町)複合的教育ゾーン基本構想」で中学校の活性化が、05年7月には「第5次秋田県高等学校総合整備計画後期計画」で矢島高校の再編整備構想が持ち上がりました。

 由利本荘市は05年3月、1市7町が合併し誕生しました。矢島高校を残してほしいとの地元の願いも相まって09年、全国初の校舎一体型の中高連携校として生まれました。

 さらに今年4月、小学校もこの地へ移転してきたことで小中高校が同じ敷地内に集まりました。私たちが訪れた日、小学校は運動会の振替休日でした。子どもたちへのメッセージ、心温まりますね。(写真2)

 施設は3階建ての校舎に2階建ての体育館があります。校舎の1階は250メートルの廊下でつながっています。その長さに圧倒されました。(写真3)

 校舎を一体で整備したことで調理実習室などの特別教室を共用したり、中高間で実技系科目の教員を融通したりといった連携も進められています。一部のクラブ活動も合同で実施しています。

 中高一貫校ではないため、矢島中学の卒業生がまったく矢島高校に進学しなかった、という年もあったそうです。それでも高校の魅力づくりや、地域との連携作業などを通し、大多数の矢島中学生が矢島高校に進学するようになったそうです。

 2日目の午前中は秋田県立国際教養大学(秋田市)へ行きました。(写真4)

 米ミネソタ州立大学機構秋田校(03年閉校)の跡地を使い04年、全国初の公立大学法人設立の大学として開校しました。その名の通り「国際教養教育」を理念に掲げ、グローバル社会のリーダー育成を目指しています。

 大学の授業はすべて英語を使い、学生は1年間、海外大学への留学が義務付けられています。全学生の4分の1が外国人というのも特徴です。

 日本人学生が提携する海外大学へ留学する際の相手先大学への授業料負担がゼロでいい、というのはありがたい限りです。一方で、国際教養大が提携先の大学から留学生を受け入れる際も授業料を免除する形となっています。

 国際教養大の中嶋嶺雄初代理事長・学長の名前を冠した「中嶋記念図書館」は24時間365日開館が特徴です。「本のコロセウム」をテーマにした「本と人との出会いの場となる劇場空間」は学問と格闘する学生にうってつけの場でしょう。一般向けの貸し出しもしているとのこと、うらやましい限りです。

 施設は木材をふんだんに使い、落ち着いた空間を作り出していました。(写真6、7)

 午後はまず秋田県立美術館(秋田市)へ伺いました(写真8)。13年9月に移転新築された現在の建物は安藤忠雄氏の設計で地上3階、地下1階の鉄筋コンクリート造です。2階のラウンジは三角屋根の旧美術館と千秋公園が見えるよう窓の位置を決めたそうです。(写真9)

 同美術館で展示されている高さ約3メートル、横幅約20メートルある「秋田の行事」は藤田嗣治が描いた大作です。秋田の資産家、平野政吉が藤田のために美術館を建てる、との計画にこたえて藤田が1937年3月、15日間で描き上げたそうです。秋田の四季を1枚に収めた絵は一見の価値があります。

 さらに秋田港(秋田市)で洋上風力発電事業やクルーズ船誘致などについて伺いました。秋田県は風力発電に適した立地だそうで、秋田港内で現在、4200kW風車が13基動いています(写真10)。建設工事から運転保守、撤去までの長期間、地元に経済効果をもたらす、として力を入れています。説明をお聞きした秋田港の展望タワー「セリオン」で写真に納まりました。(写真11)

 クルーズ船の受け入れはコロナ禍で20、21年はゼロでしたが、23年は秋田港で23回、県内の2港と合計で28回寄港と、過去最高を記録しました。ターミナルビル内で説明を伺いました。(写真12)

 中心市街地に観光案内所を設けてクルーズ船客の受入態勢を強化したほか、竿灯やなまはげなどのイベントでのおもてなしなど、船客の満足度向上に取り組んでいます。

 おまけの2枚。矢島小中学校、矢島高校から見た「出羽富士」とも呼ばれる鳥海山です(写真13)。もう1枚は秋田から大阪へ帰る飛行機内で撮影しました(写真14)。


写真1

写真2

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写真4

写真5

写真6

写真7

写真8

写真9

写真10

写真11

写真12

写真13

写真14

おおさかグローバル塾入塾式に出席

5月12日(日) 晴れ

 将来、英語圏の大学に進学を希望する生徒向けに質の高い英語や、入学手続きなど必要な準備を教える「おおさかグローバル塾」の今年度の入塾式に出席しました。(写真)

 代表で決意を述べた生徒はまず海外留学で舞台芸術を学び、さらに広く文化・芸術分野の見識を広げ、大阪の国際化に貢献したい、とのことでした。50人の塾生の皆さんが今年1年間で目指す進路に向け力を蓄えていかれることを期待しております。


写真

府立長吉高校を視察

5月7日(火) くもり

 府立長吉高校(大阪市平野区)を視察しました。

 長吉高校も府立高校で8校ある「日本語指導が必要な帰国生徒・外国人生徒入学者選抜」実施校(枠校)の1校です。

 2001年度から受け入れを始め、この4月は中国やベトナム、フィリピンなどにルーツのある14人が枠校の制度で入学しました。さらに日本人生徒らと同じ入試で合格した10人が日本語指導の対象者として在籍しています。

 この日は1年生と2年生の授業にお邪魔しました。

 1年生は「系列体験日本語1」という科目で外国ルーツの生徒たちだけを対象にした日本語の時間です。1から10までの読み方と漢字の書き方を学んでいました。お聞きすると、学校から日本語理解が十分でない生徒への様々な連絡事項を説明する時間にも使っている、とのことです。確かに時折、英語も飛び交っていました。(写真1)

 2年生の「基礎数学演習」を担当していたのはベトナムにルーツのある長吉高校の卒業生の教員です。また「朝鮮文化理解」は民族楽器の太鼓「チャンゴ」の練習をしていました(写真2)。

 長吉高校の学校経営計画の目標の一つに「人権・多様性を尊重する教育の推進」があります。「生徒・教職員が多文化共生を体感する機会の創出」という点で、授業の一環で民族楽器を体験できることに感心しました。

 枠校として20年以上の経験を蓄積しているのは強みでしょう。一方で、教員の後継者の育成を訴えておられました。人が入れ替わっても枠校での質の高い教育を続けるには何が必要なのか、解決策を探っていかないといけないですね、

 おまけの2枚。2014年の「文化フェスティバル」での生徒たちの作品です。つまようじ1本1本に色を付け、台に刺すことで文字や国旗などを描いています(写真3)。もう1枚は外国ルーツの生徒たちの部活動、多文化研究会の部屋です。被り物や過去の活動を記録した写真などがありました(写真4)。


写真1

写真2

写真3

写真4

府立東淀川高校を視察

5月1日(水) 雨

 私の地元にある府立東淀川高校(大阪市淀川区)にお邪魔しました。

 東淀川高校は府立高校で8校ある「日本語指導が必要な帰国生徒・外国人生徒入学者選抜」実施校(枠校)の1校です。2017年度から受け入れを始め、この4月も中国やベトナム、ネパールなどにルーツのある16人が入学しました。

 この入試で合格した生徒を東淀川高校は「くろーばぁ生」の愛称で呼んでいます。四つ葉のクローバーに合わせ「知」「絆」「技」「夢」の4つのゴールを掲げます。それぞれ①日本語学習・教科学習②人間関係(他の生徒との交流・共同作業)③ルーツを学び、第一言語を強みに(母語の力・母語の文化の発信)④夢に向かって羽ばたくための3年間、という意味があります。

 この日は各学年のくろーばぁ生たちの授業の様子も見ることができました。1年生は英語での観光案内です。スライドを使い、自分の国の有名な観光地や名物の料理などを紹介していました。(写真1)

 2年生は物理の授業でした。教員の用意したプリントは漢字にふりがながつけてあったり、時折英語を使っての説明もあったりと生徒の理解を手助けする工夫がされていました。(写真2)

 3年生も英語でした。こちらは日本人生徒と一緒にグループワークをしていました。メジャーリーガーの大谷翔平選手を題材にした英文でしたので、生徒たちにもなじみやすかったのではないでしょうか。(写真3)

 私はこれまで何度となく府議会で日本語指導が必要な児童・生徒への施策について取り上げてきました。年を追うごとに人数も母語数も右肩上がりとなっています。府内8校の枠校の校長が集まり、課題への対応を協議するなどのこともされているそうです。

 東淀川高校を取り上げた教育専門誌に同校の教員が寄せた言葉を紹介します。「外国にルーツを持つ生徒と日本にルーツを持つ生徒がともに過ごす3年間は、双方に大きな意味があります。日本が目指す未来の社会のあり方を考えると、そうした教育の場が全国にもっと広がっていってほしいと思います」。(ビューネクスト高校版、2023年12月号)

 おまけの2枚。廊下に生徒たちの美術作品(写真4)や研究発表(写真5)などが展示されていました。元気な生徒たちの学校生活が垣間見えました。


写真1

写真2

写真3

写真4

写真5